Interview

志尊 淳はいかにして『HiGH&LOW THE WORST』で、静かなるカリスマを体現せしめたのか?

志尊 淳はいかにして『HiGH&LOW THE WORST』で、静かなるカリスマを体現せしめたのか?

ドリームマッチとも言える、奇跡のコラボレーション。熱き男たちが血をたぎらせる「HiGH&LOW」と、髙橋ヒロシによる青春不良漫画の金字塔『クローズ』『WORST』が、がっつりとタッグを組んだ。題して、『HiGH&LOW THE WORST』。それぞれのファンにはおなじみ鬼邪高と鳳仙学園が戦うという設定だけで高まるものがあるが、まさしく「動と静」のコントラストが際立つ、拳で語り合う青春群像が高い熱量のままスクリーンに映し出されていく。その中で、鳳仙学園のアタマである上田佐智雄を演じ、確かな存在感を発揮しているのが志尊 淳だ。静かながら圧倒的なカリスマ性を放つキャラクターを不敵な雰囲気とともに体現せしめた日々、そして主人公にしてライバル・花岡楓士雄役の川村壱馬(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)と深めた親交などについて、駆け足ながら振り返ってもらった。

取材・文 / 平田真人 撮影 / 斎藤大嗣


今回の作品のセンター的存在である川村壱馬をリスペクトしていたからこそ支えたいという思いがあった。

志尊 淳 エンタメステーションインタビュー

志尊さんが演じられた上田佐智雄、めちゃめちゃカッコよかったです。

ありがとうございます。自分では客観的に見ることができないんですけど、いただいた役はすべてひたむきに追求していくという気持ちで演じているので、そのように言っていただけるのは、すごくうれしいです。

元々、髙橋ヒロシ先生の『クローズ』『WORST』を好きで愛読されていたとのことですので、より強い思い入れで役に没入していかれたのかな、と想像しますが…いかがでしょう?

好きだからという理由だけで追求していくと、それは僕のエゴになってしまうと思ったので、普段と同じように客観的に役柄をとらえることもしながら、好きだからこそのこだわりを、と考えました。そのコントラストにおけるバランスは、(久保茂昭)監督に相談しながら、佐智雄の人物像を探求していった感じです。そういった中で、役に対してこだわりたい部分が出てきました。

志尊 淳 エンタメステーションインタビュー

差し支えなければ、具体的にお話いただけるでしょうか?

元々の台本では描かれていなかったのですが、「闘いに行く時は血だらけの制服を着ていきたい」ということを監督に相談しました。あとは、(佐智雄が率いる)80人くらいの鳳仙学園スキンヘッド軍団の人たちも含め、「表面的にワルぶった歩き方をしないようにしよう」と、徹底したり。鳳仙学園という学校のカラーを考えると、「一枚岩」と言われているぐらいなので統一感がすごく大切になってくるんです。なので、共通認識として「何のために戦っているのか?」を、みんな──100人くらいの鳳仙学園のキャスト全員とディベートを重ねて、共有していきました。

HiGH&LOW THE WORST

久保監督のお話ですと、志尊さんと鳳仙四天王(小田島有剣・沢村正次・仁川英明・志田健三の頭一文字をとって“小沢仁志”と呼ばれる)のキャストを中心に、撮影の序盤から一体感を出そうとしていたのが見てとれた、と。

先ほど、「表面的なワルっぽさはいらない」と話しましたが、(川村壱馬演じる花岡楓士雄が率いる)鬼邪高との決戦に向かう時に僕がみんなと話したのは、「ポケットに手をつっこんで、石とか、置いてあるバケツを蹴飛ばし歩くようなことはしないようにしよう」ということでした。それをすることで一気に“小物感”が出ちゃうというか、安っぽく見えちゃうと思うんです。『クローズ』『WORST』の原作を読んでいて、鳳仙学園は上品さがあるチームというイメージを僕は抱いていたので、そこは絶対に崩したくなかったんです。そして、佐智雄として統率をとるにしても、そこはハッキリさせておきたかったというのがありました。ある意味、鬼邪高との対比だと思うんです。鬼邪高だったら、学校の“色”的にポケットに手を入れて歩くのは全然アリですが、鳳仙学園は静と動で言ったら前者だと思うので、そこのバランスはとっていこうと僕なりに考えていました。

