Interview

『ボクの妻と結婚してください。』の理想の結婚相手役・原田泰造がボクだったら?

『ボクの妻と結婚してください。』の理想の結婚相手役・原田泰造がボクだったら?

余命宣告を受けた放送作家が最後に放った企画は、残される妻の再婚相手を探すことだった……。2012年に刊行された樋口卓治の『ボクの妻と結婚してください。』が最高の布陣で映画化され、いよいよスクリーンに登場する。 残された時間を、妻の結婚相手を探すことにかける三村修治役に織田裕二。その“思いつき”と真摯に向き合い、覚悟を決めて夫に寄り添う妻役に吉田羊。そして、修治が見初めた“理想の結婚相手”となる伊東正蔵を原田泰造が演じる。 バラエティ番組などで活躍するタレントとしてだけでなく、近年は俳優としても独自のポジションを築き上げている彼に、現場のエピソードだけでなく、結婚観や死生感についても語っていただいた。

取材・文 / 大谷弦 撮影 / 吉井明


奥さんに再婚しないでって確約をとってからじゃないと死ねないかもしれません(笑)

泰造さんが演じた伊東正蔵は、お洒落なインテリア販売会社の社長で、真面目で誠実、加えて独身という、まさに理想の結婚相手という役柄でした。

最初にこのお話をいただいて、台本を読んだとき、「え、これ僕がやっていいの?」って思いました(笑)。セレブで、独身貴族で、男の人に見初められて妻の新しい旦那さんに、って薦められるぐらいの人物ですから、演じていてものすごく気持ちよかったです(笑)。

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演じるにあたって参考にされたことはありますか?

今、僕の周りで独身っていうと、チュートリアル徳井(義実)くんでしょ? あと、くりぃむしちゅー有田(哲平)くん。2人とも、いつでも結婚できそうなのにしないっていうのは今回の役に近いかなって思いましたね。あの2人のイメージは意識しなくても勝手に出てきていたかもしれないです。

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織田裕二さんとの共演はいかがでしたか?

僕は今までいっぱい織田さんの作品を観てきて、ずっとファンだったのですが、共演してみてよりファンになりました。でも撮影中の現場では織田さんではなくて、すごく真摯に役に向き合う方なので、ずっと修治に会ってたような気がするんですよ。

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織田さんは余命数ヵ月という役ですので、実際に体重を落とされるなどの役作りをされてました。

ちょっと前に、あるスタジオで織田さんとすれ違ったのですが、もう修治から織田さんになっていましたね。改めてすごい方だと思いました。

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織田さんとのシーンで印象深いシーンはありますか?

撮影初日が、公園のベンチで織田さんが演じる修治から「結婚はいいものだ」ってプレゼンをされるシーンだったのですが、「僕が浮気するなら妻とします」と、修治はホントに奥さんのことが好きなんだなと思いましたし、話を聞いてるうちにホントに結婚っていいものだなって思うようになってくるんですよ。

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すごい説得力ですね(笑)。

それと、泣くシーンじゃないのに、感動して涙がこぼれてしまうことが多くて、僕も何度かあったのですが、会社のロビーで修治と話すシーンでは、僕の記憶が正しければ、織田さんも何度か涙が出てしまっていたように思います。

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吉田羊さんとの共演はいかがでしたか?

羊さんもすごい女優さんですよね。修治との別れ話になるシーンは、観るともうハラハラしてしまって泣いてしまいますね。僕と織田さんと羊さんの3人で食事しながら話すシーンがあるのですが、セリフではなく、自由に喋っていてくださいという感じだったんです。その会話がとても楽しかったし、大人の安定感がある方だなと思いました。

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現場の雰囲気はいかがでしたか?

楽しかったですね。僕は学生時代にスポーツとか部活にあまり力を入れてこなかったので、みんなで作り上げていく作業をやれることがすごく楽しいし、大好きなんですよ。

俳優としてもキャリアを積み重ねてますけど、こうした映画の現場に挑むときはどのような心境でしょうか?

ちょっと臆しているところがあるのかな……いや、臆してないのかもしれません(笑)。最初はうまくできるかなと思って、緊張して、台本をすごく読むのですが、だんだん早く現場に行きたいって思うようになるんですよね。ボクサーと一緒で、最初は対戦相手のことが怖くてすごく練習するのですが、だんだん試合が楽しみになってくるみたいな感覚に近いかもしれません。

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今回の現場はいかがでしたか?

