Review

26年ぶりのリメイク『ゼルダの伝説 夢をみる島』名作の謎解きは色褪せない

26年ぶりのリメイク『ゼルダの伝説 夢をみる島』名作の謎解きは色褪せない

つるんとしたフィギュアのような可愛らしいキャラクター、パッと目を引く美しいジオラマのようなグラフィック。今回紹介する『ゼルダの伝説 夢をみる島』は、初代ゲームボーイ版が1993年に発売され人気を博してから、ゲームボーイカラー対応版となる『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』、ニンテンドー3DSのバーチャルコンソール版など、現在に至るまで何度かリメイク・移植されている作品です。筆者は初代の発売当時にはプレイをすることができなかったのですが、今回はグラフィックも内容も現代風に生まれ変わったNintendo Switch版がリリースされたということで、初プレイの機会に恵まれました。『ゼルダ』シリーズで一番好きだというプレイヤーも多く、発売当時から多くの人を虜にしている本作はいったいどんな魅力が詰まったゲームなのか、全2回の記事で探ってみたいと思います。では、オリジナル版をプレイした方も初めての方も、まずは一緒に公式の紹介映像で予習をしてみましょう。

文 / 内藤ハサミ


謎の島を舞台に進む物語

ガノンを倒し修行の旅に出ていたリンクは、ハイラルへ帰る途中の船が巨大な嵐に巻き込まれたせいで、海に投げ出されてしまいました。目を覚ました場所は、「一度足を踏み入れると、決して出ることができない」と言われているコホリント島。リンクを助けた少女・マリンをはじめとする個性的な村の住人と助け合い、不思議なフクロウの言葉に導かれながら、リンクは島を出る方法を探すための冒険へと出発します。

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲リンクが島に流れ着いてから、島には怪物が出るようになりました。なぜ、同時期に……?

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲今回のキャラクターは3Dモデルですが、従来の2D画面と同じ見下ろし型のアクションゲームです

初めにリンクが持っているのは盾のみで、敵に攻撃をすることはできません。プレイヤーが盾の使いかたを習得する頃に剣を手に入れ、剣の扱いに慣れたころに便利なアイテムを手に入れ……という感じで、話の流れのなかで無理なく操作をマスターすることができるようになっています。アクションが苦手だと感じる初心者でも、初めから多くの操作を使い分ける必要がないように調整されているので、世界に入り込みやすいでしょう。徐々に次のステップへ進む親切さがありつつ、次のアイテムを手に入れるまでのテンポはいいので、まどろっこしく感じることはありませんでした。

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲冒険を進めて新しいアイテムを手に入れるうちに、しっかりと操作が身につきます

オリジナル版からのプレイヤーにもありがたい改良点として、操作の快適化が挙げられます。ゲームボーイのオリジナル版は、各セレクトアイテム(特殊なアクションを行うための道具)をAボタンとBボタンのふたつに振り分けて使う必要があり、局面に応じて、剣で斬る、ジャンプ、スコップで穴を掘る、矢を射るなどのアクションを頻繁につけ替えなければいけませんでした。しかし、Nintendo Switchにはゲームボーイよりも多くのボタンがあるので、今まではセレクトアイテム扱いだった剣や盾などがA、B、L、Rボタンに割り振られました。従来ほどの頻繁なつけ替えが必要なくなり、煩雑な操作にもどかしい思いをすることはないはずです。セレクトアイテムにはスコップ、フックショット、バクダンなど、『ゼルダ』シリーズでおなじみのものが揃っています。これらを駆使して、マップの仕掛けを解きながら進みましょう。

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲序盤は限られていますが、どんどん面白いアクションができるアイテムが増えていきます。アイテム欄が充実してくるとコレクター心にも嬉しいですね

物語を進めていくと、島を脱出するためのキーとなる“かぜのさかな”を起こすために、島内に隠されているというセイレーンの楽器を8種類集めることが必要だとわかります。闇雲に探していては見つからないので、島の人たちが持っている情報を聞き取り推理することは重要です。ときには、頼みごとを引き受けた流れで進む道が開けることもあります。大まかな攻略の流れとしては、フィールド上の仕掛けを解いてダンジョンを解放し、ダンジョンをクリアしてさらに行動範囲を広げ、次のダンジョンを目指す、という感じです。コホリント島は決して大きいとは言えないマップながら、とにかく詰め込まれた情報量がものすごく多くて充実しています。ゲームを始めたばかりの頃は行けなかった場所に中盤以降足を踏み入れられるようになるといったこと以外にも、クリアしたダンジョンで得たテクニックを次回以降のダンジョンで応用することだったり、同じマップにも二重の仕掛けが施されていることだったり、ひとつひとつの仕掛けやオブジェクトの配置が考え抜かれているとわかるのです。

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲宝箱にたどり着くにはどうしたら……?

