Interview

平間壮一&長江崚行の微笑ましい関係性。Coloring Musical『Indigo Tomato』でふたりが紡ぐ、兄弟の絆

平間壮一&長江崚行の微笑ましい関係性。Coloring Musical『Indigo Tomato』でふたりが紡ぐ、兄弟の絆

感動の初演から1年半。Coloring Musical『Indigo Tomato』(作・演出:小林香)が、また劇場を優しい歌声で包み込む。
自閉スペクトラム症を抱える一方で、数字や記憶に関して突出した能力を持つサヴァン症候群の青年・タカシは、弟のマモルとふたりで静かに暮らしていた。しかし、そんな生活に変化が訪れる。人気クイズ番組の司会者がタカシの才能を見出し、番組出演を持ちかけたのだ。最初は外の世界との関わりを拒むものの、あることをきっかけにタカシは番組出演を決意。だが、それはタカシの日常を変えることとなる──。
社会的な題材を扱いながらも、決してウェットになりすぎず、最後は心に温かい彩りを添えてくれる珠玉のオリジナルミュージカル。待望の再演では、主人公・タカシ 役に初演同様、平間壮一。弟のマモル 役には、新たに長江崚行が加わる。「稽古が始まってまだ10日ぐらい」と語るふたりに、今の想いを聞かせてもらった。

取材・文 / 横川良明 撮影 / 冨田望


平間さんからは「金太郎」って呼ばれています(笑)

長江さんはこの再演で初参加。稽古の手応えから聞かせてください。

平間壮一 まだ必死よね?

長江崚行 必死です(笑)。やっぱり一度出来上がったものに再演から入っていくのはプレッシャーが大きくて。でも優しい方ばかりなので、伸び伸びやらせてもらっています。

平間 みんなうまい人ばっかりだしね。だからすごく信頼できるし。

長江 勉強できることばかりで、毎日いろんなことに気づいて、それを家に持ち帰って自分なりに解釈してっていう毎日です。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 平間壮一 エンタメステーションインタビュー

平間壮一

平間 まだ2回しか会ってないけど、(大山)真志のこと好きでしょ?

長江 はい(笑)。基本的に大きくて面白い人が大好きなので。

平間 じゃあ、真志はぴったりだ。

長江 顔合わせで初めてお会いしたときに登場の仕方がすごくポップだったんですよ。「(節をつけて)おはようございます!」みたいな。これ、絶対文字じゃ伝わらないですけど(笑)。

平間 あはは。なんだろうね、真志のあの感じは。

長江 普段からミュージカルに出てきそうな人ですよね?

平間 カッコつけたいのにカッコつけられない人って言えばいいのかな(笑)。そこが真志の愛すべきところで。

長江 ずっと一緒にいたら面白いだろうなって思っています。

平間 しかもその面白さの奥に優しさが見えるところがいいんだよね。場をなごませたくてそんなふうに振る舞っているんだろうなっていうのが伝わってくる。僕も、人間として大好きです。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 長江崚行 エンタメステーションインタビュー

長江崚行

おふたりの関係性はどうですか?

平間 最初に会ったのがビジュアル撮影のときだったんですけど、そのときからあんまり壁がなかったというか。

長江 いやいや、僕、めちゃくちゃ緊張していましたけど。

平間 そうだっけ?

長江 「今、(別の舞台の)本番中なんです」って話をしたら、名前を聞かれる前に「どんな役やってるの?」って聞かれて、「金太郎やってます」って言ったら、「じゃあ、君は“金太郎”だ!」って。名前を聞く前にあだ名が決まってしまいまして。いまだに名前で呼ばれたことがないんです(笑)。

平間 そうだね。たしかに、今も“マモル”か“金太郎”だ(笑)。

長江 平間さんは人との距離のつめ方がすごく上手で。特に年上の先輩に対する接し方が本当にうまいんですよ。現場でもあだ名で呼んだりとかして。その先輩の懐に入る術を教えて欲しいくらいです。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 エンタメステーションインタビュー

長江さんに“金太郎”ってあだ名を付けたように、ほかの方にもよくあだ名を付けるんですか?

