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市川海老蔵、寺島しのぶが22年ぶりに共演。海老蔵が目力を封印する「座頭市」

市川海老蔵、寺島しのぶが22年ぶりに共演。海老蔵が目力を封印する「座頭市」

2017年2月4~20日に東京EXシアター六本木にて上演される『六本木歌舞伎』第2弾公演にて、市川海老蔵と寺島しのぶが22年ぶりに舞台で共演を果たすことになった。本公演の製作発表会見が11月28日に行われ、キャストの2人に加え、演出を手がける三池崇史、松竹株式会社副社長の安孫子正が登壇し、意気込みを語った。


取材・文 / エンタメステーション編集部


市川海老蔵×寺島しのぶ×三池崇史×リリー・フランキー

『六本木歌舞伎』は時代に合った「新しい歌舞伎を創造しよう」という精神のもと、市川海老蔵と中村獅童の2人で2015年に幕を上げ、宮藤官九郎が脚本&三池崇史が演出を務めた第1弾演目「地球投五郎宇宙荒事」は連日満員、大盛況のなか上演された。
そして第2弾となる今作は、前作に続き演出を担当する三池崇史と市川海老蔵の話し合いの中で挙がった『座頭市』を演目とし、その脚本をリリー・フランキーが手がけることで話題となっているうえに、本来、歌舞伎の舞台を踏むことがない女性である寺島しのぶが加わり、海老蔵、寺島の2人による新しい歌舞伎の世界が見られることでも大いに注目を集めている。
海老蔵と寺島は、1995年に上演された舞台『二代目水谷八重子襲名披露 鹿鳴館』(作・三島由紀夫/演出・戌井市郎)で共演を果たしており、そこから実に22年ぶりに同じ舞台に立つ。また、歌舞伎演出2作目となる三池は、2007年に哀川翔主演で『座頭市』を舞台化し、その際にも自身が演出を務めている。

昔、勘三郎兄さんが「いつか俺は“座頭ニ”、“座頭三”をやりたいんだ」と言っていたのを思い出して

製作発表会のスタートは意気込みをそれぞれがコメント。

三池 「(前回)生涯で1本、歌舞伎をやってみたいという夢が叶いまして。そのときは初めてのことでまったく何もわからないところで海老蔵さんに引っ張ってもらったんですが、(今回も演出をするという)このような展開になり、生涯で2本歌舞伎をやることになりまして、孫にも誇れるような舞台に仕上げていきたいと思います。自分は映画監督、映像の人間なので、そこではできないことをやりたいと思っていて。変化球ではあるけど、『歌舞伎だな』と思っていただける、歌舞伎の概念を広げるものになったらいいなと思います」

市川 「〈六本木歌舞伎〉は中村獅童くんと一緒に『何か面白いことをやりたいね』と言っていて始めたんです。〈地球投五郎〉は(十八代目中村)勘三郎兄さんが『お前はいつか地球を投げるくらいの荒事をしないとダメなんだ。じゃないと、歌舞伎はダメになることもあるから、やってみろ』と10年くらい前に言われたことを覚えていて、獅童くんと現実のものにすることができました。今回も昔、勘三郎兄さんが「いつか俺は“座頭ニ”、“座頭三”をやりたいんだ」と言っていたのを思い出して、獅童くんと「〈座頭市〉をやりたいね」と話したんですが、彼は先に仕事が入っていて一緒にできず(笑)。でも今回、しのぶさんと一緒に舞台に立てるということが楽しみです。子供の頃からお世話になっていて、〈鹿鳴館〉という舞台以来の共演なのですが、あのとき前日にニンニクを食べ過ぎてしまい、キスシーンの場面で『くさい』とものすごく怒られました(笑)。今回は食べずに頑張りたいと思います」

寺島 「まだ〈座頭市〉で演じる私の役がさっぱりわからないのですが、リリーさんのイメージされている私で脚本を書いていらっしゃるという噂だけは聞いてます(笑)。まさか自分が歌舞伎に出演するとは思わなかったですし、40云年生きてきて初めてのことです。歌舞伎役者さんは2〜3日で台詞を覚えてしまうらしいのですが、私は少なくとも10日くらいかかるので、リリーさんに『早く脚本を書いて』とメールしようと思います(笑)。とにかくベストは尽くしたいと思いますし、究極のエンターテインメントに仕上げられたらいいなと思っております」

飢餓感が生まれて、『また海老蔵が欲しい!』となる

そして、三池は海老蔵との再タッグについて聞かれ、「一度、海老蔵さんとガッツリ仕事をすると、半年くらいは拒絶反応が出るんだけど(笑)、その後、飢餓感が生まれて、タバコやお酒と一緒で『また海老蔵が欲しい!』となるんです(笑)。まぁファンなんです」と海老蔵への愛とリスペクトを語り、「リリーさんの脚本はどういう展開になっていくのかスリリングで、ドキドキワクワクしています」と言いつつ、「何も聞いてない」という寺島へフォローをする形で「リリーさんの中では『色っぽいものにしたい』というのがあるらしく、悲恋の物語になっていくのではないかと思います。もちろん立ち回りもあるんですが、アクションを見せるというのがテーマではないと思います」と脚本の構想も「推測ですけど」と教えてくれた。

思ったことをすぐ口にするところとか、全然変わってない

また、家族ぐるみの長い付き合いの寺島から「ニンニクのことは全然覚えてない(笑)。今回はみんなでご飯に行きましょう。海老蔵さんは子供の頃から知っているのですが、思ったことをすぐ口にするところとか、全然変わってない。昔、うちの母が弟と3人で釣り堀に行ったら、ずっと『まだまだ』言ってて、待てない感じで怒られたこともあったんですよね。(軽井沢でサイクリングに行ったときには)木の矢印を全部反対方向にしたりとか、やんちゃだったよね(笑)」と小さい頃のことを暴露され、「お母様には一番怒られました(苦笑)」(海老蔵)と思い出話も飛び出した。

目力を封印することによって何が見えてくるのかは僕も発見

さらに、『座頭市』ということで盲目の侠客を演じることになる海老蔵に目力を封印することについて質問が飛ぶと、「坂東玉三郎さんから『声がつぶれても声が出ないなりに芝居をしてごらんなさい。そうすると、また新しい世界が見えてくる』と言われたことがあるんですが、自分の魅力のひとつだと言われている目力を封印することによって何が見えてくるのかは僕も発見でしょうし、これを新しいステップアップ、成長に繋げていければいいなと思っています。目に見えない世界だからこそ見える世界、そんな静けさを表現したいと思います」と新境地へと挑む高い姿勢を見せた。


『六本木歌舞伎』
─第二弾─座頭市、新解釈。

2017年2月4日(土)~2月20日(月) EXシアター六本木
<前売開始>11月19日(土)

【出演】市川海老蔵 寺島しのぶ
【脚本】リリー・フランキー
【演出】三池崇史
【お問合せ】Zen-A(ゼンエイ)TEL:03-3538-2300(平日11:00-19:00)
【製作】松竹株式会社
【主催】株式会社3Top/テレビ朝日/博報堂DY Map/KDDI/読売新聞社

オフィシャルサイトhttp://www.roppongikabuki2.com

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