ALFA MUSIC LIVE Special  vol. 3

Interview

ALFA MUSIC LIVE リハーサル現場へ潜入 ブレッド&バター

ALFA MUSIC LIVE リハーサル現場へ潜入 ブレッド&バター

「音楽活動の中の、アルファ時代が一番大切な時だったと思います」(ブレッド&バター:岩沢幸矢)

ライブ直前のリハーサルで取材に応えてくれたブレッド&バターの二人。 当時の“湘南の不良兄弟”は、年月を経ても、まさに“あの頃のまま“だった。 荒井由実をはじめ、様々なアーティストとの邂逅、ALFAというレーベルへの想いを語る。

<ブレッド&バター>
・岩沢 幸矢(いわさわ さつや)
・岩沢 二弓(いわさわ ふゆみ)

お二人がブレッド&バターをやり始める時に、モデルになったものというのはサイモンとガーファンクルですか?

幸矢 解りやすくいうとそうですね。だけど、あの頃デュエットがはじまって、いろいろといたじゃないですか。〝シールズ&クロフツ〟とか、〝チャド&ジェレミー〟とかいろいろいて、ああいうデュエットが面白いかなと。だから勿論サイモンとガーファンクルが一番解りやすいんですが。僕は、サイモンとガーファンクルを見たんですよ、1967年か68年に、カーネギーホール@NYCでライブがあって。それでいいなって。二弓が既にバンドやってたもので、どう?って聞いたら、彼もちゃんとサイモンとガーファンクル好きだったみたいです。

だと、お兄さんである幸矢さんが誘ったって感じですか?

幸矢 まあそうでしょうね、二弓はバンドをやってたから、その中に僕が入っちゃったんですけど。結局、メンバー全員でやるって、なかなかレコード会社も了解してくれないし、難しかったんですけど、二人だったら和製サイモンとガーファンクルとかって打ち出しもできるだろうと。

大所帯ではないし。

幸矢 二弓のバンドのメンバー達は、ほんとに将来ってことを考えてなったかもしれないし、かといってじゃあ僕らはどうか?って言ったら、僕らも何も考えてなかった(笑)。

二弓さんはいかがですか?誘われた時は?

ニ弓 どっちかというと僕らのバンドに(兄さんが)入ってきたっていう感じだった。僕はそのバンドで本当はやりたかったんです(笑)。でも、筒美京平さんのオーディションを受けたら、結局二人になっちゃった。デビュー曲が筒見さんなんです。

二弓さんは、どういうタイプのバンドやっていたんですか?

ニ弓 一番好きだったのは、ラヴィン・スプーンフル。イーストコーストのバンドが好きでしたね。ウエストコーストよりも。

イーストの方、US東海岸の方が。

ニ弓 そうですね。僕ら、所謂、湘南の田舎者じゃないですか。だから、「都会に憧れた」みたいな、そんな感じです。

僕なんかはブレッド&バターに、湘南のセレブなイメージがあったんです。ソフィスティケイトされた。

ニ弓 (笑)

御兄弟だから、ハモった時の声の奇麗さを筒見さんとかは、解ったんでしょうね。

ニ弓 ですかね。僕たちのコーラスの声は、特にエコーなんて入れると、もう自分たちも解らない位に声が似ちゃいますね。ほんとはかなり違うんですけどね。

それぞれに歌うと違いますよね。

ニ弓 そうなんですよ。だけど二人で歌うとピシッと合うんですよね。

アルファミュージックに所属している時の想い出っていうのものはありますかね?

ニ弓 思い入れですか?

思い入れもそうだし、想い出も。

ニ弓 想い出で一番強いのは、僕らは、最初に入った時に“湘南の不良”って言われて。有賀(恒夫)さんという方にけっこう厳しく音楽トレーニング的なものを受けたんです。それまで僕たち二人で、いい加減にレコーディングしてたし、自分たちの好き勝手やってたんですけど、有賀さんに付いて、初めてプロデュースしてもらうみたいな。「きちっとやれ!」って音程のことばっかり言われて、あげく喧嘩もしちゃって。それで半年くらいブランクがあって。「駄目だから、あいつら湘南の不良だ~」と言われ続け(笑)。そんなことがありましたね。

そこで特訓を受けたんですね。

ニ弓 そうですね。はじめてちょっとまじめにやったみたいな。

幸矢 僕的に思うことは、僕らずっと40何年やってきてアルファ時代っていうのがあって、あそこで“海・三部作”っていうのを作ったんです。有賀さんと制作したんですけど、音楽活動の中の、アルファ時代が一番大切な時だったと思います。あの時代があったから、すっと音楽をやってこれたって感じがある。あの時代に、夕暮れ、湘南、海とかそういうようなテーマがあったから、所謂、僕らのパターンというか、僕らってものを形成されたのはアルファ時代だと思うんですよね。

例えばお二人の「憂鬱」って曲は作詞がユーミンじゃないですか。そのファミリアというか、家族めいたミュージシャンの交流みたいなものはあったんですか?

幸矢 そうですね、ユーミンとは、やっぱり彼女の実家に行ったことがあるくらい。それから僕らの住んでいた湘南にも彼女が遊びに来てくれたこともあったし、彼女はアルファを通して知ったわけですが、アルファ時代の大切な一人ですね。

ニ弓 やっぱり同族っていうか、アルファは特にそうだったんですけど、細野(晴臣)さんとかYMOとか。みんななんかカッコいい、都会的な人たちがたくさん集まってきた。だからちょうど僕たちもそこに入れて良かったな、と。ユーミンもいたし。だから同族な感じがすごくしますね。

で、今回、村井(邦彦)さんのアニバーサリー・ライブのために皆さん集まって、今日リハをやったわけですけど、どうですか、感触は?

ニ弓 やっぱり、みんな年季が入っているからうまいなぁって。(笑)音を出して2回位で決まっちゃうもんね。さすがだなって。それで、過去に一緒にやったことのある人たちばかりだし、曲もみんな知っててくれているから、何にも苦労せずにできました。

ライブも拝見しますので、是非楽しんでがんばってください。

幸矢 はい、ありがとうございます。

ニ弓 ありがとうございます。

本日はありがとうございました。

interview&text / 佐伯 明 photo / 藤城貴則

ブレッド&バター(岩沢幸矢& 岩沢二弓)

1969年「傷だらけの軽井沢」でデビュー。独特のハーモニーでデビュー当初から人気を集める。1970年4月に、「マリエ」がスマッシュヒット。1971年には「ザ・タイガース」の一員であった、岸部シローを迎え入れ三人編成になり、同年4月「野性の馬」をリリース。1972年に岸部シローが脱退し、再び兄弟デュオに戻る。1975年、4枚目のアルバム『MAHAE』をリリース直後に休業宣言。湘南の風のように爽やかに笑って音楽界を一旦去るも、1979年6月、約4年間の沈黙を経て「あの頃のまま」で活動を再開。以来現在までコンスタントに作品を発表し続け、デビュー以来から変わらぬ心地よいヴォーカルとハーモニーで今なお多くのファンを魅了し続けている。

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