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蒼井優、高畑充希らが集結!抜群のチーム感を発揮した最強のガールズムービー舞台挨拶

蒼井優、高畑充希らが集結!抜群のチーム感を発揮した最強のガールズムービー舞台挨拶

11月10日にユナイテッド・シネマ豊洲にて映画『アズミ・ハルコは行方不明』のプレミア試写会が開催された。本編の上映前に、松居大悟監督、蒼井優、高畑充希、太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、花影香音、加瀬亮が登壇した。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 関信行


かなりパワフルに美術さんが作ってくれた備品をぶっ壊してましたね(笑)

満員の観客を前にした松居監督は「いろんな人たちの熱い気持ちを塊にして出来上がった映画です。素敵な劇場でみなさんに来ていただいてすごく嬉しいです」と、目に涙をためながら感慨深げに挨拶。総勢7名の出演者を前にキャステイングの理由を聞かれ、「この映画自体、上手にまとめたくないというか。1秒先が読めないような作品にしたいなと思ってました。技術はもちろんなんですけど、次の瞬間、何をしてくるんだろうってワクワクさせてくれるような人たちに声をかけさせていただきました」とコメントした。

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その後の質疑応答は、撮影から1年が経った現在でも、キャストやスタッフの隔たりなく、頻繁に集まっては飲んでいるという松居組の仲の良さを感じさせる、笑いの絶えない舞台挨拶となった。

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主人公〈安曇春子〉を演じた蒼井さんは8年ぶりの単独主演作になります。まず、本作のオファーを受けたときの率直な感想から聞かせてください。

蒼井 『アズミ・ハルコは行方不明』の春子役と聞いて、すごくラクじゃないかと思ったんですね。行方不明で、しかも、主演。こんなにいい仕事あるのかなって、ワクワクしながら台本を読んでたら、意外と出番があって(笑)。撮影も結構大変だったんですけど、お話をいただいたときに、邪な気持ちもありつつも、監督とプロデューサーと私、3人が同い歳だっていう時点で興味が湧いて。わけがわからない台本で、どういうふうに仕上がるのかっていう想像が確実にはできなかったんですけど、逆に、「30という節目を迎えた3人だったら挑戦してもいいんじゃないかな。まだまだ守りに入る年齢じゃない」って言われてるような気がして、やってみようと思いました。

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高畑さんは『とと姉ちゃん』から次の映像作品になりますが、かなりハジけたギャル〈木南愛菜〉役でした。何か意識したことはありますか?

高畑 私も台本を読んだときに、自分の役があまりにもわからず、本当に何ひとつ糸口が、手がかりが見つからなくて。わからん、わからんと思っているうちにクランクインしてしまって。撮影中、監督に「監督、わからん」って聞いたんですけど、「俺もわからん」って言われて、「あ、あてにならない」って思って(笑)。そのあと、蒼井優ちゃんに会ったときに「わからん」って言ったら、「愛菜自身も自分のことわかってないから、わかんなくていいじゃない?」って言ってくれたので、なるほどって思って。そこで、「わからないままいこう」って吹っ切ることができたんですね。あと、春子パートと愛菜パートは温度差があるなと思ったので、若いチームはとにかく振り切って、やり切って。日々、声も筋肉も出し惜しまず頑張ろうと思いまして。結構、小道具とかを壊してしまって、ごめんなさい(笑)。

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太賀 かなりパワフルに美術さんが作ってくれた備品をぶっ壊してましたね(笑)。高畑さん演じる愛菜って、普段の高畑さんとは全然違うキャラクターなんです。それを、高畑さん本人もわからないって模索しながらやってるんですけど、軽々と説得力を持って、僕の目の前で愛菜としていてくれたので、その勢いを借りて、若いチームで一致団結してやれたかなと思ってます。

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愛菜、太賀くん演じる〈富樫ユキオ〉と一緒にグラフィック集団〈キルロイ〉を結成する〈三橋学〉役の葉山さんは、花影香音さんも演じる女子高生の〈少女ギャング団〉にボコボコにされるシーンがありましたね。

葉山 観てもらえたらわかるんですけど、一発殴られてるんですよね、本当に。

花影 ごめんなさい!

葉山 俺、現場中には誰にも言えなかったんですよね(笑)。言うと、みんな気を遣うかなと思って言えなかったんですけど、顔面に入って。段取りがぶっ飛ぶくらい殴られました。

松居 本当に殴られてるんじゃないかっていうくらい、すごい迫力でしたね。本当に殴られてるんだけど(笑)。

花影 私、その日に、お母さんとすごい喧嘩しちゃって。そのむしゃくしゃを……。

葉山 俺にぶつけた!?

