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パワーアップした『ドラゴンクエストXI S』新しい楽しさベスト3をお届け!

パワーアップした『ドラゴンクエストXI S』新しい楽しさベスト3をお届け!

2017年7月29日に発売され、プレイヤーをあらゆる感情の渦に叩き込んだ『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(以下、『DQXI』)。誇張なしで名作、そして大作であるこの作品は、いまも当時の冒険を鮮やかに思い出すプレイヤーも多いはず。あれから2年と少し経ち、なんと2019年9月29日に『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』(以下、『DQXI S』)というタイトルでパワーアップして帰ってきた! 全2回に渡って『DQXI S』を紹介するこの記事では、本作がどのようにパワーアップしたのか、『DQXI S』で加わった新要素が『DQXI』プレイヤーをどのように楽しませてくれるのか、ベスト3をチョイスして紹介したい。
次回記事でもベスト3を発表するので、「全部でベスト6でキリが悪くないか?」と思われるかもしれないが、順位づけをしているわけではなくて注目要素のピックアップと思ってほしい。とにかく、細かいことを気にしていたら勇者にはなれないのだ。それを言ったら全要素がベスト1になってしまうのだ。原稿の文字数が膨れ上がってしまうのだ。そのぐらい、新要素はどれも私の心にクリーンヒットだった。
ちなみにタイトルのSは、“喋る”のSや“声優”のS、そして“シナリオ”のSといったキーワードの頭文字。“新”要素がたっぷり詰まった本作を表したSなのだ。詳しくは公式放送“いれちゃん!S ~ドラゴンクエストXI S公式生放送~ キャスト発表特集 #1”を観てほしい。
いまからまっさらな状態で『DQXI S』を楽しめる方は本当にうらやましい。できることなら記憶を失くしてもう一度最初から、あのドキドキとハラハラを味わいたいものです。

文 / 大部美智子


勇者の使命とヨッチ族の使命

16歳になった主人公は自分が勇者の生まれ変わりであると告げられる。しかし、大陸一の大国・デルカダールの王は主人公を“悪魔の子”と呼び、剣を持った兵士たちが主人公を取り囲むのだった……。主人公は追っ手から逃れながら仲間と出会い、勇者とは何かという真実を探す旅に出る。

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S エンタメステーションゲームレビュー

▲作中でもたびたび言及されるサラサラヘアーがトレードマークの主人公

歴代『ドラゴンクエスト』シリーズをプレイしてきた人からすると、勇者の概念が覆されるような始まりかたをする本作。勇者なのに国を追われてしまう、そんな物語に序盤からぐいぐいと引き込まれていく。今回、『DQXI S』の発売でまた体験版からプレイをしてみたけれど、あぁ、もう、どうしてこんなにも心を引きつけるのだろう。一度プレイしているはずなのに物語の行方が気になるし、キャラクターたちは2年まえよりずっと魅力的に見える。無料で配信されている体験版ではサマディーへ向かう関所の直前までプレイできるのだけど、新要素を堪能しつつプレイしていたらたっぷり6時間以上費やしてしまった。『DQXI S』を購入するかどうか悩んでいる人はぜひ体験版をプレイしてほしい。もちろん製品版にデータを引き継げるので、ガッツリとプレイしても大丈夫。

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▲『DQXI S』では旅の仲間と記念撮影ができる!

さて、ここからは2年まえよりパワーアップした本作の新要素ベスト3を紹介! 『DQXI』は、PlayStation®4版とニンテンドー3DS™版の2機種で展開していたのはご存じだろうか。大きな画面で流麗な映像を楽しむPlayStation®4版と、携帯機である強みを活かしてどこでもプレイができるニンテンドー3DS™版。ニンテンドー3DS版では“時渡りの迷宮”というダンジョンがある。これはヨッチ族という『DQXI』の世界・ロトゼタシアにいる不思議な存在を集めてダンジョンに送り込んで踏破していくのだが、このヨッチ族はすれちがい通信で集めることができ、当時は強いヨッチ族を求めて夢中で街に繰り出したりしていた。
そんな機種ごとの違いもあって、両バージョンのソフトを買って遊んでいた。“ふっかつのじゅもん”機能を使うと、PlayStation®4版とニンテンドー3DS™版の両方のハードでだいたい同じ進度のゲームデータを遊ぶことができたので、ふだんはPlayStation®4版の大画面で遊び、すれちがい通信や”時渡りの迷宮”で遊ぶときはニンテンドー3DS™版でプレイしていたのだ。

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▲さまざまなカラーリングのヨッチ族がロトゼタシアのあちこちにいる

時渡りの迷宮を攻略していくと、“冒険の書の合言葉”が手に入る。これはヨッチ族の使命を助けるために必要なもの。端的に言うと歴代シリーズの世界に行くことができ、その世界の異変を正すことが主人公の使命となる。歴代プレイヤーからすると非常に胸が熱くなる展開だ。しかし、いつしかメインの物語を進めることに夢中になり、ヨッチ族のことと時渡りの迷宮のことを忘れていった……。ごめん、ヨッチ族。

