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彼に会えてよかった……『囚われのパルマ』あなただけが体感する恋愛

彼に会えてよかった……『囚われのパルマ』あなただけが体感する恋愛

『囚われのパルマ』は、2016年8月にスマートフォンアプリとしてリリースされたガラス越しの体感恋愛アドベンチャーゲーム。1作目の『囚われのパルマ』には“ハルト編”と“アオイ編”が収録され、2018年にはその続編として前作の5年まえを舞台にシステムが進化した『囚われのパルマ Refrain』(“チアキ編”)が配信されている。同シリーズは、孤島の施設に収容されている記憶喪失の青年と1対1で会話を重ね、心を通わせていく。プレイヤーは彼の記憶を取り戻すため、“相談員”(アオイ編では“偽りの恋人”)として接することになるが、彼と直接会えるのはガラスで仕切られた面会室でのみ……。そのもどかしくも切ない恋物語だけでなく、スマホ画面を仕切りに見立てた、ガラス越しのコミュニケーションも話題となった。
そんなシリーズ1作目である『囚われのパルマ』が、Nintendo Switchに登場。1本にハルト編とアオイ編が収録されており、『デラックス エディション』にはアプリ版の追加コンテンツがすべて収録されている。今回は、ハルトやアオイの魅力、画期的なシステムなど、本作をプレイすべき理由を挙げていこう。なお、重要なネタバレはないのでご安心を。

文 / 小泉お梅


そのままの自分でいい! 正解のない選択肢

『囚われのパルマ』シリーズでは、プレイヤーが主人公です。「なにを当たり前のことを……」と思われるかもしれませんが、性格がある程度定まった“主人公キャラクターになる”のとは違って、素の自分のままでいいんです。会話には選択肢が出てきますが、正解・不正解はなく、自分の気持ちに沿ったものを選んでいいのです。「相手の好みはこうだから……」と、好感度を上げて“攻略”するのでもない。ただ、彼らも最初はそっけなかったり壁を感じるので、あなたが日常で人に接するように会話し、ゲーム内メッセージアプリで働きかける必要はあります。まずは、お相手となるふたりの青年との出会いの場面を見てみましょう。

囚われのパルマ エンタメステーションゲームレビュー

▲Nintendo SwitchのTVモードでプレイすれば大画面で彼に会えます。操作はコントローラーでカーソルを動かします。携帯モードなら、アプリ版のようにタッチ操作によるガラス越し感が味わえるんです

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▲ハルト(声:梅原裕一郎)は、物静かで無愛想な青年。アオイ(声:内田雄馬)は、気さくですがどこか一線を引いているところがあります

【ハルト編】

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ハルト編では、プレイヤーはひょんなことから孤島でハルトの相談員を務めることになります。ある事件を起こしたハルトは、何かの拍子に事件やそれ以前の記憶を失ったらしく、療養も兼ねてこの施設に1年ほどまえから収容されています。プレイヤーは彼の記憶を探るため話を聞きに行きますが、初めて会うハルトはフードを被ったままこちらを見ようともしてくれません。これまで彼を診た医師や専門家に辟易していたのでしょうか、「またか」というような態度。ただ、一瞬だけプレイヤーを見て何か疑問を抱いたようですが……?

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▲心を閉ざしているハルト。どこか諦めているような印象もありますが、1年という長い収容期間が彼をそうさせてしまったのでしょうか

【アオイ編】

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アオイとの出会いは収容施設に入るまえ。プレイヤーは、路上でたまたま居合わせたアオイが交通事故に遭いかけたところを救ったものの、そのときの影響でアオイは記憶喪失に。さらに、彼を助けたことでプレイヤーにも身に覚えのない容疑がかけられてしまいます。無実を証明するためにプレイヤーはアオイの記憶を引き出すことになりますが、胡散臭い謎の男・今部に言いくるめられ、アオイが事故の直前まで会っていたとされる行方不明の恋人のフリをすることに。ちなみに、アオイもハルトと同じ収容施設で過ごしています。