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲さまざまな方法でリンクの行く手に立ちふさがる怪物たち

アクションの難易度自体は、他の『ゼルダ』シリーズからすると易しめの設定と言えるでしょう。とはいえ、最初はハートの数も3つと少ないことからゲームオーバーになることもたびたびありましたが、デスペナルティも特にないですし、操作に慣れてからは初見のボスでたまに倒れることがある程度で概ねスイスイ進めました。オリジナル版をプレイ済みで歯ごたえ不足だと感じるプレイヤーは、今作から追加された辛口モードをプレイしてみるのがおすすめです。受けるダメージは通常の2倍、体力を回復するためのハートも一切出てこないので、より緊張感のあるプレイが楽しめますよ。……筆者はちょっと自信がないのでノーマルでプレイしましたが。

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲一対一なら特に倒すのが難しくない敵も、複数を相手にしているときや罠のある部屋での立ち回りなどでは油断できません

主にこのゲームの難度を上げているのは謎解きです。丁寧に筋道が示される傾向がある今の時代のゲームからするとヒントは少なく、難しいと感じる人が多いのではないでしょうか。しかしこれも、しっかりとこの世界の物理法則やルールに従って考えればわかるものばかり……というのは、たいてい解いたあとに実感するのですが。

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲ダンジョンの地図はとても見やすくて、構成がスッと頭に入ってきます

後半はかなり入り組んだ仕掛けも登場して頭をひねりまくったものの、迷ったときはダンジョン内に必ず置いてある地図をしっかり見て、まだ入っていない部屋を確認することが解決へ向かうヒントになりました。また、同じくダンジョンに必ず置いてあるコンパスも宝箱の位置が地図にマーキングされ、カギの近くではアラーム音が鳴るという便利さです。これらを活用して、高密度のダンジョン攻略をどんどん進めた末に最後の部屋へとたどり着き、最深部に潜むボスを倒して徐々にストーリーの核心に迫るドキドキ感たるや、これこそが“冒険”だと実感させられます。先の展開を今すぐに知りたくて、プレイの止め時を見つけるのが大変でした。攻略途中でプレイを中断したときなどは、「あのダンジョンのまだ行けない部屋にはどうやったら入れるようになるんだろう」、「あのときあのキャラクターが言ったセリフの意味はどういうことだろう」と考え悶々とすることも多くあり、エンディングを迎えるまでずっと心はダンジョンに取り憑かれていました。

どこかで見たような……? キャラクターの秘密

知られていることかもしれませんが、このゲームには任天堂作品でおなじみのキャラクターに激似の人物が多数登場します。当初は、任天堂作品ファンへの小粋なサービスと軽くとらえていたのですが、エンディングを迎えてしばらくしてから、ふいに気づきました。「単なるファンサービスじゃない。意味があったんだ」と。これについてはめちゃくちゃ語りたいんですが、自身で気づいたときに受ける衝撃を未プレイの皆さんから奪いたくないので、一切書かないことにします。さて、おなじみのキャラクターに激似の誰が登場するのでしょう。

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲まずはこちら。大きい鼻にヒゲ、帽子こそないものの超有名スター・マリオに激似のタリン

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲おなじく『マリオ』シリーズから、ワンワン。『マリオ』シリーズに出てくるワンワンはすごく怖い存在なのですが、本作のワンワンは愛嬌があって結構可愛いんです

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲個人的に「懐かしい!」と思わず叫んでしまった、『カエルの為に鐘は鳴る』のリチャード王子

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲「Dr.ライト……どこかで確かに見たことあるんだけど」と少し悩みました。『シムシティ』で市長の助手を務めていた方ですね

他にも、クリボー、ゲッソー、プクプク、トゲゾーなど、『マリオ』の敵キャラクターを中心にして多数の激似キャラクターが出演しています。激似というか、思った以上にそのまま登場しています(笑)。ですが、設定や容姿はちょっとずつ違っていて、そこになんとなく違和感を感じるのも事実。先ほども述べたのですが、これにはきっと理由があるんですよ。だって、なにしろこの世界は……おっと、これ以上はやめておきます。答えは、エンディングまでたどり着くことができればきっとわかりますよ。

謎解きにまったく迷わずプレイを進めることができれば、クリア時間は20時間を軽く切るくらいで、ボリュームはやや抑えめです。しかし、本作を全く迷わずにクリアできる人は稀でしょう。何も予備知識がなければ、ほとんどの人がかなりの時間を謎解きの試行錯誤に費やすことになると思います。この試行錯誤の時間が熟考の末に導きだした答えに対する喜びを大きくし、心に楽しい経験として刻みつけるのです。26年まえに衝撃の体験を経験した人にも今回初めてプレイする人にも、素晴らしいグラフィックと色褪せない面白さの謎解きが充実の体験を約束してくれるでしょう。しかし、本作の魅力はそれだけではありません。次回の記事では、本作で新たに追加されたパネルダンジョンなどの要素や、さらに先の展開についても触れていきます。

フォトギャラリー
ゼルダの伝説 夢をみる島ロゴ

■タイトル:ゼルダの伝説 夢をみる島
■メーカー:任天堂
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:アクションアドベンチャー
■対象年齢:12歳以上
■発売日:発売中(2019年9月20日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各5,980円+税


『ゼルダの伝説 夢をみる島』オフィシャルサイト

© 1993-2019 Nintendo