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声優、監督など豪華ゲストを迎えた東京国際映画祭初のアニメ特化型イベント「TIFFアニ!!」とは?(後編)

声優、監督など豪華ゲストを迎えた東京国際映画祭初のアニメ特化型イベント「TIFFアニ!!」とは?(後編)

日本のアニメーションの「今」を取り上げる東京国際映画祭のイベントが行われた。 ハロウィンのこの日、映画・音楽・アニメが国際フォーラムで融合し、東京から世界に発信する新たなプロジェクトが始動!映画祭ならではの、ここでしか見ることのできない映像や特別ゲストを迎えたトークコーナーなど、ジャパニメーションカルチャー満載のイベントだった。その内容をレポートする。

取材・文 / エンタメステーション編集部


2016年10月31日(月)東京国際フォーラムCにて、2つのイベントが開催された。 第一部が「東京国際映画祭 イチオシ・アニメ スペシャル」、第二部が「のじけんBAR~TIFFアニ!!に気まぐれ開店!~」という2つの構成となっていた。

アニメーション特別企画 TIFFアニ!!
TIFFアニ!! 第2部 東京国際映画祭
「TIFF!!アニ Supported by LisOeuf♪(リスウフ)のじけん BAR~TIFF アニ!! にきまぐれ開店~」

女性が楽しめるアニメ音楽誌として、2016年5月に創刊された“LisOeuf♪”(リスウフ♪)での連載「のじけんBAR」と連動したイベントが第2部で行われた。
LisOeuf♪で好評連載中の「のじけんBAR」は声優の野島健児(のじけん)がゲストを招いて対談をするコーナーだが、それを誌面上から飛び出し、東京国際映画祭TIFFアニ!!内で行うと一夜限りの生企画。
開演と同時にBARのマスター役として野島が登場。「連載やってるLisOeuf♪から、有楽町でいい場所があるので、出張店舗だしてみないか?と言われて、ほいほいと、“出そうよ、なんでもやっちゃう”とお店出しちゃったんだよ」と今回の開店を説明した。

そこへ最初のお客さんとして、B-PROJECT愛染健十 役で人気の加藤和樹が登場。加藤は俳優、歌手、最近は声優と幅広い活動しているが、野島は今回初対面らしく「こんな40歳でもスキルアップしてきたいと思っていまして、いろんなお話を伺いたい」とアピール、共通点を見つけるべくトークがスタートした。

加藤和樹&野島健児

加藤和樹&野島健児

野島からの「デビューして、この活動を続けようと思うきっかけは何ですか?」という問いに加藤は、何かになりたいという目標がなく、デビューから半年して芸能界を一度やめ、バイトしている中で、楽しみにしてくれているお客さんの笑顔が見たいと思い立ち、弱音吐いてる場合じゃないと再開したと話していた。「若い時はなんでも“一人でやらなきゃ”とか、“なんとかなる”と思っていたんです。でもなんともならないことを知って。一人でできることって限られてるし、来てくれるお客さん、舞台を作ってくれるスタッフとかいろんな人が支えあって自分があるんだなと思ったんです。」と改めて活動を再開し、来てくれるお客さんとまわりのスタッフへの感謝を持ち続けながら活動していることが伝わってきた。
野島から「俳優と声優にはどんな違いがあると思いますか?」という質問に対して、加藤は「表現という意味では同じですが、声優は声のみで伝えなきゃならないという制約がありますが、特別違うことはないんだなぁと感じてます」と表現に内包されるものはその人間自身だと答えた。一役者としての幅をこれからも広げていきたいという豊富を話し、最後にカラオケがあるという流れから加藤がリリースされたばかりの「秋恋」を披露して、店を後にした。

矢継ぎ早に登場したのは、声優界では大御所となる速水 奨。席に着くなり「この店、客単価どのくらいなの?」と直球を投げ、野島からコントじゃないんですからと突っ込まれ、会場を沸かせた。
速水は1980年にデビューとのことだが、ニッポン放送主催「アマチュア声優コンテンスト」のグランプリがきっかけだったという。はじめての仕事「1000年女王」では、野島の父親 野島昭生氏との共演したことがあるそうだ。コンテストのグランプリからスタートした速水は、当時の現場で印象を“緊張”よりも“倦怠”と語り、“自分自身に存在価値を見いだせなかった”という理由と語っていた。コンテスト自体は賞金目的で受けて、合格してしまったことで、やりたいということではなかった道を進んでいく中で、今は“心技体をもって作品に寄り添えたら”と思うようになったという。

速水 奨

速水 奨

野島も速水と共演したことがあり、その時のエピソードに、声入れがうまくいかない時に速水にアドバイスを求めていった際、速水の台本は何もメモされていない印刷されたままの状態で衝撃だったようだ。そのエピソードに対して速水は「あのころブームだったの。自分がチェックしないでどこまでやれるかって、自身に科していた」と話し、野島も「何か書いてしまうと安心していまうから、緊張感を持てるようにとおっしゃっていた」と感銘を受けたアドバイスを披露した。その後、野島もそうすることによって、人の話も聞くようになり、どれだけちゃんとした会ができるようになるかと集中できるようになったと感謝していた。

高橋直純&速水 奨&野島健児

高橋直純&速水 奨&野島健児

会場全体がそのエピソードに感動している中、高橋直純が登場。野島は高橋と直近でイベントや声優としての共演も多数あった。野島にとって憧れの存在でもある高橋との初対面は、オーラが違っていたと話した。高橋は、歌手になりたいという夢を周りに話すとバカにされるので、“江戸前寿司を作りたいので、江戸に行く!”と言って東京に出てきたという話に会場は大爆笑。神田の寿司屋に就職して修行も受けながら、夢を追い続け、アイドルグループに所属し歌を中心に活動、その後、芝居も勉強し、舞台も経験、声優の仕事もするようになったとのこと。

