Interview

大原櫻子 初のダンスナンバーで見せる新章。自分らしくもう一つの顔を見せられた意欲作について訊く。

大原櫻子 初のダンスナンバーで見せる新章。自分らしくもう一つの顔を見せられた意欲作について訊く。

5周年ベスト&全国ツアーを経て、新章に突入した大原櫻子が今、とてつもなく躍動している。初の主演ドラマ『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』の主題歌となった前作「I am I」から約4ヶ月ぶりとなる通算11枚目のシングル「Shine On Me」は、シングルとしては初のダンスナンバーとなっており、カップリング曲「Let Me Go」では共作ながらも初の作曲に挑戦。バンドを題材にした映画のヒロインからキャリアをスタートし、ソロアーティストしてのデビュー当初はギターを抱えて歌っていた彼女。自身のツアーではダンス曲もあったが、今作でついにミュージックビデオでもダンスを解禁。身体中から楽しさとエネルギーが溢れ出してくるようなダンスをひとたび目にすれば虜になること間違いなし。さらに、カップリング曲では洋楽のようなアプローチによるダイナミックな歌唱も披露。大人の女性として自立し、今、新たな姿勢で音楽に向き合い始めた彼女はとても自由で、リラックスしており、実に輝いて見える。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 荻原大志


メロディを聴いた瞬間に、ダンスがしたいです! っていう思いを伝えました

大原櫻子 エンタメステーションインタビュー

シングルとして初のダンスナンバーになってます。

小学校1~2年生の頃からダンスを習っていたので、ずっとダンスが踊れる曲をやりたいっていう気持ちは伝えていて。ツアーでは踊ったりもしていたんですけど、特に今年のツアーはダンサーさんを入れて踊る曲もあったし、海外の楽曲のカバーもして。そのライブを見たディレクターさんが、今回、踊れる楽曲でいこうって言ってくれて。

楽曲を受け取った時はどう感じました?

メロディを聴いた瞬間に、ダンスがしたいです! っていう思いを伝えました。これは絶対に踊りたい曲だなと思って。あと、サビが2つある感覚があって。<Baby Dance,Dance>のところと、<Shine On Me,Shine On Me>のところ。どっちも印象に残るし、とにかくキャッチーだなって思いましたね。

これまでになく英語のフレーズが多いですね。

それも自分で言いました。ツアーでSiaさんの「シャンデリア」のカバーを全部英語で歌ったりしていたので、「ここは英語の方がいいんじゃないですか?」って相談したりして。ダンス曲だっていうのもあるんですけど、繰り返しが多いから、1回で覚えられるような歌詞になってるなっておもいますね。

振り付けはどう考えてました。

ツアーでは「ツキアカリ」「Dear My Dream」「踊ろう」「Joy & Joy」「青い季節」「My Way」の6曲で踊ってましたが。

「踊ろう」は、キャッチーなフリがある簡単なダンスになっていて、みんなと一緒に踊れる楽曲だったりしたんですけど、今回はもう、振り付けの先生に「ガツガツに踊りたい」って話をして。もちろん、みんなにも真似して踊って欲しいですけど、とにかく、曲の世界観をダンスで表現するくらい、本気でカッコいいダンスがしたいんですよねっていう話をさせていただきました。

どんなフリになってると言えばいいですか。

結構、激し目ですね。イベントで1回だけ披露したんですけど、そのステージを見たお客さんからは「あのフリを見ると、男性が振り付けてるのがわかる」って言われて。もちろん、女性らしさもあるし、セクシーなところもあるんですけど、どちらかというとパンチのある激しいダンスっていう感じ。イベントでは一番だけ踊ったんですけど、一番だけでもしんどかったです。

「青い季節」では踊りながらでも声量が変わらないことに驚いたんですけど、この曲はさらに踊りながら歌うの大変そうな曲ですよね。

すっごいしんどいです(笑)。

特に1サビの最後<不自然なくらい自然に>から2番のAメロの<離れても>はブレスなしで続いてるように聴こえます。

うん、もう一瞬ですね。本当に忙しい曲です(笑)。でも、それがエネルギーとしてみんなに伝わって、身体が自然と乗ってくれる曲なんじゃないかなと思うし、歌ってても気持ちいいんですよ。

MVでダンサーさんと踊ったのは初めてだったんですけど、想像していた通りの映像になりましたね

大原櫻子 エンタメステーションインタビュー
大原櫻子 エンタメステーションインタビュー

レコーディングはどんな思いで臨みました?

