LIVE SHUTTLE  vol. 92

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SILENT SIRENがレーベル移籍、3月新作発表、6月からツアーと、第2章のスタートを宣言

SILENT SIRENがレーベル移籍、3月新作発表、6月からツアーと、第2章のスタートを宣言

Silent Siren 2016 年末スペシャルライブ Dream on!
2016.12.30 東京体育館

2016年12月30日、SILENT SIRENは東名阪を巡るツアー「Silent Siren 2016 年末スペシャルライブ Dream on!」のファイナルとして東京体育館公演を行った。

振り返ればちょうど1年前、2015年12月30日にも彼女たちは同じステージに立っていた。そのときのライブタイトルは「覚悟と挑戦」。ガールズロックバンドとして邁進していくことの“覚悟”と、さらなる高みを目指すための果敢なる“挑戦”を存分に詰め込んだそこでのパフォーマンスには彼女たちの強い決意が鮮やかに滲んでいた。その結果、それ以降の活動――2016年3月リリースされ、チャート3位を獲得したアルバム「S」、それを引っ提げて行われた初の横浜アリーナ公演を含む「Live Tour 2016 Sのために Sをねらえ そしてすべてがSになる」、そしてロスやサンフランシスコ、台湾など5ヵ国6都市を周った「S WORLD TOUR 2016」――ではこれまでにも増して力強く、輝かしい足取りを刻んでいたし、バンドとしての地力は目指すべき場所に向かってメキメキと確実に高まっていったように思う。

そんな2016年の活動の集大成として、2年連続で挑んだ東京体育館公演。ライブタイトルが示しているように、“夢”という大きなテーマを掲げて描き出した圧倒的なステージは、4人が手に入れた1年分の大きな成長を感じさせるに十分すぎる内容であるのと同時に、未来に向けての新たな光も見せてくれる内容となっていた。

SILENT SIREN

開演時間となり客電が落ちると、SILENT SIRENのマスコットキャラクターであるサイサイくんが登場するアニメーションが流され、今回のライブが“夢を抱き続けることの大切さ”“夢を実現するための努力”をテーマにしていることが明確に伝えられる。その後、紗幕が開くとステージ上にはカラフルに彩られた大きなバルーンが現れ、それが弾けた瞬間、すぅ、あいにゃん、ひなんちゅ、ゆかるんの4人が姿を見せた。大きな歓声が巻き起こる中、演奏がスタート。1曲目は「Stella☆」だ。雲をモチーフにしたステージセットや白を基調とした衣装などによる視覚的効果も相まって、会場は一瞬でドリーミーな世界へと誘われる。8000人のサイファミ(サイサイファミリー=ファン)で埋め尽くされた会場に、笑顔を振りまきながらハッピーな音の粒を舞い散らせる4人。演奏のスキルアップはさることながら、その瞬間を楽しみつくさんとするバンドとしての姿勢がこれまで以上に感じられる。だからこそ会場にはしょっぱなから最高の笑顔が溢れていくのだ。その相乗効果で生まれていく一体感が心地いい。

SILENT SIREN

ファンタジーを感じさせる中毒性の高いロックチューン「LOST.W」と、会場中がジャンプ&クラップで応戦したポップチューン「ラッキーガール」を連発した後、初のMCへ。

「ここにいるみんなはファミリーだから! 一緒に楽しんでいきましょう」(ゆかるん)
「(会場の広さを実感しながら)この距離を感じさせないくらい今日は繋がっていきましょう!」(すぅ)

すぅの「繋がる」というキーワードを受けて次に演奏されたのは「Ring Ring Ring」。楽しい振りで一体となる客席とさらに密に繋がろうと、すぅがステージから伸びた花道に駆け出して演奏するシーンも。彼女たちが想いを込めて奏でる音と歌が隅々まで浸透していくさまが目に見えるようだ。「女子校戦争」「八月の夜」では、ロックバンドとしての側面をストレートに叩きつけ、東京体育館をライブハウスのような熱気に包み込んでいく。ゆかるんが繰り出した「女子校戦争」でのオルガンソロには心底シビれた。ひなんちゅのタイトなドラミングと、あいにゃんのカラダ全体を使ったグルービィなベースが疾走感を生んでいく「八月の夜」も最高だった。ギターボーカルとして存在感を増しているすぅのプレイにも目を見張るものがあった。

SILENT SIREN  

思い返せば、デビュー以来サポートギターを迎えてライブをしていたサイサイが、4人だけの音で勝負するようになったのは1年前の「覚悟と挑戦」からだった。4人だけ闘っていくことを決めた“覚悟”。それは、あの時点では間違いなく“挑戦”だった。だが、今の彼女たちの演奏に物足りなさは一切ないし、頼もしく力強いアンサンブルがそこには生まれている。そんな視点で見てもこの1年で遂げた成長は大きなものだったように思う。

