Interview

『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ4期の鍵を握る“ビッグ3”に聞く。新垣樽助×上村祐翔×安野希世乃、このチームワークに括目せよ!

『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ4期の鍵を握る“ビッグ3”に聞く。新垣樽助×上村祐翔×安野希世乃、このチームワークに括目せよ!

『週刊少年ジャンプ』にて連載中の堀越耕平による漫画を原作に、2016年の第1期以降、2期、3期とアニメ化されてきた『僕のヒーローアカデミア』。いよいよ2019年10月より待望の第4期の放送が決定した。

第3期の最終話において、雄英高校ヒーロー科1年A組メンバーの前へ現れた上級生、雄英ビッグ3と呼ばれる通形ミリオ、天喰 環、波動ねじれの3人。ヒーローの仮免試験に合格した緑谷出久たちが、ここからインターンとしてプロヒーローの事務所へと赴くための心構えを話しに来たのだが、「1年全員VSミリオ」という突然の実戦形式で戦うことに。ここまで実力をつけてきた1年生たちだったが、ミリオに全く歯が立たず、彼らは肌でインターンの経験値を体験したのだった――。

第4期ではさらに活躍が期待されるビッグ3。彼らを演じる新垣樽助、上村祐翔、安野希世乃の3人に、自身の演じるキャラクターについての印象や4期への意気込みを聞く。

取材・文 / えびさわなち 撮影 / 小賀康子


キャストのみなさんが全員出し惜しみせず演じられている感じがあるんです(上村)

3期でもご出演されていた雄英高校ヒーロー科3年のみなさんですが、『僕のヒーローアカデミア』という作品の印象と、みなさんの考えるこの作品の魅力を教えてください。

『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第4期より(先行カット)

新垣樽助 僕は通形ミリオ(ヒーロー名・ルミリオン)を演じているんですが、作品は全体を通して熱血だな、と感じています。少年たちがヒーローを目指して、いろいろとコンプレックスがありつつも成長していく姿というのは、見ていてすごく共感できる部分でもあり、自分の過去の思い出と被る部分もあって、思わず感情移入して見てしまいます。

それぞれにいろんな特徴のあるキャラクターがいますが、きっと誰もが一人は感情移入できるキャラクターに出会えると思うんです。まるで自分を見ているようだ、と思えるキャラクターがいると思うので、そういうふうに見ていっても面白いと思います。みんなに支持されるような、懐の広さがあるところが、この作品の魅力だと感じています。

僕のヒーローアカデミア 新垣樽助 エンタメステーションインタビュー

新垣さん自身は、特にどのキャラクターに重ねていらっしゃるんですか?

新垣 僕は、ありきたりですが、自分の演じているミリオですね。ミリオは、本当に努力をしてビッグ3と呼ばれるまでになった。

僕も今、声優というお仕事をやらせていただきながらも、個性には縁がない人間だとも思っているので、その個性のなさを自分の中で魅力に変えていく、人から求められるものに変えていくお芝居とはどんなものだろうと常に考えているところがあったんです。ミリオは努力によって強い“個性”を手にした。僕にはそういったものはないですが、努力をして自分が目指す場所にいるというところでは、同じような感覚でいますね。

『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第4期より(先行カット)

ありがとうございます。では天喰 環(ヒーロー名・サンイーター)役の上村さんはいかがですか?

上村祐翔 『ヒロアカ』のキャラクターって、みんなが“個性”を持っていて、普通の学園生活とは違った環境にあるんですが、ヒーローというものに対する各キャラクターの想いがめちゃめちゃ強くて、ある種爽快感もあるような、見ているだけで気持ちのいい生き様だなって思います。ある意味、全員が主人公とも言えるなって感じていて。

もちろんデクが物語の主人公ではあるんですけど、ストーリーごとに主人公が変わっていきますし、そこに対してキャストのみなさんも全員出し惜しみせず演じられているんですよね。なので、演じているキャラクターが似ている気がします。戦っているキャラクターと同じ熱量が演じている皆さんにもある。

だからこそ、新しく参加させていただいている僕も奮い立たせられる部分があります。そういった熱を見せてくださることで、僕もキャラクターとしっかり向き合っていきたいと思いますし、アニメを見ている視聴者のみなさんも、勇気づけられるんじゃないかと思います。「自分にもできるんじゃないか」と思えて、諦めない心が内側から湧き出てくるような感覚にしてくれる作品だなと思います。

僕のヒーローアカデミア 上村祐翔 エンタメステーションインタビュー

では上村さんが、特に気持ちが重なる、共感するキャラクターを教えてください。

上村 やっぱり僕も自分が演じている環くんかなと思います。自信がない感じというか(苦笑)。僕も常に不安を抱えながら生きているので、そこに関しては似ている部分なのかなと思いますね。彼がどんどん強い部分を見せていくようになると、僕も負けていられない、と思えるというか。一緒に歩んでいっている感じがあって、自分としてもこの役を演じることが出来てよかったなと思っています。

『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第4期より(先行カット)

では波動ねじれ(ヒーロー名・ネジレチャン)を演じている安野さんはいかがでしょうか。

安野希世乃 自分が感じる魅力は、すごく考え抜かれて紡がれている作品だなというところです。原作を読んでいても、まず作者である堀越耕平先生の熱量と長年の構想力を感じる骨太の作品だなと感じるので、出来れば全世界の人に読んでもらいたい! アメコミがモチーフですし。

