Interview

瀧川ありさが説得力を増した音楽を提示できるようになった心境の変化

瀧川ありさが説得力を増した音楽を提示できるようになった心境の変化

2015年のメジャーデビュー以来、「Seasons」(TVアニメ「七つの大罪」エンディングテーマ)「さよならのゆくえ」(TVアニメ「終物語」エンディングテーマ)「色褪せない瞳」(TVアニメ「七つの大罪 聖戦の予兆」エンディングテーマ)などのヒット曲を送り出し、確実に注目度を上げているシンガーソングライター、瀧川ありさ。カラフルな情景のなかに繊細な感情を投影した楽曲、ポップな華やかさと美しい憂いを併せ持った歌声は、音楽ファンの間で高い支持を得ている。 今回のインタビューでは11月にリリースされた1stフルアルバム「at film.」、そして、2017年1月から2月にかけて行われる全国ワンマンツアーを中心に、メジャーデビュー以降の心境の変化、この先のビジョンについても語ってもらった。


取材・文 / 森朋之


2016年11月にメジャー1stフルアルバム「at film.」がリリースされました。メジャーデビュー以降の音楽性の広がり、感情の変化がリアルに感じられる作品だと思いますが、瀧川さん自身はこのアルバムをどう捉えていますか?

メジャーデビューから1年8カ月経ってリリースしたアルバムということで、わりと時間を掛けての1枚目だったと思うんですよ。でも、そのおかげで自分のなかで成長できた部分をちゃんと提示できているのかなって。“満を持して”良かったと思っていますね(笑)。

“成長できた部分”というと?

デビューから1年くらいまでは、焦りもあったし、バランスが取れてなかったんですよね。もともとせっかちな性格だし、肩に力も入っていたんですが、2年目に入ってから――5枚目のシングル『色褪せない瞳』をリリースした時期ですね――いい意味で肩の力を抜けるようになってきて。その状態でアルバムの制作に入れたのも良かったですね。『Sugar』みたいなちょっとユルい感じの曲も作れたし、それがアルバムのなかでいい味になっていて。もっと前にアルバムを作っていたら、攻めた曲が増えていたかも(笑)。深呼吸も出来るようになったし、しっかり足場を固められたという実感もあります。

at_sub03_s

以前は自分ひとりで背負い込んでいたのかも。

そうですね。“ソロなんだから、全部自己責任だ”って思っていたし。活動を続けるなかで、いまはまわりのみなさんと一緒にやっているという気持ちになれて。音楽的もいろんなことをやってみたいんですよね。中心はバンドサウンドですけど、せっかくソロでやってるんだし、枠に捉われないほうがいいなって。ふだん聴いてる音楽も様々なので。J-POPも聴くし、オルタナも聴くし、サントラやアジアの音楽も好きなので。一貫しているのは、聴いていて映像が浮かぶような音楽が好きなんですよね、もともと。

アルバムの収録曲のなかでは、「日々モノクローム」と「花束」が特に印象的でした。

「日々モノクローム」はネガティブな心情がまっすぐに表現された楽曲ですよね。
「ポジティブな要素はまったくないですね(笑)。3年くらい前に書いた曲なんですけど、そのころは希望を歌うことがまったくなかったんですよ。もしかしたらこれが自分の素の部分なのかもなって。

「日々モノクローム」では“街もわたしも変わらないよ/変われないよ”と歌っていますが、「花束」には「変わらない強さよりも/変わっていく勇気を持ちたい」という歌詞があって。この変化がアルバムのリアルなストーリー性を担っているのかな、と。

そうかもしれないです。(4thシングル)『Again』くらいまでは、言霊を託していたところもあったんですよ。希望を込めた歌を歌うことで、自分自身も納得しようとしていたというか。でもアルバムの最後に『花束』を作ったとき、初めて歌詞を書いているときから希望を実感できて。それも成長できた部分だと思いますね。

at_sub01_s

“実感としての希望”を込めることできたのはどうしてだと思いますか?

やっぱり自分の音楽を聴いてくれるみなさんのおかげだと思います。“私が歌う希望の歌を聴いて、日々がんばっています”という声を聞いたときに、わたしが暗がりではダメだなって…。もともと人間性が斜めってるんですけど(笑)、歌う側の人間が実感を持って歌わないと、説得力がないと思うんですよ。私が好きなアーテイストの方もそうなんですよね。佐野元春さんもザ・ブルーハーツ(甲本ヒロト)も、人として説得力があるから、希望を歌ってもしっかり伝わってくると思うので。歌い続けていくためには、私もそうなりたいと思って……それが変われたきっかけでしょうね。

アーティストとしてはもちろん、ひとりの女性としても大きな変化ですよね、それは。

そうですね。もっと人と関わっていかないといけないとも思ったし。2016年の目標は“友達を作る”だったんですよ(笑)。

そうなんだ(笑)。結果はどうでした?

