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「ゲーセン向け新作シューティングを出すのは、待っているファンがいるから」 タノシマス『アカとブルー タイプレボシューション』をリリース

「ゲーセン向け新作シューティングを出すのは、待っているファンがいるから」 タノシマス『アカとブルー タイプレボシューション』をリリース

タノシマスは2019年11月13日、アミューズメント施設向けオリジナルシューティングゲーム『アカとブルー タイプレボシューション』のプレスカンファレンスを実施、11月27日正式稼働に向けて、会場に集まったファンにあらためて本作をアピールした。なぜいま、アーケード版の新作シューティングゲームを発売するのか。タノシマス代表取締役の木村浩之氏に話を伺った。

取材・文 / 松井ムネタツ


スマホ生まれの完全新作シューティング

昨今のアミューズメント施設と言えば、1階にはクレーンゲームが、2階にはコインゲームが……なんていう佇まいの店舗が多くなった。ビデオゲームと言えば対戦ゲームや音楽リズムゲーム、大型筐体といったものが中心となり、シューティングゲームの新作はいったい何年出ていないのだろうか。

「ゲームセンター向けの新作シューティングゲームはもう発売されないんじゃないか」

誰もがそう思っていたところに登場したのが、タノシマスによる『アカとブルー タイプレボシューション』だ。

▲アーケード版『アカとブルー タイプレボリューション』

タノシマスは2015年に設立されたゲーム開発会社で、これまで2017年にスマートフォン向け縦シューティングゲーム『アカとブルー』をリリース、この『アカとブルー タイプレボシューション』が2作目となる。

スマートフォン向け『アカとブルー』は買い切りアプリ(税込980円)として発売、ファイアバード(アカ・シンク搭乗)かブルーアウル(ブルー・サーニ搭乗)のいずれかを選択してプレイ、全5ステージ構成となっている。”弾雨シューティング”と名付けられた本作は、画面内に1,000発以上の弾があふれかえってもひたすら避けながら敵を破壊していく。多くの弾が画面に表示させても当時の決してスペックが高いとは言えないスマートフォン上で秒間60フレームを維持するということを、多数のスプライトを表示することに長けていなかったUnityで再現したその高い技術力も話題になった。

▲スマートフォン版『アカとブルー』

買い切りアプリなので課金による自機のパワーアップなどは一切なく、硬派なまでに「ザ・縦スクロールシューティング」だった。それまでスマホアプリにはないほどド直球なシューティングだったので、リリースされてすぐ「家庭用はいつ出るのか」「ジョイスティックで遊びたい」といった声があがっていた。

そんな流れもあって、このアーケード版『~タイプレボシューション』の開発が2017年より始まる。スマホ版『アカとブルー』の移植だと思われがちだが、操作方法(移動操作がスワイプからジョイスティックに変わるなど)から得点システム、グラフィック、サウンドとすべてがアップグレードしており、完全新作として生まれ変わっている。

▲プレスカンファレンスでのスライドの数々。どこがどうパワーアップしたか解説していた

また今回注目なのは新システム基板「exA-Arcadia」第1弾タイトル、という点だ。昨今のアーケードゲーム基板はすべてネットワーク接続前提となっているのだが、このexA-Arcadiaはスタンドアローンで稼働、ネットワーク接続を必要としない独立した基板システムとなっている。ゲームセンターにとっては買い切り商品となるので決して安い買い物ではないのだが、1プレイぶんの料金はすべてゲームセンターの実入りになるというメリットもある。

▲システム基板「exA-Arcadia」。ソフトはスティック状となっており、1枚のシステム基板に4つまで挿すことが可能

今の時代にこうした古い仕組みのアーケード向け基板が発売されるというのは、ほとんど奇跡に近い。こんなハードとソフトが、なぜ生まれてきたのだろうか。

シューティングを作ったのは、ファンからのひと言がキッカケ

代表取締役の木村氏は、これまで数々のタイトルに関わってきたクリエイターだ。プラットフォームも各種家庭用ゲーム機からスマートフォンまでいろいろ手がけてきた。さぞアーケードタイトルもたくさん作っていたのだろうと思ったら、じつはこれまで1作しか関わっていない。ジャンルも「シューティングゲーム一筋!」というわけではなく、むしろ多種多様のものを手がけててきた。さらには本人が「そこまでシューティングが大好きというわけでもない」と語っている。

