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蒼木 陣、井澤巧麻、佐伯 亮らが織りなすひと夏の青春物語。SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」上演中!

蒼木 陣、井澤巧麻、佐伯 亮らが織りなすひと夏の青春物語。SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」上演中!

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」が10月18日(金)新宿村LIVEにて開幕した。サンミュージック所属の若手男性俳優で構成されるユニット「SUNPLUS」の、記念すべき第1回公演。蒼木 陣、井澤巧麻、佐伯 亮、佐奈宏紀、谷水 力、野口 準、平野宏周、丸山 隼、水田達貴、三井理陽、山形 匠。2.5次元舞台をはじめ、テレビドラマや映画で活躍するメンバーが全員揃って出演する本作は、全寮制の男子校の中で繰り広げられる、ほろ苦い青春グラフィティだ。
初日直前に行われたゲネプロの模様をレポートする。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ


雲間から少し射し込むような日の眩しさを感じる青春モノ

テレビドラマやバラエティ番組、映画、2.5次元舞台……それぞれが幅広く活躍しているユニット「SUNPLUS」のメンバーだが、11人全員が揃って出演する「SUNPLUS」としての舞台公演は、2015年の結成以来、初めて。

オリジナル脚本は映画『鋼の錬金術師』やテレビ『バイプレイヤーズ~もしも名脇役がシェアハウスで暮らしたら』、『乾杯戦士アフターV』などを手がけた宮本武史。演出は黒色綺譚カナリア派主宰、『絢爛とか爛漫とか』や『三人姉妹』の赤澤ムックが務めている。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

本作は1シチュエーションの会話劇。海沿いにある全寮制男子高校の談話室が物語の舞台だ。

最初に登場するのは2年寮生の秋吉風太(井澤巧麻)。首からタオルを下げたTシャツ姿で、エアコンをつけようと悪戦苦闘していることから真夏であることがうかがえる。

冷蔵庫の中に梅を漬けた瓶を発見したところで、その持ち主である小山内正人(谷水 力)が現れて秋吉に振る舞う。小山内は礼儀正しく親切だが、調子の良い風太とはリズムが合っていない模様。やりとりは特に噛み合っておらず、ふたりの関係性の薄さが見てとれる。次に談話室へ入ってきた生徒・脇坂淳之介(佐伯 亮)もふたりと会話をする気はないようで、親しい仲ではない様子。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

ハツラツとした物腰で談話室に登場するのは、教師の夏井 望(平野宏周)、橘 陸夫(丸山隼)のふたり。教師たちの口から、学園恒例行事である「サマーバザー」は夏休みを寮で過ごす2年生が取り仕切ること、出品物の集まりが悪いことから、その生徒たちの家族に協力を仰いだことが明らかにされる。

さらにその直後、寮全体の空調が壊れたことから自室にいた堀 尊(佐奈宏紀)も暑さに耐えかねて談話室へと駆け込んでくる。 寮に残る2年生の4名が揃ってシチュエーションが整い、作品タイトルの「SUMMER BAZAAR」の由来も判明したところで、場面は次へと進んでいく。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

「全寮制」の「男子生徒」となると、くだけた関係性があるものと思いがちなのだが、この作品に登場する生徒たちはどこかよそよそしい。クラスが別で部活動などでも一緒になっていなければ、同じ年頃の男子であってもそんなものかもしれない。

「サマーバザー」という目的で半ば強制的に括られた寮生たちが自己紹介から始めるくだりや、霊感の強さを自称する2年の通学生・宮野優平(山形 匠)が、脇坂が妹を亡くしているというエピソードを持ち出してタブーとするなど、確証のない噂話に翻弄される様子がリアルだ。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

秋吉風太の弟・秋吉公太(野口 準)が、管理人の孫である榊 淳史(水田達貴)に連れられて寮にやってきた際のギクシャクした空気、代議士秘書をしているエリート然とした小山内正人の兄・小山内渉(蒼木 陣)が登場したときの妙なソワソワ感など、その場の中心人物たちに対して、周りがむやみやたらと立ち入っていけない微妙な距離感からは、青春物語にあるあるの“突き抜けた明るさ”よりも、思春期特有の“気まずい歯がゆさ”が漂っている。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

