esゲーム記事執筆陣が令和元年にハマったゲーム3選  vol. 7

Review

年を越えても熱い対人戦が楽しめるゲーム3選

年を越えても熱い対人戦が楽しめるゲーム3選

2018年に引き続き「年間ベストゲームを選んで」というオファーをいただいたので、今回は2019年に遊べる環境があった3本の“対戦ゲーム”をピックアップさせてもらった。おそらくどのタイトルも2020年に入っても多くのプレイヤーがオンラインマッチに参戦し、十分に対戦が楽しめるはずだ。この記事に目を通して興味を持った人は、ぜひプレイしてみてほしい。

文 / マンモス丸谷


ゲームセンターで存在感を発揮し続ける『三国志大戦 伝承の煌弓』

セガ / アーケード / 対戦型カードアクション

オフィシャルサイト

2018年はこの特集が、“家庭用”のベストゲーム3選と思いこんでしまっていたため外したのだが、個人的には稼働がスタートした2016年12月ごろからずっと“ベストゲーム”なのがこの『三国志大戦』。2005年に登場した初代『三国志大戦』~『三国志大戦3』、派生作の『戦国大戦』シリーズを含めると、およそ14年間にわたってゲームセンターで稼働を続けているアーケードカードゲームの重鎮的存在だ。
自分は初代『三国志大戦』と『2』、『戦国大戦』の中期から稼働終了まで、そしてナンバリングを廃した現在の『三国志大戦』とトータル8年ほど『大戦』シリーズをプレイしているのだが(ブランクがあるのは社会人になりたてで金欠だったため)、それだけ長い期間飽きずにプレイできているのは、やはり『大戦』シリーズがゲームセンターでしか遊べない唯一無二のゲーム性を備えている点が大きい。
トレーディングカードを使用するアーケードカードゲームは数あれど、筐体盤面に配したカードの動きどおりに画面内のキャラクター(武将)がリアルタイムで行動するのは、現行のアーケードゲームでは『三国志大戦』ぐらいのもの(同タイプのカードゲームに『WCCF FOOTISTA』があるが、こちらは選手がある程度自動で動くため、カード操作は必須ではない)。そんな基本操作に加えて、実戦では騎兵なら突撃、弓兵なら射撃とカードの兵種によって異なる“兵種アクション”、武将に設定された“計略”といったシステムが融合。その結果、本作はリアルタイムストラテジーのように部隊(武将カード)を運用しながら、試合の要所では武将カードを激しく動かして敵部隊や城にダメージを与えていくという、アクションと戦略性が融合した試合が楽しめるようになっているのだ。

三国志大戦 伝承の煌弓 エンタメステーションレビュー

▲『三国志大戦』の筐体。筐体中央の盤面(フラットリーダー)に武将カードを乗せると、ゲーム内でその武将が認識され、試合が始まると盤面とゲーム画面内の武将の動きが完全にリンクする

三国志大戦 伝承の煌弓 エンタメステーションレビュー

▲決められたコスト(8コスト)でどの兵種を何枚採用するか、どんな種類の計略を採用してデッキを構築するかでプレイ感覚(操作の忙しさ)はかなり変わる

三国志大戦 伝承の煌弓 エンタメステーションレビュー

▲対戦では武将の持つ計略をいかに活用するかが勝敗を大きく左右し、また計略の種類によって“勝ち筋”は大きく変化する。筆者が好んで使うのは、味方全体の武力を上げて城ダメージを取りにいく“号令”。他にも特定の味方武将の武力や兵種アクションを大幅に強化する“超絶強化”、相手の動きを制限する“妨害”計略などが存在する

『大戦』シリーズの対人戦が好きで、プレイするのが日常になっている自分のようなプレイヤーにとっては全国対戦(オンライン対戦)だけでも“ベストゲーム”な『三国志大戦』だが、稼働当初から半年ぐらいは正直言って新規のプレイヤーには勧めづらかった点もあった。なかでも武将カードの印刷やトレードの不便さは、ファンから見ても問題ありと感じるポイントだったが、そんな不満点の多くはほぼほぼ解消。目当ての計略、将器(武将の一部パラメータを強化する効果)を持つカードを任意で入手できるうえ、不要なカードは縁(欲しいカードを指定して印刷する際に使うポイント)に変換しつつ、他のプレイヤーが使える状態にして放出することができるなど、現在はゲームセンター内だけで欲しいカードを狙って手に入れられる環境が完成。稼働当初は不満点とされていたオンデマンド印刷によるカード排出が、むしろ強みに転じている。

