LIVE SHUTTLE  vol. 77

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Perfumeのツアーファイナル、初の福岡ヤフオク!ドームをレポート

Perfumeのツアーファイナル、初の福岡ヤフオク!ドームをレポート

4月にリリースされたアルバム『COSMIC EXPLORER』を率い、半年間に渡って各地を巡っていたPerfume 6th Tour 2016「COSMIC EXPLORER」。5月にスタートした全国7ヶ所のアリーナ・ツアーでは、360度に観客を配し、アリーナを大きな可動式リフターで縦断していく大胆な演出でオーディエンスを圧倒。なかでも、スタンディングで3デイズを敢行した幕張メッセの「Standing Edition」は壮観だった。ロス、NYなど4ヶ所5公演を回った夏の北米ツアーでは、エンド・ステージを効果的に使ったヒューマンなアプローチで観客を魅了。10月からの追加公演「Dome Edition」は、そんな一連のツアーの締めくくりだった。

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全方位対応のセンター・ステージと十字に伸びる花道(徒歩移動ではない動線もあり)をアリーナにドンと置きつつ、エンド・ステージ的要素も組み入れ、かつ、可動式リフターもあちこちに出現するというそれは、めくるめく世界の波状攻撃的エンターテインメントと言えるもの。1タイトルで回るツアーが、曲構成も舞台装置も演出も、もちろん本人たちのパフォーマンスも含めて、こんなにも鮮やかに、ドラスティックに変化を遂げていった例がかつてあっただろうか。

いや、ないな、と思いつつ、幕張、NYに続き3度目の目撃となるステージに目を見張った。11月12日、ファイナルの福岡ヤフオク!ドーム。とてつもないエネルギーを燃やしてこのツアーに対峙してきたメンバーの胸に、たった今どんな思いが去来しているんだろう。想像するだけで、なんだか厳かな気持ちになる。開演前のSEに合わせて徐々に大きくなる拍手が、丸い屋根に跳ね返ってシャワーのように降り注ぐ。そのムードを煽るように眩しい光が一瞬会場を包み、ブラックアウト。

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神秘的な光の筋が、広いステージのキワをツーッと走っていく。ビジョンにザザッとサンドストーム。そこに、宇宙から届いたかのような途切れがちなメンバーの像が現れ、声が響いた。「Welcome to Perfume World」。始まりを告げるように、緑のレーザーと赤いライトが会場をサーチ。ビジョンには、宇宙船と思しきコックピットでキーを叩く3人の姿が、今度はハッキリと現れた。彼女たちが見つめる画面には、ツアーで回ってきた土地の名前が書き出されていく。締めの「Dome Edition」ならではのこの映像に、客席がさざめく。そして、「FUKUOKA」という文字に「ウォーッ!」とどよめきが起こった。

そこに、全身の血がたぎるようなあの「Cosmic Explorer」のイントロ。気づけば、世界中の光をすべて集めるたかのような3人が、遥か前方に登場。モクモクとしたスモークの上に立つその姿は凛々しく、彼女たちそのものがまるで着陸間近のロケットのようだ。発光する衣装を操りながらグングン前進し、いつしかセンター・ステージにフワリと降り立った3人。あ〜ちゃんが「Say!」と、エンディングのコーラスを観客にねだると、ちょっと不思議で懐かしいメロディがドームにこだました。異次元空間にワープする感覚。みんなこれがほしくてやってきているのかも。

シュッと3人の姿が消えると同時に、巨大な生き物の足のようなライトタワーがガーッと開き、スタイリッシュな「Pick Me Up」に。ピンクに黒をあしらったビビッドな衣装に変わった3人は、センター・ステージで全方位フォーメーションのダンスを繰り広げる。向きをいつどう変えているのかすらまったく感じさせない動き。気づけば後ろ姿、気づけば横向きの姿。そして、そのどれもが本当に美しい。「Cling Cling」、「ワンルーム・ディスコ」と、カラフルで夢のようなナンバーが続いた。

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いつもの挨拶のあとは、ラジオのレギュラー番組に最初に起用されたという福岡との関係や印象などをトークに盛り込みつつ、あ〜ちゃんは「とにかく楽しむ気持ちがいちばんだから」と観客を巻き込んでいく。「やる気満々ののっちです」と、ヤフオク!ドームに立つうれしさを隠しきれないのっち。かしゆかも珍しく「私も叫びたいです。Yeah!」と全力で声を出し、返ってくる反響をしみじみと味わっていた。