同じ学校に通い寮で暮らしていても、ある意味でドライな個人主義感が支配している学生たちの関係性。ところが、そんな中での「サマーバザー」と「空調の故障」である。

渋々ながら共に談話室で寝泊まりして、バザーの出品物をかき集めることになった彼らは、少しずつ言葉を交わし始め、不用品を持ってやってきたそれぞれの身内との面会に立ち会っているうちに、互いの事情や体調を慮るようになる。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

皆で話し込む最中に始まった「不幸自慢大会」から、秋吉は医者の息子でありながら音楽を志すようになった始まりを、宮野は複雑な家庭環境を、モテキャラでリア充だと皆から遠巻きにされていた堀は、親戚の岸 直次郎(三井理陽)の訪問もあって長年片思いしている相手がいることを明かし、メンバーの仲は急速に深まっていく。

こわごわとした足取りながら、一歩ずつ相手に歩み寄ろうとする彼らの姿は、見ているコチラが自然に「頑張れ!」とエールを送りたくなるような一生懸命さに満ちている。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

寮生を演じる井澤、佐伯、佐奈、谷水は華やかな2.5次元舞台を中心に活躍中だが、同世代の役でもまた趣の違う一面を披露。
山形と三井は個性の強い人物像をもって起爆剤的役割を担い、野口はクールな役柄に加えて後半の展開で見せ場をつくる。
平野や丸山、水田は生徒たちを取り巻く役どころだが、しっかりと人物をつくり込んでいる様子。蒼木はダークな表情を見せて新境地を切り開いていた。

舞台経験の豊富なキャストがテンポを取ってクスリとくるような可笑しみをつくり、シリアスな場面ではスルリと空気を変えてみせる。何よりどのキャストからも、どこかにチャレンジを持ってステージに立っている、という意気込みが伝わってきた。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

後半、堀が岸から受け取った電話の内容によって荒んでしまい周りと諍いを起こし、小山内の兄弟関係による騒動も発展するのだが、それらの憤りはすべて、距離が縮まって相手を思いやるようになったからこそ生まれた感情だ。

友情を得て、自分自身のためにも一歩を踏み出していく様が爽やか。
終演後は、心にほんのりとした温もりを残してくれる。
少女漫画のようなキラキラ・ハーレム系の男子校ではないが、晴れやかな輝きとはまた違う、雲間から少し射し込むような日の眩しさを感じる青春モノである。

SUNPLUS第1回公演「SUMMER BAZAAR~夏の終わり~」 エンタメステーションステージレポート

上演は新宿村LIVEにて10月27日(日)まで。
キャストによるアフタートークや、ハイタッチお見送り回も予定されている。

SUNPLUS第1回舞台公演「SUMMER BAZAAR」

2019年10月18日(金)~10月27日(日)新宿村LIVE

STORY
舞台は、海沿いの全寮制男子校。
夏休み。生徒たちが続々と実家に帰省する中、寮に居残った生徒が数名。
暇を持て余していると思われた彼らは寮の伝統行事「サマー・バザー」に駆り出されることになる。
やがてそれぞれが抱える帰省しない理由も見えてきて……
──いらないものは何ですか?

脚本:宮本武史
演出:赤澤ムック

出演:
小山内渉(おさない・わたる)役:蒼木 陣
秋吉風太(あきよし・ふうた)役:井澤巧麻
脇坂淳之介(わきさか・じゅんのすけ)役:佐伯 亮
堀尊(ほり・たける)役:佐奈宏紀
小山内正人(おさない・まさと)役:谷水 力
秋吉公太(あきよし・こうた)役:野口 準
夏井望(なつい・のぞむ)役:平野宏周
橘陸夫(たちばな・りくお)役:丸山 隼
榊淳史(さかき・あつし)役:水田達貴
岸直次郎(きし・なおじろう)役:三井理陽
宮野優平(みやの・ゆうへい)役:山形 匠

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