LIVE SHUTTLE  vol. 370

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UNISON SQUARE GARDEN 自らのトリビュート盤に参加した全アーティストが出演。2日間の超貴重なコラボレーションライブを報告する。<1日目>

UNISON SQUARE GARDEN 自らのトリビュート盤に参加した全アーティストが出演。2日間の超貴重なコラボレーションライブを報告する。<1日目>

「Thank you, ROCK BANDS! 〜 UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Live 〜」
2019年8月28日、29日 新木場STUDIO COAST

15周年記念作品として、バンド結成日の7月24日にリリースされた初のトリビュートアルバム『Thank you, ROCK BANDS! 〜UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Album〜』。本作のリリースを記念して、8月28日(水)、29日(木)にトリビュートライブ「Thank you, ROCK BANDS! 〜UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Live〜」が東京・新木場STUDIO COASTで開催された。トリビュート盤に参加した全アーティストが出演し、超貴重なコラボレーションが繰り広げられた2日間。初日は佐々木亮介(a flood of circle)、山田将司、 菅波栄純(THE BACK HORN)、山中さわお(the pillows)、東京スカパラダイスオーケストラ、 大胡田なつき、成田ハネダ、三澤勝洸(パスピエ)、LiSAの6組が出演した。

UNISON SQUARE GARDEN エンタメステーションライブレポート

撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

最初に登場したのはUNISON SQUARE GARDENの3人……ではなく、パスピエの成田ハネダ(Key)。鍵盤の前に座った成田は、彼のルーツである印象派のクラシックを想起させるメロディを弾き、超満員のフロアを沸かせる。そこにUNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介(Vo&G)、田淵智也(B&Cho)、鈴木貴雄(Dr&Cho)が表れ、成田が「Harmonized finale」(★)のイントロを響かせた瞬間、大きな歓声が巻き起こる。これまで一貫して3人だけでライブを行ってきたユニゾンのステージに、メンバー以外のミュージシャンがいるというだけでとんでもなく新鮮だ。2番からはパスピエの大胡田なつき(Vo)も参加。斎藤と声を重ね、早くも超レアなセッションが実現した。

斎藤 「最初のゲスト、パスピエです! いやあ、ニヤニヤが止まらない(笑)。人のライブなのにいきなりピアノ弾かせて、マジでごめん」

成田 「いやあ、ハート鍛えられます」

斎藤 「あいつ(田淵)がやれって言ったんです(笑)」

というフレンドリーなやりとりの後、パスピエの三澤勝洸(G)も加わり、トリビュート盤でパスピエがカバーした「場違いハミングバード」(★)を演奏。ニューウェイブ・テイストのシンセ、ヘビィメタル直系のギターソロなどが加わり、原曲の新たな魅力が増幅される。さらにパスピエの代表曲のひとつ「S.S」へ。濃密なバンドグルーヴとともにツインギター、ツインボーカルが炸裂し、会場は早くもすさまじい興奮で包まれた。

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

「ユニゾン大好き〜!」(大胡田)という言葉とともにパスピエのメンバーが去った後、そのまま鈴木がビートをつなぎ、黒の革ジャンでキメた佐々木亮介(a flood of circle)が登場。「ロックンロールがはじまるぞ!」とシャウト、「俺たちとあんたたちの明日に捧げます!」と「シーガル」(a flood of circle)を放つ。エッジの効いたギターサウンド、攻撃的なリズム、佐々木のブルージーなボーカルが絡み合い、極上のロックンロールへとつながる。缶ビールを飲みながら「いいでしょ、今日はお祝いだから」、「UNISON SQUARE GARDENは自慢の兄さんで自慢の友達で、いちばんぶっ潰したい存在です」と楽しそうに話す佐々木の笑顔も印象的だ。続いて「超いい曲なんだ。俺、がんばるね」とロックチューン「WINDOW 開ける」(★)を披露。サビのフレーズではシンガロングが巻き起こり、フロアとステージの距離が一気に縮まる。爆音ノイズを響かせる斎藤のギターソロも最高。さらに「親愛なるみなさんに、俺の超大事なUNISON SQUARE GAREDENを紹介します!」と3人のメンバーを紹介し、「完全無欠のロックンロールを!」という言葉とともに「フルカラープログラム」(★)へ。観客のなかに飛び込んでシャウトしまくる佐々木に引っ張られるように、3人が奏でるサウンドもさらにヒートアップした。