志尊 淳 エンタメステーションインタビュー

それが先ほどお話しになっていた、「コントラストのバランス」に通じている部分ということですね。

実際、鳳仙学園と鬼邪高の役者陣も対照的だったと思います。僕ら自身も鳳仙学園の「鉄の絆」「一枚岩」を最初から意識していたので、常に固まって芝居のことを話し合ったりしていて。そんな僕たちに対する鬼邪高キャスト陣からの、「なんで、いきなりそんなコミュニケーションがとれてるの?」っていう視線やいい意味でのライバル意識も感じ取れたところがありました。もちろん、お互いのチームの色が違っていたのも関係していると思いますが、自分がその学校のリーダーとしてできることが何かを考えた時に、意思統一することかなって思ったんですよね。

そういった中、川村壱馬さんとはいい関係性を築かれていたと聞いています。川村さんもインタビューで志尊さんへのリスペクトを惜しみなく表していました。

そこは僕も同じように壱馬をリスペクトしています。だからこそ作品の真ん中に立つ彼を陰ながら支えたいと思ったんです。もちろん、楓士雄と佐智雄の関係性に根ざしているところもありますけど、この『HiGH&LOW THE WORST』のように熱い血がめぐっている作品の場合、内側からわき出てくるものがスクリーンを通じて伝わると思ったのと…最初のころ、壱馬が一匹狼的な感じで1人でいることが多かったので、なんか気になって話しかけに行ったら、すごくオープンに扉を開けてくれて。「かわいいヤツだな〜」と思いました(笑)。そこから2人でご飯に行くようにもなって、壱馬が何か現場で言いづらいようなことがあれば、僕がカバーできたらいいなという気持ちが生まれてきたという感じでした。でも、だんだん役のことなど意識しなくなって、壱馬も楽しそうにしていたので、そこはすごくよかったなと思っています。何しろ、クランクアップ後の鳳仙学園の打ち上げにも来たくらいですから(笑)。

HiGH&LOW THE WORST

えぇ、そんなことがあったんですか!?

「鬼邪高のところに行かなくていいの?」って、思わず言いましたから(笑)。まあ、鳳仙学園の打ち上げに出てから、ちゃんと鬼邪高に帰っていきましたけどね。でも、それくらい壱馬も僕たちに対する思い入れを持ってくれていたんだなって。それは素直にうれしかったです。それと…鳳仙学園のキャストチームは一枚岩でありつつ、オープンな雰囲気だったのも壱馬には心地よかったみたいで。何だろう、嗅覚の人なんですよ、川村壱馬は。「この人とは合う」っていう匂いをかぎとると、すごい勢いで懐に飛び込んできてくれるんです。そこがカワイイんですよね。そういう意味ではまっすぐなヤツだなと思いました。僕、後輩的な存在は少ないんですけど、壱馬はまさしく「かわいい後輩」みたいな感じがして、撮影が終わった今も親交が続いています。本当、いい出会いに恵まれました。

鳳仙チームの居心地のよさというのは、聞くところによると四天王の1人・志田健三役の荒井敦史さんがムードメーカーだったことに基づいているとか。

そうなんですよ、あっちゃん(=荒井)の存在はすごく大きくて。僕はあっちゃんと事務所も一緒で、学校も同じだったので15歳のころから知ってるんですけど、彼も犬みたいな人懐っこさがあるんですよ。なんかクンクンしているようなタイプというか(笑)。ただ、あっちゃんの破天荒さがさく裂しそうな時は、(仁川英明役の小柳)心くんが止めてくれて。そういうところも含めて、今回の鳳仙学園はすごくいいチームだったなと思います。

そういった辺りからも、絶妙なキャスティングだったと言えそうですね。

はい、本当に素敵なメンバーだったなと思います。

四天王を中心に鳳仙学園のみんなが立ててくれたから、僕は佐智雄として居続けることができた。

志尊 淳 エンタメステーションインタビュー

佐智雄という役と志尊さんの親和性もすごく高かったように思うんですが、ご本人的にはいかがでしょう?

