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のん、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』ワールドプレミアに登壇。「すずさんの皮膚感が蘇ってきました」

のん、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』ワールドプレミアに登壇。「すずさんの皮膚感が蘇ってきました」

12月20日(金)に全国公開される、劇場アニメーション映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のワールドプレミアが、本日11月4日(月・休)にTOHOシネマズ六本木にて行われ、のん、岩井七世、コトリンゴ、片渕須直監督が登壇した。

世界で初めてのお披露目になった本作を観客と一緒に観ていたという片渕監督。先日開催された、「第32回東京国際映画祭」レットカーペットイベントの際に「まだ未完成です」と話していた監督だが、今回も「すごく長い映画なのですが、実はまだ途中でして…あと数分長くなる予定です」と素直に告白。「もっと長い、すずさんの人生の1、2ページです。すずさんの人生をこの映画でちょっとでも感じていただけたらと思います」と挨拶した。

また、前作に続き、主人公・すずの声を担当したのんは、「私自身、期間を置いてから同じ役に挑むということが初めての経験ですごく緊張していたんですけど、何度も作品を観返したり、原作を読み返したりして、新しいシーンに対してどういう解釈をしていこうかなと構築していくうちに、なんとなく、すずさんの皮膚感が蘇ってきました」とコメント。続けて今作で、すずがリンと周作の秘密に触れることになることについて「すごく複雑な気持ちでした」と振り返り、「リンさんがすずさんの中でこんなに存在が大きいと分かるシーンがたくさんあります。すずさんは呉にお嫁に来て、お嫁さんの義務を果たすことによって自分の居場所を見つけなくてはならないという状況を過ごしていく中で、リンさんは初めて、すずさんに絵を描いてほしいって言ってくれた人なんですよね。自分の中にあるものを認めてもらえたっていうのは、すずさんにとってとても心のよりどころにしていたんじゃないかなと思って。その中で、周作さんとの秘密っていうのが、すずさんにとっても自分もどこに感情をおけばいいのか戸惑っている気がして、いろんな感情が外に出てくるんです。その複雑な感情が難しいなと思ったんですけど、監督に演出していただく中で、気づける部分もありました」と語った。

そんなすずと大きく関係していくリンの声を担当した岩井は「私自身もとても緊張していました。呉に行ったり、前作を10回くらいいろんな劇場で観させていただいたりとこの作品のファンだったので、新しいシーンがとても楽しみにしていましたし」と、3年ぶりのにリンを演じられた喜びを語った。そして、本作で4曲を書き下ろし、エンディングの「たんぽぽ」を最収録したコトリンゴは「すずさんの世界で、周作さんもですが、実はリンさんがすごく大きく関わっているんですよね。なので、登場人物それぞれの音楽を発展させる形で、自然に新しいシーンが繋がっていけばいいなと思って作りました」とコメント。「たんぽぽ」について「聞いたイメージはそんなに変えたくなくて、でも、多分次作は…ないのかな…(笑)? 名残惜しい重厚感を出したくてアレンジを豪華にしています」と、曲に込めた思いを明かした。

また、前作と今作の違いについて片渕監督は、「前作では、どちらかというと主にすずさんと、お姉さんの径子さん(声:尾身美詞)の葛藤と、二人の関係がどんふうに変わっていくかで、すずさんという人の進んでいく道が示されていっていたんですけど、今回もっと複雑になっていて。人間ってそんな簡単なものじゃないよと。もっとたくさんのものに出会って、もっとたくさんのものに苛まれて、でも生きていかなくてならないわけですよね。すずさんは、もっとたくさんの人のことを見るわけです。前作で描かれていた、いろんな表情、いろんなセリフっていうのは、今回加えた新しいシーンによって、すずさんは本当はこんなことを心の中に抱いていたのかもしれないっていうことが、思い描いていただけるものになっているかと思います。より、すずさんという人の人格、存在が多面的になっています」と明かした。

最後に、「本当に新たな気持ちで観られる映画になっていますので、たくさんの方にお勧めしていただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました」(のん)、「この映画は、また新しい映画だと思って作りました。今日初めての上映になりましたが、こんなにたくさんの方に観てもらえるなんで、こんなに嬉しいことはありません。今日はお時間を共有していただいてありがとうございます。これからもよろしくお願いします」(片渕監督)と話し、イベントは終了した。

劇場アニメ『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

12月20日(金)テアトル新宿・ユーロスペースほか 全国公開

【STORY】
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19(1944)年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりを感じてしまう。昭和20(1945)年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。
その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。そして昭和20年の夏がやってくる——。

原作:こうの史代
企画:丸山正雄
監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
美術監督:林 孝輔
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎 
監督・脚本:片渕須直
製作統括:GENCO 
アニメーション制作:MAPPA 
配給:東京テアトル 
製作:2018「この世界の片隅に」製作委員会

【CAST】
のん
細谷佳正
稲葉菜月
尾身美詞
小野大輔
潘めぐみ
岩井七世
牛山 茂
新谷真弓
澁谷天外(特別出演)

©️2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』オフィシャルサイト
ikutsumono-katasumini.jp

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