花影 そうですね。ごめんなさい! むしゃくしゃも入ってました。申し訳ございませんでした。

葉山 全然、大丈夫です(笑)。

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高畑 あはは。キルロイはほとんど3人行動だったんですけど、お父さん(太賀)、お母さん(高畑)、息子(葉山)くらいの関係性になってて。

太賀 ジャイアントベイビーだったね。

葉山 現場でずっとジャイアントベイビーって呼ばれてました。

高畑 かわいくって、かわいがっていたんですけど。

葉山 そのみっちゃん(高畑)が、「よーい、スタート」でスイッチが入る、その瞬発力が半端なくて。怖かったですね。急にみっちゃんから愛菜になるので、僕はずっと怖い怖いって恐れながら学をやってました。

高畑 2人がつねに受け入れ態勢をとっていてくれたので、体当たりさせていただいて。本当にありがとうございました。

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加瀬さんは、春子や愛菜たちが暮らす街の警官〈沢井〉役としての出演でした。

加瀬 そんなに出てこないんですけど、肯定的な意味ではなく、街の一部として、ただいればいいのかなと思って。だから、特に何かをしたわけではないですけど、最初に監督の名前と台本を読んだときに、監督は今までダメな男を応援する側で映画を撮ってきたと思うんですけど、今回のお話は、むしろ真逆なんですね。そこに挑戦と興味を覚えたのは覚えてます。

松居 事件も起きないような小さな街の話で。何もないから、消えたいんだけども、消えられないし、ヒマだからステンシルをする。この街の危険性の低さを加瀬さんに担ってもらった部分が多いし、すごく助けられました。

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松居組の現場はどんな雰囲気でした?

加瀬 2日間だったんですけど、現場に行ってみたら、みんな徹夜明けの顔をしてて、寝てない共演者、スタッフ、監督たちが、1周してものすごいテンション高いっていう状態でしたね。すごい頑張ってるというか、エネルギーがある現場で。そんな中で力抜いて仕事してしまって申し訳ないですけど(笑)、とってもパワーのある映画に仕上がってると思います。

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ミュージシャンとして活躍されている石崎さんは本作が映画初出演とのことですが、さらに、蒼井さんの相手役〈曽我雄二〉でいろんな緊張があったと思うんですが。

石崎 そうですね。最初に松居監督から下北の居酒屋で「映画出てくれない? 相手は蒼井優だよ」って言われたんですけど、この人、本当に頭いかれちゃってるんじゃないかなって思いました(笑)。それから、最初の読み合わせが人生で一番緊張したっていうくらい緊張しまして。ずっと下向いて、ボソボソ喋ってて。「こんなんで俺、いいのかな」って思ってたら、案の定、松居監督に怒られまして。「呼吸をしろ!」って言われたんです。それはどういう意味だろうって考えてたんですけど、もしかしたら、ちゃんと優ちゃんの顔を見て話すっていうことかなと思って。2回目の読み合わせのときに、蒼井優だし、ちょっと怖いなと思いながら一生懸命に顔を見たら、優ちゃん、おにぎりを食べたみたいで、歯に海苔が挟まってて。そこで、ものすごく緊張が溶けました。

蒼井 あはは! まさかそんなことぶっこまれると思わなかった! 1回目の本読みがほぼ声が聞こえなかったので、2回目はこっちもスタミナが必要だと思って、おにぎり食べちゃったんですけど、失礼しました(笑)。でも、私が一番驚いたのは、1回目の本読みのときで。役者をやってる人だと、セリフに「あああああああああ」って書いてあったら、「あーーーーーー」と、「あ」を伸ばす絶叫なんだなってわかるんですけど、石崎さんは1文字ずつ「あ」「あ」「あ」「あ」「あ」って読み上げて。もう壊れたのかなって。

高畑 ありましたね(笑)。

蒼井 役者陣、全員、目が点になりましたね。

石崎 ありがとうございます!(笑) そこからはいい感じで、あっという間に撮影も終わりました!

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(笑)映画を観ると春子が消えた理由が明らかになりますが、蒼井さんと高畑さんは「消えちゃいたい」「なかったことにしたい」と感じたことはありますか?

蒼井 私は理解できますね。「死にたいわけじゃないんだよ。消えたいんだよ」っていう時期が私にもありました。そんなに暗い話でもなく、「いなかったことにしてくんないかな〜」っていうくらいのテンションなんですけど、女性は26〜28歳あたりで第ニ次思春期がくると思ってて。そんな時期に、なんて恥ずかしいことをしてしまったんだろうとか、この情けなさはもう取り返しがつかないなって思って、もう消えちゃいたいなって思ったことはありましたね。今はもう抜けましたけど。

高畑 私は……焼肉屋さんに焼肉券をいただきまして。10万円分あるって思い込んでいたんですね。だから、松居組のみんなに「焼肉連れてってやるよ!」って豪語してて。1ヵ月前から言ってたんですけど、今朝、数えたら5万円だったんです。いい焼肉屋さんなので、大人数で5万円で食べられるわけがなくて……今日、本当に、消えたいって思ってます(笑)。

蒼井 10人ちょっとで行くんだよね? 一人頭、4千円ちょっとだと確実に足りないね。でも、みっちゃんが豊洲のそのへんで路上ライブをすればそのくらい集まるじゃないかな?