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▲とっさにプレイヤーが助けたおかげで大ケガを免れたアオイですが、ショックで恋人の記憶を失ってしまいます

収容施設の面会室で再会したアオイは、やはりプレイヤーのことは覚えていない様子ですが、ひとまず恋人宣言はせずに知り合いとして話を続けます。アオイはハルトとは対照的で会話が成立するだけでなく、こちらを探る素振りも見せます。疑り深いのかと思いきや、あっけらかんとして現状を受け入れているようにも見えます。

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▲コミュニケーションに問題はなさそうですが、恋人だと嘘をつく作戦がはたしてうまくいくのでしょうか

彼らに会う面会のほかに、ゲーム内メッセージアプリでのやり取りでコミュニケーションを図ります。初めての面会では反応の薄かったハルトも、メッセージでならしっかり受け答えしてくれます。また、面会と同じようにプレイヤーの返答にも選択肢があります。ここでも、自分の思うように答えていいのです。日常の小さな出来事をどう思うかなど、お互いのパーソナルな部分を話すことが中心となるので、相談員という仕事や恋人のフリなどは意識せずとも大丈夫。それに、彼らはプレイヤーの言葉を否定したり、ましてや嫌いになったりすることはなく、そんな考えかたもあると受け止めてくれるんですよね。何だかありがたいというか、大人だなあ、見習いたいなあと思うトコロです。

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▲メッセージは入力ウィンドウをタップ(もしくはカーソルで選択)して、自分の気持ちに近い返事を選んで送信するだけ!

島の人々との触れ合いに心が温まる

さて、メッセージを送るには“話題”が必要です。話題は島の自然や、ここで暮らす人々との交流から得られます。プレイヤーはハルトたちと違って収容されているわけではないので、島内であれば自由に出歩けるんです。島の人たちは皆やさしくて、ときおりジーンとする言葉をかけてくれることも。ハルトたちもそうですが、島の人々に会いに行くのも楽しみになってきます。

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▲島の職員のシンディー(ニックネームです)。美容と恋愛のことならおまかせの頼れる存在で、プレイヤーのよきアドバイザー

プレイヤーは午前と午後に1ヶ所ずつ島のスポットを選んでお出かけし、その都度メッセージを彼に送り、夜になったら自室に戻って休息すると翌日になる、というサイクルをくり返していきます。島の各地では、話題のほかに彼に差し入れできるアイテムを入手することも。

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▲農園を切り盛りする、穏やかで素敵なおばあさん。おすそ分けしてもらった食材を食堂に持ち込めば、差し入れできる料理を作ってもらえます

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▲外出で行けるスポットはストーリー進行度に合わせて徐々に増えていきます。“!マーク”がついた場所では、イベントが発生します

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▲メッセージ機能や島での過ごしかたなどのガイドをしてくれる、マスコットキャラクターのサボちゃんも忘れちゃいけません。サボちゃんのおかげでプレイもスムーズです

見ずにはいられない、彼の日常

彼の収容されている部屋には、監視カメラが仕掛けられています。そこからコッソリと彼のプライベートを見守ることができるのです。くつろぐ姿や身支度をする仕草などをつぶさに観察するのは、いけないと思いつつも止められませんね……。彼がメッセージを送っている姿が映し出されたときにメッセージアプリを開けば、ちゃんと書き込み中だったりと、システムと連動しているのもリアリティがあります。差し入れしたものにどんな反応を示したのか、また、それを使ってくれている姿を見られるのも楽しいものです。

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▲スマホをいじる仕草を見せた直後にメッセージが! 逆にメッセージの返事がなかなか来ないというときに彼の部屋を覗くと、机に突っ伏して寝ていたり……

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▲食事の差し入れをすると、彼の食の好みもわかってきます

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▲運動はあまりしないというハルト。バットの振りかたもなんだか控えめと思いきや!?