三国志大戦 伝承の煌弓 エンタメステーションレビュー

▲過去シリーズとは異なり、ゲームプレイを重ねていけば縁で狙った武将カードが必ず手に入るのも現行の『三国志大戦』の特徴

三国志大戦 伝承の煌弓 エンタメステーションレビュー

▲稼働当初はやや淡白に思えた義勇ロード(ストーリーモード)も現在は充実。『三国志』を題材にした小説、マンガでもあまり取り扱わない、魏、呉、蜀の三国が滅びる最後までストーリー化されている

三国志大戦 伝承の煌弓 エンタメステーションレビュー

▲約1ヶ月周期でバランス調整やゲーム内イベント、新カードの追加が実施され、同じ環境(強いカードがつねに強いまま)が続かないのも個人的にはプラスポイントだ

カードまわりの要素が改善されたのと併せて本作を勧めやすくなったポイントとして、動画配信が盛んになった点にも触れておきたい。現在の『三国志大戦』はYouTube公式チャンネルで毎日アップされているトッププレイヤーどうしの対戦“頂上対決”のほか、その頂上対決に取り上げられるプレイヤーの誰かしらがほぼ毎日対戦を配信している状況。その結果、強いとされているデッキの構成はもちろんのこと、具体的な運用方法、相手にした対処法も実際に目にして“学ぶ”環境ができあがっている。このおかげで似たルールのゲームがなかったゆえにイチから始めるのが難しく感じるという、『大戦』シリーズ長年のジレンマも解決しつつあるので、今回少しでも興味を持った人は本作に動画からでもいいので触れてみてほしい。YouTube内を『三国志大戦』で検索すると頂上対決の再生リストのほか、全国大会エリア予選、バージョンアップ情報を伝える公式生放送のアーカイブなど、本作にまつわるさまざまな情報が得られるようになっている。

▲トップの対決は見応えがある

©SEGA


定番パズルゲームに対戦要素をプラスした『テトリス®99』

任天堂 / Nintendo Switch™ / パズル

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2019年に自宅で最も遊んでいた対戦ゲームとなると、2019年2月にNintendo Switch™ Online加入者向けに配信され、現在はパッケージ版も発売されている『テトリス®99』が真っ先に挙がる。本作はその名のとおりパズルゲームのド定番『テトリス®』を99人のプレイヤーで同時にプレイし、最後のひとり“テト1”を目指してバトルロイヤルをくり広げる……というのがゲームの内容。

テトリス®99 エンタメステーションレビュー

▲自分のプレイ画面を囲むように、99人のプレイヤーの様子が表示されるゲーム画面

ただ、『テトリス®99』で一番最初に気に入ったのは対人戦が楽しめるという点ではなく、テトリミノ(ブロック)を動かした際の気持ちよさ。これがかつてハマっていまでもゲームセンターに置いてあればプレイする、『TGM』こと『テトリス® ザ・グランドマスター』シリーズに似ていたからというのが大きい。『TGM』シリーズ特有ともいえる、テトリミノを設置して動かせなくなるまでの時間が非常に長い=最後の最後まで悪あがきできることが家で体験できるだけでも、自分としてはプレイしないわけにはいかなかった。

テトリス®99 エンタメステーションレビュー

▲テトリミノの回転や設置は『TGM』シリーズに近いが、落下スピードだけは控えめ。このバランスが『TGM3』のSAKURAやMASTER(中級者向け難度)はクリアーできるものの、超高速モードのSHIRASEには対応できない……という自分のような腕前にピッタリだった