▲タノシマス代表取締役 木村浩之氏

ではなぜアーケード版の新作シューティングゲームを開発することになったのか。

「友人の奥さんがシューティングゲームの大ファンなんですよ。とあるイベントでお会いする機会があったんですが、僕が過去に関わったアーケード版シューティングゲームが大好きだったそうで、ぜひ僕に新しいシューティングを作ってほしい、ってお願いされたんです。そのとき、弊社のプログラマーも同席していたので、その場で“いつか実現できるよう頑張ります!”と話したんです。」

家庭用ゲームなどの場合、ゲームクリエイターが実際に遊んでいるファンに会ってみたいと思った場合、イベントくらいしかチャンスがない。だが、ゲームセンター向けのゲームは、ゲームセンターに行けば直接会うことができる。自分が作ったゲームを目の前で遊んでくれて、熱心に感想を伝えてくれる。木村氏はかつてアーケードゲームを作ったときの思い出が甦り、あの空間をまた自分のゲームで生み出してみたい、と思ったという。

▲今回のプレスカンファレンスはもちろんだが、さまざまなゲームイベントに出演している木村氏。ファンとの交流を積極的に図っている

「正直、途中で諦めかけたこともありました。システム基板であるexA-Arcadiaの開発に時間がかかってしまい、そのぶんゲームもなかなか世に出すことができなくなって……。でもそのときにいろいろ腹をくくりました。当初は家庭用への移植もすぐやるつもりだったのですが、それは辞めました。いまのところ当面は移植するつもりはありません。遊ぶならぜひゲームセンターで遊んでほしいです!」

熱心なファンなら基板ごと買うツワモノも出てきそうだが、当面は一般ユーザーへの販売は考えていないという。とにかく、「ゲームセンターで遊んでほしい」という願いが強い。

この『アカとブルー タイプレボリューション』がどのくらい出荷されて、ゲームセンターでどのような人気となるのか。11月27日より稼働開始するわけだが、2020年になればある程度の結果は出てくるだろう。exA-Arcadiaは今後多くのゲームタイトルを予定しているので、まずはこの1作目でどのくらい普及するかも課題となってくるだろう。しばらくのあいだは日本のゲームセンターのみに出荷予定となっているが、近い将来にはワールドワイドに展開する予定だという。全世界での販売を見据えたシステム基板ということで、業界での注目度も高い。2作、3作とゲームタイトルがリリースされたときにどんな状況になっているのか、改めて取材できたらと思っている。

▲アーケード版『アカとブルー タイプレボリューション』

というわけでシューティングゲームとアーケードゲーム業界の命運を握っているかもしれない『アカとブルー タイプレボリューション』なわけだが、最後に改めて木村氏に質問をしてみた。

今度アーケードゲームを作るチャンスがあったら、次はどんなジャンルにチャレンジしたいのか。そしてシューティングゲームを作ることになったら、どのプラットフォームでどんなシューティングを作りたいのか。

「シューティングゲームはしばらく作らないと思います。最近、老眼で目が見えにくくなったので、長時間弾が飛び交うのを見るのがつらくなってきました(笑)。もし予算が潤沢だったら……というのが前提になりますが、ステージクリア型のアクションゲームを作ってみたいですね。

シューティングゲームを作るなら……、スマートフォンとアーケードはやったので、次はコンシューマーですね。強制スクロール型ではない、任意スクロール型シューティングゲームを作ってみたいです。

タノシマスは『アカとブルー』『~ タイプレボリューション』を通して、”普通”のシューティングゲームを作れることは証明できたと思いますので、次があるなら捻りのあるタイトルに挑戦したいと考えてます」

アカとブルー タイプレボリューション

■メーカー:タノシマス
■対応ハード:アーケード(exA-Arcadia)
■ジャンル:シューティングゲーム
■対象年齢:全年齢
■稼働日:2019年11月27日予定
■プレイ料金:100円~ ※ゲームセンターごとに設定

『アカとブルー タイプレボリューション』オフィシャルサイト

アカとブルー

■メーカー:タノシマス
■対応ハード:iOS、Android
■ジャンル:シューティングゲーム
■対象年齢:全年齢
■配信日:配信中(2017年8月10日)
■価格:ダウンロード版 980円(税込)
iOS版ダウンロードサイトはこちら
Android版ダウンロードサイトはこちら

『アカとブルー』オフィシャルサイト

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