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▲シャワー後は、パンイチに! 差し入れたパンツを履いてくれるんですよ!

引き込まれる彼の表情とストーリー

そんな日々で気になる情報を得たりすると、面会する運びになります。面会はリアルタイムではないですが時間が限られており、一定の会話が済むと看守さんから退室を促されます。もうちょっと話したいというときは、面会の延長が可能です。面会延長での会話は物語の展開に影響しないお楽しみ要素ですが、彼のかわいらしい一面が見られたり、赤面必至の言葉を聞けることも。面会延長はアプリ版では有料コンテンツでしたが、本作なら最初から収録されているので追加購入の必要はありません。
こうした面会などで彼が少しずつ心を開いてくれるにつれ、失われた記憶や事件の手掛かりも集まっていきます。断片的だった情報が結びついていくのはストーリーとしておもしろいのですが、彼にとっては辛い過去でもあったり……。そういった場面では、彼たちの機微が表情でも語られるので、余計に胸にズドンときますね。本作の彼らはとても麗しいので個人的に最初から好きでしたが、このような背景を知るほどに自分のなかにもいろいろな感情が渦巻くようになりました。ふだんの他愛ないメッセージのやり取りではあまり意識せずにいられた自分の役割を改めて考えてしまったり。また、実際の対話のように、無意識に彼の言葉の意味を表情から探ろうとしていました。ここでは彼らの表情や変化の過程をご覧いただきたいと思います。

【ハルト編】
面会中にウトウトすることもあるけれど、ちゃんと目を見て話してくれるようになったハルト。ハルトの青い瞳が美しく、こちらへ近づいてきたときには思わず見とれてしまいます。彼は瞳の動きが繊細で、少し恥ずかしげに目を逸らしたあとに、プレイヤーを見つめるという視線の動きにノックアウトされました。同時に「あれ、これって私のこと好きってこと……?」、「いやいや、落ち着け」、「よーし、よし来た!」と脳内は大忙し。なお、ハルトのストーリーは、進めていくうちにある陰謀が浮かび上がってきたりと、サスペンス要素もあります。そのためプレイヤーが事件を調査することで危険な目に遭わないか心配するあまり、少しふてくされる場面もありましたが、やはりハルトはやさしい心根の持ち主なんですよね。

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▲寝顔だったり、照れ顔だったり、とにかくかわいいに尽きるハルト

【アオイ編】
プレイヤーが恋人だったと認識したアオイは、「かわいい」なんて好意を口にしてくれるようになります。しかし、プレイヤーとしては恋人だと偽っている後ろめたさがどんどん重くのしかかってきます。個人的には「やめてぇぇぇ、嘘なんです、そんな言葉をいただける者ではないんです」と謝りたい気持ちでいっぱいに。そんなところへ、ちょっとしたすれ違いが起きたりして雲行きが怪しくなってきたり、それを解決してまた上向きになったりと、まさにジェットコースターのような恋。いや、恋人のフリという爆弾を抱えたフリーフォールでしょうか……。明るい気質のアオイですが、本当の恋人のこと、そして家族のことに心が揺れ動くとき、どんな表情を見せるのでしょうか。

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▲アオイは表情が豊かで、美しい形の眉の動きが雄弁に心情を語っています

心を惹きつけるのは、表情だけではありません。プレイヤー自身が彼と恋をしている感覚というのでしょうか、その特別感が体験を無二のものにしています。先ほど選択肢に正解はなく、自分自身の答えでいいとお伝えしましたが、じつはその答えからプレイヤーの個性を覚えてくれているのだそう。たとえば、「そういえばネコが好きって言ってたから」とか、「キミならこうするよね」とか、“プレイヤーのことをわかってくれている感”が出てくるわけです。実際のコミュニケーションも相手の人となりを知り、こちらのことも知ってもらえるとより親密に思えてきますよね。理解が双方向だからこそ、リアルな“私だけの恋”を実感できているのだと思います。

