SPITZ ニューアルバム『見っけ』発売記念特集「私とスピッツ」  vol. 1

Interview

上白石萌歌が語るスピッツの魅力。「人生の目標は、スピッツが主題歌の作品に出ること」

上白石萌歌が語るスピッツの魅力。「人生の目標は、スピッツが主題歌の作品に出ること」

2019年上半期のNHK連続テレビ小説『なつぞら』の主題歌「優しいあの子」を含むニューアルバム『見っけ』を、10月9日にリリースするスピッツ。約3年ぶり、16枚目、「いつも変わらないスピッツ」と「いつも新しいスピッツ」の両方を兼ね備えたこのすばらしい作品を機に、スピッツ・フリークの表現者たちに「私とスピッツ」について語っていただく特集を、エンタメステーションでスタートします。全部で4人の方々に、お話をうかがっていきます。
一人目は上白石萌歌。女優としての活躍は言うに及ばず、9月6日に「adieu」名義で音楽活動を本格的にスタートすることを発表し、新曲「強がり」をリリースしたばかり。「いちばん会いたくない人というか、いちばん会ってはいけない気がする方」と言うほど彼女が傾倒する草野マサムネの魅力、スピッツの音楽の魔力について訊きました。

取材・文 / 兵庫慎司 撮影 / 荻原大志


寝起きは必ず「運命の人」を聴くんですよ

スピッツとの出会いについて教えてください。最初に知ったのはいつ頃か、どの曲だったか、など。

きっかけは、もう憶えてないぐらい、ずっと小さい頃から、クルマの中でとか、生活の中で流れてることが多かったので。でもいちばん大きかったのが、「午後の紅茶」というCMで、「楓」を歌わせていただいて(※2017年冬)。そこからさらに本格的に興味を持ち始め、まわりにもスピッツファンの友達がどんどん増えて、みたいな感じで、好きになっていきましたね。
今、スピッツの曲って合唱曲になっていて、「チェリー」とかも、学校で歌われたりとかして。ああ、もうそういう時代になってるんだ、と思って。それはすごくうれしかったですね。

上白石萌歌 エンタメステーションインタビュー

そこからどんなふうにスピッツにハマっていったんでしょうか。

私の同世代だと、もちろんみんなスピッツを知っているけど、ドンピシャの世代ではないわけで。だから、まわりに話が合う人が少ないんですけど、大人のお友達から知識を得て、「やっぱり歌詞の深みが違うな」って思ったりとか。すごく歴史が長いので、一番目のアルバムからずっと聴いて、その変わりざまとか、逆に変わってない部分とか、そういうものを感じ取ったりとかして。アルバムによって色が違うところとかも、楽しいなって思います。

いちばん好きなアルバムってどれですか?

セカンド・アルバムがいちばん好きです。『名前をつけてやる』。あれが好きすぎて、お誕生日に、友達がレコード盤をくれて。なかなか手に入らないのに。すごくいい友達ですよね(笑)。あのアルバムが異常に好きで、1日一回は一通り聴く、みたいな。かわいい曲がいっぱい詰まってるアルバムなので。短編集を読んでいるみたいな……「プール」とか「名前をつけてやる」は、すごく官能的な歌でもあると思っていて。エロスとか、そういうものを秘めながら、でもさわやかに歌うマサムネさんが、すごく魅力的で。あのアルバムは一生聴き続けるだろうなって思います。

上白石萌歌 エンタメステーションインタビュー

いちばん好きな曲は、訊かれても困りますよね(笑)。

難しいなあ……いちばん好きな曲……でも、寝起きは必ず「運命の人」を聴くんですよ。すごくテンションが上がるので。目覚ましは絶対「運命の人」です、毎日。あとは……「冷たい頬」も好きですし……なんか、季節ごとに好みが変わるかもしれないです。スピッツって、なんとなく秋冬のイメージがあって。その季節の移ろいによって好みも変わっていく、みたいな感じがしますね。
あと、時間が経つと、歌詞の受け取り方、解釈が、変わってきたなあ、と感じる曲もあって。実は「チェリー」がお別れの歌だって気づいたのは、けっこう最近なんです。歌詞は今までも読んではいましたが、いろんな出会い、別れを繰り返していくうちに、これはすごく明るい曲だけど、本当はすごく悲しいことを歌ってる、とか。そういう、パッと見はわからないようなことも、どんどん掘っていくと、すごくおもしろいバンドだなって思います。
こんなに好きになる前は、ど真ん中で、すごく透き通っていて、っていうイメージもあったんですけど。たくさん聴くようになってからは、実はすごくへそ曲がりなバンドなんじゃないかって思えてきて。これからも、掘っていくと、また違う顔がたくさん出てきそうだな、って思っています。

スピッツの曲って、物にたとえると、革の製品

ライブを観たことはありますか? 