平間 そうですね。この現場でも剣 幸さんと彩吹真央さんのことは「つるちゃん、ふうちゃん」って呼んでますし。

漫才コンビのようです(笑)。

平間 この間、つるちゃんの出ている『FACTORY GIRLS ~私が描く物語~』を観に行って、楽屋挨拶のときに「つるちゃ〜ん」ってハグしに行ったら、周りがみんな引いていましたね(笑)。僕が帰ったあと、「“つるちゃん”って呼ばれているんですか!?」ってみんなに聞かれたらしいです(笑)。

長江 そこがすごいんですよね。僕は先輩がいると真面目になっちゃって、ちゃんとしなきゃと気負ってしまうタイプなので……。

平間 いや、僕も、もともとはめちゃくちゃ人見知りだったんですよ。先輩が相手だと敬語しか使えなくて、変にかしこまりすぎてしまったりとか。でもそれだと、いつまで経っても相手が遠くにいる気がして。一回、そういう距離の取り方とかを全部すっ飛ばして、同世代と同じ感覚で接したらどうなるんだろうって実験してみたの。もちろん上下の関係を大事にしたい方もいるから、そこは空気を読むけど、意外とすんなり受け入れてくれる先輩も多くて。だから、そういう先輩には遠慮せずどんどん自分から行くようにしている。

長江 うーん……そこのバランスが難しいんですよね。

平間 よく人との接し方がうまいって言われるんだけど、実は全然うまくないんです。不器用なりの頑張り方なんですよ。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 長江崚行 エンタメステーションインタビュー

じゃあ、まずは長江さんも平間さんにあだ名を付けてみるところから始めてみてはどうでしょう?

長江 本当は稽古中から“兄ちゃん”って呼びたいんですけど……。

平間 え? 呼んでいいよ。

長江 じゃあ、“兄ちゃん”で!

平間 よし! 俺は引き続き“金太郎”と呼びますけど(笑)。

一同 (笑)。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 平間壮一 エンタメステーションインタビュー

マモルにはトマトをファンタジーとして描く発想がない気がした

弟のマモル 役が初演の溝口琢矢さんから長江さんに変わりましたが、何か共通点や発見を感じることはありますか?

平間 似ているんですよ、稽古の仕方が。今日、(作・演出の)小林 香さんが「トマトの絵を描いてみて」ってオーダーをしたんですけど、出来上がりの絵の感じが(溝口くんと)すごく似ていて。ほかのみんながわりと大雑把に描いているところを、金太郎だけ、ちゃんとリアルなトマトを描こうとしていた。マモルという役には、こういう子がなるんだなってちょっと驚きでしたね。

長江 僕の中にはファンタジーとして描くという発想がなかったです。きっとマモルは、日々すごくリアルを感じながら生きている子だと思うんですよ。兄を支えるために、中学を出てすぐ働いて。生活費やら税金やら全部を管理して、自分の夢を追うゆとりもない状況。自分の感情が現実に淘汰されていくのを無意識に感じているからこそ、ファンタジーとしてトマトを描く発想はなかったんじゃないかと。あくまでこれは今日の僕の考えで、次はもう少し柔らかくポップに描くかもしれないですけど。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 長江崚行 エンタメステーションインタビュー

先日、長江さんは溝口さんとお会いになったそうですね。

長江 僕の出ていた舞台を観に来てくれていて、そのときに挨拶程度ですけど。印象としては、すごく喋る方だなと(笑)。

お喋り度は平間さんから見て似ていますか?

平間 うん、結構似てますね(笑)。

長江 (驚いて)僕、そんなに喋りますか!?

平間 普段はそんなに喋らないけど、開放するとずっと喋っているなって。

長江 いやいや、開放させるのは平間さんですから!(笑)

一同 (笑)。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 平間壮一 エンタメステーションインタビュー

タカシの感情を歌で表現するには、独特の難しさがあります

歌についても聞かせてください。

長江 もともと歌手になりたかったのもあって、どうしても僕の歌声はポップス風になっちゃうところがあるんです。でもミュージカルは、台詞を歌で表現しているのであって、ちゃんとひとつひとつの音を感情で繋げていかなくちゃいけない。歌唱指導でその表現の方法を教えてもらって、すごく参考になりました。

