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古谷大和&安達勇人らが演劇の熱さを魅せる。LIVEミュージカル演劇『チャージマン研!』大ヒット上演中!

古谷大和&安達勇人らが演劇の熱さを魅せる。LIVEミュージカル演劇『チャージマン研!』大ヒット上演中!

上演前から話題をさらっているLIVEミュージカル演劇『チャージマン研!』が、10月31日(木)から新宿FACEにて上演中だ。
原作は、1974年に放送されたテレビアニメ『チャージマン研!』。放送終了後、セオリーを無視した摩訶不思議な物語の展開や、ツッコミどころ満載の演出が“ニコニコ動画”や“2ちゃんねる”などで取り上げられ、再注目を浴びたことで知られている。
演出をキムラ真、音楽を超有名ロックバンドのメンバーの手島いさむ、脚本を伊勢直弘が手がける。主人公のチャージマン研(泉研)役には古谷大和、安達勇人、髙﨑俊吾、中村誠治郎の4人が同役に挑み、どんな展開になるのか楽しみだ。さらに、泉研の妹の泉キャロン 役は星元裕月、泉家に住んでいるロボットのバリカン 役は阿部快征、ジュラル星人 役は浜ロン、ジュラル星人を束ねる魔王 役は村上幸平と豪華キャストが揃う。アニメ同様、驚愕の展開を見せた舞台の初日前にゲネプロと一言挨拶が行われた。

取材・文・撮影 / 竹下力


なんでもあり! これぞ“演劇”

LIVEミュージカル演劇 チャージマン研! エンタメステーションステージレポート

これぞ“演劇”だと唸ってしまう舞台だった。一言でいえば、なんでもありなのだ。演劇を愛するカンパニーが、本気で舞台を作れば、それが現代の演劇界において目を見張る作品になることを証明してくれた。

そもそも、チャージマン研(泉研)役が古谷大和、安達勇人、髙﨑俊吾、中村誠治郎と4人もいて、それぞれ違うことをしているのかと思えば、同じ場所にいて、同じ台詞を喋り、動作を繰り返したりする。リフレインの手法を使った舞台は数多くあれど、ここまでポップなのは初めての経験で驚いた。しかも、微妙にキャラが違うところが笑ってしまう。本来の演劇にあるラディカルな部分を抜き取って、それをリアルに劇場に再現した野心的な作品であり、演劇好きにはたまらないし、この舞台を観て、演劇の面白さに気づくことができたら、きっと幸せな経験になると確信できる。

原作のアニメ『チャージマン研!』は、1974年の4月から6月まで、月曜日から金曜日、17時30分から40分までの10分という短い時間で放送された。基本は短編ストーリーで、“ヒーローモノ”である。2074年の日本に住む泉家の少年・泉研がチャージマンに変身して、悪のジュラル星人や魔王と戦う話であり、ジュブナイルSFの要素が強い。放送時間や予算の制約のなか、ターゲットの子供たちに受けようと頑張りすぎて、無理やり起承転結をつけようとしたせいか、ストーリーはご都合主義的な展開をみせ、話の辻褄を無理やりつけることで、ツッコミどころ満載になってしまうという、本来のメッセージを逸脱してしまった、脱力感に満ちた傑作アニメだ。

LIVEミュージカル演劇 チャージマン研! エンタメステーションステージレポート

舞台は、アニメの性質を大切に、同時に尊重しながら、太い1本のストーリーよりも、短いショートストーリーをいくつか積み重ねたオムニバス形式になっており、原作ファンから人気が高いエピソードを拾った作品や、今作だけのストーリーで構成されている。クラシックコンサートの会場に爆弾が仕掛けられていたり、科学者がジュラル星人に改造され、頭の中にダイナマイトが埋め込まれてしまったり、得体の知れないレコードが強烈な電磁波(?)を発したり、爆弾、人体改造、電磁波レコードなど、軍事的でバイオレンスな香りが漂っているのだが、なぜか、悪役のジュラル星人をやっつけると何もかもが解決するという、あっけらかんとしたご都合主義的なところも踏襲されている。劇中でキャストがロビーやステージ裏など4つの場所に分かれ、それぞれの場所でパフォーマンスを繰り広げる新趣向があったり、アニメを制作した製作陣と同様に、凄まじい熱意を感じる作品だ。