ありがとうございます。ただ、ビジュアルから入る『クローズ/WORST』のファンの方からしたら、きっと僕が佐智雄を演じることに対して違和感を抱かれただろうなって思います。それは自分が一番わかっているんです。けど、見た目も大事ですけど、佐智雄として“夢”も背負っていたつもりでいて。アタマを張る男が強そうな見た目じゃなければいけないという概念みたいなものを、一緒に壊せたらいいなと思っていたんですよね。逆に見た目だけじゃない部分での強さやリーダーシップを表現できるのではないかと考えていたので、内面からにじみ出てくる強さというものを自分なりに探求していました。

それこそ、鳳仙学園の「品格ある不良性」というのは、志尊さんがアタマの佐智雄を演じたことで、より浮き彫りになったのではないかと感じました。

そう言っていただけると、心強いですね。ただ、僕1人でそれを体現したわけじゃなくて、四天王が佐智雄を立てることに徹してくれたからだと思っていて。僕ら鳳仙チームは撮影が始まる時間よりも早めに現場に来て、その日の芝居プランを全員で話し合っていたんですよ。そんな現場、今まで経験したことがなかったんです。芝居のプランは役者各々が考えるもの、というのが当たり前だと思っていたので。でも、今回はそれぞれの意見を持ち寄ることで、何かできることがあるんじゃないかって考えて、空気感から芝居をつくっていったんです。それで、みんなが考えてくれていた延長線上には佐智雄が立っている、というところに行き着くっていう──。そこを僕に意識させず、みんなで徹底してくれた役者精神には、ただただ感謝しかないですね。だから、僕が引っ張ったというよりも、そういう空気をつくってくれた鳳仙のみんなのおかげなんです、と声を大にして言いたいです。

志尊 淳 エンタメステーションインタビュー

そういう「語らずともわかり合える」という部分は、ある種の男くささに通ずるのかなとも思っていて。

確かにありますよね。ロマンと言い換えることもできると思うんですけど、髙橋ヒロシ先生の原作って、そこが醍醐味だと僕は感じていて。言葉で伝えるんじゃなくて、拳をぶつけ合って語り合うっていうコミュニケーションは、いわゆる男くさく感じられてしまうかもしれないんですけど、絶対に男同士のつながりの中ではある部分だと思うんですよね。しかも、それは表現しようと思って具現化できるものでもないので、やっぱり内側からつくっていく必要があるなと考えていました。何よりもよくないのは、カタチだけの不良になることなので、表面だけつくろってもダメだっていう意識を、みんなで共有しました。

イキがるほど小物に見えてしまうところって、ありますよね。

はい、かっこつけるほどカッコ悪くなっちゃうと思って。だから逆に、身体の線が細くても強く感じさせる見せ方もあるはずだっていうことも、自分なりに考えてみたりもしました。

志尊 淳 エンタメステーションインタビュー

そういった部分での見せ場とも言えるのが、後半の鬼邪高VS鳳仙学園の決戦シーンではないかな、と。

(格闘シーンの)一番最初のワンカット長回しのところで、見ている方々を「オッ!」と思わせないと、話が進んでいかないと思ったので、そこは特訓して臨みました。ただ、大内(貴仁・アクション監督)さんの殺陣の流れがすごく芝居的で、役者としてはすごくやりやすかったので、流動的に動けた感があって。なので、身を投じていてすごく楽しかったです。

HiGH&LOW THE WORST

久保監督と大内さんのアクションに対する考え方もぶつかり合いがあって、意見交換しながらつくられていったと聞いています。

そういうクリエイト面における戦いって、多かれ少なかれ、僕はあって当たり前だと思っていて。その境界線まで行かないと見えないモノもあるはずですし。そうやって研ぎ澄まされて提示されたプランを、僕ら役者は最上の表現にしようと集中するというのが、この現場を象徴していたんじゃないかと思います。

どうでしょう、志尊さん自身は佐智雄としてボーダーに近づけたでしょうか?

どうだろうなぁ…確実に言えるのは、一生懸命やりましたということだけですね(笑)。

志尊 淳 エンタメステーションインタビュー

その懸命さは、スクリーンを通じて作品を見る人たちにも届くはず、と勝手ながら思っております。

僕らは表現する上で「見ている人にこう思われたい」「男性の共感を呼べばいいな」「女性にかっこいいと思われたらいいな」というようなことは考えていないんです。ただ、何を考えて現場に臨んでいたのかと問われたら、僕が感じた佐智雄という男や『HiGH&LOW THE WORST』という作品の世界観や魅力を伝えられたら…という、いたってシンプルな答えでしかなくて。女性からするとケンカというところで抵抗があるかもしれないですが、単に殴り合っているだけじゃないんだよ、という心意気や男のロマンみたいなものが伝わったらいいなと思います。


