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プレイするほど楽しさが増す『ASTRAL CHAIN』の成長と強化

プレイするほど楽しさが増す『ASTRAL CHAIN』の成長と強化

近未来都市・アークを舞台に、異世界からゲートを通ってやって来る人類の脅威・キメラとの戦いが描かれるアクションゲーム『ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)』。前回の記事では、主人公たちが警察の特殊部隊・ネウロンに所属することになった経緯や、ネウロン隊員のみが扱える生体兵器であり相棒ともいうべき存在・レギオンについて紹介。主人公とレギオンを同時に操作する“デュアルアクション”や、それを活かした戦闘・事件の捜査といった要素とその魅力についても述べた。今回はデュアルアクションの幅を広げ、より楽しむことができるレギオンの成長要素や形態、主人公が扱う武器の強化などについて解説していきたい。

文 / 長田雄太


成長要素で戦闘はより刺激的になる

前回はキメラの巣窟である異世界からの帰還に成功したところまで紹介した。しかし、主人公以外のレギオンは暴走し、キメラと同じく人類の脅威になった。唯一のレギオン使いである主人公は、キメラ絡みの事件の最前線でさまざまな敵と戦うことになる。しかも物語が進むにつれて、状況はさらに混沌とした様相に転じていく。キメラやレギオンについて主人公たちにいろいろと隠し事がある様子のネウロン司令官・ヨゼフ、主人公の行く手を阻みレギオンが危険な存在だと警告する謎の女・ジェナ、そしてキメラと戦えるようになる特殊な薬を持ったハッカー集団との戦いなど、キメラよりもまず人間同士のいざこざをどうにかしたほうがいいと思うほどの展開になってきた。

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▲ネウロン司令官・ヨゼフ。土師孝也氏が声を当てている時点で怪しい匂いが漂ってくるのだが、裏でいかにも権力者っぽい連中と意味深な通信をしていたり、たまに不敵な笑みを浮かべたりとどう見ても善人とは思えない

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▲ジェナは初対面でゲートの向こうへと消えていったり、驚異的な身体能力を見せたりし、とにかく謎多き存在。レギオンについてより深く知るうえでキーになる存在なのは間違いないが、主人公の双子の妹(主人公が女性の場合は弟)アキラに重傷を負わせるなど幾度となく主人公を苦しめる

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▲ハッカー集団・ハーミットを束ねるカイル。ハッカーとしての腕もさることながら、キメラと互角以上に渡り合えるだけの身体能力も身につけている

キメラも物語が進むにつれて強力な個体が出現する。飛行タイプ、ほかのキメラをサポートしつつ地面に潜ってレギオン使いである主人公からも一時的に姿を隠すタイプなど、その能力もくやしいほどバラエティー豊かになっていく。この各種キメラに対抗するため、重要になってくるのが“ラーニング”と呼ばれるレギオンの成長要素だ。

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▲多種多様な敵が登場する本作。それゆえに戦闘がパターン化することはなく、敵によって戦術を変えるなどさまざまな戦いかたを考える必要がある

ラーニングはスキルツリーのような形になっており、キメラを倒した際に入手できる“ジーンコード”を消費することで各項目が開放され、レギオンの攻撃力を上げたり、攻撃を受けた際のリミッターゲージの減少を抑えたりできるようになる。また、敵を拘束するチェインバインド成功時にレギオンとの連携攻撃シンクアタックが発動できるようになるなど、シンクアタックのバリエーションも増加。ラーニングでは、特定のコマンドに割り当てられる“スキル”も習得でき、コマンドを入力することでレギオンが主人公と自身の攻撃力を一定時間上昇させてくれたり、一定時間制御できなくなる代わりにラッシュ攻撃を行ったりと、割り当てたスキルが発動するようになる。ラーニングはレギオンを強化できるだけでなく、戦いかたのバリエーションも増やしてくれるのだ。

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▲習得したスキルはふたつまでセットできる。筆者はレギオンが自動で一定範囲の敵を取り囲み拘束する“オートバインド”がお気に入りで、このスキルのおかげで何度もピンチを乗り越えてきた

強化できるのはレギオンだけではない。主人公もゲーム内通貨を消費し、武器のエクスバトンのレベルを上げることで攻撃力が上昇する。レギオンを呼び出す装置・レガトゥスは、レベルを上げることでリミッターゲージの最大値や時間経過による回復速度などを上昇させられる。また、エクスバトンはレベルによって、チャージアタックなど主人公が新たなアクションを習得することもある。ラーニングと同様に主人公も強化すればするほど、戦術やプレイスタイルの幅が広がっていくのだ。

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▲ストーリーは章(ファイル)ごとに分けられていて、報酬として各章の終わりにゲーム内通貨を大量に得られる。捜査中に浄化した汚染物質の量など、実績によって得られる報酬額は異なってくる

デュアルアクションという要素だけでもユニークな本作だが、これに加えて主人公のアクションにレギオンのスキル、そして両者によるシンクアタックなど、これほどバラエティー豊かなアクション要素があればとにかく飽きがこない。さらに、それぞれ強化によってバリエーションが増えていくため、より自分好みの戦いかたを模索できるようになる。戦闘スタイルが日々アップグレードしていく感覚は、プレイしていてとても刺激的だ。

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▲ラーニングと異なり、エクスバトンとレガトゥスの強化はネウロン本部でのみ行える。主人公は各章の初めにネウロン本部で待機しており、事件現場に出るまでのあいだ自由に歩き回ることが可能だ

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▲ネウロン本部では、回復アイテムなどを購入できる医務室、主人公の見た目を変えられるロッカールーム、レギオンのカラーリングを変えたりできるレガトゥス・ターミナルなどが利用できる。キメラとの模擬戦が行える訓練場もあり、新しいスキルなどを習得した際はここで試してみるといいだろう