平間 伝え方が難しいんですけど、自閉スペクトラム症であるタカシはつねに世の中からはずされている苦しみを抱えていて、それを声で表そうとすると、喋るときにどこか筋肉が固まっている状態になるんです。でも、歌になったらすっと力を抜かなきゃいけない。そのバランスがこの作品は難しいんですよ。いきなりスパって切り替わっても違和感がありますから、歌に入る前に徐々に緊張を緩めて、台詞に戻るときには身体の状態を元に戻さなきゃいけない。この感覚は、ほかの役にはない独特の難しさですね。

長江 すごいんですよ、兄ちゃんの歌は。タカシを中心に世界を歌で構築していく感じが見えるんです。ミュージカルってこういうことなんやって感動しました。

平間 金太郎の歌声は軽さがあっていいよね。声はわりと僕と似ているらしくて。

長江 そうですね、言われます、歌声が兄弟だねって。

平間 たぶんお互いハスキーなところが似ているんだと思うんですけど、金太郎はハスキーなんだけど声が重くならない。ハスキーな中でも高音が得意で、高い音でも抜けるように出るんです。僕はわりかし重めになっちゃうから、いいなって思う。

長江 今、ちょっと嬉しくて言葉が出ないです(照)。

平間 だからなのか、僕とハモるときも声がケンカせずに綺麗に溶け合うんです。たぶんそれは、ここからここまでが正解という音があったとして、その真ん中より下に俺が、真ん中より上に金太郎がいるからだと思うんですけど。だから、ふたりの声はよく合うんだろうなと思います。

長江 ありがとうございます。どうしよう。嬉しすぎて、今日はぐっすり眠れそうです(笑)。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 エンタメステーションインタビュー

きっとこの作品を観て感じた心の温もりを思い出す日がどこかでくる

今作は、いろんな数字が出てきますが、おふたりで数字にまつわるトークをお願いします。

平間 僕、2月1日生まれなんですけど、家の中で何か行動しようと思ってふと時計を見ると、絶対2時1分とか14時1分とか14時11分なんですよね。“台本も読み終わったし、お風呂に入ろうか”と思って立ち上がったら、時計が2時1分になっている。だから、“2と1の並び”が自分のきっかけの数字になっています。

長江 いいですね! ないな、そういうエピソード……(困)。

平間 数字は好きじゃない?

長江 好きです。

平間 何が一番好き?

長江 えー。(と、考える)

平間 僕はね、“3”!

長江 あー、わかります!

平間 わかるんかい!?(笑)“3”のね、みんなに好かれている感じが好きです。人が思いつきでパッと選ぶときの数字って、だいたい“3”なんですよ。

長江 僕は“4”です。

平間 “4”もわかる。“4”は逆にみんなから嫌われがちな数字だから、そこが愛しいなって思う(笑)。

長江 あはは(笑)。“4”って、人によっては頂点の部分を繋げずに書く人もいるじゃないですか。そこが面白いなって。数字って、0から9まで基本的にはどれも線が繋がっているんですけど、唯一、途切れる数字が“4”で。ふたつの要素でひとつのものをつくっているというか、足りないもの同志が寄り添い合っている感じが好きです。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 平間壮一 エンタメステーションインタビュー

では最後に、本番に向けての想いを聞かせてください。

平間 今まで何度か電車の中で自閉スペクトラム症の方がいらっしゃって、周りがさーっといなくなるのを目の当たりにしたことがありました。というか、何年か前までは自分もそのひとりだったと思うんです。あるとき、自閉スペクトラム症の方に時間を聞かれて答えたら、何度も「ありがとうございます」「ありがとうございます」と言われたことがあって。一瞬、怖いなって思ったんですけど、「ありがとうございます」にその子の目を見て返したら、「ありがとうございます」がやんだんです。それでわかったんですよ、ああ、この人はちゃんと感謝が伝わるまで「ありがとうございます」って言わなきゃいけないんだと教えられたから、それを素直に守っているだけなんだって。そう考えたら、避けている自分のほうがダメだったんだなって思いました。
この作品を観たから、“人に優しくして欲しい”なんて言う気はありません。でも、きっとこの作品を観て感じた心の温もりを思い出す日が、皆さんどこかでくると思う。そんな温かい心を届けられるミュージカルです。ぜひ多くの方に足を運んでもらえたらと思っております。

