LIVE SHUTTLE  vol. 82

Report

10周年を迎えた秦基博が次に見据える未来へ紡いでいくアリーナツアー

10周年を迎えた秦基博が次に見据える未来へ紡いでいくアリーナツアー

 10年という時間は、どういう重みを持つものなのだろうか…。10年前のAugusta Camp 2006を思い出す。富士急ハイランドコニファーフォレストで行われたAugusta Campは、秦基博がデビュー前にオープニングアクトで出演した場所。そして、今年 “Augusta Camp 2016 ~produced by 秦基博~”では、10周年にあたり自身の原点を見つめ直す意味で、同じ地での開催となった。10年間は短いのか、長いのか…。これまでの10年とこれからの10年。過去と未来…。

 2016年11月8日にデビュー満10周年を迎えたシンガーソングライターの秦基博が、自身初となるアリーナツアーを全国6都市7公演、7万人を動員する自身最大のツアーを開催。今回、初日の横浜アリーナのレポートをお届けするが、まだツアー開催中のため、細かなセットリストなどネタバレになってしまう核心には触れない内容であることをご了承いただきたい。

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 HATA MOTOHIRO 10 th Anniversary ARENA TOUR “All The Pieces” のツアー初日となった横浜アリーナ。即日ソールドアウト、立見席も完売、当日券では見切れ開放席も販売される盛況ぶり。「地元・横浜でのツアー初日はなかなかないですから、そりゃ盛り上がるでしょう」と、MCで語るように、本人からもうれしさがにじみ出ていた。楽曲はデビュー曲から最新曲まで人気曲や代表曲の数々を披露。

 2006年11月のデビューシングル「シンクロ」は、秦のストロークをキッカケにスタートするさわやかで軽快な楽曲。鮮烈なデビューを飾った楽曲であり、秦のアッパーチューンの軸となる曲。今までに何度も歌われライブでは盛り上がる楽曲として、この10年間で成長してきた曲だ。コード進行といい、メロディ展開といい、ファルセットの使い方といい、秦の魅力がすべてつまった楽曲である。今回のツアーでも大切な場所で歌われていた。

 今回のバンドは、今年の3月から6月まで行われていたアルバム『青の光景』のツアーメンバー同様、あらきゆうこ(Dr)、鈴木正人(Ba)、皆川真人(Key)、弓木英梨乃(Gt)。このバンドに、曲によっては8人編成の“All The Pieces ストリングス”が加わっていくスタイルで、楽曲によって様々なパフォーマンスを披露していく。

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 歌をサポートするいつものギター。1966年製のギブソンJ-45。曲によっては歯切れの良いストロークやカッティングを奏で、秦の代表曲にもなった2014年の国民的ヒット曲「ひまわりの約束」では、フィンガーピッキングで奏でる。フィンガーピッキングによるギターサウンドは、柔らかいサウンド。スティール弦の音のはずなのに、まるでナイロン弦に近い暖かみあるサウンドを奏でる。爪ではじくのではなく、指ではじく秦のプレイが見事に音に現れたものである。そして、中低域を保った重心の低いJ-45のサウンドと相まって、歌に寄り添うようなサウンドが形成されていく。 “平和”をテーマにした最新シングルの「70億のピース」でもフィンガーピッキングのアルペジオでウォームなサウンドを聴かせる。この楽曲は、秦の真骨頂ともいえる名曲で、ときに優しく、ときに強くダイナミクス溢れる歌唱に、メッセージをかみしめながらじっくりと聴き入っている観客が印象的だった。同じく最新シングルであり、この日ライブ初披露となった「終わりのない空」は弾き語りからスタートして次第にバンドサウンドへとなっていく。この楽曲の持つエモーショナルかつダイナミクスは聴いていて鳥肌ものだった。CDだけでは伝わりきらない力強い熱量を秘めた楽曲。この熱い衝動や想いはライブでこそ伝わるものだろう。客を圧倒する歌唱力でじっくりと聴き入る曲だった。今後、ライブでさらに進化していく楽曲だと感じた。

 アンコールでは2017年5月に横浜スタジアムでのライブ開催も発表された。アニバーサリーライブのフィナーレを飾る華やかなライブになりそうで期待大である。

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 「10年はあっという間。曲を作って歌っていたら、気づけば10年でした。そして、また新たにみんなに曲を届けていきたいなと思いました。このライブでの出会いを歌に紡いでいけたらと思います」

 これまでシングル21枚、オリジナルアルバム5枚を発表してきた秦基博の10年間。その集大成とも言えるのが、今回のアリーナツアーである。MCで語った「あっという間」だった10年の過去は、「新しい音楽を紡ぎ出す」という未来の10年へとつながっていく…。

取材・文 / 井桁学

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■配信限定ミニアルバム『秦基博と映画主題歌』配信中!

デビュー以来、多くの映画主題歌を手掛ける秦基博。
新曲「終わりのない空」は森義隆監督からの熱いラブコールを受け、映画『聖の青春』の為に書き下ろされたナンバー。
その他、最新作『君の名は。』が大ヒット中の新海誠監督作品『言の葉の庭』や国民的大ブームを巻き起こした事も記憶に新しい『STAND BY ME ドラえもん』、カンヌ国際映画祭正式出品作品『あん』など、秦が現在までに発表した映画主題歌全6曲をコンパイルした配信限定ミニアルバム『秦基博と映画主題歌』のリリースがデビュー満10周年記念日よりスタート!

秦基博と映画主題歌

収録曲:
01 「終わりのない空」(映画『聖の青春』主題歌)
02 「ひまわりの約束」(映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌)
03 「Q & A」(映画『天空の蜂』主題歌)
04 「水彩の月」(映画『あん』主題歌)
05 「虹が消えた日」(映画『築地魚河岸三代目』主題歌)
06 「Rain」(劇場アニメーション『言の葉の庭』エンディングテーマ)


ライブ情報

HATA MOTOHIRO 10th Anniversary ARENA TOUR “All The Pieces”
11月1日(火) 横浜アリーナ
11月4日(金)、5日(土) 大阪城ホール
11月15日(火) 名古屋日本ガイシホール
11月19日(土) 宮城セキスイハイムアリーナ、11月27日(日) 北海きたえーる
12月23日(祝・金) マリンメッセ福岡

秦基博

1980年10月11日宮崎県生まれ、神奈川県育ち。
06年にシングル「シンクロ」でデビュー。日本武道館での全編弾き語り公演や全国各地の世界遺産での野外コンサート、独創的な映像演出を取り入れたVisionary liveなど多彩なライブ活動を展開。14年のシングル「ひまわりの約束」は130万ダウンロードを超え、今も尚記録的なロングヒットを続けている。15年の『青の光景』まで5枚のオリジナル・アルバムを発表。多くの映画主題歌を手掛け、08年公開『築地魚河岸三代目』の「虹が消えた日」、13年公開『言の葉の庭』の「言ノ葉/Rain」、14年公開『STAND BY ME ドラえもん』の「ひまわりの約束」、15年公開『あん』の「水彩の月」、『天空の蜂』の「Q & A」と、『聖の青春』を含め計6作を数える。デビュー10周年を迎える今秋は、10月19日に両A面シングル「70億のピース / 終わりのない空」をリリースし、全国6大都市をまわる記念のアリーナツアー(横浜、大阪、名古屋、宮城、札幌、博多)を開催。
2017年には横浜スタジアムでのワンマンライブも決定。
秦基博オフィシャルサイトhttp://www.office-augusta.com/hata

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