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四半世紀経っても虜になる『ゼルダの伝説 夢をみる島』プレイヤーの心に残り続ける理由

四半世紀経っても虜になる『ゼルダの伝説 夢をみる島』プレイヤーの心に残り続ける理由

初代ゲームボーイ版の発売からリメイクや移植を経てNintendo Switch版がリリースとなった、名作の呼び声高い『ゼルダの伝説 夢をみる島』。1990年代に生まれた作品でありながらも色褪せない新鮮なプレイ感は、四半世紀経った今もプレイヤーを虜にするパワーがあります。前回の記事ではゲームの面白さや個性豊かな登場キャラクターたちを紹介しましたが、今回はNintendo Switch版での新要素などにも触れ、旧作にプラスαされた魅力を紹介していきます。

文 / 内藤ハサミ


今作に追加された新しさとは?

Nintendo Switch版の大きな新要素として登場したのが、“パネルダンジョン”です。本作のダンジョンをクリアすると、そのダンジョン内の地形そのままの“パネル”が貰えて、それを組み合わせて自分好みのダンジョンを作り出せるという内容です。マップのどこかにある“ダンペイの家”のなかで、ダンジョンを作ったり遊んだりできるようになっています。ゲームボーイカラー対応版『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』に登場した“写真屋”と今回のパネルダンジョンが置き換わった形なので、今作には写真屋がありません。そもそも写真屋は、ゲームボーイ用周辺機器として発売されていたポケットプリンタを使う機能だったので、仕様が全く違うハードでそのままの実装とはいかなかったのでしょう。ガラッとリニューアルされたんですね。

ゼルダの伝説 夢をみる島 エンタメステーションゲームレビュー

▲まずはスタートとゴールを繋げてみるところからトライ

スタートパネルから始まりゴールのボスパネルまで途切れることなく部屋が繋がっていなければならないなど、ダンジョン作りにはいくつかのルールがあります。しかし、ダンペイの出すお題をクリアしていけば基礎から段階的に覚えられる仕組みになっているので、作成自体に難しさを感じることはありませんでした。

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▲出入口の位置や数など、地形の特徴順に整理されたパネルから選んで配置します。クリアしたダンジョンのパネルでないと使えないので、ストーリー終盤辺りから楽しくなってくるコンテンツですね

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▲パネルを置いて完成とはいきません。作ったダンジョンは自分でクリアできて初めて完成です

既存のダンジョンにあるパネルのみ使用可能ということで、攻略が極端に難しかったり、作りが破綻していたり……ということが起こらないのはいいのですが、完全オリジナルのパネルを作ることができないことには正直なところ物足りなさも感じます。とはいえ、鍵や扉が開く入り組んだ仕組みをプレイヤーがイチから作るとなると、ダンジョン作成の難度がかなり上がってしまい、ハードルの高すぎるコンテンツになってしまうでしょう。ここは持っているパネルを使って、いかに新鮮さを感じられるダンジョンを作ることができるかという楽しみかたをするのがよさそうです。

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▲ボス戦もそのまま楽しめます。中ボスをたくさん配置して、ボス連戦ダンジョン……というハードなものも作れてしまいます

さらに、『amiibo リンク【夢をみる島】』を読み込ませれば、リンクとそっくりの敵キャラクター“シャドウリンク”をダンジョン内に配置できるようになります。シャドウリンクは好きなパネルに置くことができ、基本的な動作はリンクと同じで強さも中ボス級。しかも、シャドウリンクは一度出現すると、他のパネルへ移動したあともどこまでも追いかけてきます。倒して安全に進む、あるいは相手にせずに逃げながら攻略するなどプレイヤーによって攻略法はさまざまですね。そのほか、ゼルダキャラクターのamiiboを使えばパネルダンジョンで使える追加のパネルが貰えたり、自分の作ったパネルダンジョンのデータをamiibo に移して、他のプレイヤーと共有したりすることもできます(マルチプレイには未対応)。amiibo がデータを運ぶストレージの役割をし、リアルで会える人とやり取りができます。ネットでのデータ共有はできません。『夢をみる島』版のリンクはデザインが可愛らしいので、筆者もさっそく購入しました。パネルダンジョンを共有してくれるプレイヤーとはまだ出会えていませんが、現在は家族に遊んでもらって楽しんでいます。

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▲ゲーム中のリンクそのままという感じのツルンとした質感が可愛いamiibo です

大きな追加点であるパネルダンジョンのほかにもアイテムに妖精のビンが追加されて、体力回復アイテムである妖精を持ち歩けるようになったことや、フィールドの全体マップが追加されたことなど、幅広くスムーズなプレイを助ける変更点がいくつかあります。前回の記事で触れたように、剣、盾、パワーブレスレットなどが固定アクションとして特定のボタンに振り分けられた点なども、操作の快適さを追求した改良点ですね。

