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松岡広大、佐藤流司らキャストの成長がもたらす作品の深化。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~上演中!

松岡広大、佐藤流司らキャストの成長がもたらす作品の深化。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~上演中!

ステージ上で忍術が炸裂する! ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~の東京公演が開幕した。週刊『少年ジャンプ』(集英社)で15年間連載され、海外でも熱狂的な人気を誇る漫画・アニメ作品の舞台化。今作は第2弾として2017年に上演された内容に新演出&新キャストを加えた再演である。10月25日(金)より大阪メルパルクホールにて初日を迎え、東京ではTOKYO DOME CITY HALL、天王洲 銀河劇場にて上演。続けて深セン、上海と海外公演も控えている。
テレビ番組などにも取り上げられ、ますます注目が集まる“2.5次元ミュージカル”の最先端とも言える作品をレポート! 11月8日(金)TOKYO DOME CITY HALLにて行われた東京初日会見とゲネプロの模様からお伝えしたい。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ


「サスケを追うナルト」と「イタチを狙うサスケ」という二大軸が、より鮮明になった印象

単行本の累計発行部数は全世界で2億5,000万部を突破、日本をはじめとするアジア各国、ヨーロッパやアメリカでも熱狂的な人気を誇る「NARUTO-ナルト-」。

2015年に「NARUTO新時代開幕プロジェクト」の一環として制作された“ライブ・スペクタクル”の初演作品では、ナルトの成長と強敵・大蛇丸との戦いをメインとした第一部「少年編」のストーリーが描かれた。その続編である今作は、原作でいうところの第二部「青年編」。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

一族を皆殺しにした兄・イタチへの復讐を狙うサスケが、力を得るために火の国・木ノ葉隠れの里を捨てて大蛇丸の元へと立ち去ったあと、ナルトが2年半にわたる修行を終えたところから始まる。
サスケを取り戻すために奮闘するナルトと、サスケの復讐の顛末が、歌とダンス、アクションを交えて描かれていく。

オープニングは、腹に響く和太鼓の音を始まりの合図として、ナルトをはじめとした登場人物たちが続々と登場。殺陣もダンスも出だしから全力だ。その気迫に圧倒され、瞬く間に“ライブ・スペクタクル”の世界へと引きずり込まれる。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

2年前に上演された前回と比較して演出がブラッシュアップされており、「サスケを追うナルト」と「イタチを狙うサスケ」という二大軸が、より鮮明になった印象。
プロジェクションマッピングの迫力とアナログ要素で美しく見せる技を使い分けたりといった、様々なギミックによる“忍術”の表現もさることながら、本作の大きな見どころとして挙げたいのは、やはり歌唱シーンだ。

前作より格段に“歌詞”が明確になり、それによって場面の出来事やキャラクターの心情がより細かに伝わるようになった。メインキャストの技術が向上すると同時に全体の声量も増したようで、各チームが集まって歌い上げるシーンでは呑み込まれるようなパワーを感じた。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

ナルトを演じる松岡広大の身体能力は前々から評価されていたが、今回さらに磨きがかかった身のこなしを披露。“影分身の術”で修行を行うシーンの軽快なダンスはもちろん、ナルトの体内に封印されている九尾の妖狐が発露するときの獣さながらに変貌する様など、全身に漲らせたエネルギーが劇場全体を制していた。
サスケに届かない歯がゆさや無力感に苛まれる様子、それでも友であり仲間、さらには兄弟同然のようにも思っていた相手を絶対に取り戻そうと決意する眼差しの煌めきなど、すべてに説得力を増したナルトの姿を目撃できる。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

そのナルトの熱意と絆を感じ取っていながらも復讐を選ぶサスケを演じる佐藤流司は、活動の場を広げている昨今の勢いをそのまま本作にも存分に注ぎ込んでいる。
気だるげに振る舞いながらも復讐の炎を燃やし続けるサスケのアウトローな雰囲気には色気が増し、大蛇丸とのバトル、自身の仲間を集めていく場面や暁メンバーとの戦いに人間味が増したことで、兄・イタチとの戦いで最後に見せる、サスケの一瞬の“弟”の表情が、かえって焼きつく。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