同時多発的なパフォーマンスがLIVEの要素を強くし、また、ミュージカルとしても感動的な出来栄えになっている。手島いさむの音楽が、とてつもなくキャッチーで、グルーヴがあって、ついつい役者と一緒に歌ってしまう。ロックもバラードもクラシカルな曲もノリノリで、けれど歌っている歌詞は、牧歌的な内容であったり、魚のシラスの語源であったり、果ては、「個性がなければ生きてはいけない」と哲学的な歌で、こちらも縦横無尽である。劇中では主題歌を何回も繰り返すのだが、テンポに変化をつけ、さらに役者たちのダンスが違うので、観ていて、聴いていて、まったく飽きずに、一緒にシンガロングしてしまう。

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脚本の伊勢直弘と演出のキムラ真のタッグは、高度なレベルで演劇に“自由”さを取り込むことに成功している。舞台の鮮度を高く保つために、柔軟性に富んでいて、いろいろな斬新なハプニングが起きて、新鮮な気持ちで楽しめる。新宿FACEという囲み舞台を十二分に活かしつつ、遊園地に来ているようなワクワクする感覚になるのは、様々なアイデアに溢れ、作り手の楽しさが伝わってくるからだろう。たとえば、主役のチャージマン研 役を、毎公演キャスト全員の中から観客の投票で決定するチャレンジは、本当に斬新だと思う。どんなキャラクターだって主役になれるという平等主義が貫徹している。

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チャージマンを演じた4人の泉研は、そんなに堂々と人前やジュラル星人の前で変身しても大丈夫なのかというツッコミも無視し、昔の特撮映画みたいに、悪役をコテンパンにやっつけ、訳もなく家族と笑い合い、とにかく無垢で天真爛漫だ。古谷大和は屈託がなさすぎて怖いぐらいだし、安達勇人はインタビューで「方言を取り入れるかもしれない」と語ったが、実際に方言を使って幼言葉風にしゃべっていたり、髙﨑俊吾は眼光鋭くジュラル星人をやっつけてやろうと意気揚々としていたし、中村誠治郎は何故だか渋いおじさんのようなチャージマン研を演じている。4者4様の個性がしっかりにじみ出ている。古谷が稽古場で役を作っていくと言っていたけれど、おそらく役づくりも話し合いながら行ったのかも知れない。

もちろん、チャージマン研だけではなく、どのキャラクターも魅力的だ。どうしてそこにいるのか理由のわからない謎のロボット・バリカンのおとぼけっぷりが板についた阿部快征や、なぜ泉研の妹がキャロンという外国の名前なのか、そして金髪なのかまったくわからない泉キャロンのおませぶりが可愛い星元裕月、どこか憎めないジュラル星人を演じるアンサンブルや浜ロン、本編よりも前説で壮大なボケをかまして活躍していた魔王の村上幸平たちも観ていて飽きない。そして、彼らと泉研を演じる4人たちとの行間をすっ飛ばしたような、ちぐはぐなやりとりの会話は、シュールで笑ってしまう。

LIVEミュージカル演劇 チャージマン研! エンタメステーションステージレポート

究極の脱力系の舞台だが、ダウナーにはならず、カラフルな照明や舞台装置も相まって、テンションを高く維持することができる。いま、この瞬間を目一杯楽しむこと、そのことが人生で重要だとも教えてくれる。まさに今の時代に求められている舞台を、目の前で体感していることへのドキドキが、終演後も収まらなかった。