本編そっちのけで没頭できるミニゲーム

初代からプレイヤーのゲーム進行を足止めしてきたのが、いくつも用意されているミニゲームです。楽しさそのままにリメイクされています。基本的なゲーム内容は変わりませんが、Nintendo Switch版のグラフィックで改めて遊んでみると、きっと新鮮な感動がありますよ。メーベの村でできる釣り、「今はやりのゲーム」と村人に言われているクレーンゲーム、そしてコホリント島の外れにある急流すべり。ついつい冒険の合い間にハマってしまうんですよね。

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▲釣り上げたあとの得意顔がいいですね

釣りには10ルピーでチャレンジでき、大物を釣ればそれ以上のルピーを賞金としてもらえるので、のんびりと釣りを楽しみながらコツコツお金稼ぎもできてしまいます。それに、釣れるのは魚だけではありません。ハートのかけらやもっと貴重なアイテムも釣れることが……? また、釣り堀の近くにあるクレーンゲーム屋も同じく10ルピーで1回遊ぶことができます。

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▲マリンが同行しているときクレーンゲーム屋に行くと、とんでもないイベントが始まるので必見

クレーンゲームの賞品はそのときによってラインアップが変わりますが、釣りと同じくハートやルピー以外にも面白いアイテムが混じっています。クレーンゲームは、ストーリー攻略中に一度は遊ぶことになるでしょう。操作性も絶妙な設定で気持ちいいプレイ感です。筆者は特にこのクレーンゲームを推しています! 最後は、ストーリーをある程度進めるとプレイできるようになる急流すべり。

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▲コース上の賞品を集める遊びとタイムアタックの2種類から選べます

上のスクリーンショットは賞品を集める遊びを遊んでいるところです。急流すべりのプレイ料金は100ルピーと高めですが、うまく操作するとそれ以上にたくさんのルピーやアイテムを集められるチャンスがあるので、一攫千金を狙いたい場合はチャレンジしてみてもいいですね。しかし、多くの賞品を集めるのは見た目よりも難しいです。水の流れが場所によってまるで違うので、行きたいところになかなかイカダを寄せられません。コツをつかめば、きっとたくさん取れるのでしょうね。冒険の息抜き、謎解きに行き詰まったときの気分転換、クリア後にコホリント島をまったり楽しむアクティビティ。完成度の高いミニゲームは、ついつい本編を忘れて熱中してしまうかも!? ちなみに筆者はミニゲームのプレイ料金を稼ぐため、草刈りをしてコツコツと小銭を集めていました……。

終盤になるにつれ、明らかになる世界の真実

さて、本編の攻略を進めていくと、このコホリント島の謎がおぼろげながらわかり始めてきます。かぜのさかなを眠りから目覚めさせることができれば、リンクは元の世界に戻ることができると繰り返し聞かされてきましたが、かぜのさかなが眠っているとなぜ外に出られないのでしょう? 

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▲要所に現れるガイド役のフクロウは、なぜリンクを導くのでしょう?

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▲フクロウの石像からは、意味深なセリフが繰り返されます

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▲ボスとの会話。「まだ この島が どんなとこか わかってねーな?」 なんとな~くわかってきた気がしてるんですが、予想どおりだとしたらこの島は……考えたくない!

中盤以降、なんとなくここがどんなところなのか予想がつき始め、終盤になると自分がフクロウに告げられた役目である”目覚めの使者”として何をしようとしているのかがはっきりとわかってくるでしょう。ポップな世界で楽しくアクションゲームを遊んでいたプレイヤーも、徐々に状況への違和感を感じてくるはずです。そして、それでも進まなければならないリンクが最後に見たものとは……。このエンディングまでの演出は本当に見事で、これこそが多くのファンを四半世紀も虜にし続けてきた大きな理由なのだと実感できました。

ジオラマのような可愛らしい世界、コミカルで不思議な島の住民たち、無駄のない謎解きの美しさが見事なダンジョン、プレイヤーの心にしっかりと刺さるストーリー。これらがしっかりと絡み合って生まれた高い完成度は、現在でもまったく古さを感じさせないどころか、初見のプレイヤーからはかえって新鮮に感じられるかもしれません。筆者はエンディングを迎えたあと、しばらく放心してしまうくらいの衝撃を受けましたが、同時に心から「このゲームに出会えてよかった」と思いました。島で起こった何気ない出来事のひとつひとつが、キラキラした宝物として心のなかにしっかりと残る名作です。

フォトギャラリー
ゼルダの伝説 夢をみる島ロゴ

■タイトル:ゼルダの伝説 夢をみる島
■メーカー:任天堂
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:アクションアドベンチャー
■対象年齢:12歳以上
■発売日:発売中(2019年9月20日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各5,980円+税


『ゼルダの伝説 夢をみる島』オフィシャルサイト

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