それが今回、大画面に繋ぐこともできて携帯もできるというNintendo Switch™のシステムによってひとつのハードで大画面でも携帯機でもプレイすることができるのだ! もちろんNintendo Switch™にはすれちがい通信がないのでヨッチ族を集めて時渡りの迷宮に送ることは叶わないけれど、歴代シリーズの世界に行くことはできる。ヨッチ族は『DQXI S』でも活躍するのでご安心を! このフォルムがかわいくて好きなのよね。

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▲『ドラゴンクエストI』の世界に! “やみー”は主人公の名前です、念の為

各シリーズの世界をちょこっとずつ渡り歩いてその世界に触れていくと、『DQXI S』が『ドラゴンクエスト』シリーズという道をしっかりと歩んできた先頭の作品なんだということを強く感じた。時代的にプレイしたことのないタイトル、たとえば『ドラゴンクエストI』の世界では「これが噂に名高い銀の竪琴か」と、観光地で有名なオブジェクトを目にしたときのような感動を受けた。一方でプレイしたことがあって知っている世界では、いつもと少し違った様子に新鮮さを感じながらもその世界にまた介入できることがうれしかった。
冒険の書の合言葉はロトゼタシアの各地にいるヨッチ族から教えてもらえるので、ストーリーの合間合間に思い出させてくれる親切設計。これなら忘れない……ありがとうヨッチ族。というわけでまず挙げたいのが、Nintendo Switch™になったことで、PlayStation®4版とニンテンドー3DS™版の楽しいところが見事に融合し、気軽に両方の楽しさを満喫できるようになったところ! また、まだ体験できていないけれど、3Dで描かれていた歴代シリーズの世界も2Dにリメイクされているとか! これはやらねばなりません。

うまくいかないもどかしさのなかで見えたおもしろさ

続いて紹介するのは“しばりプレイ”! 制限や制約を設けて、冒険にスパイスを加えてくれるもの。これは『DQXI』でもあったプレイを楽しくする追加要素だけど、『DQXI S』ではその種類が増えた。

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▲難度を高めるストイックなしばりと一見して「ふふっ」と笑いがこぼれるしばり。チェックを入れた3つをチョイスしてみた

『DQXI』では“戦闘から逃げられない”、“買い物できない”、“防具を装備できない”、“はずかしい呪い”の4つがあったけど、『DQXI S』では“戦闘から逃げられない”がなくなった代わりに“楽な戦いは経験値なし”、“すべての敵が強い”、“超はずかしい呪い”、“町の人にウソをつかれる”、“主人公がやられたら全滅”の5つが加わったようだ
「えいやっ」とプレイ開始時に設定。教会などで解除はできるけれど、プレイを始めると途中で設定することはできないのでクリアまでやり遂げる覚悟を持ってしばるのがよろしいかと……! さあさあ、まずは“町の人にウソをつかれる”の楽しみどころから紹介していきますよ!

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S エンタメステーションゲームレビュー
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▲エ、エマーッ!!

小さなころから主人公といっしょに育ってきただけあってかけがえのない存在で、そして思春期独特のドキドキ感とか甘酸っぱさをふんわり漂わせているエマ。ちなみに『DQXI』では結婚もできた(私が結婚したいのはカミュなのでしなかったけど……)。そんな彼女が、16歳の誕生日を迎えて旅に出るという主人公に伝えた言葉がこれ。小悪魔系か! 「口が勝手に!?」と言っていたので、あくまでもしばりの効果であって本人の意志ではなさそうだけれど、うっかり本編の物語かと思ってしまうほどドキッとした。

ほかにも冒険の途中、行く先々で声をかけるとたまにとんでもないウソをつかれる。しかし、そこがおもしろく、思わずツッコミを入れたくなる内容に出会ったりすると大変うれしい。みんなそれぞれ本当にいろいろなウソをつくので、つい町中の人に話しかけてしまうのだ。

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S エンタメステーションゲームレビュー
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▲勇者の生まれ変わりだと思っていたらなべのふただった。きっと徳の高いなべのふただったのだろう……

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▲呪いの効果はヨッチ族にまで! このウソはシャレにならんぞ……!

つぎに“はずかしい呪い”と“超はずかしい呪い”。前者は主人公に起こる呪いで、後者は仲間に起こる呪い。主に戦闘時に発動しているけれど、ほかにも発動条件はあるのかな?

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▲繊細勇者。ほら、エマも応援してるからがんばって……!

この呪いは恥ずかしさのあまり1ターン何もできなくなってしまう恐ろしい呪い。戦闘の行方を左右するので、“はずかしい呪い”は序盤で主人公がひとりしかいないときに心がくじけて解除してしまった……。同じく、仲間が1ターン動けなくなってしまう“超はずかしい呪い”も解除しようかなと思ったけれど、じつは戦闘の有利不利を超越した楽しさがあったので継続中。と、いうのも……。

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▲そんなことある!?

