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狩猟のたびに楽しさを発見『モンスターハンターワールド:アイスボーン』の広がった魅力

狩猟のたびに楽しさを発見『モンスターハンターワールド:アイスボーン』の広がった魅力

全世界で出荷数が1,300万本を突破した大人気ハンティングアクションゲーム『モンスターハンター:ワールド』(以下、『MH:W』)。その超大型拡張コンテンツ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(以下、『MHW:I』)が、2019年9月6日にPlayStation®4で世界同日発売された。本稿は全2回に分けて、本作で追加された新要素の魅力を“ハンターの交流の目線”から紐解いていく。まずは最新のプロモーション映像をご覧いただこう。

文 / wodnet


新たな舞台は極寒の地

過去記事のとおり、『MH:W』では古代樹の森、大蟻塚の荒地、陸珊瑚の台地、瘴気の谷、龍結晶の地と、おもに5つのフィールドを駆け回り、ハンターのチカラを存分に引き出しながらハンティングアクションを楽しんできた。今回の『MHW:I』で新たに発見された場所は“渡りの凍て地”。そこは、いまにも凍えつきそうな極寒の銀世界で、『MH:W』から存在するいずれのフィールドよりもひと回り広く、かつ奥深くて多彩な表情を見せてくれる。強靭な肉体と精神を持つ調査団の第5期団ハンターとして、プレイヤーは本作でも未開の地に足を踏み入れていくこととなる。あらためてハンターと彼らを取り巻く調査団の面々のバイタリティや探究心に尊敬の念を抱く瞬間だ。

モンスターハンターワールド:アイスボーン エンタメステーションゲームレビュー

▲拡がる雪景色と鋭くそびえる氷山の岩肌、雲間からやっと陽の光が届く渡りの凍て地をハンターは一歩ずつ進んでいく。最初にこの地を訪れたときは、冷厳かつ荘厳な景色に見惚れて歩みを止めてしまった

そんな極寒の地に棲息する生き物は少ないはず……と思いきや、じつに多くの動物や植物が存在する。渡りの凍て地を探索してほどなく気づくハンターも多いだろうが、この地には温泉があり、過酷な寒さのなかにあって豊かな生態系が育まれている。「こんなところに横穴があるぞ」、「温泉の周りに特殊な草が生えてるの知ってた?」、「こんなところにペンギンがいる!」などと、新たなエリアや環境生物の発見にワクワクしながら歩みを進め、それを友だちと教え合うのも序盤の楽しみかたのひとつだ。

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▲ホットドリンクを飲んだりしなければスタミナの上限が急激に下がってしまう渡りの凍て地。温泉に一定時間浸かるとホットドリンク同様の効果が得られ、さらに体力回復速度も上昇する。ただし、アイテム使用時の効果ほど長続きしない

ほかにも特有の景色やスポットは数多くあり、寒冷地ならではの環境生物も存在するため、採取や狩猟以外の目的で訪れても新たな発見が待っている。本作から環境生物にもサイズが表示されるようになったので、最大・最小金冠を捕まえて自慢し合うハンターも、おそらくいることだろう。
渡りの凍て地に入って筆者がまず驚いたのは、ハンターやオトモアイルーはもちろん、ここに棲む生き物たちが地上に積もった雪の上に足跡を残していくことだった。導蟲(シルベムシ)を活用して採取ポイントやモンスターの痕跡を追う遊びが特徴的な本作だが、雪の上に自然と残った足跡もある種の痕跡のように機能して、狩猟を進める情報源にもなりそうだ……なんて知的なハンターらしいことを言っておいてアレだが、真っ更な雪の上を最初に踏み荒らしたくなる衝動に駆られ、友だちとプレイしながら我先にと突っ走ってしまったことをここで白状しておこう。

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▲雪のキャンパスに一筆書きで何かを描いてほかのハンターに見せることもできそうだ。ハートマークに挑戦してみたが、これがなかなかむずかしかった(笑)

超絶便利になった新調査拠点

調査団が渡りの凍て地を探索するために作った新たな前線調査拠点、それがセリエナだ。全域マップを見れば一目瞭然だが、文字どおり海を渡った場所にあるため、ハンターは『MH:W』の調査拠点・アステラと行き来しながら物語を進めていくことになる。これまでの『モンスターハンター』(以下、『モンハン』)シリーズにも拠点となる村や街があってそれぞれが特徴的だが、本作のセリエナもじつに個性的に仕上がっていると感じる。

