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イカれた世界でどこまでも強くなる!『ボーダーランズ3』の快感

イカれた世界でどこまでも強くなる!『ボーダーランズ3』の快感

前作から7年ぶりのリリースとなった『ボーダーランズ3』。一見するとトゥーンアートが目を引くシュータータイトルだが、その魅力や独自性はいったい何なのか。本作、ひいては本シリーズの楽しさをたっぷりとお届けしていく。

文 / 板東篤


シューターとRPGが奇跡のマリアージュ!

『ボーダーランズ』って何ぞや? という人に向けて、まずはシリーズをざっくりおさらいしていきたい。初代『ボーダーランズ』は、2009年(日本語版は2010年)に登場したシュータータイトルだ。賞金稼ぎの主人公たち“ヴォルト・ハンター”が、一攫千金のためにエイリアンの遺産“ヴォルト”を見つけだす、というストーリー。最大の魅力は、シューター(FPS)でありながらRPGの要素も取り入れたことだろう。敵を倒せば経験値がもらえ、一定まで貯まるとレベルアップ。これをくり返して主人公を強化していく成長要素に加え、ヴォルト捜索を巡って巻き起こる波乱のストーリー、クレイジーだが愛嬌のあるサブキャラクターたちなど、独自の魅力が爆発した作品だ。2012年には続編となる『ボーダーランズ2』が、2014年には『2』の悪役の若き頃を描いた外伝的な作品『ボーダーランズ プリシークエル』が登場し、着実にその歴史を積み重ねてきた。ちなみに同2014年には番外編的なアドベンチャー作品『Tales from the Borderlands』もリリース(ただし未ローカライズ)されている。そして『ボーダーランズ2』から7年、やっと待望の新作である『ボーダーランズ3』が登場した。こうした下地を踏まえたうえで、本作の概要と魅力を紹介していこう。

ボーダーランズ3 エンタメステーションゲームレビュー

▲「前作も遊んでみたい!」という人は、初代のリマスター版である『ボーダーランズ ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション』と、『ボーダーランズ2』と『ボーダーランズ プリシークエル』がセットになった『ボーダーランズ ダブルデラックス コレクション』がリリースされているので、そちらがおすすめ

『ボーダーランズ3』では、新たな4人のヴォルト・ハンターたちがリリスというセイレーンの呼びかけにより、惑星パンドラに招集されたことから幕を開ける。彼女はヴォルトの地図を奪われたため、その奪還を手伝ってほしいと依頼してくる。こうして、またハチャメチャな冒険が幕を開けるワケだ。さて今作の相手となるのは、カルト集団チルドレン・オブ・ヴォルトと、そのリーダーであるカリプソ・ツインズという姉弟。この姉弟は実況者のように動画を作成して熱狂的なフォロワーを増やし、彼らを使ってヴォルトの地図を探している、いわばプレイヤーのライバル。こちらが一足先に地図をゲットしたのはいいものの、突如現れたこの姉弟に地図を奪われてしまう。こうして姉弟を追いかけ、ヴォルトがある惑星プロメティアへ向かうことになる。
舞台は前作から引き続き惑星パンドラ(のちにほかの惑星に舞台を移していくことになる)だが、一新された主人公たちが新しい物語をくり広げていくので、本作からプレイを始めても大丈夫。主人公たちとは異なり、サブキャラクターの大半は過去作から続投となっているので、シリーズのファンはさらに深く本作を楽しめることうけあいだ。

ボーダーランズ3 エンタメステーションゲームレビュー

▲初代『ボーダーランズ』のプレイヤーキャラクターのひとりであるリリス。セイレーンとは、エイリアンと関係があるといわれる特殊能力を持つ者のこと

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▲今作の敵であるカリプソ・ツインズ。地図とリリスの能力を奪ったこの姉弟に復讐するべく、急いで追いかけることになる

イカれた惑星パンドラへようこそ!