「『TGM』っぽい!」と思って始めた『テトリス®99』だったが、プレイを重ねているとすぐに本作ならではの特徴も見えてきた。まず99人のプレイヤーの何人にいつ狙われているかが変化するため、プレイの流れ(こちらを妨害するテトリミノの出現タイミングやゲームスピードが上がるタイミング)が一定ではないのが新鮮。さらに本作ならではのシステム、作戦の使い分けやバッジの効果に気づくと、「試合直後は目立たないようにあまりテトリミノを消さないでおこう」、「ブロックを積み上げている人が出始めたら“とどめうち”の作戦でバッジを稼いで火力をアップ」、「自分が狙われたら“カウンター”に切り替えて返り討ちにしてやる」などといった、自分なりのセオリーがぼんやりとながら確立。スコア稼ぎ、もしくは生き残るのが目的のひとり用『テトリス®』とは違った、『テトリス®99』ならではのプレイが楽しめるように。『テトリス®』自体が知らないゲームではなかったのもあって、ゲーム開始直後に退場することは激減。99人が参加するバトルロイヤル系なので「安定してテト1取れます!」とまではいかなかったものの、試合の内容が向上していくのは感じられて満足感を得ることはできた。

テトリス®99 エンタメステーションレビュー

▲自分にジャマなテトリミノを送り込んでくる相手を狙って攻撃できる“カウンター”と、テトリミノが高く積み上がったプレイヤーを優先して狙う“とどめうち”。このふたつの作戦だけでも使い分けられるようになると、試合後半まで生きのびやすくなる

サービス開始からそろそろ1年が経とうとしている現在の『テトリス®99』は、基本ルールの99人バトルロイヤルに安定して参加プレイヤーがいるうえで、さまざまなゲームモードが登場。いまから本作に挑戦したい人向けの“CPUバトル”やひとりでスコアアタックが行なえる“マラソン”、さらにこの記事を書いている2019年12月中旬には99人が4チームに分かれて戦う“チームバトル”も加わった。公式によるイベント戦も不定期に開催されているので、まだまだ『テトリス®』によるバトルロイヤル+αは楽しめそうだ。

テトリス®99 エンタメステーションレビュー

▲“チームバトル”では作戦が変化。どの敵チームのプレイヤーを狙うか、もしくはカウンターに徹するかを切り替えつつ自チームの勝利を目指す。自分が脱落してもチームの誰かが生き残ればテト1扱いになる、お得感のある(?)ルールも特徴

テトリス®99 エンタメステーションレビュー

▲長く本作を遊んでいるプレイヤー向けには、テト1経験者のみが入室できる“テトリス®99 VIP”というモードが用意されている。その性質上、時間帯によっては99人の対戦にはならないこともあるが、代わりに入るCPUは中途半端なプレイヤー(自己紹介)より明らかに強い

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格闘ゲーム“初級者・中級者”向けの施策が充実『鉄拳7』シーズン3

バンダイナムコエンターテインメント / PlayStation®4、Xbox One、Steam® / 対戦格闘

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最後に紹介したいのは、2019年秋にシーズン3に突入した『鉄拳7』。こちらに関しては仕事(2019年に入って『鉄拳7』の大会取材やインタビューが増えた)がきっかけという不純な(?)理由で始めたのだが、約2年ぶりにソフトを引っぱり出してプレイしてみると、シーズン1からの進化+αに驚愕。そのままハマってしまい、2019年下半期で一番プレイした家庭用ゲームになった。

『鉄拳7』シーズン3 エンタメステーションレビュー

▲家庭用『鉄拳7』の発売そのものは2017年。しかしシーズン2、3を経て数多くのキャラクターや新技、新システムなどが定期的に導入され、2019年も対戦格闘ゲームのメインストリームを代表する1本となっている

2019年後半に『鉄拳7』を再開してまず驚いたのが、オンラインランクマッチがいまだ“健全に”機能しているという点。自分が(プラクティスモードでのコンボ練習を経て)対戦に復帰したのは、シーズン3がスタートした1、2ヶ月後ぐらいだったのだが、このタイミングでも同程度の実力を備えた相手と過不足なく対戦が楽しめた。
仕事でプロプレイヤーのイベントやプロアマ問わず多くのトッププレイヤーが参加するオフラインの大会は見ていたため、『鉄拳7』の“競技人口”がぶ厚いことはすでに知っていたのだが、ソフトそのもののリリースから3年以上が経過した時期であっても、自分のような中級者からの復帰組が戦うランク帯(獣段~羅段)で対戦相手に困らないというのには驚いた。それどころか早朝4~6時にランクマッチに潜っても対戦相手がいるというのはすごすぎる。