リズム命でした。可愛らしい曲というよりはカッコいい曲だなと思ったので。そこはすごく意識して。自分が踊ってる姿を想像しつつ、歌だけでもすごく聴きどころがあるなと思ってます。

リリースと同時にMVが公開されましたが、ダンスメインの映像になってますね。

女性のダンサーさんと一緒にジャケットを羽織って、若干のヒールで踊ってて。色合いをピンクにしたのは、カッコいいだけじゃなく、キラッと始まる曲でもあるので、女性らしさも欲しいなと思ってて。MVでダンサーさんと踊ったのは初めてだったんですけど、想像していた通りの映像になりましたね。間奏は私の自由演技というか、イメージ映像もありますけど、それ以外は本当にダンスを踊ってます。ライブでみんなと一緒に踊るのは難しいかもしれないけど、MVを見て、踊れる場所を見つけて欲しいです。

あの映像を見ると踊りたくなりますよ。

本当ですか!? すっごい難しいフリではないんですけど、歌って踊ると汗だくになるんですよね。でも、踊るとすごく気持ちいいので、ぜひ真似して踊って欲しいです。

今回はフリーライブもやってますよね。

「I am I」の時は芝居のスケジュールが埋まってて、みんなと触れる機会もなかったんですよ。今は音楽活動にシフトしている時期なので。やっと皆さんと交流できる時間があるし、やっぱり、ダンスを届けたいなって思ってて。ただ、MV公開前のリリースイベントでは、踊りじゃなく、歌だけで届けてて。やっぱり、ウズウズしますね。手が動いちゃうというか。本当にもどかしいし、早くダンスを届けたいっていう気持ちになってます。イベントで1回だけ踊った時は、「すごくカッコよかった」って言ってもらえて。「一生懸命に歌って踊ってるのを見て、元気が出た」っていう言葉をいただいた時にすごく嬉しくなりました。伝わってるんだな〜って思って。早く踊りたいです。

ダンスは私にとって、一番、自分を爆発できる表現ですね

大原櫻子 エンタメステーションインタビュー

改めて、櫻子さんにとってのダンスとはどんな存在ですか?

ずっと変わらずに、自分を爆発させられる一番の表現だと思いますね。歌がまだ難しさを感じてるし、癒しとか、いろんな要素がある。でも、ダンスはエネルギーの塊にならないと、ゆったりしてる動きもできない。だから、ダンスは私にとって、一番、自分を爆発できる表現ですね。

パブリックイメージは、「踊る櫻子さん」はないと思います。

そうですよね。でも、踊りは好きだし、やりたいなと思ってたし、みんなにも早く見て欲しいっていうのはありましたね。歌+ダンスで伝わるエネルギーって違うと思うし。ギター — 特にアコギはあったかい感じがあるから、歌に寄り添うっていうイメージがあって。だから、バラードだったら、ダンスじゃなく、ギターがいいなって思う。ダンスとはアプローチの仕方が違っているんですけど、私は性格的にもパワフルな方だと思うので(笑)、ダンスはずっとやりたいなって思ってました。

自分らしさを表現する手段の1つだってことですよね。<素直な自分を愛そう>という想いが込めれていた前作「I am I」から、“自分らしさ”というのがテーマになってるように思います。カップリング「Let Me Go」にも<私にもう ウソつけない>って言ってますし。

自分自身ってことを強く思ったり、歌ったりすることは多いし、ずっとあるテーマですね。だから、「I am I」も「Shine On Me」も「Let Me Go」も、歌ってて不思議と自分がすごく励まされるんですよね。そういう内容を歌えるのは嬉しいなと思いますね。

本当の自分とは?

