デスノート-LNW- 特集  vol. 2

Interview

佐藤信介監督が提示した新しい「デスノート」を取り巻く世界

佐藤信介監督が提示した新しい「デスノート」を取り巻く世界

前作から10年――『デスノート Light up the NEW world』がいよいよ10月29日から公開となる。特集の第2弾として、「GANTZ」、「図書館戦争」「アイアムアヒーロー」など数々のヒット作を連発し、日本のエンターテインメントを牽引している佐藤信介監督に取材を行った。今作は、原作にはない10年後を舞台に、「デスノート」を巡って展開されるストーリーに圧倒される。心理戦、駆け引きが物語の軸にはなっているが、その心理戦の中に置かれた3人3様それぞれの立場での“正義”を緻密に描いている。前作から引き続き登場する弥 海砂や死神の10年後はどうなっているのかと気になるところもある。監督が目指した『デスノート Light up the NEW world』はどのようなところにあったのかを踏まえて映画に臨んでほしい。

取材・文/大谷 弦 撮影/森崎純子


b3a3322m_s

「デスノート」がこうした形で映画として復活するとは思ってませんでした。

個人的に「デスノート」は大好きな作品で、「GANTZ」を撮っている頃からプロデューサーの佐藤貴博さんに、撮影時の裏話を聞いたりしてたんですよ。その時は自分が続編を作るとかまったく考えてなかったので、そのアイディアを聞いた時は、驚きました。

佐藤監督が手がけるようになったキッカケは?

佐藤貴博さんをはじめ、スタッフの方々がまったく新しいものを作っていこうという意気込みが素晴らしいなって思ったし、個人的にももし続編ができたとしたら、楽しみに観に行くだろうと思ったので、トライとしてやってみたい思いました。

©大場つぐみ・小畑健/集英社 ©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

©大場つぐみ・小畑健/集英社
©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

前作から10年後という物語はどのように作りあげていったのでしょうか?

まったく白紙の状態から、ストーリーは少しずつ固めて行きました。主役の3人のキャラクターもイチから作っていきました。新しい世代で形作られる「デスノート」が作りたかったので、役者さんも新しい世代の方々にお願いできないかっていうことは貴博さんとも話していました。

主演の3人のキャスティングは?

池松さんは僕が昔撮った『砂時計』という作品でご一緒したことはあったんですけど、東出さんも菅田さんも初めて組ませていただきました。撮影前からお会いしたり、読み合わせしたりで、どういう人かなっていうのを探ってたんですけど、やっぱりクランクインしてからより深くそれぞれの人柄に触れていって。それで気づいたことを役に取り込もうと思って、台詞を変えたり、現場でキャラクターに肉付けしていった部分はありましたね。

©大場つぐみ・小畑健/集英社 ©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

©大場つぐみ・小畑健/集英社
©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

三島、竜崎、紫苑は見事なバランスでした。

今回は「三つ巴」がテーマのひとつだったんですよ。前作は天才VS天才という二項対立だったと思うんですよ。今回はそれぞれが天才だけど、3者が渦巻いてて、それぞれを知的な複雑さを持ってるんですよね。
池松さんの竜崎は悪なのか正義なのかわからないし、菅田くんの紫苑は、悪なんだろうけど、純粋に見えるし、泥臭い欲望にかられてるだけにも見える。軽いような重いような、抽象的で現代的な悪を体現してますよね。東出さんの三島は、しっかりと観客が頼っていける主人公というか、安心感が大事だなって思いましたね。

今作では新たな死神も登場します。

ミュージカル版の「デスノート」を見させていただいたとき、改めて、この物語はすごく寓話的な話だなって思ったんですよ。死神が退屈のあまり人間にデスノートを渡して翻弄するというのは、シェークスピアみたいだなって。「デスノート」はすごく現代的な話ではあるんですけど、根幹に流れているのは善悪の話で、死神も舌を巻くような人間のサガにも迫っているというか。10年前よりもさらに複雑で高密度化した現代が舞台なので、違うタイプの死神を出せば新たな寓話が語れそうな気がしたんですね。

b3a3299m_s

そういった意味でも10年前の前作は意識されましたか?

金子監督の「デスノート」は金字塔だし、傑作だと思うんですけど、そのモノマネになってはいけないと思ってました。あの作品とはまったく別のスタイルで描きたかったので、リュークのデザインやデスノート自体まで、前回出てきたものでも、あえてデザインから作り直してます。
死神も、最初からフルCGでとは考えてなくて、実際にモデルを作るのか、人に演じてもらうのかまで模索しながら作り上げていきました。結果的に、息遣いまで感じられるようなスーパーリアリズムな死神になったし、まるで人間に対して演出してるような細かい表現までこだわりました。

©大場つぐみ・小畑健/集英社 ©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

©大場つぐみ・小畑健/集英社
©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

アクションもパワーアップしてますね。

「デスノート」って、実際は密室の会話劇が多いんですけど、アクションっぽさも感じさせるんですね。そんなイメージもあったので今回はアクションに対してもアクセル踏みこもうってことで、冒頭の街を閉鎖して撮った大混乱のシーンなどいろいろ盛り込んでみました。

冒頭やクライマックスで展開する、デスノートを駆使したアクションが斬新でした。

デスノートを使ってたくさんの人が死んでいくんですけど、銃で撃つわけでもなく、ノートに名前を書くっていう地味な攻撃方法なんですよね(笑)。でもそこがデスノートの面白いところなんで、紙とペンで書くってことにフェティッシュなぐらいこだわりました。やたらと書くシーンばかり撮ってたなっていう印象ですね。

b3a3311m_s

「デスノート」という作品のバトンを受け取ったということでのプレッシャーはありましたか?

「GANTZ」の時も2部作で、パート2はオリジナル要素で完結させているので、原作にない部分に踏み込んでるんですよ。「デスノート」も少し似ていて、これだけ知られているタイトルでも、僕たちが作った物語については、観客の誰もが知らない。それに、これだけスケールがあってファンタジックな作品は日本映画では珍しいので、楽しんで作りましたし、原作を知ってる人ほど予想のできない作品になってると思います。

©大場つぐみ・小畑健/集英社 ©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

©大場つぐみ・小畑健/集英社
©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

デスノート Light up the NEW world

10月29日(土)より丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国拡大ロードショー

DN_main_B1poster_0704_2

東出昌大 池松壮亮 菅田将暉
藤井美菜 川栄李奈 青山草太 竹井亮介 大迫一平 金田明夫
中村獅童 戸田恵梨香 船越英一郎

原作:大場つぐみ・小畑健(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:佐藤信介
脚本:真野勝成
主題歌「Dear Dairy」&劇中歌「Fighter」:安室奈美恵
企画・プロデュース:佐藤貴博
配給:ワーナー・ブラザース映画

公式サイト:www.deathnote2016.com

©大場つぐみ・小畑健/集英社
©2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS

DEATH NOTE カラー版 1

dathnote_book

DEATH NOTE カラー版 1
大場つぐみ (原作), 小畑健 (漫画)
集英社
週刊少年ジャンプ / ジャンプコミックスDIGITAL
カラー版 全12巻




vol.1
vol.2