Interview

相葉裕樹&東 啓介が恋に落ちる青年をコミカルに演じる。ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』で見せたい役者としての成長

相葉裕樹&東 啓介が恋に落ちる青年をコミカルに演じる。ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』で見せたい役者としての成長

『エリザベート』、『モーツァルト!』、『マリー・アントワネット』といった名だたるミュージカルでも脚本・歌詞を手がけたミヒャエル・クンツェと、映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のテーマ曲を作曲したジム・スタインマンが音楽を担当する、ヴァンパイア・ミュージカルの傑作『ダンス オブ ヴァンパイア』。
2006年に日本初演を迎え、5演目となる本作が11月5日(火)から帝国劇場にて上演される。出演者は、日本初演よりクロロック伯爵を務めている山口祐一郎が5度目の主役に挑戦。ヒロインのサラ 役には、前回の2015年公演から同役として参加する神田沙也加と、初参戦の桜井玲香のダブルキャスト。そして気弱だが恋愛には一途のアルフレート 役を、相葉裕樹と東 啓介がダブルキャストで務める。また、クロロック伯爵と対決するアブロンシウス教授には、2009年公演より同役を務める石川 禅、ヴァンパイア・ダンサーに森山開次と佐藤洋介のダブルキャストと豪華な役者陣が揃う。
そんな歴史ある舞台に初登場となる相葉裕樹と東 啓介に話を聞いた。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 増田慶


歌や物語に思わず引き込まれてしまう楽しいミュージカル

日本で2006年に初演を迎えたミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』は、5度目の上演となる大ヒット作になりました。

相葉裕樹 戯曲の素晴らしさもさることながら、ヴァンパイア・ダンサーズのダンスのエンターテインメント性の高さも含め、見どころ満載ですし、ストーリーはカジュアルなので、演劇やミュージカルをご覧になったことのない方でも楽しめる要素がギュッと詰まった作品だと思います。

東 啓介 歴史ある帝国劇場で上演されますが、身構えることなく楽しめる作品だと思います。何度も再演されているのは、たとえ内容を知らなくても、歌や物語に思わず引き込まれてしまう楽しいミュージカルだからだと思います。

ダンス オブ ヴァンパイア エンタメステーションインタビュー 相葉裕樹

相葉裕樹

作品の印象はいかがですか。

相葉 かなりコメディの要素が強いミュージカルですね。僕ととんちゃん(東 啓介)が演じるアルフレートと、師匠であるアブロンシウス教授(石川 禅)の掛け合いは思わず笑ってしまいます。これから稽古に入るのですが、僕なりに挑戦しながらカンパニーのみんなとキャラクターをつくっていきたいと思います。

 まず、舞台装置が見事だし衣裳も豪華で、ヴァンパイアのクロロック伯爵 役の山口祐一郎さんの初登場シーンからカッコよくて。視覚にダイレクトに訴えてくるインパクトがあります。

ダンス オブ ヴァンパイア エンタメステーションインタビュー 東 啓介

東 啓介

アルフレートはピュアなハートを持つ青年

おふたりが演じるアルフレートはどんな役だと思いますか。

相葉 ヴァンパイアを研究しているアブロンシウス教授の若い助手で、そんな彼がサラ(神田沙也加、桜井玲香)という娘に一目で恋に落ちます。大人になるとなかなか一目惚れができないのに、思わず一目惚れをしてしまうぐらいピュアなハートを持つ青年で、ウブで青くて、おっちょこちょいな人物ではあるのですが、優秀な教授のもとで働いているということは、みんなから愛される人間性も持ち合わせたキャラクターだと思います。今作では、彼の成長していく過程を見せていくので、僕自身もどんな役になっていくのか楽しみです。

 僕も“以下同文”と言いたいのですが(笑)、とにかく可愛らしくて、みんなに愛されるキャラクターだと思います。本番では嘘のない純粋さを出しながら、上演時間の中でアルフレートが成長していく姿をお客様にご覧いただきたいです。

ダンス オブ ヴァンパイア エンタメステーションインタビュー

女の子に恋をするコミカルな役とのことですが、どのように演じていきたいですか。

相葉 キャラクターを誇張しながらも無理のないように演じていきたいと思います。自然と感情移入できる登場人物ばかりですが、どのキャラクターもアクが強いので、どちらかと言えば、まともで気弱なアルフレートが彼らの中で頑張って生きてしまうと、ヘタをしたら嘘っぽいお芝居になって、お客様にイラっとされてしまうポジションになりそうだよね?

