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“池田純矢ワールド”を詰め込んだエン*ゲキ#04『絶唱サロメ』が開幕!! 主演の松岡 充が公演の成功とブームを予言!?

“池田純矢ワールド”を詰め込んだエン*ゲキ#04『絶唱サロメ』が開幕!! 主演の松岡 充が公演の成功とブームを予言!?

俳優・池田純矢が自ら劇作・演出を手がける「エン*ゲキ」シリーズの第4弾『絶唱サロメ』が、2019年10月5日(土)に新宿・紀伊國屋ホールで幕を開けた。
主演を務めるのは、アーティスト・俳優として多彩な活躍を見せる松岡 充。共演には豊原江理佳、納谷 健、小浦一優、吉田仁美、鈴木勝吾、シルビア・グラブという人気と実力を兼ね備えた個性豊かなキャストが集結!
ゲネプロの前に行われた囲み会見には8名のキャストが登壇し、本作にかける意気込みや、次にくるスイーツを予言(!?)するなど、爆笑コメントも飛び出した。

取材・文・撮影 / 近藤明子


耽美で背徳的な世界観と歌のパワーと笑いが融合

「エン*ゲキ」シリーズ最新作『絶唱サロメ』では、神話を題材にしたオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」に着想を得て、かつてない世界観を創り上げた。
初日を前に行われた囲み会見には、役衣裳に身を包んだキャストたちが登壇し、集まった取材陣に意気込みを語った。

絶唱サロメ エンタメステーションステージレポート

預言者・ヨカナーンを演じる主演の松岡 充は「音楽でデビューしてから24年、俳優の活動を始めてからは15年になりますが、15年目にして、まだ見ぬ新たなことにチャレンジしたいと思っています!」と力強くコメント。

絶唱サロメ エンタメステーションステージレポート

ヨカナーンに恋する王女・サロメ 役の豊原江理佳は「早く皆さんに見ていただきたい気持ちと怖い気持ちがあり、いろいろと複雑ですが(苦笑)、台本をいただいたときから特別で大好きな作品。今は初日を迎えるのが楽しみです」と緊張しつつも笑顔を見せた。

サロメの母・ヘロディア妃を演じるシルビア・グラブは「サロメのお母ちゃんです(笑)」とおどけつつ、「紀伊國屋劇場はストレートプレイでしか出たことがなく、こんなにガッツリ衣裳を着て、ここまでガッツリとメイクをした状況で、この劇場のサイズに皆さんが収まるかどうか心配ですが、とにかく頑張って初日を迎えたいと思います」とどっしり構え、共演者に安心感を与える精神的支柱ともいえる存在感を見せる。

ヘロディアの侍女・ラバン 役の吉田仁美は「作品全体が“愛”のお話ですが、もしかしたらラバンは唯一愛を知らない女の子かも……。そんなラバンがお客様にどう受け止めてもらえるのか不安もありますが、楽しみでもあります。紀伊國屋ホールに収まりきらないぐらいの想いを、皆さんに届けられたらいいなと思って、ワクワクで今、爆発しそうです!」と興奮気味に語った。

拷問処刑人・首切りナーマンを演じるのは、芋洗い坂係長こと小浦一優。「とにかくヨカナーンをいたぶり尽くす役です。私は笑わせるところはいっさいございません! 真剣にいたぶります! お客様を恐怖のどん底に陥れたいと思っておりますが、お客様には害を加えませんので、テーマパークのアトラクションの一部のような感じで見ていただければ幸いです」とコメントし、場の空気をなごませた。

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サロメの義父で彼女を溺愛するヘロデ王 役の鈴木勝吾は「欲にまみれたユダヤ王・ヘロデは果たして“愛”を知っているのか……という役柄です。劇場のサイズや衣裳に負けないように、役とこの世界観のリアリティーをもってお客様に届けられる芝居をできたらいいかなと思っています。僕自身も楽しみです!」とコメント。

続いて兵士・ナラボート 役の納谷 健が口を開こうとした瞬間、「以上のメンツでお届けします」と会見を締めようとする松岡。慌てた様子で納谷が「おーい! おいおい!」と声を上げると、「あれ? いたの? どうぞ〜(笑)」と涼しい顔で流し、池田純矢も「今から大爆笑ご挨拶が始まりまーす」とハードルを上げようとするなど、関西出身キャストたちのコントのようなやりとりには取材陣からも思わず笑いが起こる。
気を取り直し「稽古でやってきたことを信じて、王女様に思いを寄せる“いち兵士の生き様”を見せられるように頑張りたいと思います。面白くなくて……すみません(苦笑)」と、納谷も真面目に意気込みを語った。