中盤ではライブで恒例のサイサイコーナーが用意されていた。今回は事前にサイファミから募った“夢”をサイサイが叶えていく内容に。2ショットで写真を撮ったことがないというカップルにはステージ上でその機会を、サイサイがきっかけで出会い結婚に至ったという2人にはウェディングソング「ハピマリ」の生演奏がプレゼントされた。バンドとしての夢に向かって突き進みつつも、同時にファンの夢をも叶えようとするサイサイの心意気。どんなにバンドが大きくなって、様々な変化をしていったとしても、ファンとの近い距離感を保っていたいという彼女たちの思いはきっとこれからも変わらないのだろう。

サイサイコーナーでほっこりとしたムードになった後は、雪の降る映像をバックに、せつないラブソング「恋い雪」を。続いてはインディーズ時代の名バラード「セピア」を、撮り下ろしのミュージックビデオとともに届けてくれた。「セピア」に関して、すぅは「いい曲すぎる!」と声を荒げ(笑)、ゆかるんは「これを機にインディーズの曲ももっと聴いてもらおうかな」と嬉しい発案をしていたが、大賛成。インディーズ時代の2枚のアルバムからの曲がライブで披露されることを願う僕らの“夢”を今度はぜひ叶えてもらいたいものだ。

SILENT SIREN

「ライブの序盤から“夢”について歌ってる曲ばかりやってきましたが、気づきました? セットリストも今回はこだわって作ったんです」(すぅ)

そんな発言の後には、引き続き“夢”を描いた「ユメオイ」をプレイ。マンガの吹き出しの中に歌詞が映し出される映像により、そこに込められたメッセージはダイレクトに観る者の心に響いてきた。それを受け取った証であるかのように、光り輝くシンクロライトをはめた腕が大きく左右に振られ、言い表せぬほどの感動的な光景が生まれていたのが印象的だった。「ストロベリームーン」では、すぅの座った三日月形のセットがゆっくりと上昇し、夜空に浮かんだような光景を生み出す。会場の規模を生かした、まさにドリーミーな演出にサイファミたちは歓喜の声を漏らしていた。その後、「恋花」をハッピーに届けると、今回のライブにおける“Dream on!”というテーマや、演出、セットリストなどのアイデアを担当したツアーリーダー、ゆかるんがそこに込めた想いを話し始める。

「私はこのライブに、夢を大切にして欲しい、そういう気持ちを込めました。あきらめないで欲しい。夢見る心を忘れないで欲しい。あきらめない限り、夢は続いていきます」

そして、“夢”を抱くすべての人たちに向けた、サイサイとしての揺らぎなき使命も。

「ネガティブな感情を打ち砕くパワーをサイサイのライブで作りたい。私たちのライブ、音楽でいつでもパワーを送れるようにするから……一緒に夢見ていきましょう!」

SILENT SIREN

その言葉によって会場全体がさらに強固にひとつになると、ライブはテンション高くクライマックスへと突入。DJ YUKAKOO(ゆかるん)のDJプレイに導かれて始まった「DanceMusiQ」では楽しい“♪Na Na Na”ダンスで大盛り上がり。すぅの「サイサイのサイは“祭”のサイじゃー!」の掛け声そのままに、お祭りムードで大騒ぎとなったのは「What Show is it?」。みんなでタオルをぶん回して東京体育館に旋風を巻き起こした「ぐるぐるワンダーランド」。歌詞をそのまま再現したミュージックビデオをバックに、コミカルな世界観をロックに描き出した「吉田さん」。そしてラストは、最強のキラーチューン「チェリボム」を投下、ツアー特設サイトの公募企画から幸運にも選ばれたサイファミによるチェリボムダンサーズがステージ上に登場し、全員がチェリボムダンスを踊りまくって大興奮のまま本編の幕が閉じられた。

SILENT SIREN

会場が暗転すると、スクリーンに重大発表の文字があらわれる。そこで、ユニバーサルミュージック内のEMI Recordsへの移籍と、移籍第一弾シングル「フジヤマディスコ」&メンバーによるセレクションアルバム「Silent Siren Selection」を3月1日に同時リリースすることがアナウンスされると、会場は割れんばかりの大歓声に包まれる。その声を受け再び登場したサイサイは、新曲「フジヤマディスコ」をいちはやく披露してくれた。すぅの軽快なギターのカッティングで始まり、あいにゃんのファンキーなベースフレーズでエンディングを迎えるそのテンション激高の楽曲は、サイサイの新たな幕開けと、新たなキラーチューンの誕生を実感させるものだった。それは、初見であったであろうサイファミたちの盛り上がりが如実に証明していたように思う。
「私たちはガールズバンドのてっぺん目指します。富士山のように誰もが知ってる存在になって、そこからの景色が見たいし、みんなにも見せたいと思ってます。てっぺんは遠いし、いつまでかかるかわかんないけど全力で行くんで、みんなも全力でついてきてください!」(すぅ)

サイサイにとっての第二章の始まりを告げる「フジヤマディスコ」に込めた新たな“決意”と“夢”。それは、オーラスに全身全霊で演奏された「ビーサン」の爽快なサウンドが描き出した真夏の澄み切った青空に向けて高らかに昇っていったような気がした。その瞬間、この日の1曲目に演奏された「Stella☆」の歌詞が頭をよぎる。