昨日初めて行ったんです! 新木場サンセット(9月4日、新木場スタジオコースト)。 すっごくよかったです! 本当にすばらしい時間でした。初めて生で聴いたマサムネさんの声は、ものすごく純度の高い清流の水みたいに、スッと心に入り込んできて。あんなに清らかなのに、最高に尖っていて……ずっと火花がバチバチと私の体の中を駆け巡ってる感じでした。改めて、不思議なバランスで成り立っているバンドだなあと思いましたし……本当に、かっこよかった。ツアーも楽しみです!

上白石萌歌 エンタメステーションインタビュー

もし、上白石さんが草野マサムネにインタビューするとしたら、いちばん訊いてみたいことはなんでしょう? ちょっと考えてみていただけますか。

なんだろう? ……そうだ、MCがすごくおもしろいんですよ。ライブDVDもよく観るんですけど、たとえば、小岩井のライブで、「ああ、僕は今、気持ちよすぎて、小岩井の土になってしまいそうだ」って(笑)。そういう言葉はどこから出てくるんだろう、って、すごい不思議ですね。歌詞もそうなんですけど、普段から話す言葉とか……マサムネさんのラジオも聴くんですけど、普通の人じゃひねり出せないような言葉を、日常から使っていらっしゃるから。人生のバイブルみたいな本があれば、教えていただきたいです。

『なつぞら』の主題歌にになっている「優しいあの子」は、聴いてどう感じました?

ああ、もう、最高ですね。ほんとに私、目覚ましにスピッツの曲をかけるぐらい、朝に聴いて澄んだ気持ちになりたいので。朝、テレビからマサムネさんの声がきこえてくると、すごく幸せな気持ちになります。 私の人生の目標は、スピッツが主題歌の作品に出ることと、あとジャケット! アルバム・ジャケットの女の子、マサムネさんが選んでらっしゃるという噂を聞いたんですけど。ジャケットになりたい、なんていう、大きな夢を持っています(笑)。

上白石萌歌 エンタメステーションインタビュー

スピッツのニューアルバム『見っけ』の感想を教えてください。

全体的に、勢いがいいアルバムだなと思って。高速をつっ走りながら聴きたい曲がいっぱい詰まってて。「快速」という曲もあるぐらいで。私は「ブービー」がすごい好きでした。曲調は「ジュテーム」とかに近いような感じがして、なんて言うんだろう……音数が少ない曲は、スピッツにあんまりない気がして。そういう曲だから、逆に新鮮で。聴きやすくて……でも、何回聴いても、マサムネさんの歌詞って、理解ができなくて。なんとなくその時の自分の心情を重ね合わせて、「こういう意味だろうな」とか、何回も聴くうちに、自分になじんできて、なんとなくわかるようになるのが好きで。この「ブービー」も、どういう曲なのか、まだわかってないんですけど、これから掘っていきたいなって、いちばん思った曲です。
私にとってスピッツの曲は、物にたとえると、革の製品みたいに、最初は真新しくて……最初はよくわからないものだけど、どんどん一緒に使うたびに、身体に馴染んでくる、深みが出てくるみたいな、そういう曲が多い気がします。

上白石萌歌 エンタメステーションインタビュー

マサムネさんの「な行」を、一生守り続けたい

これからスピッツに期待することはなんでしょう? 「こんなことをしてほしい」とか。

なんだろうなあ……うーん……私あんまりテレビにもそんなに頻繁に出ないところとかも、好きで。すごく生の音にこだわってらっしゃるというか、「ライブに来たら生で聴けるよ」みたいなスタイルがすごく好きなので。ライブをこれからもたくさんしていただきたいな、っていうのと、あとは……歌詞を眺めるのがすごく好きなんですよ。手書きの歌詞カードとか、読んだりするのが好きなので。いつか、それをまとめたリリック本みたいなのを、出していただきたいなって思います。スピッツのインタビュー本は持っていますが、詞集が出たらほしいし、エッセイとかも読んでみたいです。
あと私、けっこう、マサムネさんに対して変態チックな要素を持っていて……私のまわりの友達も変なんですけど。マサムネさん、まつ毛、すごく多いから、一本一本数えた友達がいたり(笑)。そういう変な友達と、集団意識で、情報を交換する、みたいな。「マサムネさんの『な行』を、一生守り続けたいよね」みたいな。

「な行」?

