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ネットで話題のゲーム性『幻走スカイドリフト』とんでもないシステムも注目

ネットで話題のゲーム性『幻走スカイドリフト』とんでもないシステムも注目

『幻走スカイドリフト』は、illuCalab.(イルカラボ)が制作し、コミックマーケットで頒布していた東方Projectの同人ゲームです。このたび新規キャラクターなどの追加要素を加え、Nintendo Switch™版、PC(Steam®)版がリリースされました。東方Projectとは、上海アリス幻樂団によって作られた作品のことです。1996年、主催のZUN氏によってこの魅力的な幻想世界が生み出されてから現在に至るまで、弾幕系シューティング、小説や漫画、ファンゲームなどさまざまな作品が作られ続けています。多くの作品でフィーチャーされている主人公のひとり“博麗霊夢”の大きいリボンとフリルが印象的な巫女装束姿は、インターネットを利用する方であればどこかで見たことがあるのではないでしょうか。東方Projectはひと言で「こういうもの」と表現することはとても難しいのですが、愛する人々のあいだで大事に育てられてきた幻想世界なのです。“幻想郷”という舞台とレースゲームの組み合わせは、どんな化学変化を見せてくれるのでしょうか。まずはトレーラームービーで雰囲気を体験してみてください。

文 / 内藤ハサミ


異変の原因とは? ストーリーを追いつつレースを楽しむ

キャラクターがタッグを組んでレースをする本作の概要について聞いたときは、「ふたり乗りの車やバイクにキャラクターが乗り込むのだろう。もしくは、ふたりが手を取り合って一緒に空を飛ぶのかな?」などと想像したのですが、実際に見たプレイ画面にびっくり。なんと、空を飛ぶキャラクターの上にもうひとりのキャラクターがサーフィンのように乗っているのです。どうしてこうなった……インパクトが大きい!

幻走スカイドリフト エンタメステーションレビュー

▲キャラクターの背中に乗ってレースをするという発想はかなり斬新ですね

ゲームの冒頭で語られることには、幻想郷に何らかの異変が起こり、住人たちが持つ魔力や霊力がなくなりつつあるようなのです。異変を起こした張本人らしき人物は逃走中。その謎の人物を追うために霊夢が編み出した方法、それがふたり組になることで失われつつある魔力を補う、この荒々しいタッグシステムだということなのです。もともと霊夢をはじめとした幻想郷の住人たちは、カワイらしい姿とは裏腹に、おおざっ……いえ、ちょっとワイルドな魅力があります。それを考えれば、実に彼女たちらしいおおらかなシステムに思えてきました、たぶん。

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▲細かいことはいいから、とにかくライドオンしなさいってことですね!

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▲幻想郷の住人たちは変わった飛行スタイルに興味津々

ということで、異変の原因を究明するためにふたりひと組でレースに勝つ、というのがキャンペーンモード(ストーリーモード)のシンプルな筋書きとなります。意外過ぎるビジュアルに反し、操作はオーソドックスで馴染みやすいです。Nintendo Switch™版であれば、Aボタンがアクセル、Bボタンがブレーキ、Xボタンがバックミラー確認という配置。そうそう、ボード役とライダー役はボタンひとつでスイッチ(切り替え)することができます。スイッチすると少しだけ加速する効果もあるので、使わない手はありません。キャラクター性能の違いも考えてバディを選び、適宜切り替えながら進むことになるでしょう。こういった基本操作に加え、コース上のリングをくぐることでゲージを溜め、Rボタンで使用する能力“スペルカード”をどのキャラクターも使うことができます。さらに金色のゲージを溜めれば、一度だけ必殺の“ラストワード”を使用できます。ラストワードはキャラクター固有の能力で、霊夢の“夢想封印”、魔理沙の“マスタースパーク”など、シリーズのファンであればおなじみの技ばかりです。これらの技とテクニックでレースに臨み、首位を取ることで次のステージに進むことができます。

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▲スペルカードは、一定時間加速できる“天狗の団扇”や周囲のライバルを吹っ飛ばすことができる“霊撃札”など、効果はさまざま。有効な局面を見極めて使えば、苦しい戦況も覆せるかも!