いっぱい練習したので、楽しみでした。泣くシーンも多いので、疲れたりすることもありますが、それでも充実した撮影でしたね。

泰造さんは、この映画の修治のような立場になったらどうすると思いますか?

僕は正反対だと思いますね。僕が死んでも、奥さんに再婚しないでって確約をとってからじゃないと死ねないかもしれません(笑)。だからこそ、この映画の修治の妻と子供に対する思いっていうのは一途であり、純粋であり、その姿勢だけでも温かく感じるんですよね。

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ご自身の死について考えたりとか、エンディングノートを作ろうとかは?

あまり考えないようにしてますかね。考えてると寄ってきてしまいそうじゃないですか。だからニュースとかでもあまり残酷なものは見ないようにしているんです。余命宣告されても、僕はインドアなので、ずっと家にいるかもしれないです。でも、この前公園を歩いていたら「きれいな景色だな」って思ったんで、もしそうなったらいろんな景色が見たくなるかもしれません。

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この作品を観ると、感動するだけじゃなくて、自分の結婚感や死生観を含めて、いろいろ考えさせられました。

暗くて重いテーマになりがちなのですが、ユーモアもたくさんあって、不思議な雰囲気の作品だなと思いますね。家族っていいな、結婚っていいなっていうテーマがすごく伝わってくるので、この映画を観たらみんな考えるんじゃないかなと思います。この作品を観たら徳井くんや有田くんも結婚したくなるかもしれないですね。

映画『ボクの妻と結婚してください。』

2016年11月5日公開

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STORY
三村修治はバラエティ番組の放送作家として、数多くのレギュラーを抱えて忙しい毎日を送っていた。しかし、末期のすい臓がんと診断され、余命6ヵ月を宣告される。一日でも長く延命し、家族と静かに過ごす。それこそが正しい最期の過ごし方なのだが、どうも面白くない。修治は、作家として家族に残せる“最後の企画”として、妻の再婚相手を探すことを思いつき、実行に移していく。同僚の手を借りてお見合いパーティに潜入したり、元・仕事仲間で現在は結婚相談所の社長になんとか協力を取りつけて、妻にとっての最高の結婚相手を探し出してもらったり……。そんな“婚活”を続けていると、インテリア販売会社社長で真面目で誠実、加えて独身という奇跡のような結婚相手候補の伊東正蔵と出会う。修治の、まさに命を懸けた一世一代のプレゼンテーションは通じるのか。そして迎える最高のエンディングとは?

【監督】三宅喜重
【原作】樋口卓治(講談社文庫刊)
【脚本】金子ありさ
【キャスト】 織田裕二 吉田 羊
原田泰造
込江海翔 森カンナ 眞島秀和 佐藤ありさ
前川泰之 大塚千弘
小堺一機 大杉 漣/高島礼子

【主題歌】「Forget Me Not」中島美嘉(Sony Music Associated Records)

オフィシャルサイトhttp://bokutsuma-movie.com

©2016映画「ボクの妻と結婚してください。」製作委員会

原田泰造

1970年3月24日生まれ、東京都出身。1993年にお笑いトリオ “ネプチューン”を結成。ネプチューンの初主演映画『ネプチューン in どつきどつかれ』(98)でスクリーン・デビュー。2000年、テレビドラマ『編集王』(00/CX)では初主演を務める。以後、NHK大河ドラマ『篤姫』(08)、『龍馬伝』(10)、『花燃ゆ』(15)をはじめ、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(13)などに出演するほか、【テレビドラマ】「血の轍」(14/ WOWOW)、『コントレール〜罪と恋〜』(16/NHK)、『営業部長 吉良奈津子』(16/CX)【映画】『ジャンプ』(04/竹下昌男 監督)、『アントキノイノチ』(11/瀬々敬久 監督)、『少年H』(12/降旗康男 監督)、『四十九日のレシピ』(13/伊吹有喜 監督)、『神様のカルテ』シリーズ(11・14/深川栄洋 監督)などに出演。人気芸人として数々のテレビ番組に出演しながら、俳優としても活躍を続けている。