Interview

声優からアーティストデビューへ、“宮野真守・水樹奈々に憧れた世代”は今何を思う? 演技力でも存在感を増す20歳・富田美憂に聞く

声優からアーティストデビューへ、“宮野真守・水樹奈々に憧れた世代”は今何を思う? 演技力でも存在感を増す20歳・富田美憂に聞く

『アイカツスターズ!』の虹野ゆめ役や『ガヴリールドロップアウト』のガヴリール役、『メイドインアビス』のリコ役など、数々の話題作に出演するほか、声優ユニットのStudyやKleissisのメンバーとしても活躍する富田美憂が、二十歳の誕生日を目前にソロデビュー。ボードゲーム好きな女子高生たちの成長を描いたTVアニメ『放課後さいころ倶楽部』のOPテーマを表題とする1stシングル「Present Moment」をリリースした。

爽快さとエモさを併せ持った本楽曲は、作品の世界観に寄り添いつつ、声優アーティストになるという長年の夢を叶えた彼女自身のこれからの道に光を照らすような、希望に満ちたアップナンバー。その歌声に込めた想いとデビューへの心情について、彼女に直撃した。

取材・文 / 北野 創(リスアニ!)
撮影 / 大槻志穂


デビューが決まったと言われても現実とは思えなくて、「これはドッキリかな?」って(笑)

富田美憂 エンタメステーションインタビュー

富田さんは2014年に開催されたオーディション「2014声優アーティスト育成プログラム・セレクション」がきっかけで声優のお仕事を始めて、その頃から声優アーティストとしてソロデビューすることを目標に掲げていましたが、実際にデビューが決まったときはどんな気持ちになりましたか?

富田美憂 デビューについては、お仕事の帰り道にマネージャーさんから「決まったよ」とご報告いただいたんですけど、それこそ私が10歳ぐらいの頃から長年ずっと言い続けてきた夢だったので、いざ決まったと言われても現実とは思えなくて、「これはドッキリかな?」みたいな感じでした(笑)。その日は帰ってからもずっと実感が沸かなくて、自覚するまでに結構時間がかかりました。

なぜ声優アーティストに憧れるようになったのですか?

富田 私は小さい頃、内気でコンプレックスだらけだったんですけど、唯一、カラオケで歌ったときは褒められていたので、自分の特技は歌なのかなと思い始めて。それと同時にアニメも子どもの頃から大好きで、小学生のときから宮野真守さんや水樹奈々さんがメディアで活躍されているのを見ていたので、歌手になりたい夢と声優になりたい夢はずっと持っていました。

では、どんな活動を行いたいかという具体的なビジョンもお持ちだったのでは?

富田 私は昔から本当にアーティスト活動を夢みすぎて、小さい頃から「ライブでこの曲を歌うときは横から炎が出る」とか「この曲のタイミングでトロッコに乗る」みたいな妄想をひたすらしてきたんです(笑)。

なので、自分自身のアーティストとしての理想像とか歌ってみたい曲、着てみたい衣装というのは、自分の中に何となく出来上がっていて。目指しているのは、いわゆるかわいらしくて爽やかなだけではなく、かっこよさを持った人です。

富田美憂 エンタメステーションインタビュー

個人的に、富田さんの歌声は特徴的ですごく耳に残ると思うのですが、自分自身の声質を客観的に見てどう捉えていますか?

富田 ハスキーなのでマイクには乗りにくいんですけど(笑)、それはそれでいい個性だと思っています。

過去のインタビューでは、自分の声質にコンプレックスがあったというお話もされていましたが。

富田 私は学生のときに放送部だったんですけど、私がしゃべると「この声は絶対に富田でしょ」って言われたりしていて。卒業式で名前を呼ばれたときの返事も特徴的だと言われたり、別にみんな悪意はないと思うんですけど、そういうのが何となく嫌だなあと思っていたんです。

でも、いざ声のお仕事をさせていただくようになって、実際にファンの方から私の声が好きと言っていただけたり、作品を観てすぐに私の声だとわかってもらえたりすることで、この声はある種の強みだと思うようになって。なので今はむしろコンプレックスとは感じていないです。

声優としてはもちろん、アーティスト活動においてもそれが武器になると。そのハスキーがかった声質が、先ほどおっしゃっていた「爽やかなだけではないかっこよさ」にも繋がるでしょうし、個人的にはエモーショナルな成分を強く感じるんですよね。

富田 そう!エモさは感じていただきたいです。私もエモい曲を聴いたり歌ったりするのは好きなので。

実際に作品を観てからこの曲を聴いていただくと、また聴こえ方が変わると思います

今回のデビューシングルの表題曲「Present Moment」は、TVアニメ『放課後さいころ倶楽部』のOPテーマになります。富田さんは同アニメにメインキャラの大野 翠役で出演もされているので、初タイアップとはいえ、作品に寄り添った歌を歌えたのでは?