コール&レスポンスの「グループ分け」は、ヤフオク!ドームの場所にちなんで「ももち(百道)」。これでひとしきり楽しく盛り上がったあと、三角と丸を使った映像とのシンクロが楽しい「Next Stage with YOU」、そして、「Relax In The City」や久々の「マカロニ」や「セラミックガール」を含む、新旧8曲のメドレーが続いた。「Baby Face」では、高さも向きも違うリフターで3人がゆっくり回転。これがパッと見、3段ケーキの各段に乗るトイドールのようで可愛かった。

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ここでライトタワーが閉じ、赤いレーザーが警告灯のように光り始めた。再び宇宙的なムードが漂い、ビジョンには「music by 中田ヤスタカ」の文字が。どよめきが起こると同時に、上のほうからスルスルと、薄く長い短冊のようなスクリーンがセンター・ステージを取り囲むようにいくつも降りてきた。浮き出た文字は「Perfume no OKITE」。「Perfumeの掟」は、2010年、10周年を迎えたPerfumeが初の東京ドームで披露したダンス・パフォーマンスだ。それをのちにYouTubeで見てファンになった人も多い。その「2016」版に思いがけず遭遇したとなれば、そりゃ会場は熱狂の渦だ。半透明のスクリーンに映し出される映像と、その中で「息を合わせて」動く3人の幻想的な光景に息を飲む。本来なら伝達者として演出手法に考えをめぐらせるべきなのだが、もうここまでくるとその役割も放棄するしかない。めくるめく世界にただただ口をあんぐりさせて巻き込まれるのみだ。続く「FLASH」の光と影によるクールな世界観や、シルバー・ライトで開放的いっぱいの「Miracle Worker」も素敵だった。

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声を出し、体を動かす「P.T.A.」のコーナーでは、あ〜ちゃん考案の「ラーメン」、「明太子」、「福岡タワー」を体で表現するダンスを、みんなで真似して笑顔に。これ案外好きです、はい。笑って体がほぐれると、ますますライブが楽しくなるから不思議だ。たった今まで親しみやすさいっぱいだったメンバーが、カッコよく豹変する様もまた一興だったりする。インパクトの強い「FAKE IT」からの後半戦にも、続々とすごい光景が飛び出した。「エレクトロ・ワールド」では、3人の乗ったリフターが、それこそ福岡タワーかってくらいの高さになり、そのまま前方に移動。スタンドの高い位置にいる人たちにとっては、メンバーと同じ高さの目線になるこの場面はたまらなかっただろう。

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個人的にいちばん感動したのが、シャープさ際立つ「Party Maker」だった。ここでもまた、3人は別々の位置でお立ち台的リフターに乗るのだが、一人用だからそれぞれのステージ面積は狭い。しかも、中央のかしゆかはものすごい高さにまで達している。それが上がったり下がったり移動したり。あの限られたスペースで、柵も何もなく、ハイヒールで激しいダンスを完璧に踊り続けるなんて、普通では考えられない。おそらく彼女たちは、視覚や三半規管などが肉体に及ぼす影響に対する耐性を、ロー・ティーンの頃からの百戦錬磨で会得してきたのだろう。だからこそできるワザ。そう思うと感動はひとしおだ。頑張りやさん3人には、敬意とともに愛おしさを感じずにはいられなかった。

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ステップのリズムが複雑な「だいじょばない」が終わると、1曲目で登場した遥か前方のエンド・ステージに移り、キュートな「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」、待ってましたの「チョコレイト・ディスコ」。チームPerfumeの総力を結集した本当に素晴らしい流れだ。