全部、本当の自分なんですけどね。

ベスト以降、どんどん自由になってる気がしてます。

そうですね。やりたいことをやらせてもらってますね。私は以前から着飾ってるつもりはなかったんですけど、特にここ半年くらいはすごく落ち着いて物事を考えられるようになって。それは、個人事務所になったのも大きいかもしれない。前は仕事が終わってプライベートでストレス発散したくて飲みに行ったりして、次の日また仕事行ってっていう感じだったんですけど、今はそんなことなくて。仕事が終わって、家に帰って、自分のケアをして、準備することがあれば準備してっていう感じになってるので、そこは全然違うかもしれないですね。

大人になっていく上で自立というか、自分のことは自分でやるっていうのは考えなきゃなって思うようになってますね

大原櫻子 エンタメステーションインタビュー

責任感は増えてるはずなのに、ストレス発散はしなくてよくなってる。

仕事のやりがいというか責任感は増したけど、いい意味で、仕事を仕事って思ってないのかもしれないです。仕事は仕事! って区切っていない。プライベートでも普通にやらなきゃいけないことたくさんあるし、それこそ料理作ってみたり、掃除をしたり、洗濯したり。運転もできるようになったんでドライブして、とか。そういうのも全部、変わってきましたね。忙しいからプライベートは何もできませんって、仕事を言い訳にしてたのかなって思う節はあるので、大人になっていく上で自立というか、自分のことは自分でやるっていうのは考えなきゃなって思うようになってますね。だからこそ、より“自分らしく”というメッセージが今、すごくしっくりきている感じはありますね。

とても意欲的だし、充実感も伝わってきます。そして、「Let Me Go」は初の共作になってます。

Sakaiさんのお家のようなスタジオに行って。最近、好きで聴いてる曲の話とか、自分の好きな音や好みをバーって言ったら、その場で曲の土台を作ってくれて、「はい、歌ってください」って言われて。もう、その時に生まれたメロディを紡いで作った曲でした。

本能というか、自分の中から出てきたメロディだったなって思います

大原櫻子 エンタメステーションインタビュー

何が浮かんでました? テーマとか?

何にもないです。無です、無。正直、テーマを考えてる余裕もなくて。「なんでもいいから、とにかく歌って」って言われて。無心で歌って、出てきたメロディが、これでした。本能というか、自分の中から出てきたメロディだったなって思います。

かなりレンジの広い曲になってますよね。

すっごいレベルの高い歌になっちゃったなって思ったんですけど、それを出したのは自分だし、どっかで自分のレベルをもっと超えたいもっと超えたいって思っていたから、よりハイレベルなものが出てきたと思うんですね。そういう意味で、ちょっとレベルの高いものだからこそ、今の自分に合ってるし、フィットしてる曲なのかなって思いますし、こんなやり方があるんだっていうこともすごく新鮮に感じて。音楽って、音が楽しいって書くけど、本当に音楽ってこんなに楽しいんだなって改めて感じました。

実際に自分で生み出したメロディを自分で歌ってみてどう感じました?

うん、高いっすね。あはははは。でも、これだけエネルギーに満ち溢れていると歌いやすいし、表現しやすいですね。

オントレンドなサウンドのR&Bになってますよね。

おしゃれだし、今っぽいですよね。この曲もイベントで歌ったんですけど、「いいね」って言ってくれるファンの方が多くて、すごく嬉しいなと思ってます。私としては、最初は一瞬、きれいだな〜って思うけど、数小節進むとパワフルでカッコよくなっていく。その段階がすごく好きで。1サビと2サビでちょっとイメージ変わるのかなって感じがありますね。1サビはすごく優しく歌ってる部分があるし、2サビは意思が強くなってるから、全部地声で歌ってる。その違いが伝わったらいいなって思いますね。

歌詞は「Shine On Me」とは真逆な感じがありますね。

輝いてる人と、ちょっとダークな感じがありますもんね。全然違うけど、どっちも私っぽいんですよ。別に誰かと別れたっていうことではないですけど、すごく出会いと別れがある1年だったし、自分とも重なる歌詞だったなって、すごい思いますね。だから、しっくりきたし、言いやすかったです。

全編英語歌詞でも良かったくらいです。

私もそうしようかと一瞬思いました。Sakaiさんは海外のアーティストさんをたくさんやられてる方なので、最初は英語歌詞しか想像できなくて。でも、歌詞もその時、その場のフィーリングで思ったことを言ったので、自分ではあまり覚えてないんですよね。恋愛なのか、自分に対するメッセージなのかっていうのはあんまり決めてなかったけど、力強い女性像でありたいっていうことだけは言ってました。