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

ここでも音を止めることなく、ベースとドラムのセッションから山田将司(THE BACK HORN)を呼び込み、まずは「BUSTER DICE MISERY」(★)。鋭利なスカのビート、どこか陰鬱なイメージの旋律が鳴り響き、会場の雰囲気は一変。濃厚なエモーションを放ちまくる山田のボーカルはやはり唯一無二だ。

MCでは斎藤が「UNISON SQUARE GARDENのメンバーは高校1年くらいからの付き合いなんだけど、最初はコピーバンドから始めて。コピーしてたバンドがTHE BACK HORNでした」というエピソードを紹介。さらに菅波栄純(THE BACK HORN)も交え、「この曲が新曲だったときに、渋谷のタワレコの(イベントの)最前列で観てました」(斎藤)というTHE BACK HORNの初期の名曲「涙がこぼれたら」を共演。ユニゾンのメンバーにとっては、まさに夢のような時間だったに違いない。最後は「シャンデリア・ワルツ」(★)。深みのある中低域を響かせる山田、ポップな響きをたたえた歌声を放つ斎藤。まったく異なる個性を持った2人のボーカリストのコントラストも印象的だった。爆発的なギターソロをぶちかます菅波、そのプレイを嬉しそうに見ながら個性的なフレーズを鳴らす田淵など、それぞれのプレイヤビリティが実感できたことも、このセッションの大きな成果だったと思う。

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

その高揚感を保ったまま、鈴木のビートの導かれるように山中さわお(the pillows)がステージに姿を見せる。「田淵、元気?」、「(斎藤に向かって)今日もかわいいな、この野郎!」とメンバーに話しかけ、the pillowsのアンセムのひとつ「RUNNERS HIGH」へ。ユニゾンのファンが埋め尽くすフロアに大合唱が生まれ、大勢の観客がこぶしを突き上げる光景はまちがいなく、この日のライブのハイライトの一つ。メンバーが敬愛するthe pillowsの音楽がユニゾンのファンにも共有されていることを目の当たりにして、強く心を揺さぶられてしまった。

山中 「すごいね、こんなメンドクサイ企画をよく…リハーサル大変だったでしょ」

斎藤 「聞くところによると、さわおさんもめちゃくちゃ練習してくれたそうですね」

山中 「あ、はい(笑)。中野のビッグエコーでめちゃくちゃ練習したんだ」

というトークの後は、疾走感に溢れたアッパーチューン「Cheap Cheap Endroll」(★)。爆走するエイトビートと尖りまくったギタープレイも強烈だった。続く「シューゲイザースピーカー」(★)も絶品。the pillowsバージョンのオルタナ濃度高めのコード・ワーク、激しくシャウトしまくりながら、リリカルな歌心を失うことがない山中のボーカル。ユニゾンとthe pillowsの音楽的な交流がはっきりと感じられる、有意義なコラボレーションだった。

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

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撮影 / にしゆきみ

ライブ後半も「こんなのアリ?!」と叫びたくなるような素晴らしいシーンが何度も生まれた。鈴木がしなやかなジャングル・ビートを叩くなか、東京スカパラダイスオーケストラの茂木欣一(Dr)が登場。お互いに“欣ちゃん!”“貴雄!”呼び合いながら、激しくも楽しいドラム・セッションを繰り広げる。ふだんのインタビューなどで茂木へのリスペクトを公言している鈴木にとっても、きわめて大きな経験だったと思う。続いてスカパラの面々と田淵、斎藤がステージに姿を見せ、沖祐市(Key)のラテン・テイストのピアノ、「みんなの熱い声を聞かせてくれ!」(GAMO/テナーサックス)という言葉ともに「Paradise Has No Border」を演奏。曲の後半ではユニゾンの3人をスカパラのメンバーが囲み(鈴木はスネアドラムを持って前方に移動してました)、メインのメロディを響かせる場面も。

さらに「今年の初めに我々にとって初めてのトリビュートアルバムを出しました。そのなかの1曲をUNISON SQUARE GARDENにやってもらったんですが、今日は、初めて一緒に、総勢12名で思い切りぶちかまします」(谷中敦/バリトンサックス)とユニゾンのアレンジ(もちろんメインボーカルは斎藤)による「愛があるかい?」。そして、スカパラ・バージョンによる「桜のあと(all quartets lead to the?)」(★)へ。軽快なスカビート、豊潤なホーンセクションと斎藤、田淵、鈴木のアンサンブルが絡み合い、会場全体をダンスフロアへと変貌させた。