 そうですね。

相葉 間違ったベクトルで演じてしまうと舞台にそぐわないお芝居になるので、アルフレートの可愛いらしさがギリギリ滲み出るラインを演じたいです。自由度の高い役で、(石川)禅さんとのアドリブで生まれる余韻も楽しめると思います。とんちゃんと役のつくり方は違いますが、ダブルキャストなので一緒に考えながら役をうまくつくっていきたいです。

 ダブルキャストはそこが楽しみですよね。相葉さんがおっしゃったように、個性の強いキャラクターが多いので、彼らの性格や行動に僕らが流されすぎないようにしたいと思っています。そうしないと、アルフレートのキャラクターがブレてお客様に伝わらなくなってしまうので気をつけたいです。僕らはとにかく恋をしている役なので、サラ 役の神田沙也加さんと桜井玲香さんのふたりを稽古場でずっと拝見しながら恋する気持ちを温めようかな(笑)。

ダンス オブ ヴァンパイア エンタメステーションインタビュー 相葉裕樹

アルフレートに限らず純粋に恋をするお芝居で心がけていることはありますか。

 相手役の方とコミュニケーションをしっかりとって、お互いツッコミができるぐらいの仲になることを心がけています。相葉さんはこだわりがありますか?

相葉 やはり相手役の役者に興味を持つことだと思います。コミュニケーションを綿密にとることも大切ですし、相手の好きな部分を膨らませて役づくりに活かすことが重要です。場合によっては自分の経験を引っ張り出すこともありますが、役者それぞれ演じ方があると思いますよ。

 まず、相手の方に嫌われないようにすることですね(笑)。

相葉 あはは。そうだね。

どの組み合わせを観ても興味を持ってもらえるお芝居を

先ほどダブルキャストでの役づくりについてお話が出ましたが、ダブルキャストの面白さはありますか。

相葉 同一人物を演じたとしても、役者が違うと、体格も見た目もキャラクターのつくり方も自然と異なりますよね。アルフレートは役者によって見え方がガラッと変わる、演者の個性が出やすいキャラクターなので、それぞれ自分の役づくりに合わせてつくり込んでいけば面白い人物になると思います。だから、どちらのキャストをご覧になっても、どの組み合わせを観ても興味を持ってもらえるお芝居を心がけたいです。それから、お互いのお芝居を観ることができるのも良い点で、参考にできるところは盗めるし、ダブルキャストにはたくさんの魅力があります。

 お互い高め合っていけば作品をより良くできますよね。

相葉 そうだね。とんちゃんが、気さくで人懐っこいキャラクターなので、ありがたいですね。年齢の差をあまり感じないし、24歳なのにしっかりしているから感心します。

 ありがとうございます! まさか憧れの相葉さんとダブルキャストで同じ舞台に立たせていただけるとは思っていなかったので感激しています。稽古をすることも、本番を一緒に戦っていくのも楽しみですし、僕の役者人生にとって財産になると思います。

ダンス オブ ヴァンパイア エンタメステーションインタビュー 東 啓介

脚本・歌詞のミヒャエル・クンツェさんと音楽のジム・スタインマンさんのタッグも今のミュージカル界になくてはならない存在だと思います。

 シンプルで回りくどくないストレートなストーリーをつくられますし、歌も身体に自然と入ってくる印象があります。

相葉 ストーリーも歌詞も翻訳されているものではありますが、有名な「ガーリック、ガーリック」と歌う曲も、サラのお風呂のシーンでの歌も難解ではないよね?

 ええ。しかもメロディーが頭の中にいつまでも残ります。

相葉 それがすごいところだと思う。どのナンバーも物語に必要で、しっかりストーリーを運んでいく。シンプルでおしゃれでありながら耳に残るし、ついつい口ずさみたくなる癖もある。カーテンコールの最後の曲はみんなで盛り上がることができるので、心の底から楽しめるミュージカルナンバーがたくさんあると思います。

ダンス オブ ヴァンパイア エンタメステーションインタビュー

そんなミュージカルの演出を手がけるのは5演とも山田和也さんになります。

 まだ演出を受けていないのですが、本作を手がけるのは5度目とのことですので、山田さんがご覧になったことのない、僕なりの解釈の新しいアルフレートをお見せしたいです。

相葉 (山田)和也さんとは今作で2回目のタッグで、ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』(2015)のときは、ひたすら優しく接してくれて、なごやかな稽古場でした。役者に演技プランを委ねてくれる演出家なので、僕たちを信頼してくださっているからこそ、こちらから積極的にアプローチをして、和也さんが想像している以上のものを提示できるようにどんどん挑戦していきたいです。

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