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志尊 淳

1995年生まれ、東京都出身。2011年に俳優デビュー。近年の主な出演作に、映画『帝一の國』(17)『覆面系ノイズ』(17)、ドラマ『女子的生活』(18/NHK)、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』(18)、映画『走れ!T校バスケット部』(18)、映画『フォルトゥナの瞳』(19)、映画『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』(19)、ドラマ『潤一』(19/関テレ)、ドラマ『Heaven? 〜ご苦楽レストラン〜』(19/TBS)などがある。10月8日より上演されるNODA・MAP 第23回公演『Q:A Night At The Kabuki』に出演。

オフィシャルサイト
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オフィシャルTwitter
@jun_shison0305

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映画『HiGH&LOW THE WORST』

10月4日(金)全国ロードショー

HiGH&LOW THE WORST

【STORY】
荒れ果てた町<SWORD地区>の中で通称“漆黒の凶悪高校”と呼ばれる鬼邪高校。そこは定時制と全日制に分かれ、定時制の番長・村山良樹(山田裕貴)が鬼邪高校の頭を張っていた。そんな鬼邪高校の全日制に転入した、花岡楓士雄(川村壱馬)は、いつか村山にタイマンを挑む為、全日制の天下をとる野望を持っていた。
全日制は、実力的にトップの強さを誇る轟(前田公輝)と芝マン(龍)、辻(鈴木昂秀)の轟一派。二年を仕切った中越(神尾楓珠)と一年を仕切った中岡(中島 健)が率いる中・中一派。狂った戦い方で成り上がる泰志(佐藤流司)、清史(うえきやサトシ)が率いる泰・清一派。楓士雄とかつて同じ団地に住んでいた司(吉野北人)と手下のジャム男(福山康平)が仕切る司一派ら、新世代の覇権を争う一大戦国時代を迎えていた。
一方、SWORD地区の隣町・戸亜留市では、幹部以外全員スキンヘッドの最強軍団、鳳仙学園が勢力を強めていた。
過去最強と謳われる鳳仙は、リーダー・上田佐智雄(志尊 淳)を筆頭に、小田島有剣(塩野瑛久)、沢村正次(葵揚)、仁川英明(小柳 心)、志田健三(荒井敦史)の四人からなる鳳仙四天王、幹部のサバカン(坂口涼太郎)ら、最強の布陣を揃えていた。
そんな中、鳳仙の生徒が鬼邪高を名乗る者たちに突然襲撃され、時を同じく鬼邪高の生徒も鳳仙を名乗る者たちに襲われる事件が発生。仲間が襲撃されたことをきっかけに、両高校は互いに敵対心を抱き、殺気立っていく。
楓士雄を筆頭に個性派揃いだが圧倒的力を持つ鬼邪高校。 佐智雄を筆頭に一枚岩に組織化された鳳仙学園。
夕暮れの河原で両校ぶつかり合う、世紀の頂上決戦が幕を開ける―。

企画プロデュース:EXILE HIRO
監督:久保茂昭(『HiGH&LOW』シリーズ)
アクション監督:大内貴仁(『HiGH&LOW』シリーズ/『るろうに剣心』シリーズ)
脚本:髙橋ヒロシ/平沼紀久、増本庄一郎、渡辺啓

出演:
[鬼邪高校・全日制]川村壱馬・前田公輝・吉野北人・佐藤流司・神尾楓珠・福山康平・龍・鈴木昂秀・うえきやサトシ・中島 健
[鳳仙学園]志尊 淳・塩野瑛久・葵 揚・小柳 心・荒井敦史・坂口涼太郎
[希望ヶ丘団地 幼なじみ]白洲 迅・中務裕太・小森 隼・富田望生・矢野聖人
[鬼邪高校・定時制]山田裕貴・鈴木貴之・一ノ瀬ワタル・清原 翔・青木 健・陳内 将
市川知宏 落合モトキ / 箭内夢菜 / 佐藤大樹 佐藤寛太 / 塚本高史 小沢仁志

企画制作:HI-AX
配給:松竹
製作:『HiGH&LOW』製作委員会

©2019「HiGH&LOW THE WORST」製作委員会 ©髙橋ヒロシ(秋田書店)HI-AX

『HiGH&LOW』オフィシャルサイト
https://high-low.jp/