お客様が劇場に入って完成する作品

LIVEミュージカル演劇 チャージマン研! エンタメステーションステージレポート

ゲネプロの前に、一言挨拶が行われ、ジュラル星人 役の浜ロン、魔王 役の村上幸平、バリカン 役の阿部快征、泉キャロン 役の星元裕月、チャージマン研(泉研)役の中村誠治郎、髙﨑俊吾、安達勇人、古谷大和が登壇した。

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浜ロン この舞台は“チャージタイム”があって、お客様の投票で、誰でも主役になれるので、ぜひ、私の手下であるジュラル星人が主役になるようにしてください。

村上幸平 この舞台は、僕自身が経験をしたことがないほどクレイジーな舞台で、果たして「お客様に受け入れられるのか」というドキドキ感と、「これが成功したらすごいことになる」というワクワク感でいっぱいです。

阿部快征 ご来場されるお客様が味わったことのない経験をされる舞台だと思います。長く愛され続けているテレビアニメ『チャージマン研!』を忠実に再現できるように、挑戦していきたいと思います。

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星元裕月 デビューから3年、私のキャリアで初めての女性 役ということで、役が決まってから、今日という日を楽しみにしていました。稽古も精一杯してきましたし、新宿FACEという会場が、私の趣味でプロレスを観にきている場所ということもあって、その劇場に役者として立たせていただけるのが嬉しいですし、感慨深いです。千秋楽まで全力で頑張りたいです。

中村誠治郎 新しいジャンルの舞台なので、お客様が劇場に入って完成する作品だと思います。お客様と一体となった素晴らしい作品にして、千秋楽まで完成度をどんどん高めていく舞台にしたいです。

髙﨑俊吾 今作は“LIVEミュージカル演劇”ということで、お客様と一緒に楽しむ舞台になっています。原作をとてもリスペクトした演出を受けて、稽古をしながら、みんなで作品を煮詰めてきたので、たくさんの人に楽しんでいただきたいと思います。

安達勇人 円形の会場が“LIVEミュージカル演劇”の名に相応しく、お客様との一体感が生まれる気がします。老若男女問わず観にきていただきたいですし、みんなで一緒になって楽しめる演出もあるので期待してください。

古谷大和 ようやく本番を迎えられるので楽しみです。演劇は劇場で観ていただくことが大切だと思います。配信もありますが、配信を観逃がした人は劇場に足を運んでいただければ嬉しいです。多くの方に愛された作品を再現しようと、素晴らしい演者とスタッフに囲まれて、僕自身興奮しながら稽古をしてきました。最後まで応援のほど、よろしくお願いいたします。

LIVEミュージカル演劇 チャージマン研! エンタメステーションステージレポート

公演は10月31日(木)から11月6日(水)まで新宿FACEにて上演される。また、本編のDVDとメイキングDVDの発売が決定した。発売日までにCLIE TOWNにて2枚を同時に予約すると、「8cm CD(非売品)」が付いてくる。内容は劇中歌を数曲収録しており、今作の素晴らしい楽曲を味わえるはずだ。詳細は公式ホームページをチェックしよう。

CLIE-TOWN

LIVE ミュージカル演劇『チャージマン研!』

LIVEミュージカル演劇 チャージマン研!

2019年10月31日(木)〜11月6日(水)新宿FACE

演出:キムラ真(ナイスコンプレックス)
脚本:伊勢直弘
音楽:手島いさむ
企画・製作:CLIE
出演:
チャージマン研(泉研)役:古谷大和、安達勇人、髙﨑俊吾、中村誠治郎
泉キャロン 役:星元裕月
バリカン 役:阿部快征
ジュラル星人 役:浜ロン
魔王 役:村上幸平
〈ジュラル星人〉
足立雲平、榎 太誠、坂下陽春、菅野周平、前田航希、牧 亮佑、溝下 翼
泉 博 役:篠原麟太郎
声の友情出演:藤原祐規

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@jyuraruseijinP)

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