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▲言いたいことは山ほどあるけど、いざ言い出そうとすると言葉にならないこの気持ち。このSS1枚で原稿1本書ける。マジで!

仲間の新たな一面を見られることが何よりも楽しく、ボス戦でピンチに陥ろうが何しようがこのしばりは外さないと心に誓った。プレイの進度やレベルによって内容が増えたりするのかな? おもしろいものを見つけたらまたお知らせします!

しばることでゲーム難度は上がるけど物語やゲームの流れを変えるものではないので、余裕のあるプレイヤーはぜひクリアまでこの熱を絶やさないで走り切ってほしい……! 『DQXI』のときよりさらに幅が広がったしばりが用意されているので、自分のプレイスタイルや気分に合わせて選べるのがよいところ。今回のしばりで完走したら、“買い物できない”や“防具が装備できない”のようなストイックなしばりに手を出してみようかな? あ、だめだ! キャラクターにかっこいい&かわいい装備をさせることを無上の喜びとしている私には無理だ! ほかのしばりをがんばろう!

声優陣によって体温も感じられるようになったキャラクターたち

イベントムービーを見てもらうとわかるけれど、『DQXI』のキャラクターたちの表情や身振り手振りはかなり細かくて、動作のひとつをとってもその表現力や自然さにはかなりのこだわりと情熱が感じられる。音声が無くてもキャラクターたちの様子はありありと伝わってきたし、何だったら脳内ではキャラクターたちの喋っている声が聞こえていた。『DQXI S』が発表され、音声がつくと聞いたとき「『DQ』シリーズのキャラクターが喋るの!?」と驚いたけれど、今回プレイしてみて思ったのは、想像を超えるレベルの高さだったということ。まずメインキャスト陣。

主人公:斎賀みつき氏
カミュ:内山昂輝氏
ベロニカ:内田真礼氏
セーニャ:雨宮天氏
シルビア:小野坂昌也氏
マルティナ:小清水亜美氏
ロウ:麦人氏

全員脳内のイメージとぴったり! さらに想像を超えた良さ! いくら私の頭のなかでキャラクターたちが喋っているのが聞こえていたと言っても、それは素人の考えたもの。プロの方々が掴んだそれぞれのキャラクター像をプロの方々が全力で演じる、そしてそれが物語になる……そりゃ最高ですよ! 気になる人は公式ページでサンプルの音声が聞けるよ!
最高の音声がつくことで臨場感が増して、より『DQXI S』の世界に入り込むことができた。また、イベント時のセリフだけじゃなく、戦闘時の息遣いや呪文を唱えたときのセリフがキャラクターたちとの距離を一層近くしてくれるのだ。

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▲ベロニカの名セリフもガッツポーズもののよさでした

グレイグ(小山力也氏)とホメロス(櫻井孝宏氏)の男前っぷりはとどまるところを知らないし、デルカダール王(菅生隆之氏)の渋さは腹にくる重低音、そしてデルカダール城の名も知らぬ門番すらイケボ(武内駿輔氏)。この国はヤバイ。声だけで世界を統べることができるのではないか。また、主要キャラクターだけではなく、そのイベントにしか登場しないようなNPCや各所で戦うことになるボス的モンスターも喋る……! セリフの表記がない歓声やかけ声も喋る! プレイまえは全然意識していなかった部分だけど、これは本当によかった。ちなみに主人公の赤ちゃん時代の声は、ニマ大使役の恒松あゆみ氏の息子さん(齋藤統真君)の声だそうだ! 生の赤ちゃんボイス。どうりで癒されると思いましたよ……ほっこり。

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▲各キャストが演じるボイスドラマもDL購入できる! 買うっきゃない! 買わせてください!!

と、キャッキャッ言いながらプレイをしていたら6歳の息子もプレイを始めた。キャラクターが喋ってくれることによって文字を追うよりもすんなりとプレイできるし、設定で漢字にふりがなをふることもできるので、小学1年生でも楽しめるのだ! でもシステム画面はふりがながないので、そこもあったら母としての手間がはぶけるな……げふんげふん、助かるなと思いました。いや、漢字を覚えさせるほうが早いか……? がんばれ息子!

さて、次回も『DQXI S』の新要素からプレイヤーをとくに楽しませてくれる3つをピックアップして紹介。ちょっとした変化だけどグッと冒険しやすくなっているアレや、大好きな仲間たちのことがもっと気になってしまうソレとか……大きなネタバレを避けつつ、『DQXI S』の楽しさを紹介しまーす!

フォトギャラリー
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて Sロゴ

■タイトル:ドラゴンクエストXI  過ぎ去りし時を求めて S
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応ハード:Nintendo Switch ™
■ジャンル:RPG
■対象年齢:全年齢
■発売日:発売中(2019年9月27日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各7,980円+税


『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』オフィシャルサイト

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