プレイスタイルを大きく変えるレギオンの形態

暴走したレギオンは、物語の各ポイントで現れ強力な敵として襲いかかって来る。戦闘になるととても厄介な存在だが、見事倒すことができれば主人公が再びチェインで繋ぎ、別の形態のレギオンとして操れるようになる。新たな戦力の取得という要素はとてもうれしい。
レギオンはその形態により特徴が大きく異なり、たとえば主人公が序盤から操ることができる“ソード・レギオン”はその名のとおり斬撃による近接戦闘が得意。一方で“アロー・レギオン”と呼ばれる形態は遠距離から敵を攻撃でき、ソード・レギオンの攻撃が届かないような空を飛ぶ敵の対処が可能だ。また、ソード・レギオンと同じく近接戦闘が得意な“アーム・レギオン”は動きが鈍いぶん一撃一撃が強力で、身の回りのものを持ち上げて相手にぶつけることもできる。各形態のレギオンはボタンひとつで簡単に切り替えられ、どのレギオンを操るかで戦闘スタイルはガラリと変わる。同じ敵相手でも主人公が前線に出てアロー・レギオンで援護射撃をしてもらう、あるいはアーム・レギオンを身にまとって強打を浴びせるなど、新たな形態が開放されるごとにより自分好みの戦いが楽しめるようになる。

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▲アーム・レギオンは主人公がパワードスーツを着るような感覚で装着することができ、強力な攻撃を繰り出せるようになる。また、装着中は宙に浮いている状態のため、足を取られるようなぬかるんだ場所での戦闘でも随意に戦える

各形態のレギオンは捜査でも大活躍する。アーム・レギオンは閉じられた扉をこじ開けることができ、ビースト・レギオンはアイテムの匂いを嗅がせることで警察犬のようにアイテムの持ち主を探してくれるのだ。前回の記事でも述べたように、本作はレギオンの能力を活かした捜査が大きな魅力。レギオンの形態が増えると捜査方法も増えていき、主人公自身による捜査だけでなく、各形態のレギオンの特性を活かした情報収集も求められるようになり、地味に思えがちな捜査をより深みのあるものにしてくれる。
火災が発生している事件現場で逃げ遅れた人を安全な場所まで連れていくなど、物語を進めると事件によっては特殊な任務をこなす必要がある。こういった要素も各事件を捜査するうえでいいアクセントになっており、現場が変わるごとに新しい刺激をもたらしてくれる。アクションパートとの緩急のある構成は好バランスだ。

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▲俊敏な動きが特徴のビースト・レギオンは乗って移動できる。移動速度が格段に上がり、足場が崩れるような道でも難なく進んでいける

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▲アロー・レギオンはエイムでより精密な射撃ができ、手が届かない場所にある装置を起動させる際などに活躍する

先述したラーニングはレギオンの形態ごとに用意されており、習得できるスキルには形態によって異なるものもある。ひとつの形態だけでもさまざまなアクションを楽しめるが、戦闘スタイルがまったく違う各形態のレギオンそれぞれに固有のスキルなどもあり、アクションの多彩さは申し分のないものとなっている。

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▲筆者のお気に入りはアーム・レギオン。自分よりも巨大な敵を相手に、アッパーで宙に浮かせたり吹き飛ばしたりと、気持ちのいい戦いぶりを見せてくれる。力自慢のレギオンということもあり、シンクアタックもド派手だ

ゲームを進めることでさまざまなタイプの敵が登場、主人公とレギオンは成長させることで多彩なアクションを習得、さらにレギオンの形態が増えればプレイスタイルも状況に合わせて大きく変化するなどの要素でプレイヤーをまったく飽きさせない『ASTRAL CHAIN』。それどころか戦いかたの幅が広がることで、より自分好みのプレイの純度が上がり、楽しさがどんどん増していく。多彩なアクションが習得できるからといって複雑な操作が求められるようになっていくわけではなく、シンプルな連続攻撃だけでもシンクアタックにつなげられたりもするので、アクションゲームが苦手な方でもプレイしていけばすぐに馴染むはずだ。

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▲ゲーム中に難易度の変更が可能で、“守護”の難易度を選択すると攻撃、回避などを自動で行ってくれるようになる。どのアクションを自動にするか細かい設定もできる

さまざまな謎や人々の思惑が渦巻き、ただキメラに対処していくだけの状況ではなくなっていく展開。主人公はその渦中へと踏み込んでいき、キメラやレギオン、異世界など未知の部分についても少しずつ明らかになっていく。さらに重症だった妹(弟)・アキラが戻って来た際はいかにも危険そうな黒いレギオンを連れていたりと、新たな不安の種も発生する。

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▲危機一髪の状況で主人公を助けに現れたアキラ。しかし、その姿はレギオンと同様に黒ずくめで、レギオンを与えてくれたヨゼフを信頼しきっており素直に回復を喜べない

キメラと同様の性質を持った新たな異形生物“ホムンクルス”も現れ、状況は好転するどころかさらに混沌としていく。迫真のドラマが激しく緊張を高めるなか、主人公やネウロンの隊員たちはキメラの脅威からアークを守れるのか? 主人公がとある理由で拘留されたり、双子の驚くべき出生の秘密が明らかになったりとゲームの面白さは拡大していくが、続きはぜひ本作のプレイで確かめてもらいたい。

フォトギャラリー
ASTRAL CHAINロゴ

■タイトル:ASTRAL CHAIN
■メーカー:任天堂
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:デュアルアクション
■対象年齢:15歳以上
■発売日:発売中(2019年8月30日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各7.980円+税


『ASTRAL CHAIN』オフィシャルサイト

© 2019 Nintendo/PlatinumGames Inc.
Main Character Design ©桂正和/集英社