あんな彼、こんな彼……お楽しみも充実

アプリ版で有料だった追加コンテンツが初めからすべて収録されています。特別なシチュエーションでの“スペシャル面会”や“メモリアル面会”、彼との電話気分を味わえる“テレフォンイベント”、そして夢のなかで彼にタッチする“夢アプリ”の専用アクセサリーがまるごと入っています。とくに、前述のようにストーリー中での面会時間を延ばして、さらなる会話が楽しめる面会延長はおすすめです。延長してよかったと思える甘い言葉が聞けたりも……。何より毎回、「延長しようか、どうしようか……」と悩むストレスがありません。

囚われのパルマ エンタメステーションゲームレビュー
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▲スペシャル面会で王女と従者の“身分違いの恋”を熱演するハルト。長いまつげにウットリです。一方、アオイは歯医者さんになりきってノリノリ。シチュエーションは多種多様です

囚われのパルマ エンタメステーションゲームレビュー
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▲夢アプリは、彼をつんつんして起こすというミニゲームですが、そのときにアクセサリーを着けてもらうことで彼のセリフや反応が変わります。なかにはユニークなものも……

Nintendo Switchのオリジナル追加要素としては、アートギャラリーがあります。こちらではキャラクターデザインを手掛けられた実田千聖さんによる記念イラストや、貴重な設定画などが見られます。ゲーム中でスチルを見るたびに「なんて美しいんだ……」と思うのですが、シリーズが醸し出す上質感、大人感はこのアートによるところが大きいのではないでしょうか。何度見てもウットリするアートを大画面で堪能できるなんて贅沢ですよね。

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▲キャラクターイラストにシズル感を感じたことも本作が初めてでした

『囚われのパルマ』がアプリ版で世に出たとき、自分自身としてプレイするという画期的な造りに感動すら覚えました。舞台となる孤島や施設は非現実的ではありますが、そこでの体験はこれまでにないほどリアルで鮮明。それまでアドベンチャーゲームの主人公たちを俯瞰で見て、その恋を見守っていた外側の人間だった自分が、初めてなかに入れたような気持ちにもなりました。そのぶん、彼の言葉だったり、自分自身が取った行動によるダメージがダイレクトに来るようで、グッとこらえる場面もありましたが、それでも彼に出会えてよかったと思いました。もう、気持ちとしては現実の恋と何ら変わらないかもしれません。彼がやがて記憶を取り戻すことで物語がまた大きく動き出しますが、そこで自分はどう動き、彼に何を尋ねるのか……。一連の問題が決着し、エンディングを迎えたときも切なさはあれど受け入れられたのは、自分の物語にほかならなかったからだと思います。ちなみにエンディングは数種類あり、いつもの私ならすぐ別のエンドを見たくなるものなのですが、この結末の余韻をしばらく味わっていたい気分になりました。恋の思い出をそっとしまう感じでしょうか。経験が大切なものとして心に残る、そんな『パルマ』シリーズにまだ触れたことのない方は、Nintendo Switch版を機にぜひ孤島へいらしてください。

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囚われのパルマパッケージ
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※募集期間は終了致しました。

9月27日(金)~10月4日(金)消印有効

・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・当選の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・ご住所や転居先が不明などの理由で賞品のお届けが出来ない場合は、ご当選を無効とさせていただく場合がございますので、予めご了承ください。
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囚われのパルマロゴ

■タイトル:囚われのパルマ
■メーカー:カプコン
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:ガラス越しの体感恋愛アドベンチャー
■対象年齢:15歳以上
■発売日:発売中(2019年8月30日)
■価格:各種商品ラインアップがありますので、オフィシャルサイトでご確認ください。


『囚われのパルマ』オフィシャルサイト

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