「な」の発音が、すごく柔らかいから……何を言ってるんだろう、私(笑)。歌の中で、「な」の発音が独特だと思っていて。「♪君の心の中に棲む~」(と、「流れ星」を歌う)の「な」とか、輪郭がボヤッとしてるところが好きで。それを守り続けたいよね、っていう話を友達と(笑)。

カラオケで歌ったりもします?

あ、します。1時間って決めて、スピッツしか歌っちゃダメっていうカラオケ会をやって、最後に曲の感想を言い合う、みたいな(笑)。「あそこの歌詞がいいよね」とか。

上白石萌歌 エンタメステーションインタビュー

よく歌う曲は?

なんだろう? 「猫になりたい」とか……ああ、でも、ほぼほぼ歌えちゃうかもしれないです、スピッツの曲は。あと「あわ」とか。

ああ、セカンドの。

はい。その友達は理解してくれるんですよ。「あわ」、知らない人けっこういるから。雨の日は「あわ」から入ることが多いです(笑)。

次回はハライチの岩井勇気さんが登場!
10月3日(木)17時掲載予定です。

ライブ情報

SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 “MIKKE”

2019年
11月30日(土)  静岡エコパアリーナ
12月05日(木)  武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
12月07日(土)  武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
12月08日(日)  武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ
12月12日(木)  横浜アリーナ
12月14日(土)  横浜アリーナ
12月15日(日)  横浜アリーナ
12月27日(金)  マリンメッセ福岡
12月28日(土)  マリンメッセ福岡

2020年
1月18日(土)  大阪城ホール
1月19日(日)  大阪城ホール
1月28日(火)  大阪城ホール
1月29日(水)  大阪城ホール
3月28日(土)  YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)
3月31日(火)  高崎芸術劇場
4月07日(火)  米子コンベンションセンター・BiG SHiP
4月09日(木)  広島文化学園HBGホール
4月10日(金)  広島文化学園HBGホール
4月14日(火)  宇都宮市文化会館
4月18日(土)  和歌山県民文化会館 大ホール
4月19日(日)  姫路市文化センター 大ホール
4月21日(火)  レクザムホール・大ホール(香川県県民ホール)
4月28日(火)  市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
4月30日(木)  大分iichikoグランシアタ
5月05日(火・祝)名古屋国際会議場センチュリーホール
5月06日(水・振)名古屋国際会議場センチュリーホール
5月08日(金)  名古屋国際会議場センチュリーホール
5月12日(火)  金沢歌劇座
5月14日(木)  新潟県民会館
5月19日(火)  札幌文化芸術劇場hitaru
5月20日(水)  札幌文化芸術劇場hitaru
5月26日(火)  仙台サンプラザホール
5月27日(水)  仙台サンプラザホール
6月01日(月)  沖縄コンベンションセンター劇場棟
6月02日(火)  沖縄コンベンションセンター劇場棟
6月07日(日)  松山市民会館・大ホール
6月08日(月)  高知県立県民文化ホール・オレンジホール
6月12日(金)  山形県総合文化芸術館
6月14日(日)  リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
6月21日(日)  帯広市民文化ホール大ホール
6月23日(火)  コーチャンフォー釧路文化ホール
6月29日(月)  大宮ソニックシティホール
6月30日(火)  大宮ソニックシティホール
7月05日(日)  福井フェニックスプラザ
7月06日(月)  滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
7月08日(水)  岡山市民会館
7月14日(火)  三重県文化会館大ホール
7月16日(木)  長良川国際会議場メインホール

SPITZ オフィシャルサイト
https://spitz-web.com/

SPITZ mobile(SPITZ オフィシャルモバイルサイト)
http://spimo.net


上白石萌歌

2000年2月28日生まれ。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションにて、グランプリに選ばれ、芸能界入り。2018年、アニメーション映画「未来のミライ」主演(声優)、ドラマ「義母と娘のブルース」、浪漫活劇「るろうに剣心」などに出演。2019年、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞(「羊と鋼の森」)。日本テレビ連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺〜」に出演し、TBS バラエティー番組「A-Studio」11代目サブMCを担当。2020年に舞台「お勢、断行」の出演を控える。

adieu

上白石萌歌が、“adieu”名義での音楽活動を本格始動

adieu新曲「強がり」MUSIC VIDEO

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