Interview

海宝直人らが目指す“最高に未完成な作品”。ミュージカル『ロカビリー☆ジャック』まもなく開演!

海宝直人らが目指す“最高に未完成な作品”。ミュージカル『ロカビリー☆ジャック』まもなく開演!

幼い頃から数多くの舞台に出演し、最近ではバンドCYANOTYPE(シアノタイプ)のメンバーとしても活躍する海宝直人が出演するミュージカル『ロカビリー☆ジャック』が、12月5日(木)より日比谷シアタークリエを皮切りに上演される。
つい先だって上演された新作ミュージカル『怪人と探偵』や、それ以外にも数多くの楽曲の作詞を手がける森 雪之丞と、“地球ゴージャス”の作品や様々な舞台の演出を務める俳優の岸谷五朗とが同劇場では『SONG WRITERS』以来となるタッグを組む、日本発のオリジナルミュージカルだ。
1950年代のアメリカで大流行したロカビリー音楽をテーマに、スターになるために悪魔と契約をかわす若きシンガーを中心に描かれる青春ストーリー。テーマ音楽は、昨年デビュー25周年を迎えたミュージシャンの斉藤和義が担当。『SONG WRITERS』で森 雪之丞と共演歴のあるさかいゆう、福田裕彦が作曲に携わる。主人公のジャックを演じるのは、舞台に出演するほか、振付師としても活躍する屋良朝幸。そのほかにも、大作ミュージカルに欠かせない昆 夏美、平野 綾、吉野圭吾という豪華なメンツが揃っている。
本作の稽古の合間に、ジャックを支えるビル・マックローを演じる海宝直人にインタビューする機会に恵まれた。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 冨田望


日本のオリジナル作品に出演できることは幸せ

今作は、森 雪之丞さんや岸谷五朗さん、ミュージシャンの斉藤和義さんはじめ、素晴らしいスタッフ・キャストが揃った新作オリジナルミュージカルですね。

日本のオリジナル作品に出演できることは幸せです。今作は、優れたアーティストや俳優たちが集まってひとつの作品をつくり上げようと懸命に努力していて、稽古に入っても、その熱量が伝わってくるので刺激的な現場です。

日本でオリジナルミュージカルをつくるうえで海宝さんがチャレンジしてみたいことはありますか。

日本発信のミュージカルをつくりたい想いは、日本の俳優は誰でも思っていることですから、仲間とつくった日本オリジナルの作品が海外で受け入れられて評価されていくフローをつくってみたいですね。

海宝直人 エンタメステーションインタビュー

ここまでの稽古の手応えはいかがですか。

1幕はかなりの回数を通していて、2幕の後半が終わるところまで稽古をしている状態で、ここまで順調だと思います。毎日、(岸谷)五朗さんが新しい発想を持ち込んでいらっしゃるので想像もつかなかった動きが加わってきますが、ほかのスタッフやキャストもそれに応えているし、五朗さんだけではなくて座組みの想像力の豊さに日々感心しています。これから劇場に入って、本番になっても、内容がブラッシュアップされていくと思います。

カンパニーの雰囲気はいかがでしょう。

和気藹々と楽しみながらお芝居をしています。五朗さんの掛け声で準備体操から始まって、マット運動を1時間みっちりするんですよ。稽古前にお互いの状態を知ることができる時間があるので、安心して稽古に打ち込めますし、座長の屋良朝幸さんはとても穏やかな方ですが、つねに新しいお芝居にチャレンジをされていて、僕らを背中で引っ張ってくれるし、温かくて楽しいカンパニーです。

海宝直人 エンタメステーションインタビュー

五朗さんは、脚本からは考えつかないムーブメントやシーンの展開を演出する

新しい発想を日々持ち込まれるという、岸谷さんの演出はいかがでしょう。

脚本からは考えつかないムーブメントやシーンの展開を演出されるので驚きの連続です。様々なイマジネーションを膨らませつつ、役者の個性や持ち味を活かしながら、ひとつのシーンを丁寧につくってくださいます。