富田 ありがたいことに、アフレコを何話か経験したあとにレコーディングしたので、作品の雰囲気を掴めた状態で歌うことができました。

『放課後さいころ倶楽部』は私の演じる翠や主人公の(武笠)美姫ちゃん、友達の(高屋敷)綾ちゃんがそれぞれ、ボードゲームを通じてお互いの背中を押し合いながら成長していくお話なのですが、今回の金子(麻友美)さんが書いてくださった歌詞には、その内容とリンクする部分がたくさんあったので、自然と作品に寄り添うことができましたし、自分自身も歌っていて背中を押されました。

歌詞のどんな部分に『放課後さいころ倶楽部』らしさを感じましたか?

富田 “カード”というワードが入っているところは『放課後さいころ倶楽部』っぽいですし、全体的に、一歩一歩頑張って次に繋げていこうとする気持ちとか、明るい未来を予感させる部分があるので、そこは気弱な美姫ちゃんの背中を押すみんなの姿をイメージすることができました。きっと実際に作品を観てからこの曲を聴いていただくと、また聴こえ方が変わると思います。

特にDメロの“頭の中 描いた夢が溢れて 世界と混ざって 本物になるんだ”の箇所は、歌声に聴き手を抱擁するようなやさしさと、新しい扉を開こうとするひたむきさの両方が感じられて、グッときました。

富田 Dメロからラスサビにかけてのところはエモポイントです(笑)。今回はカップリング曲の「Ageha Twilight」も含めて、歌をきれいにまとめて仕上げるよりも、私が今歌える等身大のエモさみたいなものを全力で表現する方向でディレクションしていただいたんです。荒々しい中にエモさを出せれば、と思いながら歌いました。

翠を演じたことで、自分の役者としての引き出しを新しく開けてくれた気がしています

一方で声優としては『さいころ倶楽部』でどのような経験を得ることができましたか? 

富田 翠はちょっとお堅いところがある委員長で、お姉さん的なポジションの子なんですけど、私はオーディションのときからすごく演じたいと思っていたんです。でも、今までの私はどちらかと言うと、綾ちゃんみたいに元気で明るい溌溂とした子を演じさせていただくことが多かったので、ちょっと難しいかなと感じていて。

それがオーディションに受かって、いざアフレコが始まったらすごくやりやすかったんです。翠を演じたことで、今までより精神年齢の高い子を演じる機会をいただくことも増えましたし、自分の役者としての引き出しを新しく開けてくれた気がしています。

高校を卒業されて、キャリア的にも年齢的にも成長を重ねるなかで、表現の幅が広がっているんでしょうね。

富田 それはすごく感じます。たぶん翠は、去年や一昨年の自分だったら絶対に演じられなかったキャラクターだと思うので、不思議な感じがしますね。

学生から社会人になったことで変化を感じることはありますか?

富田 昔は現場で私がいちばん年下のことが多かったんですけど、最近は自分より年下の子がいたりして、それこそ「『アイカツスターズ!』観てました」とか、私のお芝居がすごく好きと言ってくれたりするんですよ。それがすごくうれしくて、今まで自分が先輩にやってもらってうれしかったことを、今度は逆に私がしてあげたい!と思うようになりました。

でも、後輩の子からも学ぶこともたくさんあって。自分もまだまだ新人ですけど、デビューしたばかりだからこそのキラキラ感とかフレッシュさを見ていると、私も初心を忘れてはいけないと感じますし、すごく考えさせてくれます。

小さな夢から大きな夢まで、順々に実現していきたいなと思います

富田美憂 エンタメステーションインタビュー

ちなみに『放課後さいころ倶楽部』は舞台が京都で、翠もたまに京都弁を使うじゃないですか。方言の演技はいかがですか?