いままでの人生に比べたら、相当がんばりました(笑)。思い切って自分からゴハンに誘ったり、わりと勇気を出した1年でしたね。そこで話したこともためになってるし、人とつながることで自分が明るみになることもわかって。

メロディもさらにカラフルになっている印象がありますが、作曲に対するスタンスも変化しているのでは?

曲を作り始めた頃は抑揚が少ないメロディが好きだったんですよ。でも、活動を続けていくうちに“自分の声質には合わないな“と思って。”もっと高いところ(音域)までいける“みたいなアドバイスをもらっていたんですけど、最近やっと自分でもそれが掴めるようになってきたんです。自分に似合うものは何か、自分の声が活きるものは何か?ということも考えられるようになりましたね。あと、プロとしては、みなさんが求めている曲を作りたいという気持ちも出てきました。

at_main02_s

2016年6月には初の東名阪ツアーも開催しました。

みなさんが笑顔で聴いてくれている姿がすごく印象に残っているし、ありきたりですが“支えられてるんだな”と改めて思いましたね。アマチュア時代は自分の音楽をなかなか受け入れてもらえない状況があって、ライブに対して軽くトラウマがあったんですよ(笑)。でも、メジャーデビューして、自分の音楽を聴いてくれる人、ライブを観に来てくれる人が増えて。やっぱり“このままじゃいけない”と思ったし、ヘンにカッコつけないで、自分自身を曝け出していくべきだなって。MCでもすごくしゃべれるようになったんですよ。何を言っても受け入れてくれて、笑ってくれる優しい人たちばかりなので。

もしかして本来は目立ちたくない性格ですか?

年々そうなってます(笑)。いまも自分が目立ちたいというのはそれほどなくて、みんなに楽しんでほしいというほうが先なんです。“みんなで一緒に楽しいことをやりましょう”というスタンス。だから、ライブのMCでも笑わせようとしちゃうんですよね。

この後もライブが続きますね。まず12月16日(金)には「mora」ハイレゾ配信3周年を記念したイベント「mora presents Hi-Res Fresh Live“Juicy”Vol.3 supported by WALKMAN」に出演。

このイベントはアコースティック・スタイルなんですよ。ハイレゾとはまた違った良い音を届けられたらいいなと思ってます。

そして2017年1月から2月にかけて福岡、名古屋、大阪、東京で「ワンマンライブツアー2017 “at film.”」も開催されます。どんなツアーになりそうですか?

まず“アルバムを引っ提げて”と言える喜びがありますね(笑)。前回のワンマンライブから半年以上経って、私のマインドもかなり変わってきているので、いまの自分を目撃してほしいなって思います。『at film.』というタイトル通り、映像的な世界観を持ったアルバムだと思うので、いろんな景色を思い浮かべてもらえるようなライブにしたいですね。

「mora presents Hi-Res Fresh Live “Juicy” Vol3 supported by WALKMAN®」に出演する3組のアーティストanderlust、瀧川ありさ、Leolaが集合

ライブ情報

ワンマンライブツアー2017 “at film.”
2017年1月18日(水)福岡・INSA
2017年1月20日(金)名古屋・SPADE BOX
2017年1月21日(土)大阪・ESAKA MUSE
2017年2月4日(土)東京・渋谷DUO –Music Exchange-

瀧川ありさ

1991年、東京生まれのシンガーソングライター。 奥田民生率いるユニコーンをはじめ、CHEMISTRY、ゴスペラーズ、最近では西野カナといった人気アーティストを発掘してきた伝説のスカウトが惚れたグロッシーヴォイスと、風景を描くように紡ぎだされる歌詞とメロディーが魅力。
2015年3月、アニメ「七つの大罪」のエンディングテーマ「Season」でメジャーデビュー。
同年7月に2ndシングル「夏の花」をリリース。さらに「SUMMER SONIC 2015」へ初出演を果たす。
11月にはアニメ「終物語」のエンディングテーマとしてロングヒット中の3rdシングル「さよならのゆくえ」をリリース。
女子高生100人が選ぶ「クルコレランキング」で、デビュー曲から3作連続で1位を獲得。
同年11月に、初のワンマンライブをTSUTAYA O-nestにて開催。チケットは即日完売となる。
2016年2月には、原宿アストロホールにて2ndワンマンライブを開催。1stワンマンと同じく、即日即完となる。
2015年の活動が評価され、「第30回日本ゴールドディスク大賞」新人賞獲得。
2016年6月に開催された恵比寿LIQUIDROOMを含む初の東名阪ワンマンライブツアーのチケットがソールドアウトするなど、ライブアーティストとしてもシーンの内外から熱い注目を集めている。

オフィシャルサイトwww.takigawaalisa.com