<痛いほど手を伸ばして/壊れて動けなくなるまで走るよ>
<そしたらいつか辿り着くよね/あの場所へ>

今はまだ手の届かない、はるか高みにある“夢”を目指して彼女たちはここからも止まることなく走り続けていくのだ。

SILENT SIREN

終演後。スクリーンには、今回の応募で集まった沢山のサイファミの夢がロールアップで映し出され、その中の全国ツアーをやってほしいという夢をかなえる形で6月からスタートする全26公演の全国ツアー「5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR 2017『新世界』」の日程と、ファイナル公演が11月13、14日の日本武道館2デイズであることがサプライズ発表された。このライブをもってバンド名の表記を大文字の“SILENT SIREN”にあらためた彼女たちが描き出す“新世界”とは果たしてどんなものなのか? それを目撃する日が今から楽しみでならない。

文 / もりひでゆき 撮影 / Satoshi Hata

Silent Siren 2016 年末スペシャルライブ Dream on!
2016.12.30 東京体育館 セットリスト

01. Stella☆
02. LOST.W
03. ラッキーガール
04. Ring Ring Ring
05. 女子校戦争
06. 八月の夜
※サイサイコーナー内で「ハピマリ」を演奏
07. 恋い雪
08. セピア
09. ユメオイ
10. ストロベリームーン
11. 恋花
12. DanceMusiQ
13. What Show is it?
14. ぐるぐるワンダーランド
15. 吉田さん
16. チェリボム
<アンコール>
17. フジヤマディスコ
18. ビーサン

リリース情報

「フジヤマディスコ」
2017年3月1日発売

初回限定盤A/CD+DVD 
¥1,944(税込) UPCH-89317
初回限定盤B/CD+DVD 
¥1,944(税込) UPCH-89320
通常盤/CD 
¥1,300(税込)  UPCH-80458

【収録曲】
1.フジヤマディスコ
2.Love Balloon
3.Pandora
4.Days.

初回限定盤A 特典DVD
Silent Siren 2016年末スペシャルライブ Dream on!」12/30(金) 映像(数曲予定)&ライブドキュメント映像
初回限定盤B 特典DVD
「フジヤマディスコ」MV&メイキング映像


『Silent Siren Selection』
2017年3月1日発売

初回限定盤/2CD+DVD 
¥5,184(税込) MUCD-8094/6
初回限定盤B/2CD 
¥3,381(税込) MUCD-1373/4

ライブ情報

SILENT SIREN
「5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR 2017『新世界』」

6月10日(土)埼玉県 戸田市文化会館
6月16日(金)鹿児島県 CAPARVO HALL
6月18日(日)熊本県 熊本B.9 V1
6月22日(木)広島県 広島CLUB QUATTRO
6月23日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
6月25日(日)香川県 高松festhalle
6月29日(木)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
6月30日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
7月2日(日)東京都 EX THEATER ROPPONGI
7月4日(火)石川県 金沢EIGHT HALL
7月8日(土)栃木県 栃木県総合文化センター
7月13日(木)新潟県 新潟LOTS
7月14日(金)新潟県 新潟LOTS
7月17日(月・祝)宮城県 イズミティ21 大ホール
7月25日(火)静岡県 SOUND SHOWER ark
7月26日(水)静岡県 SOUND SHOWER ark
7月29日(土)北海道 CASINO DRIVE
7月30日(日)北海道 わくわくホリデーホール
9月18日(月・祝)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
10月8日(日)福岡県 福岡国際会議場 メインホール
10月9日(月・祝)福岡県 福岡国際会議場 メインホール
10月28日(土)大阪府 大阪国際会議場 グランキューブ大阪 メインホール
10月29日(日)大阪府 大阪国際会議場 グランキューブ大阪 メインホール
11月3日(金・祝)福島県 郡山市民文化センター 大ホール
11月13日(月)東京都 日本武道館
11月14日(火)東京都 日本武道館

SILENT SIREN

すぅ(吉田菫/vo,g)、ひなんちゅ(梅村妃奈子/ds)、あいにゃん(山内あいな/b)、ゆかるん(黒坂優香子)の4名からなるガールズバンド。2012年11月、シングル「Sweet Pop!」でメジャーデビュー。 全員が読者モデル出身。通称“サイサイ”として親しまれ、原宿を中心に女子中高生に人気が広がり、LINEの公式アカウントの登録数は50万人を超える。 2015年1月17日、ガールズバンド史上デビュー後最短で日本武道館でのワンマンライブを開催した。2016年3月には4thアルバム「S」を発表し、そのリリースツアーの最終公演として7月に神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブを成功させた。その後、ロスやサンフランシスコ、台湾など5ヵ国6都市を周った「S WORLD TOUR 2016」を敢行した。2017年3月1日に、ニューシングル「フジヤマディスコ」、メンバーのセレクションアルバム『Silent Siren Selection』のリリースを控えている。

オフィシャルサイトhttp://silent-siren.com/

 

 

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