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世紀のカルチャー・アイコン、ボウイの魅力を体感する大回顧展「DAVID BOWIE is」開幕!

世紀のカルチャー・アイコン、ボウイの魅力を体感する大回顧展「DAVID BOWIE is」開幕!

2017年1月8日、デヴィッド・ボウイ大回顧展「DAVID BOWIE is」がついに開幕する。イギリス・ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館のキュレーター、ヴィクトリア・ブロークス、ジェフリー・マーシュが監修し、75,000点に及ぶデヴィッド・ボウイ・アーカイブの所蔵品のなかから300点以上のアイテムを展示した「DAVID BOWIE is」がロンドンでスタートしたのは2013年のこと。ヘッドホンで音楽やインタビューなどを合わせて鑑賞する体感型の展示方法(たとえば「レッツ・ダンス」のミュージック・ビデオが映されているモニターの前に立つと楽曲が聴こえてくる)も話題を集め、ロンドンでは32万人を動員。その後、カナダ、ブラジル、ドイツ、アメリカ、フランス、オーストラリア、オランダ、イタリアの計9か国を回り、ついに今年、ボウイと縁の深い日本での開催へとたどり着いた。

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音楽、アート、ファッション、映画をはじめとする様々なカルチャーを取り入れ、1960年代から2010年代に至るまで、常に斬新なクリエイティビティを体現してきたデヴィッド・ボウイ。めまぐるしい変化と進化を繰り返しながら、世界中のファンを魅了し、裏切り、賛否両論を巻き起こしてきた彼のキャリアを追体験できる「DAVID BOWIE is」だが、その見どころを挙げればキリがない。「ジギー・スターダスト」、ベルリン三部作(「ロウ」「ヒーローズ」「ロジャー」)などの名作にまつわる展示、若き日のアレキサンダー・マックイーン、山本寛斎、ジョルジオ・アルマーニなどが手がけたステージ衣装、ボウイ自身の手によるステージセットのスケッチや自画像、さらにベルリン在住時のアパートの鍵からコカイン中毒に陥っていたときに肌身離さず持っていたという小さなスプーンまで、あまりにも貴重すぎるアイテムがズラリと並んでいるのだ。
また1972年7月6日にBBC「トップ・オブ・ザ・ポップス」出演時の「スターマン」の歴史的パフォーマンスの再現、四方に積み重ねられたスクリーンで彼のステージングを体感できる「ショウ・モーメント」など、ライブに焦点を当てたコーナーも大きな見どころ。日本オリジナル展示の「David Bowie Meets Japan」(北野武、坂本龍一両氏が「戦場のメリークリスマス」で共演した際のエピソードを語る)も見逃せないだろう。

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80年代に青春時代を過ごした筆者ももちろん、ボウイの洗礼をたっぷり浴びている。「レッツ・ダンス」「チャイナガール」のミュージックビデオに釘付けになり、“戦メリ”で教授にキスするシーンが脳裏にこびりついた挙句、ボウイに押し倒されて夢精するという経験を持っている私にとって彼は、絶対に目が離させない存在であると同時にまったく捉えどころのないアーティストだった。私が最初の買ったボウイのアルバムは「レッツ・ダンス」(1983年)だったのだが、その後に「ジギー・スターダスト」を聴いて「ホントに同じ人?」と驚き、さらに「ダイヤモンドの犬」(1974年)「ヤング・アメリカン」(1975年)と聴いていくうちに、その音楽的な変化の大きさに「この人の頭、どうなってんだ?」と混乱してしまったのだ。希代のパフォーマーであると当時に自分自身がメディアであり、エディターであり、キュレーターでもあったボウイ。今回の「DAVID BOWIE is」によって、その驚異的な多面性、デビューから最後の瞬間まで、一瞬もひとつ場所に留まることがなかった創造性を改めて認識できたことは、ひとりのファンとしてもきわめて大きな出来事だった。