最後は、もう一度センターに戻っての「STAR TRAIN」だった。イントロの太鼓の音が鳴り響くなか、3人は順番に感想を述べて観客に感謝。「今日で終わってしまうと思うと本当に寂しい。こんなにやってて楽しいツアーはなかった」とかしゆか。「楽しいなかにも成長できることがたくさんあって、身のあるツアーだった」とのっち。あ〜ちゃんは、北米で経験した厳しさや悔しさを吐露しつつ、「また夢ができたね」と言ってくれる人たちがいる幸せを語り、「まだこれからも、私たち、進みます!」と、清々しい表情で決意表明をした。満天の星空と化したドームの下で、3人は向き合い、Perfumeの歴史と未来が刻み込まれたこの曲を歌った。その瞬間、スタッフとサプライズを共謀していた観客が、一斉にサイリウムを点灯。「♪ウォーウォー・・・」の大合唱とともに揺れる白い光は、夢のようにきれいだった。

「知らんかった・・・最高の景色」と涙ぐむあ〜ちゃん。かしゆかものっちも感動を噛みかみしめている。最後は観客と、「ももち」でもう一叫び。すると「Cosmic Explorer」をBGMに、このツアーに関わった人々の名前を記したエンドロールが流れ始めた。観客一人ひとりに手を振りながら、メンバーは名残惜しそうにステージを去っていく。あ〜ちゃんが吐露したように、この半年間にはさまざまな葛藤や後悔があっただろう。でも、3人はそれをもエネルギーにして、人々を幸せにする「Perfume World」を作り上げてきた。本当に勇敢な『COSMIC EXPLORER』だと思う。もちろん、この旅が終われば、また次の旅が始まる。常に謙虚な挑戦者たらんとする彼女たちは、恬淡と先に進むことだけをよしとするだろう。でも、この夜だけは、いつもより少し多めに自分たちを誇ってほしいと思った。もらった幸せのお返しに、そう願わずにはいられなかった。

文 / 藤井美保 撮影 / 福島啓和、ハラエリ


COSMIC EXPLORER
Perfume

セットリスト

Perfume 6th Tour 2016 「COSMIC EXPLORER」 Dome Edition
2016.11.12福岡 ヤフオク!ドーム

1. Cosmic Explorer
2. Pick Me Up
3. Cling Cling
4. ワンルーム・ディスコ
5. Next Stage with YOU
6. Perfume Medley2016 Dome Edition
 1. Relax In The City
 2. ナチュラルに恋して
 3. マカロニ
 4. 透明人間
 5. Twinkle Snow Powdery Snow
 6. セラミックガール
 7. 心のスポーツ
 8. Sweet Refrain
7. Baby Face
8. Perfumeの掟 2016
9. FLASH
10. Miracle Worker
「P.T.A.」のコーナー
11. FAKE IT
12. エレクトロ・ワールド
13. Party Maker
14. だいじょばない
15. パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
16. チョコレイト・ディスコ
17. STAR TRAIN

TVオンエア情報

Perfume 6th Tour 2016「COSMIC EXPLORER」Dome Edition in 京セラドーム大阪 WOWOWにてオンエア決定!

12/29(木) 17:45~
WOWOW「WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」

12/29(木) 20:00~
WOWOW “Perfume 6th Tour 2016「COSMIC EXPLORER」Dome Edition”

Perfume

あ~ちゃん(西脇綾香)、かしゆか(樫野有香)、のっち(大本彩乃)からなる3人組テクノポップユニット。2000年に広島で結成。
2007年にシングル「ポリリズム」がブレイク、独自な楽曲、歌詞、ダンス、MC等で多方面から評価を得る。2013年10月2日にはアルバム「LEVEL3」を発売、アルバム5作連続オリコンウィークリーチャート1位を獲得。
2013年12月には東京、大阪にて自身初の2大ドームライブを行い大成功を納める。
2014年8月には7都市14公演をまわるアリーナツアー『Perfume 5th Tour 2014「ぐるんぐるん」』を開催し、約13万人を動員。同年11月にはワンマンツアーとして巡る地としては初となる、アメリカを含めた「Perfume WORLD TOUR 3rd」を開催。多くの海外ファンを熱狂させる。
2015年9月21日に、結成15周年、メジャーデビュー10周年を迎え、同年、10月には、2014年に行った「Perfume WORLD TOUR 3rd」の模様を撮影したドキュメンタリー映画「WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT」を公開。
2016年4月6日には、前作「LEVEL3」から約2年半ぶりとなるオリジナルアルバム「COSMIC EXPLORER」をリリース。

オフィシャルサイトhttp://www.perfume-web.jp

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