『ボーダーランズ3』の魅力のひとつは、その世界設定だ。SF世界の世紀末という感じで、フィールドにはこちらを見るや否や速攻で殴りかかってくる奴らばかり。さらに敵は人間だけでなく、凶悪な原生生物やロボット兵器など多岐に渡る。そして主人公たちは、こんな退廃した世界に光を導く正義の存在……ではなく、どちらかといえばわりと同類。襲ってくる相手は容赦なくブチ殺し、目的達成のために邪魔なヤツがいればブチ殺し、ムカついたらやっぱりブチ殺し、という感じで終始血で血を洗う戦いが展開していく。そんな“力こそ正義”の世界と、実際にレベルアップして力をつけていく成長要素が非常にマッチしていることが特徴だ。強くなればなるほど、多数の敵をバッサバッサと撃ち倒せるため、爽快感はバッチリ。このように非常にバイオレンスなゲームなのだが、映像はアニメ調のカートゥーンを採用しており、その印象で残虐性は思ったほど高くない。「こいつらアホだなー」と笑いながら、腐った世界で非道を楽しめる作品だ。

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▲本作のベースはFPSで、三人称視点にはならない。キャラクターや世界がアニメ調で描かれており、リアル系の作品と比べると内容のわりにマイルドな印象

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▲サイコなどのならず者をはじめ、空を飛ぶプテラノドンのような原生生物、ミサイルを撃ってくる自動砲台など敵のバリエーションも豊富

脇を固めるサブキャラクターたちもおもしろい。イカれた思考で絶えず問題を巻き起こすトラブルメーカーなのに、外見のキュートさと相まって憎めないロボットのクラップトラップを筆頭に、セクシーだけど顔は白塗りなバーのママ・モクシィ、その娘でタルのような巨体のメカニック・エリーなど、外見が個性的なのはもちろん、全員頭のネジが数本足りない感じのイカレっぷり。彼らとの冒険やサイドクエストも楽しいモノだ。

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▲人気のサブキャラクターたちが再び登場するのは、シリーズのファンにとってはとても嬉しい。写真は小さいゴミ箱……もとい、クラップトラップ

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▲バーのママ、モクシィ。『ボーダーランズ』はサブキャラクターやボスが登場するときの紹介シーンもイカしてる!

銃こそ正義! 銃は偉い!

本作の主人公は4人のヴォルト・ハンターと述べたが、本作における武器の銃はもうひとつの主役と呼んでも差し支えがないほどに重要だ。ほかのシューターでも銃は大切な存在だが、こと本シリーズにおいてはその個性とバリエーションの豊富さ、主人公の戦闘能力に対する寄与度などで、ほかのシューターに比べて群を抜いて重要。というわけで、ちょっと銃について述べていきたい。

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▲プレイヤーキャラは、アマーラ、FL4K、ゼイン、モズの4名。好みのひとりを選んで、冒険に旅立つ。ほかのキャラクターたちは以降登場しない。ほかのキャラクターで遊びたい場合は、新たなセーブデータで最初からプレイする必要がある

まずは銃で戦うおもしろさ。本作では敵の弱点を撃つとクリティカルとなり、大ダメージを与えられる。人間タイプの敵の場合は頭が弱点なので、ヘッドショットを成功させると大変気持ちよく楽しい。人間以外の敵はどこかが弱点。たとえば口のなかだったりお腹だったりするので、弱点を見つけ出したり、そこを狙い撃つおもしろさが味わえる。また、マガジンの弾薬を撃ちきってリロードしている間は物陰に隠れたり、逆に相手が物陰に隠れている場合は出てくるポイントを予測して狙いを定めておいたり、集団でまとまっている場合には銃ではなくグレネードを投げてみたりと、戦局に応じて最適な行動を瞬時に判断し、実行するおもしろさもある。要するに、シューターとして見た場合だけでもしっかり作り込まれているのだ。

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▲レンチ片手に殴りかかってくる無鉄砲なサイコ野郎も登場。ガンガン近づいてくるこいつらにどう対処するのか、ドキドキしつつも楽しい瞬間