太賀 協力するよ。

高畑 本当!? 身体は張るよ。私が悪いんで、今日の件に関しては。過去の自分を問いただしたいけど、なんとかしてお金を出します。

葉山 足りない分は松居さんじゃないですか?

石崎 松居くんだよね。お金持ちだから(笑)。

松居 そんときは、僕が消えてしまうかもしれないです(笑)。

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(笑)松居監督には行方不明になって欲しくないですが、最後に、「最強のガールズムービーなんじゃないかと」と評判になっている本作の魅力を女性陣からお願いします。

高畑 私は自分が演じてたときもよくわからなかったし、観てからもちゃんと説明できる自信がなくて。よくわからないなっていう気持ちもあるんですけど、1シーン1シーンが目が離せなくて、時間が短く感じたんです。見終わったあとになんとも言えないパワーをもらって。特に女子は、世界が明るくなる感じがする映画なんじゃないかなと思います。なんかよくわらないけど、なんかいいみたいな作品に関われたのがすごくラッキーだと思いました。

蒼井 女祭りみたいな映画になってますね。男性のお客さんが観られたら、もしかしたら女性を見る目が変わってしまうかもしれないです。女性のお客さんは、自分が今までやってきた情けない話、恥ずかしい話、ダサい話、すべてが笑い飛ばせる映画になっていると思います。ぜひ女友達と一緒に観て、観終わったあとに、楽しいお酒を楽しんでいただけたらいいなと思いますね。

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そして、最後に松居監督から11月30日に映画公開を記念した<前前前夜祭>が渋谷WWWで実施されることがアナウンスされた。当日は、石崎ひゅーいや主題歌を担当したチャットモンチーのライブに加え、撮影の裏話などが満載となったトークショーが行われる予定となっている。

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映画『アズミ・ハルコは行方不明』

2016年12月3日公開

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とある地方都市に住む27歳の〈安曇春子〉は独身で恋人もなく、実家で両親と祖母と暮らしている。会社では社長と専務に「女性は若いうちに結婚するべきだ」とセクハラ三昧の言葉を37歳の先輩〈吉澤ひろ子〉と共に浴びせられ続けていた。ある日の仕事帰り、春子の目の前を女子高校生たちが軽やかに走り抜けていく。それを追って公園へ向い、暴行され倒れている同級生の〈曽我雄二〉の姿を見つける。そこから春子と曽我はお互いのむなしさを埋め合うように関係を重ねていくのだが……。
とある地方都市に住む20歳の〈木南愛菜〉は成人式の会場で同級生の〈富樫ユキオ〉と再会、付き合い始める。ある日、2人はレンタルビデオ店でバイトをしていた同級生の〈三橋学〉と出会う。ユキオと学はグラフィティアーティストのドキュメンタリー映画に共感し、〈キルロイ〉と名乗り、グラフィティアートを始め、28歳で行方不明の安曇春子を探す張り紙をモチーフに街中に春子の顔とMISSINGという文字を拡散していくのだが……。
異なる時間軸が交錯。2つのストーリーの意外な結末とは?

【監督】松居大悟
【原作】山内マリコ(幻冬舎文庫刊)
【キャスト】
蒼井優 高畑充希
太賀 葉山奨之 石崎ひゅーい
菊池亜希子 山田真歩 落合モトキ 芹那 花影香音/柳憂怜・国広富之/加瀬亮
【劇中アニメーション】ひらのりょう
【音楽】環ROY
【主題歌】「消えない星」チャットモンチー
【配給】ファントム・フィルム

オフィシャルサイトhttp://azumiharuko.com

©2016「アズミ・ハルコは行方不明」製作委員会


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アズミ・ハルコは行方不明

山内マリコ (著)
幻冬舎

地方のキャバクラで働く愛菜は、同級生のユキオと再会。ユキオは意気投合した学と共にストリートアートに夢中だ。三人は、一ヶ月前から行方不明になっている安曇春子を、グラフィティを使って遊び半分で捜し始める。男性を襲う謎のグループ、通称“少女ギャング団”も横行する街で、彼女はどこに消えたのか? 現代女性の心を勇気づける快作。