さらに、イタチを演じる良知真次は圧倒的な歌唱力。序盤はサスケが思い描く仇(かたき)としての姿を投影するかのように強敵感を漂わせているが、話が進むにつれて、徐々にイタチ自身の心、その真実が滲み出る。その移ろいを繊細に見せ、クライマックスをしっかり担っていた。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

また、サクラ(伊藤優衣)のひたむきさとキュートさ、場を引き締めるカカシ(君沢ユウキ)の落ち着き、カカシの代理としてナルトたちを導くヤマト(藤田 玲)のコミカルさなど、それぞれがしっかり役割を把握し、それを担うことで、舞台全体の士気を高めていることも本作の魅力だろう。カンパニーの完成度が高い。今回からの新キャストであるサイ 役の定本楓馬やペイン 役の輝馬らにも、その結束力はしっかり繋がっている。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

役柄としても歌の要としても重要なポジションを担っている大蛇丸 役の悠未ひろと、綱手 役の大湖せしるの晴れやかな笑顔は、カーテンコールにて。エンディングの爽やかな盛り上がりまで、ぜひとも“ライブ”で体感してもらいたいステージだ。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

再演と言えど、まったく新しい形の“暁の調べ”をお見せできる

この後は東京初日会見の模様をレポートする。
東京初日会見に登壇したのは、松岡広大(うずまきナルト 役)、佐藤流司(うちはサスケ 役)、伊藤優衣(春野サクラ 役)、輝馬(ペイン 役)、良知真次(うちはイタチ 役)の5名。

フォトセッション後の会見セッティング中、各記者・媒体が設置したレコーダーやマイクに対して、佐藤流司が顔を近づけて「よろしくお願いします」とイイ声で吹き込み、登壇キャストから笑いを起こす。皆の顔が綻んでからの会見開始となった。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

まずはひとりずつ、挨拶と東京公演の初日を迎えての意気込みを語っていく。

松岡広大は「大阪公演もご好評をいただいて、東京にこうして作品を持ってこられるのが嬉しい。緊張はしていますが、何よりも自分が楽しんで、お客様に楽しんでいただければと思います。ぜひ足をお運びください」とコメント。

佐藤流司は「大阪で経験したものを東京でも活かしたいと思っています。今作は再演ではありますが、舞台装置や振付、アクションも一新されているので、再演と言えど、まったく新しい形の“暁の調べ”をお見せできるのではないかと思っています」と期待を煽る。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

このメンバーの中では最年長だと明かす良知真次は「前回から今回に至るまでに自分の中でひとつ目標があったのですが、それは“松岡くん”、“佐藤くん”呼びから、今作では“広大”、“流司”と名前で呼ぶこと。それを決めていたので、稽古場に入ったときから“流司!”と呼びかけたのですが、“広大”のことはいつ呼ぼう?と……(笑)。一緒に御飯に行ったタイミングで初めて“広大”と呼びました」と、仲を深めたエピソードを披露。続けて「そんなふうに良い感じでこの再演に挑めています。大阪公演、そして東京公演、中国公演と続いていきますので、全キャスト・スタッフで力を合わせて頑張ります!」と意気込んだ。

伊藤優衣は「前回から2年経っていまして、みんなそれぞれいろんな現場を踏んで力をつけて集結したので、すごくパワーアップした作品になっていると思います。ぜひ楽しみにしてくださったら嬉しいです」と成長ぶりをアピール。

今作からの新キャストである輝馬は「大阪公演を無事に終えてホッとしています。劇場が変われば作品もまた変わると思っていますので、お客様の反応を見ながら、自分なりの全力を出しながら、楽しんでできるように頑張ります!」と語った。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