スターマインの衣装と「トップ・オブ・ザ・ポップス」の映像©Eikon / G.Perticoni

スターマインの衣装と「トップ・オブ・ザ・ポップス」の映像
©Eikon / G.Perticoni

その圧倒的な情報量ゆえ、1回見ただけで全貌を網羅することは不可能なのだが、個人的にもっとも心に残ったのは、1960年代にソロアーティストとしてのキャリアをスタートさせた時期の展示だった。ロー・ティーンの頃からモダンジャズに触れ、ビート作家たちの作品に傾倒していたデヴィッド・ロバート・ジョーンズ少年。ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズをはじめとする英国の音楽シーンの躍動に刺激を受けた彼はバンド活動にのめり込み、「ディヴィー・ジョーンズ・ウィズ・ザ・キング・ビート」名義のシングル「Liza Jane」でデビューを果たす。その後“デビッド・ボウイ”と名乗った彼は、音楽理論、ソングライティング、レコーディングをほぼ独学で会得し、先鋭的なアート、ファッション、思想に積極的にアプローチすることで、デヴィッド・ボウイとしての振る舞いを自ら作り上げていく。どこにも存在しない、圧倒的なポップスターになる――そう、10代のデヴィッド少年のなかに存在した強い決意こそが、20世紀最大のポップアイコン誕生の瞬間だったのだ。

アレキサンダー・マックイーンと共同でデザインしたコート ©Eikon / G.Perticoni

アレキサンダー・マックイーンと共同でデザインしたコート
©Eikon / G.Perticoni

音楽はもちろん、ポップカルチャー全般、ファッション、アートに大きな影響を与え続けているデヴィッド・ボウイ。「DAVID BOWIE is」でぜひ、彼のクリエイティブの源、思考の変遷、それを独自の表現として具現化するプロセスを追体験してほしいと思う。そこであなたは自分自身の人生の創造性を高めるための、きわめて大きなヒントを得ることになるはずだ。

取材・文 / 森朋之

「ショウ・モーメント」セクションの展示©Eikon / G.Perticoni

「ショウ・モーメント」セクションの展示
©Eikon / G.Perticoni

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DAVID BOWIE is デヴィッド・ボウイ大回顧展

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スーパースター、デヴィッド・ボウイのすべてを、貴重な作品や衣装、音楽と映像で、完全マスター。 世界が熱狂した奇跡の展覧会を見逃すな。 2013年に英国の芸術とデザインの殿堂、 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催されて以来、世界9都市を巡回。 約150万人を動員した 『DAVID BOWIE is』 が、アジア唯一の開催地となる日本に上陸する。 この壮大なスケールの回顧展には、 デヴィッド・ボウイのキャリアを網羅する300点以上の貴重なアイテムが集められ、誰でもなりたい人間になれるのだと教えてくれた不世出のアイコンが、人々をインスパイアし続ける理由を解明。 マスコミの絶賛を浴び、 ファンを熱狂させ、 各地で大ヒットを博した最高のロックンロール・ショウ。

【開催概要】
期間:2017年1月8日(日)~4月9日(日)
休館日:毎週月曜日(但し1/9、3/20、3/27、4/3は開館)
会場:寺田倉庫G1 ビル(天王洲) 東京都品川区東品川二丁目6番10号
開館時間:10:00~20:00(毎週金曜日は21:00まで。入場はいずれも閉館1時間前まで)
料金:一般 2,400 円(2,200 円)/中高生 1,200 円(1,000 円)※( )内は前売り、小学生以下は無料。
主催:DAVID BOWIE is 日本展実行委員会
企画:ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)
オフィシャルサイトhttp://davidbowieis.jp/

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大回顧展『DAVID BOWIE is』日本開催を記念し、ボウイのアナログLP盤4タイトルが完全生産限定の輸入盤国内仕様アナログLPとして、カラー・レコード、180g重量盤、日本語帯、解説、歌詞、対訳付の仕様で2017年1月11日に発売されることが決定!
4タイトル発売:『ヒーザン』、『リアリティ』、『リアリティ・ツアー』、『ザ・ネクスト・デイ』