2曲揃って、11枚目のシングルはご自身にとってどんな1枚になりましたか。

ダンスっていう、アピールポイントが変わったようにも思いますし。本当に一色違うシングルができたと思います。今までと変わらない部分はあるんですけど、全部が私らしくもあり、もう1つの顔を見せられる1枚にもなったんじゃないかなって思いましたね。

私、ビルボードとか、大人の場所で歌うことが夢だったんですよ

大原櫻子 エンタメステーションインタビュー

2020年はどんな1年にしたいですか? まず、「I am not I」というカバーライブが決定してます。

海外のカバーだけで、自曲を歌わずに届けるライブになってて。「私じゃない私も、ある意味、私」っていう意味も込めたタイトルになってます。私、ビルボードとか、大人の場所で歌うことが夢だったんですよ。自分自身もお酒が好きで、お酒を飲みながらライブを観てると、「ああ、頑張ってよかった〜」って思うんですよ。それを、私も届けたいなって、ずっと思ってたので、今回、叶えられるチャンスが来たからやりたいですって前向きにお願いして。でも、一番大きいのは、『ミス・サイゴン』ですね。今は、一人でボイトレをしたり、歌ったりはしてて。1曲歌うだけで汗だくになるので、これに芝居が入ったらどうなっちゃうんだろうって。ちょっと怖いなって思ってます。昨日もずっとビデオを観ながら泣いてて。家族から病気扱いされました。「また観てる。今日、2回目じゃん」って。

『ミス・サイゴン』が終わったら、どっかに逃亡したいなって思ってます(笑)

大原櫻子 エンタメステーションインタビュー

あはははは。それこそ幼少の頃からもう何百回も観てるのに、まだ泣けるんですね。

泣きますね。無理〜ってなる(笑)。自分がキムをやる時は考え方も変わると思うんですけど、まだ現時点では、いち観客として観て、泣いてます(笑)。大変だとは思うけど頑張りたいですね。2019年は、個人事務所になって、自分たちで動く大切さを知った1年だった。自分でいろいろとできるようにもっと勉強しなきゃなって思ったので、2020年は、やるべきことをやりつつ、いろいろと学ぶ年にしたいなって思ってます。

プライベートでの目標はありますか?

海外には絶対に行きたいです。インドか、ロサンゼルスか、ハワイか……。映画『ホテルムンバイ』を観まして。あまりにも衝撃を受け、そのホテルムンバイに行きたいって思ってます。ロスはSakaiさんがレコーディングでよく行かれているので、レコーディングに行ってみたいなって思う。ハワイは……気持ちいいから。癒されたいですね。全部行けたらいいんですけど、絶対に無理だな。『ミス・サイゴン』が終わったら、どっかに逃亡したいなって思ってます(笑)。

その他の大原櫻子の作品はこちらへ。

ライブ情報

大原櫻子 Premium Concert 2020「 I am not I 」

2020年1月11日(土) ビルボードライブ東京
2020年1月17日(金) ビルボードライブ大阪
2020年1月24日(金) 名古屋ブルーノート

大原櫻子

1996年、東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。2013年、映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』全国ヒロインオーディションで5,000人の中から抜擢され、スクリーン&CD同時デビューを果たす。
2014年、女優として『日本映画批評家大賞 “新人賞”』、歌手として『第56回輝く!日本レコード大賞”新人賞”』を受賞。以降、歌手活動と並行して、数々のテレビドラマや舞台へ出演。
2018年「新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 」ランダムスター夫人を好演。
2019年2月、戸田恵梨香さんとのダブル主演映画『あの日のオルガン』(平松恵美子監督)が公開。
5月~7月にかけて、全国10か所で5th Anniversary コンサート開催。
7月3日からテレビ東京にて放送されるドラマパラビ『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』にてドラマ初主演・初主題歌。
7月NHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』に山田天陽の妻・靖枝役で出演。
7月31日10枚目のシングル「I am I」リリース。
9月~10月には、新作ミュージカル『怪人と探偵』に出演。
2020年5月6月には帝国劇場『ミス・サイゴン』ヒロイン キム役に決定。

オフィシャルサイト
https://oharasakurako.net