岸谷さんから受けた印象的な言葉はありますか。

顔合わせのときに「“最高の未完成”を目指す」とおっしゃった言葉が印象に残っています。演劇はミュージカルに限らず、お客様が変わるごとに僕らの感覚も変わるし、つねにアップデートされていくので、決して完成はないわけですから、とても心に響きました。

海宝直人 エンタメステーションインタビュー

海宝さんが演じるビル・マックローは、ロカビリーを歌うミュージシャンのジャック(屋良朝幸)を真摯に支えていきます。

とにかくジャックへの“愛”がすごい!(笑)ビルがソロをとる曲が数曲あるのですが、すべてがジャックへの想いを歌う曲なんです。一途に“愛”を歌っていて、ここまで誰かの才能を信じて愛することができるのは、すごいことだと感動しながら演じています。ジャックを信じすぎて空回りすることもあるのですが、そこが可愛らしく見える役だと思います。

ビルはこれまでに演じたことのないタイプの役

ここまでの稽古を経て、どのように演じていこうと思っていますか。

ジャックとの関係がチャーミングに見えたら嬉しいです。これから通し稽古に入って演じ方も変わっていくと思いますが、誰かを支えるために頑張るというキャラクターは、これまでに演じたことのないタイプの役ですし、僕にとって新しい挑戦になると思います。

海宝直人 エンタメステーションインタビュー

今作の注目点は、様々なアーティストがつくった楽曲でもあると思いますが、歌ううえで気をつけたいことはありますか。

今作はそれぞれの曲にしっかりした個性があって、それはコード進行やメロディーの運びにも表れているし、キャラの立った曲が散りばめられていると思います。聴いていて飽きないし、ロカビリー以外の、アイドルが歌う可愛らしい曲、ジャジーな曲、それからバラードまでバラエティに富んだ楽曲が揃っているので、お客様に楽しんでいただけると思います。

海宝さんは、プロモーション映像でも「永遠の憧れ」を歌っていますし、この曲でソロをとりますね。

感動的なバラードですよね。コメディーの要素の強い作品ではありますが、「あえて何もしないで歌って欲しい。そちらのほうが納得できる」と五朗さんがおっしゃっているので、アドバイスを活かして歌いたいです。今作はあくまでコメディーですから、そこから情感豊かなバラードの導入にどう引き込んでいくか、どうやってメリハリを利かせていくか考えています。

海宝直人 エンタメステーションインタビュー

歌うことで大切にしていることはありますか。

普段のミュージカルであれば、あえて歌おうとせずに、語るように想いを伝えることを大事にしているのですが、今作に関しては違ったアプローチが必要で、アーティストが書いた曲のニュアンスを届けることを大切にしたいです。歌唱指導の方とも「この部分はミュージカルとしてではなくて、あえてアーティスティックに振っていこう」といったやりとりをしながら歌をつくっています。

今作のテーマは“愛”

脚本を拝読して、今作は“愛”という感情が大切な気がしました。

おっしゃるように、今作のテーマは“愛”だと思います。それぞれのキャラクターの“愛”が物語を動かしていきますから。僕はジャックに対して、ジャックはロカビリーという音楽への“愛”、ルーシー(昆 夏美)はジャックへの“愛”、サマンサ(平野 綾)のエンターテインメントへの愛情が描かれていると思います。劇中に「愛しい嘘」という曲があるのですが、「その言葉が今作の肝だ」と五朗さんもおっしゃっていたように、愛しているからこそ嘘をついてしまうことがある。そんな葛藤も今作を際立たせるポイントだと思います。ビルのジャックへの想いを大切にして、彼の“愛”をいかに色濃く描くのか考えながら、ビルが舞台上にいる意味を表現したいと思っています。

海宝直人 エンタメステーションインタビュー

海宝さんは様々な歴史あるミュージカルにも出演していますが、新作オリジナルミュージカルとの違いはありますか。

それぞれ良い点があるのですが、海外の大型作品には、決められた動きがあり、出来上がったセットがあり、ブロードウェイで上演される前に批評家の目にさらされて、シーンをカットしたり、新しい音楽を入れたり、長い時間をかけて完成します。それが評価されて日本に輸入されてくるので、僕らは完成された作品の中でいかに役を解釈していくのかが大切になります。オリジナルの場合は、脚本も曲もキャラクターもイチからつくるので、今作で言えば五朗さんのアイデアをもとに、曲をカットしたり、台詞を足したり、柔軟にアプローチできるのが魅力だと思います。