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また、作・演出の池田はガブリエル 役でも出演。その理由を「予算の都合」とぶっちゃけると、即座に「そんな内情を言わんでよろしい! シーッ!(苦笑)」と松岡がツッコむ。
そして改めて「でも、今はこの役は自分の役だと思えるぐらいに積み上げてきたつもりです。自分が書いて自分が演出している作品ですが、もう自分の手からは遠く離れていて、“こんなのが見たかった”と思う作品になっています。ビッグマウスだと思われるかもしれませんが、この作品が上演されている瞬間、きっと“ここが世界の中心だ”と僕は思っています。そのぐらいの意気込みでやっていきたいし、初日を迎えられて嬉しく思ってます」と内に秘めた熱い思いを語った。

質疑応答では「本作は松岡さんのために書いた作品と池田さんはおっしゃっていますが、それについて思うことは?」との質問が。これに対し松岡は「お誘いいただくときは、だいたい皆さんそう言いますよね?(苦笑)」と、とぼけてみせるが、「『断られたらお蔵入り』とまで言っていただけるのは役者として嬉しいし、ありがたいこと。彼との信頼関係やクリエイターとして尊敬していること、一緒に楽しいことができるんじゃないかという期待が、参加を決めた一番の理由です。でも、稽古で台本をじっくり読み込んで自分の言葉にしていくなかで『この人ちょっと怖い』って思うぐらい本当に僕のことをすごくわかっているというか……ある意味、僕以上に“松岡 充の魅力”を知っているんじゃないかと怖くなりましたね(苦笑)。若い頃から『才能がある』と言われ続けてきた僕が見て、『なんだ、この新人類は!?』と思うんですからね」と、池田の才能を絶賛。

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また、演出家としての池田の変化についてコメントを求められた、「エン*ゲキ」シリーズ常連の鈴木は「最初の頃の手探り感というのは徐々になくなってきていますし、自分のやりたいことを人に伝える手段もいろいろ考えて演出をしているなというのを感じます。今回の作品は彼にとって挑戦的な作品ですし、“エン*ゲキ”シリーズにとってもターニングポイントになる瞬間なんじゃないかなと思います」と、戦友に温かなまなざしを向けていたのが印象的だった。

それを受けて池田は「僕自身、僕という脚本家、僕という演出家、僕という俳優の大ファンで、僕が好きだと思うものをつくっています。毎回、自分の作品を超えるのは難しいことですが、今のところ間違いなく、最新作が最高に面白い状態を迎えられていて、『もしかしたら僕は天才なのかもしれない』と思っているんですけども(苦笑)。これを“#100”まで毎作品更新し続けられたら、宇宙一面白くなるんだろうなと思います!」と、茶目っ気を交えながらも本作に対する絶対の自信をのぞかせた。

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最後に、予言者ヨカナーンにちなんで、公演中に起きそうなことを預言してくださいと話を振られた松岡は「タピオカがそろそろ下火になってきているので、次は“わらび餅”ブームがくる!」と予言するも、「“公演が成功する”とか、そっちの予言を期待していたのですが(苦笑)」と、記者からまさかのダメ出し(笑)。
気を取り直して「今まで見たことがない作品。それを客席の皆様に伝え、その先の想像にまで導くのが僕らキャストとスタッフの役割ですが、ちょっと踏みはずしてしまうとガタガタと崩れて『何のこっちゃか、ようわからへん』ってなってもおかしくない、そんな緻密な世界観のうえで成り立つ作品です。だからお客様に『難しかった』と言われてしまったら僕らの負けだと思うので、皆様の日常に当てはまるもの、共感できるものとしての橋渡しはちゃんとやろうと心に誓っています。そこは責任を持って……納谷くんがやってくれると思います(笑)」と、コメントの最後はまた納谷で落とす(笑)。「あとは予言したとおり“わらび餅”ブームがくるかどうかは今後注目していただいて……・あ~、予言コメントの最初からやり直したい。恥ずかしい(笑)」と最後には反省の弁を述べて会見は幕を閉じた。

愛情と愛憎、様々な想いと笑いが交錯する“池田純矢ワールド”が全開!

