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京都の魅力をマンガで味わえる! コンテスト受賞作品を収録した『マンガ ぼくらの京都』

京都の魅力をマンガで味わえる! コンテスト受賞作品を収録した『マンガ ぼくらの京都』

11月に入り、いよいよ紅葉のシーズンが到来した京都。
いつもと違った視点で旅を楽しむことができるかもしれない、ひと味違った「京都本」をご紹介します!

文 / エンタメステーション編集部


『マンガ ぼくらの京都』と題されたこちらの書籍。黄色地に、かわいらしくも味わい深いモノクロのカバーイラストが映えていますね。
京都を舞台にしたオリジナルマンガ作品を募集する同名のコンテスト、その受賞作品をまとめたムック本となっています。

イラストの横に添えられた、「特別審査員はくるりの岸田さん!」という文字も目を引きます。
マンガ好きとしても知られ、音楽フェス「京都音楽博覧会」を主宰するなど地元を代表するミュージシャン、岸田 繁(くるり)が特別審査員にいるのは、カルチャー好きにとっても信頼感があるのではないでしょうか。

ぱらぱらとめくっていくと、「京都を舞台にしたオリジナル漫画」「10個の指定キーワードの中から、1点以上を盛り込む」という以外はほとんど縛りがないがゆえの、実にバラエティ豊かな作品の数々が収録されています。
ジャンルも、いわゆるエッセイ漫画的なものだけでなく、SFの要素があったり、恋愛の要素があったり……ホラーテイストなものも! 絵柄も良い意味でばらばらで、しかしどの作品にもしっかりと京都への愛が込められているのが心地よい。

応募総数105点の中から選ばれた受賞作は7作品。そのすべてがこのムックに収録されています。扉絵の抜粋とともにご紹介しましょう。

最優秀賞
「かくれや一族」 松本勇気

「かくれや一族」という妖怪の生態(?)をテーマにしたホラーテイストの作品。京都ならこんなことあるかも……という空気感・臨場感の表現が素晴らしい!

優秀賞
「京のネコの女将さん~ハレの日としまつの文化~」 湯浅みき

しゃべるネコが女将を務める町屋旅館にて、さまざまな京都の伝統を学んでいく「ためになる」漫画。ちなみに、この猫は怖くない化け猫です(笑)。

岸田繁 特別
「タイム・トリップ鴨川」 ソル・スヨン

SF要素を絡めた、少しセンチメンタルな雰囲気も魅力的な作品。ちなみに作者は現役の芸術系大学生。受賞者の中では最年少だそうです。

佳作
「パラダイス デマチ」 直山なお

コミカルで感情移入のしやすいキャラクターが魅力的な作品。2017年にオープンしたばかりのミニシアター「出町座」をモデルにしたと思しき映画館が登場します。

佳作
「12月25日の店長」 高橋 紺

シンプルな線で、余白を活かして描かれた雰囲気抜群の作品。ひとりの初老の男性を通じて、「変わりゆく京都・変わらない京都」が重層的に描かれます。

佳作
「あないして こないして」 おおえさき

今回の受賞作の中では唯一の四コマ連作作品。京都に昔から住んでいる人、最近来たばかりの人、双方の「あるある」が上手く絡み合っています。

佳作
「鴨川ドライブ」 三浜青梅

京都を舞台に繰り広げられるビターな恋愛ストーリー。街を舞台にした作品群の中では珍しく、自然あふれる京都の魅力にも触れています。

その他、表紙イラストを手がけた名古屋出身・京都在住のイラストレーター、スケラッコによる特別よみきりマンガ「京都にすんでる」も収録されています。

発行元であり、今回のコンテストの主宰でもある淡交社は、京都に居を構える老舗の出版社。創立70周年を記念して、このコンテストを企画したとのことです。また一般審査員には、京都の書店員の皆さんが名前を連ねています。
いわゆる名所旧跡の紹介ではない、生活の「匂い」が伝わる作品が多く集まったのは、地域に根差した出版社や書店が主体のコンテストだったからというのもあるのでしょう。いやあ、改めて素晴らしい企画です。

『マンガ ぼくらの京都』は、Amazonほか各種Webストアでも購入できます。
電子書籍版の配信は現状ありませんが、この本はB5の大きなサイズを手に持って、紙の質感を味わいながら読むのがおすすめだと、心から言えますよ!

読めば京都に行きたくなる……もしかしたら住みたくなってしまう(!?)作品が詰まった『マンガ ぼくらの京都』。ぜひ、手に取ってみてはいかがでしょうか。

書籍情報

『マンガ ぼくらの京都』
発売中 / 淡交社