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▲全域マップを眺めると位置関係がはっきりわかる。これは『モンハン』シリーズが描く壮大な世界のごく一部で、その拡がりに思いを馳せるのもまた楽しい

調査団の主要メンバー(NPC)はアステラとセリエナに分散しているものの、どちらの拠点にも同様の施設が存在する。セリエナにはさらに“獣人族観察記録所”と“蒸気機関管理所”という『MHW:I』で初登場した施設があり、個性を際立たせている。前者は、各地のフィールドに棲む獣人の姿を撮影して報告すると達成度によって報酬がもらえる。後者は、クエスト達成などで自然と入手できる龍脈炭や鉱石をもとに拠点の動力源となる蒸気機関を動かすミニゲームが楽しめる施設で、こちらも蒸気力の発生度合いによってさまざまなアイテムが手に入る。

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▲『MHW:I』で追加された“観察キット”を使うと、ハンターがカメラを構えたアングルで写真撮影ができる。獣人族観察記録所の学者は、レベルの高い記録(写真)を求めているので、天候や条件をあらかじめ確認してから撮影に向かうといい

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▲蒸気機関管理所は□、△、○ボタンを好きな順に1回ずつ押すだけの簡単なミニゲーム。押したボタンの順番が正解ならステキなアイテムがもらえるので、燃料が溜まったら狩りの合間の気分転換に訪れてみてはどうだろうか

これらの新施設に生態研究所、マカ錬金を加えた4つの施設は、セリエナの中央エリアにしか存在しないが、そのほかの施設は“集会エリア”にほぼ密集していてこれがすこぶる便利! クエストから集会エリアに戻ったら“時計回り”に円を描くように動けば、つぎの狩りの準備が整う造りになっていると筆者は感じる。オトモ探検隊が帰還していたらまずマイハウスに立ち寄り、続いて調査資源管理所でバウンティの報告や調査クエストのチェック、加工屋で装備の生産と強化を確認して、クエストカウンターでつぎの狩猟を決める。出発まえに中央の食事場で料理を食べれば準備完了だ。

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▲ちなみに集会エリアの時計回りとは、写真のような動きのこと(※矢印は編集部で書き込んでいます)。共有窓口では栽培中のアイテム収穫と交易船からの仕入れも可能。なお、アイテムBOXとオトモ管理はクエストカウンターを挟むように上下に2箇所もあって、本当に行き届いた親切設計だ!

『MH:W』ではアステラの流通エリアに多くの施設が揃っていたが、そこは集会エリアではなかったため、誰かといっしょに遊んでいてもハンターはひとりで行動しているように見えるシーンが多かった。一方、本作のセリエナの集会エリアは施設が充実しているため、準備中にほかのハンターが脇を駆け抜けていったり、誰かを待つあいだに温泉やサウナで一息つくこともできたりと、“集会”の文字どおり、以前よりも仲間と集まっている時間が長くなったように思う。それが楽しいだけではなく、いま仲間が何をしているかも一目瞭然なので、声をかけて準備を急がせるようなことも少ないし、何よりハンターそれぞれの集会エリアの動きかた(クセ)や装備も見られて、それを真似したりもできる。筆者の時計回り、ひょっとすると誰かが参考にしているかもしれない、なんて思うとちょっとうれしい。

新旧大型モンスターによる夢の共演の嵐

『モンハン』といえば、なんといっても大型モンスターの存在感だ。ハンターたちの話題はもっぱら、どんなモンスターとどんな狩猟を繰り広げたかになるだろう。渡りの凍て地は、これまでのシリーズにあった雪山、凍土、氷海に続く新たな寒冷地で、この地に由来する新たな大型モンスターに出遭うことが、当然ながら楽しみのひとつとなる。

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▲バフバロは立派な角で巨木を武器にして向かってくるモンスターだが、ふだんは大人しい性格でハンターが近くを通っても平然としている。どうやら温泉が好きなようで、たまに温泉の湯を飲んだりもしている

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▲メインモンスターであるイヴェルカーナは、氷を自在に操る古龍。ハンターや周囲をこれでもかと凍てつかせてくる。そんなイヴェルカーナの作った氷を足場に使うといった立ち回りもできて、遊びごたえのあるモンスターだ