お客様にとっても感覚が違いますね。

そうですね。お客様は観たことも、聴いたこともない作品に触れられるワクワク感がオリジナルミュージカルにはあります。なにより、日本人が日本人のために描いた、日本の感性にあった作品をつくることができる。海外のミュージカルでは翻訳が必要ですから、言葉がメロディーにはまらないことがあったり、日本語にするとリズムが崩れてしまう難しさがあったりします。ですが、オリジナルの楽曲にはそういった齟齬はなくて、日本語とメロディーのマッチングの良さがあると思います。

CYANOTYPE(シアノタイプ)はあくまで音楽を表現することが大切

歌うことに関しては、つい先だって1stアルバムを出したばかりの、ロックバンド“CYANOTYPE(シアノタイプ)”の活動とは違うものでしょうか。

大きくスイッチを変えているつもりはないのですが、ミュージカルは役の台詞を背負って歌うことを心がけて、バンドはあくまで“音楽”を表現しようとします。たとえば、バンドの音楽であれば、ひとつのメロディーに収めないで、次のメロディーでフレーズを完成させる。あえて歌詞を区切る手法が魅力だったりしますよね。

たしかに、ポップソングの歌詞の場合、どこでフレーズを区切るかで、伝わる意味も変わりますね。

そうです。ミュージカルであれば、フレーズの途中でブレスをしたり、メロディーを変えるとおかしくなってしまう。バンドであれば、ほかのバンドにはないリズムで区切って言葉を繋げながら、バンドとしての音楽性、つまり個性を出していくことが大切になっていきます。それと、ソロの活動とも違って、バンドではメンバー同士の繋がりを意識しています。今回の『ロカビリー☆ジャック』に関しては、アーティストがつくった楽曲なので、バンドの経験が活かせるのではないかと思います。

海宝直人 エンタメステーションインタビュー

ちなみに、海宝さんの中で役者とミュージシャンの違いはありますか。

役者として舞台に立っているときは、基本的に物語の中で生きることを大切にしながら、お客様と交流していきます。バンドにおいての僕は、お客様と直接呼吸を合わせて感覚を共有することになるので、お客様との気持ちのやりとりが違います。

今作で言えば、稀代の作詞家の森 雪之丞さんから参考になることもあるのでしょうね。

大いにあります。ソロコンサートを観に来てくださったのですが、「海宝くんが歌うことを意識した、高い声が出せる曲を書くから」とおっしゃっていただいて、楽しみにしていました。実際に素敵な曲を書いてくださったので、この作品で得るものがきっとあります。今作では大胆なアプローチで作詞をされたり、それでいて繊細な歌詞もあって、雪之丞さんの幅の広さを勉強させていただいています。

年末に笑って楽しく過ごしてもらえる作品

それでは、見どころをお願いいたします。

年末に笑って楽しく過ごしてもらえる作品だと思うので、何も考えずに観ていただけたら嬉しいです。この作品は、大きなどんでん返しがあるから、2回、3回と観ることもできるので、何度でも劇場に足を運んでくださると嬉しいです。

海宝直人 エンタメステーションインタビュー

最後に、海宝さんは7歳でデビューされてから、俳優として多くの経験をされていると思いますが、いまだに役づくりに苦労されたりするんですか。

どの現場でも苦労しますよ。稽古に入るたびに、この仕事を辞めようかなって(笑)。役づくりでも「これでいいのか」といつも悩むし、「もっとできることがあるはず」と思いながら俳優を続けています。

では、海宝さんにとって演じることとは?