『鉄拳7』シーズン3 エンタメステーションレビュー

▲対戦相手に困らないうえ、勝率40~50%でサクサクと段位が上がっていくのも今の『鉄拳7』の楽しいポイント。『鉄拳6』をゲームセンターでプレイしていた頃にはまるで踏み込める気配がなかった拳段に達せたのは、いい思い出になった

いまでも活気のあるランクマッチに加えて、つい先日(2019年12月10日)には初~中級者が独力でレベルアップできる練習環境もパワーアップした。有料ダウンロードコンテンツとして全キャラクターの挙動をフレーム単位で確認できる“フレームデータディスプレイ”に加えて、無料アップデートでプラクティスモードに“確定反撃練習”という項目が追加。これが初~中級者にとっては非常にありがたい情報&練習で、苦手としているキャラクターの技への対策が立てられるうえ、特定の技をランダムにくり出させて反撃の精度を高めるという、より実戦に即した練習も行なうことが可能。練習とはいってもこのランダムでの確定反撃は楽しく、12月10日に行なわれたアップデート後数日は同時に追加された新キャラクター2名はひとまず置いておき、延々と持ちキャラのアリサで確定反撃練習だけを遊んでいた。

『鉄拳7』シーズン3 エンタメステーションレビュー

▲フレームデータディスプレイと確定反撃練習を組み合わせれば、自分が使えるキャラクター以外への理解、いわゆる“キャラ対”が格段に進む

『鉄拳7』シーズン3 エンタメステーションレビュー

▲プラクティスモードで紹介されているサンプルコンボがより実戦向きの内容にアップデートされ、コンボのレシピを画面に表示させながら練習できるようになったのも地味ながらうれしい改良点

こういった対人戦に特化したプレイや勝つための練習が苦にならないのは、『鉄拳7』が優れた競技ツールというだけではなく、純粋に“壮快感”のあるゲームとして仕上がっているからだと思う。『鉄拳』シリーズでは当たり前になりすぎていていまさら語られることは少ないが、当たれば派手なエフェクト&効果音とともに体力ゲージをごっそりと奪える技は、ただ単純に出しているだけでも楽しい。空中コンボや壁際の攻防といった知識と練習が必要なテクニックもプロプレイヤーのように使いこなす……とはいかずとも、プラクティスモードを活用すれば対人戦で勝利するための強力な武器としては仕上げられる。また『鉄拳7』はほかの対戦格闘ゲームでの経験が活かせる豪鬼とギース、格闘ゲームの経験がなくても扱いやすい(武器を使った技のリーチが長く、とりあえず技が当てやすい)ノクティスといったコラボキャラクターが用意されているので、これまで『鉄拳』シリーズと縁がなかった人も触りやすいはず。くり返しになるが技を当てる、キャラクターを動かすことが単純に気持ちいいゲームなので、『鉄拳』シリーズは知っていたが触ったことがない人、2019年の大会シーンの盛り上がりで興味を持った人はぜひゲーム本編も触ってみてほしい。

『鉄拳7』シーズン3 エンタメステーションレビュー

▲基本的な要素すぎて忘れがちだが、技の見栄えがよく当たったときに気持ちよくなれるというのは重要。一発当てただけで笑えるぐらいのダメージを与えられるポールの“崩拳”、最速入力で技を成立させると雷のエフェクトが発生する三島一家の“風神拳”などは、その最たる例

『鉄拳7』シーズン3 エンタメステーションレビュー
『鉄拳7』シーズン3 エンタメステーションレビュー

▲見た目といえばキャラクターカスタマイズの豊富さも『鉄拳』シリーズの魅力。一度データが消えてしまい、オフラインモードで集めたアイテムをすべて失ってしまった筆者のような状態でも上記ぐらいの見た目の変化は簡単に行なえる

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2019年のベストゲーム3選というお題をもらっておきながら、2016年(『三国志大戦』)と2017年(『鉄拳7』)にサービスがスタートしたゲームを入れてしまった今回。ただ勘違いしないでほしいのは、これは2019年のゲームが不作だったなんてことはなく、人間と戦う対戦ゲームの息は総じて長い……ということの裏返しだと理解してほしい。そして今回紹介させてもらった3タイトルは、いずれも2020年になってもオンライン対戦の環境が引き続き存在し、定期的なアップデートで進化も続くはず。長く遊べるゲームを探している人には今回の3タイトルを強く勧めるとともに、自分は2020年以降もプレイを続けていきたいと思う。

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