でも、いちばんはやっぱり、日本の若い子たちに読んでもらいたい作品だなとも思ったんです。なぜなら日本の学校という枠の中では、海外に比べてもそうだと思うんですが、「和」を求められる。むしろ「個性」については、出る杭は打たれるような流れがあるとも感じるんです。でも『ヒロアカ』に登場する人物って、同じような人はひとりもいないんですよね。ある意味、人としてみんなちょっとずつ遺伝子が違うというか。そもそも体の作りも違うし、成長の仕方も違う。なんだったら巨大化しちゃうような人もいるし、自分の身体の“個性”で苦しむ人もいて、みんな同じではいられない世界の中で自分の“個性”といかに折り合いをつけて、自分の特徴を強みや魅力にしていくか、というのをすごく丁寧に描いている作品だと思うんですね。

「人と違っていいんだよ」ということ、そして自分の“個性”を大事にして、自分にしかない特徴をどう活かして、胸を張って強みだと言えるようにするか足掻くことの大切さ。そういったメッセージが堀越耕平先生にはあるんだろうなというのを感じています。「みんな一緒じゃなくていい。むしろ違うところを自分との戦いの中でいかに肯定して、役に立てていくかが大事だ」というのを、平成を代表する素晴らしい作品として、令和の時代へと放つメッセージではないかと思っています。

僕のヒーローアカデミア 安野希世乃 エンタメステーションインタビュー

では安野さんにとってご自身を重ねてしまうキャラクターというと?

安野 勝手に重ねてしまっていいのか、と思ってしまうんですが、原作を読んでいて「うわぁー!」と泣いてしまったのが切島(鋭児郎)くんのエピソードです。彼の“個性”は「身体を硬くすること」。でもそれをどうやって人の役に立つ“個性”にするか、戦闘に役立てればいいのかを考えているんですよね。そのたったひとつの“個性”をいかに自分だけの最強にするか。その姿勢は胸を打たれるものがあります。

元は“無個性”のデクくんにしてもそうですし、たとえ持っているものが派手な“個性”じゃなかったとしても、自分だけの最強の長所にするぞという足掻きに胸を打たれますね。あちこち刺さるんですよ、『ヒロアカ』って。

ミリオは空気を読んでるからこそ空気を読まない行動をするところがあるんです(新垣)

『僕のヒーローアカデミア』TVアニメ第4期より(先行カット)

そんなみなさんが演じるキャラクターたちを、演じるご本人からご紹介いただきたいと思います。

新垣 先ほどの印象とも被ってしまいますが、“個性”という能力が当たり前にある世界の中で、「全てを透過する」「通り抜けちゃう」というミリオの能力は、使いにくい部類に入るものだと思うんです。自分の立っている足元すらも油断すると透過して地中に沈んでしまうという“個性”。そんな使いにくいものを自分の努力で強いものにしていって、みんなから目標とされるような存在になるまで磨き上げた。

その結果を見て尊敬する人もいるでしょうし、その過程を見てきて「あんなふうに進みたい」「自分も頑張れば強くなれるんじゃないか」という憧れ方をされる。様々に理由はあるんじゃないかと思いますが、それも含めて魅力的だなと思いますし、本人の性格としても、空気をすごく読みつつ、空気を読んでるからこそ空気を読まない行動をするところがあるんですね。ビッグ3が1年生の教室に入ってきた初めての邂逅の場面において、1年生がすごく緊張している中で「前途多難!」ってギャグを言うんですけど(笑)、本当に強い心を持っているなと思います。

安野 たくさん考え抜いた上で、空回りにいってますからね(笑)。

僕のヒーローアカデミア 新垣樽助 エンタメステーションインタビュー

新垣 そうそう(笑)。でもそこが人を引っぱれる魅力なのかなって思うんです。自分のやりたいことをやっているのではなくて、どう思われるかは別として、みんなのために行動できるところはミリオのすごく好きなところですし、いい子だなと思います。

では、おふたりはミリオについてはどんな印象がありますか?

上村 愛くるしいというか(笑)。ビッグ3の中でも一目置かれている存在なのに、えらぶっていない。1年生に対して寄り添って一緒に歩んでいこうっていう感じがその態度から見えるんですよね。だからすごく関わりやすい人だなって感じます。近くにいてくれる憧れの人というか。そのスタンスはすごく素敵だなと思います。

安野 扱いづらい“個性”に向き合い、自分の努力で克服したミリオですが、全部とは言えないけど、環とねじれちゃんはその努力を知っているはずで。環とねじれちゃんの“個性”は生まれ持っての強いものなんですよね。環は自分が食べたものを体に再現できるし、ねじれちゃんは性格上の好奇心をそのままに強い衝撃波のようなものを放てます。シンプルに強いですし、ほかにはない“個性”なんですけど、そんなふたりがミリオに信頼を寄せているというのは、彼のそれまでの努力や人となりや鋼のメンタルも含めて心から信じているということだと思うんです。3人で歩いていても、なんとなくミリオに2人が寄り添っている感じで、並んで歩いているところにも関係性が見えるなと思っています。

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