壮大な質問ですね(笑)。幼い頃からミュージカルごっこをして遊んで、7歳でデビューして、気づいたら、いつの間にか俳優が仕事になっていました。歌ったり演じることが特別でない環境で生きてきて、20歳のときにミュージカル『ミス・サイゴン』で役者をやっている意識が芽生えて、役をつくっていく責任感が生まれました。それまでは子役として「こうしなさい」と言われていたことを、自らで役のバックグラウンドを考えたり、ロングラン公演でもいかにモチベーションを保っていくかを考えるようになって。プロとしての意識が芽生えました。

「生きていて良かった」と喜んでもらえる役者になりたい

『ミス・サイゴン』が海宝さんの役者としての新しい始まりだった、と。

そうですね。毎年いろいろなことにチャンレジをしながら成長していくと、舞台で演じることは、“明日も頑張ろう”という勇気や元気を与えることになったり、誰かの生きる糧になることに気づいて。僕も心が折れそうになったときに、好きな俳優の作品を観て生きる気力をもらえる。役者は本当に素敵な仕事だと思います。そういった世界に携わることができる恵まれた幸運に感謝もしています。これからも劇場に足を運んでくださった方が「生きていて良かった」と喜んでもらえる役者になりたいです。

ヘアメイク / AKANE


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海宝直人さん直筆サイン入りチェキ
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11月26日(火)~12月3日(火)23:59


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ミュージカル『ロカビリー☆ジャック』

東京公演:2019年12月5日(木)~12月30日(月)シアタークリエ
福岡公演:2020年1月11日(土)~1月12日(日)福岡市民会館
愛知公演:2020年1月16日(木)日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

INTRODUCTION
1950年代に誕生し、エルヴィス・プレスリーら人気シンガーが牽引し一世を風靡したロカビリー音楽──。ロカビリーに魅せられた売れない歌手ジャックは、スターになるために悪魔と契約を交わす。それは“愛”を歌えないジャックにシンガーとしての成功を約束する代わりに、彼の中に“愛”が生まれ大きく育った時、命とともにそれをもらう……という契約だった。 一年後、成功の階段を駆け上がるジャックの前に、一人の女性シンガーが現れ、二人は一瞬で恋に落ちる。悪魔がささやく「こりゃ意外と早く“愛”を味わえそうだ……」。

情熱的な若者たちの愛、友情、青春、予想のつかないどんでん返しの物語に、コミカルでキャッチーかつ感動的な音楽が絡まる、日本発! 世界を席巻する一大エンターテインメントがついに開幕!!

作・作詞・楽曲プロデュース:森 雪之丞
作曲:斉藤和義 さかいゆう 福田裕彦
演出:岸谷五朗

出演:
ジャック・テイラー 役:屋良朝幸
ビル・マックロー 役:海宝直人
ルーシー・ジョーンズ 役:昆 夏美
テッド・ロス 役:青柳塁斗
魔女 役:岡 千絵
サマンサ・ロッシ 役:平野 綾
悪魔 役:吉野圭吾

ベティ・ブラウン 役:真瀬はるか
メリー・ライアン 役:中村百花
ステファニー・ブルース 役:かちゃ
ヘル 役:蛭薙ありさ
ボブ・ミラー 役:田村雄一
マーチン・ゲイ 役:上野聖太
マイク・ハワード 役:宮野怜雄奈
サム・スチュアート 役:村井成仁
フィル・グッドマン 役:常川藍里

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オフィシャルTwitter(@toho_stage)

海宝直人(かいほう・なおと)

1988年7月4日生まれ、千葉県出身。7歳で、劇団四季ミュージカル『美女と野獣』のチップ 役で舞台デビュー。主な出演作品は【舞台】ミュージカル『レ・ミゼラブル』、ミュージカル『アラジン』、ミュージカル『ライオンキング』、ミュージカル『ノートルダムの鐘』、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』。音楽劇『道(La Strada)』。THE HIT OPERA SHOW『TRIOPERAS』でロンドン・ウェストエンドデビュー。【テレビドラマ】『ランデブー』、『堀部安兵衛』など。出演待機作には、ミュージカル『アナスタシア』(2020年3月公演予定)、ミュージカル『ミス・サイゴン』(2020年5月公演予定)を控えている。シンガーとしては2019年1月『I wish. I want.』でソロメジャーデビュー。同年10月にはバンド・CYANOTYPEが1stアルバム『MONTAGE』をリリース。

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関連音楽:海宝直人『I wish. I want.』
関連音楽:CYANOTYPE『MONTAGE』
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