Coloring Musical『Indigo Tomato』 長江崚行 エンタメステーションインタビュー

長江 みんな違ってみんないい、じゃないですけど、相手のいいところも悪いところも受け入れられる考えの種を少しでも持って帰ってもらえたらって思います。
ここからは個人的な話になっちゃうんですけど、僕は“いつか自分の自伝を書くなら”っていうテーマで人生を生きようと思っていて。だから、この年にこういうことを思ったから、次の年にこういう変化があったんだなっていうのを毎年ちゃんと覚えているんです。そういう意味でも、これからの僕の役者人生において、この作品は大きなターニングポイントになる。それぐらい今、いろんなものを受け取っています。 ここから、もしかしたらトップミュージカルスターの道を目指すかもしれないし、ミュージカルもストレートもマルチにこなせる俳優を目指すかもしれない。どうなるかはわからないですけど、間違いなく自分の価値観を変える作品のひとつになる予感があるんです。だから、できるだけ多くの方にこの作品を観て欲しいです。

平間壮一
ヘアメイク / 木内真奈美(Otie)


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Coloring Musical『Indigo Tomato』

プレビュー公演:2019年11月10日(日)〜11月11日(月)いわきアリオス小劇場
北海道公演:2019年11月14日(木)〜11月15日(金)札幌市教育文化会館 大ホール
大阪公演:2019年11月19日(火)〜11月21日(木)東大阪市文化創造館 小ホール
福岡公演:2019年11月26日(火)福岡ももちパレスホール
石川公演:2019年11月29日(金)北國新聞赤羽ホール
東京公演:2019年12月4日(水)〜12月10日(火)東京グローブ座

STORY
サヴァン症候群で“共感覚”をもつ青年タカシは、数字や記憶に突出した能力を発揮するも、コミュニケーションが苦手でもっと外の世界と関わるようにと言われている。そんな兄の為に様々なことを諦め、働きながら生活を支える弟マモル。タカシは毎日10時01分に植物公園のカフェの店員あやが作るトマトジュースを飲むことが日課になっていた。あやとの交流によって外の世界を知り始めるタカシ。
ある日公園に人気クイズ番組の司会者が脳科学者を伴ってやってくる。タカシは才能を見いだされクイズ番組への出演を持ちかけられ、最初は拒むタカシだったが……。

作・演出:小林 香
音楽:掘 倉彰

出演:
平間壮一

長江崚行
大山真志・川久保拓司(Wキャスト)
安藤 聖
剣 幸・彩吹真央(Wキャスト)

Piano.堀 倉彰/Guitar.瀬川千鶴/Cello.松尾佳奈

企画・製作:『Indigo Tomato』製作委員会

オフィシャルサイト

©『Indigo Tomato』製作委員会

平間壮一(ひらま・そういち)

1990年2月1日生まれ、北海道出身。2007年『FROGS』にて舞台デビュー。その後、数々の演劇・ミュージカルに出演。近年の主な出演作品には【舞台】ミュージカル『ドン・ジュアン』、『黒白珠』、ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」、ミュージカル「ゴースト」、「『髑髏城の七人』Season月」<上弦の月>、ミュージカル『RENT』【テレビ】『あなたのことはそれほど』などがある。2020年3月にはミュージカル「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~」、6月にはミュージカル「ヘアスプレー」への出演を控える。

Profile
オフィシャルTwitter(@So1_Staff)

長江崚行(ながえ・りょうき)

1998年8月26日生まれ、大阪府出身。舞台『銀河英雄伝説』シリーズ(ユリアン・ミンツ 役)、ミュージカル『ヘタリア』(イタリア 役)、舞台「文豪ストレイドッグス」(江戸川乱歩 役)、舞台『Messiah メサイア』シリーズ(御池万夜 役)をはじめ、近年の主な出演作品には【舞台】舞台「KING OF PRISM-Rose Party on STAGE 2019-」、舞台『Messiah メサイア -黎明乃刻-』、舞台「文豪ストレイドッグス 三社鼎立」、舞台『桃源郷ラビリンス』、ミュージカル『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』、舞台『ひらがな男子』などがある。

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