下積みも長く、様々な経験をしてきた高橋に、野島は“表現としての歌の捉え方”を学ぶべく、高橋自身にとっての歌はどのようなものなのかを質問すると、「キャラソンとか切り口がちがったお仕事も多くなって、気構えたりしたけど、お芝居をやる感覚でやっています」と話すと、野島も「キャラソンはそのキャラクターありきだから、芝居の延長なんだなといきつくまで苦労しました」と話した。歌に対する高橋の熱量は高く、コーラスとかまで考えてレコーディングに臨むという。それを受け野島は、歌の間奏におけるフェイクがうまくできないのですが、どうしたらいいかを質問。高橋は「芝居ではアドリブするじゃん。尺やキャラの制約の中で、やれる最大の楽しみだよね。それと同じなのかなと思っていて」と答えた。その話しから、野島は自分のやっている役の中でのテーマにそった芝居の中で自然に出てくるものだということで腑に落ちたようだった。最後のレクチャーとの野島のリクエストから高橋直純も「BLUE」を披露し、会場から歓声と拍手ももらい、店を後にした。

最後に登場したのは、若手ながらも活躍中の小野賢章。
野島と小野は劇場版『聖闘士星矢  LEGEND of SANCTUARY』で共演しているが、小野は、その時のオーディションのエピソードを披露。「オーディション当日に親知らずを抜いたんです(笑)。それでオーディション行ったんですけど、聖闘士星矢だから、技名を叫ぶんですよ。終わって、台本返すんですけど、その台本が血まみれでした(笑)」とインパクトあるエピソードを披露し、会場を盛り上げた。

小野賢章

小野賢章

先輩にあたる野島に小野は「オーディションに準備したりしますか?」という逆質問も。野島は原作あれば読んだりもするが、落ちるかもしれないオーディションで一度でもその役を演じると“好きになってしまう”、オーディションのペライチの台本を“ラブレター”だと思うと役へ愛着を持って臨んでいる姿勢を示してくれた。
12歳で日本版のハリー・ポッターの声優をやってきた小野に、舞台での俳優と声優の違いはと質問してみると、「台本を持ってマイクの前に立つということが舞台ではないので、最初は戸惑いました。またハリー・ポッターからアニメ言った時が一番太変でした。音があるものにのせればよかったのに、アニメは絵も完成してないし、情報が少ないですから」と当時の不安を披露してくれた。今は売れっ子の小野だが、高校卒業後にはそれほど仕事の依頼が多くなく、不安さながら、その時にアニメ、映画を見まくって表現力を勉強していたことが今に活きていると仕事に真摯な姿勢がうかがえるエピソードも披露した。

演目も終盤、「語りはどこから歌になるのだろう」と野島らしい自身への問いかけから、ソロライブがスタート。「Gray Zone」、「でもそばに君がいる」、「Blank Page」(語り)、「Between the lines」の4曲を披露した。

野島健児

野島健児

雑誌「LisOeuf♪(リスウフ)」から飛び出した実演版“のじけん BAR”に訪れた方々は、それぞれ俳優、声優として自分と役への向き合い方から得た経験とスキルから、多くの作品に関わり、沢山のユーザーを楽しませている。声優もマルチな活動を求められる昨今で第一線で活躍している方々の話しを聞くのは、マスターというMCを務めた野島だけではなく、参加したユーザーにももいろいろと刺激をもたらせたと思われた。また次回があることを期待したい。

≪イベント概要≫

「TIFFアニ!! Supported by LisOeuf♪(リスウフ) のじけんBAR ~TIFFアニ!!に気まぐれ開店!~」
開催日時:2016年10月31日(月)19:30開演
開催場所:東京国際フォーラム ホールC
内容:「リスアニ!」が手がける女性向けアニメ音楽誌「LisOeuf♪」の人気企画、声優 野島健児による「のじけんBAR」がTIFFアニ!!に気まぐれ開店!ゲストに加藤和樹さん、高橋直純さん、速水 奨さん、小野賢章さん。のじけんBARで声優同士の深堀りトークが展開された。

マスター:野島健児 ゲスト:小野賢章、加藤和樹、高橋直純、速水 奨(五十音順)

LisOeuf♪(リスウフ) vol.02

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アニメ音楽誌「リスアニ!」から新創刊された、女性が楽しめる新しいアニメ音楽誌「LisOeuf♪」(リスウフ♪)のvol.02が8月31日に発売決定!今号もインタビューはもちろん、写真もじっくり楽しめる仕様でお届け!
発行:エムオン・エンタテインメント
判型:A4変形(タテ297㎜×ヨコ235㎜)104P
価格:1,200円(+税)
http://www.lisoeuf.com/


≪配信情報≫

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夏恋 / 秋恋
加藤和樹
レーベル:ImperialRecords
<収録曲>
01. 夏恋
02. 秋恋
03. 夏恋(Instrumental)
04. 秋恋(Instrumental)
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PON PON KING/BLUE
高橋直純
レーベル:Realize Records
<収録曲>
01. PON PON KING
02. BLUE
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いつかどこかの僕について
野島健児
レーベル:NZ-project
<収録曲>
01. Kの紙片
02. No border
03. Left or Right
04. 空想幸福論
05. いずれ、ありふれた日常
06. でもそばに君がいる
07. その手に帰る日
08. 深い森

©2016 TIFF