Interview

30歳、入籍…「昔の私だったら音楽をやめていたと思う」竹達彩奈、アーティスト活動に再び向き合ったターニングポイントを語る

30歳、入籍…「昔の私だったら音楽をやめていたと思う」竹達彩奈、アーティスト活動に再び向き合ったターニングポイントを語る

TVアニメ『けいおん!』中野 梓役、アニメ『ソードアート・オンライン』シリーズのリーファ/桐ヶ谷直葉役など、声優として人気作品に出演する傍ら、2012年4月に「Sinfonia! Sinfonia!!!」でソロデビュー以降、アーティスト活動も積極的に行っている竹達彩奈。

2019年6月からは、全国5箇所をまわったライブハウスツアー『LIVE HOUSE TOUR 2019「A」』を開催した。そこであらためて気づいた「音楽が好きだ」という想いが、今回リリースされたBlu-ray&DVDの映像からも溢れ出ている。改めて彼女にライブを振り返ってもらった。

取材・文 / 塚越淳一 撮影 / 草刈雅之


私、音楽が好きだったんだなって。あんなに苦しかったのは好きだったからなんだって

竹達彩奈 エンタメステーションインタビュー

6月から行われた『LIVE HOUSE TOUR 2019「A」』ですが、ライブハウスでツアーをすることは竹達さんの念願だったそうですね。ライブハウスというと、昨年2月の豊洲PITでのライブもスタンディングだったかと思いますが、ライブハウス感という意味では近いんですかね。

竹達彩奈 確かに会場の作りはライブハウスですけど、豊洲でのライブはセットもしっかり作ってくださっていて、演出込みのライブであるところはホールライブと変わらなかったんです。そうではなく、純粋に音楽を楽しむだけの時間がほしいと思っていたんです。その頃、このままだと音楽が嫌いになっちゃうかもしれないと思っていたから、ちゃんと音楽と向き合う時間が欲しかったんです。

シンプルなライブがしたいと。

竹達 これまでって振り付けとか演出とか、音楽プラス何かというのが必ず付いてきて、それはそれでパフォーマンスとして素敵なんですけど、私がちゃんと音楽に向き合えていないのに他のことを一緒にやるというのは、私の中で、何だかすごく誠実ではない気がしていたんです。それが自分でも納得いかないし、許せない何かがあったんですよね……。

それで、このままだと音楽のことを嫌いになっちゃいそうだな、と思っていた矢先のライブハウスツアーだったので、もしかしたらポニキャン(ポニーキャニオン)のスタッフさんは、私の気持ちを知っていたのでは? とドキッとしました(笑)。でも、やれてすごく嬉しかったです!

たとえばバンドとかって、まずライブハウスから始まって、そこから大きな会場になって、演出のあるライブをやるじゃないですか。最初にそれこそ音楽と自身のパフォーマンスだけで、お客さんをどう楽しませるかというのをやったあとにホールやアリーナに行く流れがあると思うんです。

竹達 確かにそうですね。

だから、本当に誠実な方なんだなと、話を聞いて思いました。

竹達 でも、いろんな音楽のやり方があって、モノづくりの正解ってひとつではないと思うから、何が正解かはわからないと思うんです。ただ、私の中では、ちゃんと向き合う時間が欲しかった。で、今回ライブハウスツアーをやって気づいたのは、私、音楽が好きだったんだなってことなんです。

今年は入籍もしたし、昔の私だったら「音楽をやめます」と言っていたと思うんですよ。それこそ誠実じゃないと思うのでやめますと。でも、今回ライブハウスツアーをやって、あらためてちゃんと音楽と向き合ったら、自分の音楽と大事な仲間とお客さんがいて、みんなとの時間を大切にできたことで考え方が変わってきて、「私、音楽が好きだ」と思ったんですよね。ずっと苦手だなとか、イヤだなぁって思う時間のほうが多かったけど、あんなに苦しかったのは好きだったからなんだと気づくことができた。それはすごく大きかったです。

竹達彩奈 エンタメステーションインタビュー

ライブを終えた達成感や安心感がある中で、「あと4公演もある!」って思っていることに気づいて

今、竹達さんのファンの方が、ポニキャンさんに「グッジョブ!」と言ってると思います。音楽を続けてくれてありがとうと。

竹達 あははは(笑)。

それはツアーをして気づけたんですか? それとも準備期間から気づき始めていた?

竹達 いつだったかなぁ。好きかもと思えたのは、ライブの初日を終えてからな気がします。始まる前も楽しみだなという気持ちはあったけど、ライブを終えた達成感や安心感がある中で、「あと4公演もある!やったー!」って思っていることに気づいたんです。

今までは1回やったらヘロヘロで、終わって良かったと安心することが多かったけど、あと4回あると思えている自分が嬉しくて。そこから会場が変わっていくにつれて、ライブが出来上がっていく感じを実感できたことも楽しくて。会場が違えばお客さんも違うから、温度感、空気感も違ったりするし、バンドのテンションやクオリティもどんどん上がっていくんですよね。あとはみんなとの楽しい感じ? おしゃれな言葉で言うとグルーヴ感ですかね? それも大きくなっていったと思います。

しかも2日目の広島・Hiroshima CAVE-BEって、かなり狭い会場ですよね?

竹達 そうなんです! めっちゃ楽しかったぁ!