見どころについて訊ねられた松岡は「一幕と二幕のコントラスト」だと語り、合わせて「ナルトの成長が描かれるストーリーなのですが、自分自身も2015年の初公演のときは17歳で、今は22歳になり、芝居などいろんなものが変化しました。ナルトの成長が自分としてもリンクしていると思うので、ぜひ見ていただきたい」と、シリーズを振り返ってコメント。

佐藤は自身が演じるサスケについて「今回のサスケは“喜怒哀楽”の“喜”と“楽”が抜け落ちているので、“怒・哀”の精神でやっていきます!見れば見るほどサスケに、より感情移入できると思います」と語った。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

その後も質疑応答が続き、皆の関係性が明らかに。

新しくサイ役を務めている定本楓馬について、松岡や伊藤が「綿毛みたいにふわふわした子なんです(笑)」「今回から新しく入って大変だったと思いますが、今はすっかり馴染んでマスコットのようになっています」と語って新たなチーム力をうかがわせる一方、良知は輝馬に対して「人のソロパートを盗った」と抗議。前回は良知が演じるイタチのソロだった部分が、良知の知らぬうちに輝馬が歌うパートに変更されていたらしく、輝馬は「盗ったんじゃないです、いただきました!」と笑顔。
良知に向かって佐藤が「稽古初日から言っていますね~」とツッコミを入れると、良知は「一生、根に持つと思う(笑)」と告白して、場から笑いを起こしていた。

それでも、良知は年上らしく「広大の成長はスゴイ! ナルトと同じようにこの2年ですごく成長しています。流司との芝居は安心してできますね。ほかのキャストも全員、この作品と共に成長しているんだなと感じます」と、若手メンバーを絶賛していた。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ エンタメステーションステージインタビュー

最後には松岡が「この作品にはアンサンブルという人はいなくて、全員に本役があります。その方々のおかげで僕らも舞台に立てているので、ひとりひとりのスキル、技術、アクロバットを見ていただきたいですし、いろんなものが複合的に詰まった素晴らしいエンターテインメントだと胸を張って言えます。ぜひお誘い合わせのうえ、劇場へお越しください!」と呼びかけた。

東京公演の上演は11月15日(金)~12月1日(日)天王洲 銀河劇場にて。その後、深セン公演が12月6日(金)~12月8日(日)、上海公演が12月14日(土)~12月22日(日)にて上演予定。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~

大阪公演:2019年10月25日(金)~11月4日(月・休)大阪メルパルクホール
東京公演:2019年11月8日(金)~11月10日(日)TOKYO DOME CITY HALL
東京公演:2019年11月15日(金)~12月1日(日)天王洲 銀河劇場
深セン公演:2019年12月6日(金)~12月8日(日)深セン保利劇院(Shenzhen Poly Theatre)
上海公演:2019年12月14日(土)~12月22日(日)虹橋芸術センター(Hongqiao Art Centre)

公演初日ダイジェスト

原作:「NARUTO-ナルト-」岸本斉史(集英社 ジャンプ コミックス刊)
脚本・演出:児玉明子
音楽:和田俊輔

出演:
うずまきナルト 役:松岡広大
うちはサスケ 役:佐藤流司

春野サクラ 役:伊藤優衣
はたけカカシ 役:君沢ユウキ

ヤマト 役:藤田 玲
サイ 役:定本楓馬
薬師カブト 役:岡田亮輔

綱手 役:大湖せしる

鬼灯水月 役:萩尾圭志
香燐 役:七木奏音
重吾 役:山口智也

ペイン 役:輝馬
干柿鬼鮫 役:林野健志
デイダラ 役:辻 諒
トビ 役:片山浩憲

白崎誠也
寒川祥吾
宮川 連
佐藤 丈
松林篤美
倉知あゆか

大蛇丸 役:悠未ひろ

うちはイタチ 役:良知真次

演奏:
土屋玲子(二胡)
加古臨王(和太鼓)

主催:
【大阪・東京】ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会
【深セン・上海】上海奈爾可演芸有限公司 春秋永楽演芸投資(北京)有限公司

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@naruto_stage)

©岸本斉史 スコット/集英社
©ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2019