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▲レミリアお嬢様の上にメイドの咲夜が乗っているという、絶対にありえなさそうな組み合わせもできちゃいます

キャンペーンの難度はけっこう高めです。前半ステージはレースゲームを多少かじっていれば初見でも首位を取れるくらいの難度なのですが、後半になるにつれCPUの動きは良くなってきます。ステージごとに固定されている使用キャラクターについて性能を把握し、使いこなすことが求められます。コースの進路を直感で把握しにくいところがやや見受けられたステージ7・聖輦船の攻略からは特に難しく、頑張って入り組んだコースを覚えました。全10ステージ中、聖輦船を含む最後の3ステージはかなりの難度なので気合いを入れて臨む必要があります。

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▲チュートリアルコース。幕の文字をよく見てみると、マリ……サーキット!? 魔理沙が作ったコースだからこういうネーミングだということのようですので、セーフセーフ

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▲レミリアの住む紅魔館など屋内ステージもあります。短い距離ながら直角に曲がる箇所がいくつも出てくるので、ドリフトを多用することになるでしょう

ストーリーはわかりやすく、東方projectを知らない人でも置いていかれることはないでしょう。ですが細かい設定については特に説明がなかったりもするので、本作のプレイを機に他の東方作品へプレイヤーの目が向くきっかけにもなりそうです。キャンペーンの10ステージをクリアしたあとは、さらなるお楽しみが……! 何が待っているかは、ゲーム中でぜひ確認してみてくださいね。

いろいろ選べる対戦プレイがアツい!

本作はキャンペーンでCPUと戦えるだけでなく、プレイヤー同士で腕を競い合うことができます。メニューから選ぶことができるバーサスモードには最大4人までのオフライン対戦が可能な“マルチ”と、インターネットに接続し対戦相手とマッチングする“オンライン”があるので、好みに合わせて対戦プレイが楽しめます。テクニックだけでなく、技やアイテムで妨害しあって競り勝つのは面白いですよ。近くの友だちとはワイワイと楽しみ、見ず知らずの誰かとは真剣勝負。パスワードを設定すれば遠くの友だちと待ち合わせて戦うこともできます。

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▲マルチの2人対戦画面です

基本操作がわかりやすいので、未プレイの友人とも気軽に遊べるのがいいところですね。筆者はもっぱら家族と遊んでいるのですが、小学生の子供でも操作は簡単に覚えられました。難しいステージでは途中で地形に引っかかったりコースアウトしたりとトラブルが頻発しますが、それもまた楽しいもの。不利な状況からアイテムを使って首位に躍り出たりなどドタバタのハプニングが笑いに変わり、楽しい対戦となりました。

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▲家族との妨害合戦に夢中になっているうち、ふたりともCPUにボロ負けしてしまいました……

場の雰囲気に合わせて和気あいあいと楽しめるマルチとは違い、技術を切磋琢磨するプレイヤーが集うのがオンラインです。だいたい同じくらいの強さのプレイヤーと戦える“ランクマッチ”と、ランクに関係なく誰とでもマッチングできコース選択などの自由度が高い“フリーマッチ”に分かれています。フリーマッチでは鍵をかけた部屋を作ることができるので、遠方の仲間と対戦したいときはこれを活用するといいですね。

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▲ランクマッチのネットワークロビー。エントリーしていると、次々とプレイヤーが集まってきます。コースは完全にランダムで選択されるようですね

ランクマッチを遊んでみましたが、筆者以外のプレイヤーは全員手練れのレーサーで初めから大きく引き離されてしまいました。レース中一度だけ使用できる必殺のラストワードを使用しても、残念ながら差は思ったほど縮まらず、最下位でのゴールとなりました。悔しい!

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▲ラストワードを使うときのカットインがカワイイ。ちなみに早苗が使えるラストワードは、“客星の明るすぎる夜”。1位のプレイヤーに巨大な星を落とし、その周りも巻き込んでクラッシュさせます

厳しい世界だと思い知らされたので、タイムアタックモードである“フリーラン”でコースを完璧に覚え、無駄のない動きを身に着けたいと思います……。そうそう、フリーランモードのタイムも全国のプレイヤーと競うことができます。同じ空間でプレイヤーとガンガン競り合うよりも静かな戦いをしたい気分のときは、こちらもおすすめですよ。アイテムでの妨害がない、純粋に無駄のない動きを追及する勝負。趣が違ってこれもまた面白いです。

東方projectの愛らしいキャラクターたちがタッグを組み熱いレースバトルを繰り広げる本作は、オフラインでもオンラインでも、ひとりでも複数人でもそれぞれに楽しみを見出せるゲームでした。難度は高めなものの基本設計はしっかりとしてわかりやすく操作性もいいので、パーティゲームとしても受け入れられやすいのではないでしょうか。一方、オンラインモードではより高みを目指すプレイヤーたちが腕を競い合っており、スキルの高いプレイヤーも退屈することはないでしょう。これからもアップデートでコースやキャラクターがさらに追加される予定だそうです。今後の展開にも目が離せませんね。

フォトギャラリー
幻走スカイドリフト ロゴ

■タイトル:幻走スカイドリフト
■メーカー:illuCalab.
■対応ハード:Nintendo Switch™、Steam®、PlayStation®4(後日配信予定)
■ジャンル:アクションレーシング
■対象年齢:12歳以上
■発売日:発売中(2019年12月12日)
■価格:ダウンロード版 2.980円(税込)


『幻走スカイドリフト』オフィシャルサイト

© illuCalab. 2020