ほかにもブラントドスという雪のなかを泳ぐ魚竜種や、『MH:W』に存在したモンスターの亜種など多種多様なモンスターが追加となっていて、「つぎは何が出てくるの!?」というドキドキ感をプレイ開始からずっと味わっている。そして、『モンハン』を長く楽しんできたハンターにとってご褒美とも言えるシリーズ過去作からの“復活モンスター”の登場も、そのドキドキにさらに拍車をかけてくれる。

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▲ベリオロスは、『モンスターハンター3(トライ)』に初登場した飛竜種。前脚の棘が発達しているので、氷上でも滑らない動きが可能。アクロバティックな動きで襲いかかってくる。初遭遇時にマスターランクの洗礼を浴びたハンターも多いのでは?

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▲ナルガクルガは、『モンスターハンターポータブル 2nd G』(以下、『MHP 2nd G』)で初登場した飛竜種。圧倒的な俊敏性で縦横無尽に飛び回ってハンターを翻弄する。本作でもその姿は健在だ。専用のBGMも高揚を覚えずにはいられない

ほかにもティガレックスやブラキディオス、ディノバルドといったシリーズを代表するメインモンスターが集結していて、「ひさしぶり!」、「待ってました!」と往年の『モンハン』ファンが歓喜する様子が目に浮かぶ。もちろん本作で初めて『モンハン』に触れるというプレイヤーにとっても、「ここまで狩り心地がちがうのか!」というくらい多彩なモンスターのラインアップで、むしろ本作バージョンで初めて彼らと対峙すること自体をうらやましく思う瞬間もあるくらいだ。そんな大型モンスターたちだが、牙を剥く相手はいつもハンターだけとは限らない。

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▲オドガロンとティガレックスが瘴気の谷で出遭った。『MH:W』から続く大型モンスター同士の“縄張り争い”が多数勃発するのも見どころのひとつ。まさに新旧モンスター夢の共演、その瞬間だ。筆者は縄張り争いが起こると、つい手を休めて見届けてしまう

あのモンスターとこのモンスターは縄張り争いをするのだろうか。どんな風に争ってどっちが勝つのだろうか。そもそもどれほどの数の縄張り争いの組み合わせを見られるのだろうか。こうした大型モンスターたちの関係性にまで思いを巡らせる楽しさは、圧倒的な表現力で描かれる大自然の驚異を味わえる本作の醍醐味だ。

かつて『MHP 2nd G』がPlayStation®Portable(PSP)を持ち寄って顔をつき合わせて遊ぶリアル集会所の社会現象を起こしていたころ、いまでもずっと遊んでいる友だちがナルガクルガを1000匹狩ったと報告してきたのをふと思い出した。その狩猟数に圧倒されたのはもちろんだが、それだけ狩っても飽きなかったらしく、ナルガクルガへの愛情をひしひしと感じた。そんな彼は『MHW:I』でナルガクルガと再会を遂げて、いまどんな思いでいるのだろうか。かくいう筆者も、『MHP 2nd G』の闘技訓練でティガレックスを弓でひたすら速く討伐する遊びを楽しんでいた時期があったが、あのころの筆者は想像すらしていなかった。約11年後の自分が、ランスを担いでティガレックスに挑んでいるなんて。

これまでの『モンハン』歴を話の種に盛り上がりながら、最新作のモンスターを仲間といっしょに狩ったりもできる『MHW:I』。『モンハン』という共通言語を介してプレイヤー同士が交流していく楽しさは、歴史を積み上げてきた『モンハン』シリーズとそれを追いかけてきたプレイヤーの成せる楽しみかただし、そこに新規のプレイヤーも加わることで『モンハン』の新鮮な味わいかたに気づけたりもする。こうしてモンスターだけでなく“ハンター”の側にも歴史が紡がれていくのが、止め時を失う『モンハン』の魅力でもあるのだ。次回、そんなハンターの新アクションにもスポットを当てて、本作の楽しさをさらに抽出していく。

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モンスターハンターワールド:アイスボーン

■タイトル:モンスターハンターワールド:アイスボーン
■メーカー:カプコン
■対応ハード:PlayStation®4 ※Steam®版は2020年1月発売予定
■ジャンル:ハンティングアクション
■対象年齢:15歳以上
■発売日:発売中(2019年9月6日)
■価格:オフィシャルサイトをご覧ください


『モンスターハンターワールド:アイスボーン』オフィシャルサイト

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