富田 めちゃくちゃ大変です(笑)。私は埼玉出身なので、方言にはあまり馴染みがないんですよ。以前に『京都寺町三条のホームズ』というアニメに出演させていただいたとき、私は標準語を話す役柄だったんですけど、石川界人さんが感情が高ぶると京都弁になるキャラクターを演じられていて、「大変そうだけど、ちゃんとできていてすごいなあ」と思いながら見ていたんです。

そしたら今回、自分が感情が高ぶると京都弁になる翠を演じることになって(笑)。現場には毎回、京都弁を教えてくださる方が来てくださるのですが、本当に音楽みたいな感じで、ちょっと音がずれるだけで京都弁のイントネーションではなくなってしまうんです。特に翠は怒ったり泣いたり、感情が高ぶったときに京都弁がでるので、感情のニュアンスを入れながら話すと音通りに読めなくなったりするので、すごく難しかったです。

それもまた新しい挑戦だったわけですね。今回アーティストデビューの夢がかなったわけですが、今後チャレンジしてみたいことはありますか?

富田 いっぱいあるんですよねえ。まずは私の歌を聴いて元気を出してもらえたり、悩んでいる人の背中を押すことができる、人の心を動かせるアーティストになるのがいちばんの夢なので、ゆくゆくはそういうアーティストになれればと思っています。自分もひとつの曲に救われたり、心が動く経験がいっぱいあったので。

その他にも、グッズデザインもしてみたいですし、それこそトロッコにも乗りたいし、ライブ中に横から火を噴かせたいし(笑)。そういう願望はたくさんあるので、これから二十歳を機にアーティスト活動をさせていただくにあたって、小さな夢から大きな夢まで、順々に実現していきたいなと思います。

フォトギャラリー

富田美憂(とみた みゆ)

11月15日生まれ。アミューズ所属。代表作:『アイカツスターズ!』(虹野ゆめ役)、『ガヴリールドロップアウト』(ガヴリール役)、『となりの吸血鬼さん』(ソフィー・トワイライト役)、『メイドインアビス』(リコ役)、『京都寺町三条のホームズ』(真城 葵役)、『荒野のコトブキ飛行隊』(チカ役)、『ぼくたちは勉強ができない』(緒方理珠役)、『女子高生の無駄づかい』(山本美波役)他

イベント情報

東京・名古屋・大阪でインストアイベントの開催が決定!!

11/16(土)13:00~ とらのあな秋葉原店C イベントスペース
内容:トーク&ハイタッチ会
11/16(土)16:00~ AKIHABARAゲーマーズ本店 6F
内容:トーク&ミニライブ
11/17(日)15:00~ タワーレコード新宿店7Fイベントスペース
内容:ミニライブ&ハイタッチ会
11/30(土)13:00~ アニメイト秋葉原本館7Fイベントスペース
内容:CDジャケットサイン会
11/30(土)15:00~ アニメイト秋葉原本館7Fイベントスペース
内容:CDジャケットサイン会
12/7(土)13:00~ 大阪日本橋animateO.N.SQUARE HALL3F
内容:トーク&ミニライブ
12/7(土)16:00~ ゲーマーズなんば店
内容:トーク&ハイタッチ会
12/8(日)13:00~ <名古屋>第3太閤ビル
内容:トーク&ハイタッチ会
12/8(日)16:00~ とらのあな名古屋店 イベントスペース
内容:トーク&ミニライブ
12/14(土)15:00~ アニメイト札幌
内容:ミニライブ&CDジャケットサイン会

※参加方法等の詳細はオフィシャルサイトをご確認ください。

TVアニメ「放課後さいころ倶楽部」

放送中

【キャスト】
武笠美姫:宮下早紀
高屋敷 綾:高野麻里佳
大野 翠:富田美憂
金城タケル:黒田崇矢

【スタッフ】
原作:中道裕大
連載:ゲッサン(小学館)
監督:今泉賢一
シリーズ構成:前川 淳
キャラクターデザイン:伊部由起子
音楽:片山修志(Team-MAX)
アニメーション制作:ライデンフィルム

富田美憂 日本コロムビアオフィシャルサイト
TVアニメ『放課後さいころ倶楽部』オフィシャルサイト