≪あらすじ≫
王女サロメは生きる事に嫌気がさしていた──。

ある晩、国王であり義理の父から 向けられる悍ましい視線から逃れるようにテラスへ出たサロメは、煌々と照らされた月空の下で世にも美しい唱声を聴く。

地下牢に幽閉されていた声の主・ヨカナーンは、唱う言葉が次々と現実のものとなる 不思議な力を持っていた。

妖艶な魅力に取り憑かれるように惹かれていくサロメは、いつしかヨカナーンの存在に生きる意味を見出していく。

しかし、王はそんな二人の関係を赦しはしない。

「あなたと二人、誰もいない遠い所へ行くの! 見渡す限り地平線の彼方へ!」

そんな淡く儚い想いを抱くサロメに、ヨカナーンは悲壮な瞳で不思議な力の源と、世界の根幹を揺るがす重大な秘密を打ち明ける。

絶望と希望が交錯する中、二人は”ある約束”を胸に地下牢を抜け出すが……。

絶唱サロメ エンタメステーションステージレポート

会見のあとに行われたフォトコールでは、抜粋された数シーンを披露。

ヨカナーン(松岡 充)が歌う本作のメインテーマは、古典という題材に似つかわしくない重低音のロックナンバー。しかし松岡の圧倒的な歌声で観る者を一気に物語の世界へと引き込んでいく。

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いつしか場面はヘロデ王(鈴木勝吾)とヘロディア妃(シルビア・グラブ)が隣国の王をもてなす宴席のシーンへと変わり、美しい義理の娘・サロメ(豊原江理佳)に執着するヘロデ王の変質的な愛情が際立つ芝居に、“さすが、鈴木勝吾”と、思わずゾッとした(誉め言葉です・笑)。

まとわりつくような義父の視線から逃れるためテラスへと出たサロメは、どこからか聴こえてきた歌声に魅了され、門番のナラボート(納谷 健)に声の主の正体について問うのだった──。

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続いて披露されたのは、ヘロデ王が前王である実の兄・フィリッポスとの闘いの中で不思議な力=“ヴォイス”を手に入れる回想シーン。鈴木がスピーディーでキレのある殺陣と共に、圧倒的な存在感を放つ歌声で、その場を支配していたのが印象的。

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また、地下牢でヨカナーンと対面したサロメが、“ヴォイス”の秘密を聞き、力を求めるシーンでは、シリアスな会話の中にも思わずクスっとしてしまう要素が散りばめられていて、作・演出の池田の笑いのセンスが光っていた。

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そして、本作の見せ場のひとつというヨカナーンと首切りナーマン(小浦一優)の一騎打ちの場面では、巨漢を揺さぶり軽やかにタップでリズムを刻むナーマンのラップとアンサンブルの炎のパフォーマンスVSヨカナーンの力強い歌声が操るガブリエル(池田純矢)のダイナミックな殺陣が、見えざる力=“ヴォイス”による緊張感溢れる戦いのシーンを表現。

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最後に披露された戯曲「サロメ」を象徴するシーンでは、ヨカナーンの生首を愛しそうに抱くサロメがそっと口づけする姿がスポットライトの中に浮かび上がり、一枚の絵のようなその光景は、思わず息をのむほど美しく背徳的だった。

エン*ゲキ#04『絶唱サロメ』は、10月13日(日)まで東京公演を上演。その後、10月26日(土)・27日(日)にサンケイホールブリーゼにて大阪公演が上演される。
演出家・池田純矢が目指す「ミュージカルでも音楽劇でもない、新しいエンターテイメントのかたち」を目撃しに、ぜひ劇場に足を運んで欲しい。

エン*ゲキ #04『絶唱サロメ』

エン*ゲキ #04『絶唱サロメ』

東京公演:2019年10月5日(土)〜10月13日(日)紀伊國屋ホール
大阪公演:2019年10月26日(土)〜10月27日(日)サンケイホールブリーゼ

原案:オスカー・ワイルド
作・演出:池田純矢
音楽:和田俊輔

出演:
ヨカナーン 役:松岡 充

サロメ 役:豊原江理佳
ナラボート 役:納谷 健
首切りナーマン 役:小浦一優(芋洗坂係長)
ラバン 役:吉田仁美
ガブリエル 役:池田純矢

ヘロデ・アンティパス王 役:鈴木勝吾
ヘロディア妃 役:シルビア・グラブ

アンサンブル
北村海 石上龍成 吉野菜々子 佐竹真依 山崎涼子

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@enxgeki)

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