本作には、ハンドガン、ショットガン、アサルトライフルなど多彩なカテゴリの銃が登場する。このあたりはほかのシューターと同様だが、本作では銃ごとに装備できるレベルが設定されており、プレイヤーのレベルがそれ以上にならないと使えない。当然、レベルが高いもののほうが威力も高いため、ファンタジーRPGの武器のように、どんどん新しい銃に切り替えながら戦っていくことになる。
銃はカテゴリごとにさまざまな種類が登場する。たとえばハンドガンひとつ取っても、膨大な種類が存在している。おもしろいのは、銃を作成するメーカーが9社もあるという設定で、登場する銃も各社ごとに特徴が異なっていること。たとえばジェイコブスというメーカーは西部劇スタイルの銃を作成しており、単発の威力が高く、ヘッドショットに成功すると跳弾してほかの敵にも当たる、といったボーナスがある。アトラス製の銃はトラッカーが備え付けられており、敵にトラッカーを貼りつけると、弾丸が誘導ミサイルのように自動追尾して当たるようになる。

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▲これはハイペリオン製の銃。狙いをつけると、防弾シールドが展開する特殊機能を搭載している

ほかの能力も銃ごとに異なる。外観はもちろん、スコープの有無、連射能力、1発当たりの威力、同時発射数、弾速、マガジンサイズ、リロード速度などなど、あらゆる性能が銃ごとに変化。さらに一部の性能はランダムに決定されるため、同じ性能の銃が登場することはほぼ皆無。いわば、ハック&スラッシュタイプのゲームでよくある、ランダムで性能が異なる武器を、本作は銃でやってのけているのである。このため、エンディングまではもちろん、ゲームクリアー後も最強の武器を求めてトレジャーハントを楽しむという遊びかたも可能なのだ。

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▲銃の詳細画面。当てた敵を燃やしたり凍らせたり、酸ダメージを与えるなどエレメンタル効果が付与されているものも存在する

もちろん、すべての銃が最高というワケではない。ハンドガンなのにスコープが付いていて、しかも覗き込むのに時間がかかったりすると当然使いにくい。アサルトライフルなのに装弾数が少なく、戦闘中に何度もリロードをするハメになるのはストレスが溜まる。こうした武器から威力が高く、さらに自分にとって使いやすいものを見つけるのは、かなりの運が絡んでくる。そのぶん、手に馴染む武器を見つけたときの嬉しさと戦闘の気持ちよさは、それまでのストレスを一気に吹き飛ばすほど爽快感に溢れている。主人公たちはヴォルトを見つける冒険をするが、プレイヤーとしては良い武器を見つけるためのついでに冒険するか、という感じなのである。ただ、ゲーム序盤など武器を入手できる機会がまだ少なく、なんだかしっくりこない銃でなんとか戦闘をこなしていくのも、試行錯誤を楽しめるので悪くはない。要するにずっと楽しいワケだ。

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▲武器は敵がドロップしたり、マップ上の宝箱からゲットできる。ボスからは強力な武器が出ることが多い。武器は装備スロット以外に、バックパックの容量ぶんストックできる

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▲武器は自動販売機で購入することも可能。品揃えはランダムで、一定時間ごとに入れ替わる。弾薬の自動販売機もある

スキルのビルドで個性的に成長させる!

主人公を強くしていく育成要素も本シリーズの大きな魅力だ。主なところは前述したように敵を倒してレベルを上げ、HPと装備できる武器を増やすこと。そして、より強い武器を装備することだ。これ以外にも、各キャラクター独自のスキルを使用することができる。
スキルは、必殺技をくり出せる“アクション・スキル”を起点としたツリー形式に配置されており、このツリーが3つずつ用意されている。セイレーンのアマーラを例に見てみると、触れた敵にダメージを与えるアストラル体を前方に作る“フェーズキャスト”、地面から巨大な拳を呼び出して当たった敵を固定する“フェーズグラスプ”、地面をたたきつけて周囲にダメージを与える“フェーズスラム”という、3種類のアクションスキルが用意されている。そのうちひとつを選んで装備し、戦闘で活用していく形だ。