昔、小さいライブハウスにスタンディングで、小林俊太郎さんと沖井礼二さんと3人で弾いて歌ってというリリースイベントをしたことがあったんですけど、それがすごく楽しかったことを覚えていて、その感覚に近かったんです。みんなとの距離感とかも。それをすごく思い出して、あのときと同じ気持ちを味わえているってすごく幸せだなと思いました。

しかも毎週ライブしていたじゃないですか。それは大丈夫でした?

竹達 大丈夫でした! 大丈夫だったんですよ! 前は本当に憂鬱というか(笑)。憂鬱と言ったら言葉が悪いんですけど、プレッシャーとかちゃんとやらなきゃという気持ちが強くて、前日は眠れなかったり、ご飯が食べられなかったりしたんですけど、今回はたくさん寝たし、たくさんご飯も食べてました。

もっといろんなことができると思ったときに、自分がやれることがギターだったという

セットリスト的にはいかがでした? 結構前半から飛ばしてるなと思ったんですが。 

竹達 私、ライブをなかなかやらないから、必然的に新曲が多くなるんです。だから「Innocent Notes」とか「年中・愛は・無休」「Rice COMEnication」を歌うと、他の曲がなかなか入れられなくて、「週末シンデレラ」とか、歌いたくても入れられなかった曲はいっぱいあったんです。ただ、会場別の楽曲を入れたり、なるべく新鮮な気持ちで楽しんでもらいたいという願いを込めてセットリストは作りました。

それこそカヴァーコーナーでギターを弾くなんていうのは、2公演目の広島が終わったあとに出たアイディアだったんです。私が突然「ギターを弾きたい!」って言ったら、スタッフさんが急いでギターを用意してくれて、1週間家で練習をして、次の名古屋公演の当日にバンドと合わせて、1週間後には本番で(笑)。だから最初、『けいおん!』のカヴァーは「ごはんとおかず」だけだったんです。でも突然ギターを弾くことになって、「U&I」を歌うことになったという。埼玉公演では「ふわふわ時間」も歌わせてもらったので、やれることを出し切った感覚がありますね。

そんな急展開だったんですね!

竹達 本当に突然の思いつきです。あまりにライブが楽しかったんでしょうね。やってるうちに心にゆとりが生まれてきたのか、もっといろんなことができると思ったときに、自分がやれることがギターだったという。

「U&I」は名曲ですけど、映像を見ても、ちょっとうるうるきているのかな?って思いました。

竹達 当時からすごく好きな曲だし、姉妹の愛が詰まっているし、私も家族やお母さんのことを思い出して泣きそうになるんですよ。仕事から帰って母のご飯を食べてるときとか、母が入れてくれたお風呂に入るときのこととかを思い出して、うっ……と感極まっちゃう(笑)。温かい曲ですよね。

竹達彩奈 エンタメステーションインタビュー

私、30歳を迎えても、青春しているみたいな気持ちなんです

ちなみにアニサマで放課後ティータイムが復活しましたよね。現場で見ていましたが、ものすごい歓声でした。

竹達 泣きそうになりました(笑)。当時何年前ですかね。2011年にさいたまスーパーアリーナでライブをしたときと同じ景色だっていうのを、パッと思い出しちゃって。

5人で集まったのは久々だったんじゃないですか?

竹達 久しぶりに5人揃ったんですが、みんなちょっぴり大人に(笑)! この空気感懐かしいな~って思いながら、ほのぼのとした気持ちになりました。

私たち朝イチでリハをやっているので、出番まで8時間くらいあったんです。時間がたくさんあったので、楽屋ではトランプをしたり、おしゃべりをしたり、途中でみなちゃん(寿 美菜子)がいきなりジムで使うようなゴムを出してきて、急に楽屋がジムになったり(笑)。すごく楽しかったです。

でも実際、見ている側としても泣けましたよ。

竹達 夢みたいでしたよね。みんなが楽しんでくれたり、幸せな気持ちになってくれたらいいなと思ってステージに立ったので、きっとこれが正解だったんだなって思います。

そして、そんな楽しかったライブハウスツアーが再び味わえるというか、12月21日に新宿ReNYで、『竹達彩奈 LIVE HOUSE TOUR 2019「A」-Analyze-/-Another-』が開催されるそうですね。

竹達 まだ何も決まっていないんですけど、ただひとつ言えることは、Blu-ray&DVDを出したあとなので同じことはできないということです。雰囲気はもしかしたら変わらないかもしれないけど、中身は結構変えていこうと思ってます。

今回入れられなかった曲も入れたいと思うし、できたらカヴァーもしたいですね。みんなが何を求めているのか、自分になにができるのか、考えながらライブを作っていこうと思います。

何度も取材していますが、こんなに前向きな竹達さんは初めて見た気がします(笑)。

竹達 いつもそんなに後ろ向きでしたか(笑)? でも、私、30歳を迎えても、青春しているみたいな気持ちなんです。10代や20代の頃より前向きになれた気がしますし、新たな仕事に挑戦したり、いろんな出会いがあったり、楽しいんです。そう考えると、一生青春、なのかもしれないですね。

フォトギャラリー

イベント情報

竹達彩奈 LIVE HOUSE TOUR 2019「A」-Analyze-
12月21日(土)東京・新宿ReNY 開場14:30/開演15:00
内容:トーク&ミニライブ

竹達彩奈 LIVE HOUSE TOUR 2019「A」-Another-
12月21日(土)東京・新宿ReNY 開場18:00/開演18:30
内容:ライブ

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