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

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撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

記念すべき15周年のトリビュートライブ、初日の最後を飾ったのはLiSA。まずはユニゾンの「オトノバ中間試験」(★)。タイトなバンドサウンドとともにLiSAの凛としたボーカルが鳴り響き、凄まじい歓声が生まれる。彼女は現在、全国ホールツアー「LiVE is Smile Always〜紅蓮華〜」の真っ最中。ロックとポップを高いレベルで融合させた歌、キレキレのパフォーマンスを含め、まさに絶好調だ。

「聞いたことある、観たことある曲たちをぜんぜん違うボーカルが歌って、違う方々が演奏して、ぜんぜん違うライブを観ているような感じになって。それを今日のためにやってるこの人たち、すごくない?」とLiSAが語り掛けると、会場からは大きな拍手が巻き起こった。

田淵が手がけた曲を数多く歌っているLiSAに対して斎藤は、「今回のライブのために用意した曲のなかで、演奏するにあたって、断トツ“なんだコレ?”っていう曲があって。作曲者調べたら、田淵智也って書いてあった(笑)」とコメント(田淵は苦笑)。

「まあ、紙一重だからね、天才とヘンタイは。(田淵は)天才寄りのヘンタイです」(斎藤)「天才寄りのヘンタイが書いた、私の楽曲。いくよ」(LiSA)というやり取りから、「Rising Hope」を披露。演奏はユニゾン、斎藤とLiSAのダブルボーカルによる超スペシャルな共演に観客のテンションも最高潮に達した。ラストは「オリオンをなぞる」(★)。ユニゾンの代表曲のひとつをLiSAが解放感のあるボーカルで描き出し、本編は終了した。

UNISON SQUARE GARDEN エンタメステーションライブレポート

撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle)

強烈なコールに応え、UNISON SQUARE GARDENの3人が再びステージに上がる。

「これ以上言葉は要らないと思うので、ひとつだけ言わせてください。今日1日で、UNISON SQUARE GARDENやっててよかったって、8兆回思いました。最後に1曲だけ」(斎藤)と「プログラムcontinued(15th style)」(★)(シングルのカップリング集『Bee side Sea side 〜B-side Collection Album〜』にボーナストラックとして収録)を演奏。トリビュートライブの初日はエンディングを迎えた。

(★)=UNISON SQUARE GARDENのオリジナル曲

文 / 森朋之
撮影 /  Viola Kam (V’z Twinkle)、にしゆきみ

「Thank you, ROCK BANDS! 〜 UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Live 〜」 2019年8月28日 新木場STUDIO COAST

セットリスト
00. 絵の具
01. harmonized finale
02. 場違いハミングバード
03. S.S
04. シーガル
05. WINDOW開ける
06. フルカラープログラム
07. BUSTER DICE MISERY
08. 涙がこぼれたら
09. シャンデリア・ワルツ
10. RUNNERS HIGH
11. Cheap Cheap Endroll
12. シューゲイザースピーカー
13. Paradise Has No Border
14. 愛があるかい?
15. 桜のあと(all quartets lead to the?)
16. オトノバ中間試験
17. Rising Hope
18. オリオンをなぞる
<アンコール>
19. プログラムcontinued(15th style)

「Thank you, ROCK BANDS! ~UNISON SQUARE GARDEN 15th Anniversary Tribute Live~」2日目の模様はこちら
UNISON SQUARE GARDEN 自らのトリビュート盤に参加した全アーティストが出演。2日間の超貴重なコラボレーションライブを報告する。<2日目>

UNISON SQUARE GARDEN 自らのトリビュート盤に参加した全アーティストが出演。2日間の超貴重なコラボレーションライブを報告する。<2日目>

2019.10.06

UNISON SQUARE GARDEN

鈴木貴雄(Dr)、斎藤宏介(Vo、G)、田淵智也(B)。
透明感に溢れながらも個性的なトゲを持つ斎藤宏介のボーカルと、エッジが効いたコンビネーション抜群のバンドアンサンブルが共鳴、共存するROCK / POPの新世界。
キャッチーなメロディラインとアンバランスな3人の個性が織りなす鮮烈なライブパフォーマンスで、オーディエンスを魅了し続ける実力は3ピース・ロックバンド。
これまでに15枚のシングルと7枚のオリジナル・アルバムを発表。今年バンド結成15周年を迎えた。

オフィシャルサイト
http://unison-s-g.com

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