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▲アマーラの“フィスト・オブ・エレメント”というスキルツリー画面。一番上がアクションスキル

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▲アマーラの“フェーズグラスプ”というアクションスキルを使用したところ。地面から巨大な腕が出てきて、敵を一定時間つかんで動けなくする

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▲こちらはFL4Kの“ラック・アタック!”というアクションスキル。空を飛ぶ“ラック”というモンスターを呼び出し、敵を攻撃させる能力だ

その他のスキルは、レベルアップ時に得られるスキルポイントを使用して習得していくことになる。ライフの最大値を上げるもの、射撃ダメージを増やすもの、受ける爆風ダメージを減らすものなど、内容は多岐に渡る。ただし、好きな順番で習得できるわけではない。最初はアクションスキルのすぐ下にあるスキルだけ習得でき、スキルを習得するごとにツリーの背景ゲージが増えていく。このゲージが一定まで伸びる、つまりそのツリーで一定のスキルを習得すると、新たなスキルを覚えられるという仕組みだ。背景ゲージの成長はツリーごとに分かれているため、後半にある強力なスキルを早く使いたい場合は、そのツリーを優先的に成長させていく必要がある。そのため同じキャラクターであっても、どのような順でどのスキルを習得していくかという、いわゆる“ビルド”によって個性や戦いかたが大きく変わっていく。最強のビルドを考えたり、扱いやすいビルドを構築していく楽しさも味わえる。さらにスキルやスキルスロットの数はキャラクターごとに異なるため、別のキャラクターを使った場合はまったく違ったスキルの成長を楽しめる。

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▲こちらは“ブロウル”というスキルツリー。スキルを割り振るとツリーの背景ゲージが上から下に伸びていき、一定まで成長させると新たなスキルが習得できるようになる

バックパックや所持できる最大弾薬数を増やすことも可能だ。弾薬は敵がドロップしたり、宝箱から出てくるので戦闘中にある程度は補給できる。だが本作は敵の数が多く、初期状態の最大弾薬数では弾薬不足に悩まされがち。銃も敵からポロポロとドロップするため、アイテム所持数であるバックパックや最大弾薬数の容量はできる限り大きくしておきたい。ゲームを進めると拠点とも言える宇宙船“サンクチュアリIII”を入手でき、ここにある店で強化可能。前作ではエリジウムという入手機会があまり多くない特殊なアイテムとの交換で強化を行っていたが、今作では通常のゲーム内通貨で購入する形になったため、拡張がちょっと楽になったのはありがたい。よく使う銃タイプの弾薬から上限を上げていくといいだろう。

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▲バックパックや所持弾薬の上限を成長させられる。戦闘や冒険の快適度が大幅に上がるので優先的に成長させたい要素

久々の『ボーダーランズ』最新作でワクワクしながらプレイしてみたが、プレイ序盤から期待を裏切らない完成度だ。撃つのが楽しいし、色つきの銃(レア度が高い)を見つけた瞬間は期待でドキドキする。クラップトラップやモクシィたちも元気そうだし、「また、このクレイジーな世界に帰ってこられたんだ」という想いでいっぱいだ。すべてをがらりと変えたわけではなく、前作まででファンが気に入った部分はしっかり残しつつ、主人公やスキルなど新たな要素を盛り込んできた感じ。きっと激しいバトルや、前作以上に奇想天外な銃が待ち受けているだろうから、早く続きを遊びたい。というわけで、今回はここまで。次回は筆者が気になったクエストや本作のさらなる楽しみかたを紹介していく予定だ。

フォトギャラリー
ボーダーランズ3ロゴ

■タイトル:ボーダーランズ3
■メーカー:テイクツー・インタラクティブ・ジャパン
■対応ハード:PlayStation®4、Xbox One、PC
■ジャンル:シューティングRPG
■対象年齢:18歳以上のみ
■発売日:発売中(2019年9月13日)
■価格:パッケージ版 7,400円+税、ダウンロード版 7,992円(税込)


『ボーダーランズ3』オフィシャルサイト 

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