Interview

ロックンロールで今を鳴らすgo!go!vanillasが掲げるカルチャー

ロックンロールで今を鳴らすgo!go!vanillasが掲げるカルチャー

フォークの影響を感じさせる歌詞とご機嫌なロックンロールのコンビネーションによって、2016年に大きく飛躍した4人組バンド、go!go!vanillas。さらなる活躍を予感させる2017年最初のリリースであるシングル「おはようカルチャー」がここに完成! ストレイテナーのホリエアツシをプロデューサーに迎え、ボーカル、コーラスの広がりとアイルランド音楽の影響を感じさせるモダンにしてフォーキーなバンド・サウンドによって新境地を切り開き、躍動するタイトル曲は、go!go!vanillasの4人を、そして、リスナーをどこに誘うのか。バンドのフロントマンである牧達弥に話を聞いた。

取材・文 / 小野田雄


ライブという場において、その日、その瞬間だけの“カルチャー”を作ることはできるはず

2017年最初のシングル「おはようカルチャー」のお話をお伺いする前に、昨年1年の活動を振り返っていただけますか?

まず、去年2月にアルバム『Kameleon Lights』を出して、そこから長いツアーもやったし、夏フェスにもたくさん出させてもらって。そして、憧れの先輩バンド、THE BAWDIESとのスプリット・シングル「Rockin’ Zombies」のリリースと秋にはそのツアーもあったんですけど……2016年は一年を通して、『Kameleon Lights』で引き出した自分たちの可能性をライブに落とし込んでいく作業を続けていく過程で、先輩たちから学ぶことがたくさんありました。そこで、経験したこと、学んだことをどうやって楽曲に反映させてお客さんに届けるかということも考えられるようになって、昨年末にはメンバーがタイトにまとまった手ごたえを感じたし、バンドとして、ひとつ上のステップに上がったと思いますね。

go!go!vanillas

go!go!vanillasが音楽を通じて伝えようとしていることの核にはロックンロールの楽しさがあると思います。精力的な活動を続けてきて、その手ごたえはいかがですか?

THE BAWDIESとの対バン・ツアーでROYさんとよく話していたんですけど、英語詞で歌っていることもあってTHE BAWDIESはロックンロールを伝えるために、日本のメインストリーム・シーンを外から壊す作業をしているのに対して、日本語で歌っているバニラズはロックンロールを内側から浸透させることができる、と。僕もそのとおりだなって思ったんですよね。そして、ロックンロールを伝えるうえでは、僕たちがバンドであるということが重要だと思うんです。バンドというのはメッセージを伝える集合体じゃないですか。そんな僕らのライブを観に来てくれる人は大勢いるわけで、仮にロックンロールを知らなくても、目の前のお客さんにまず伝えることで、ライブという場において、その日、その瞬間だけの“カルチャー”を作ることはできるはずだと思って、歌ったり、演奏しているんです。今回のシングル「おはようカルチャー」もそのひとつのきっかけになればいいなって思っているんです。

go!go!vanillas 牧達弥

牧達弥(vocal, guitar)

さらにそういう思いが込められたシングルを作るにあたって、ストレイテナーのホリエアツシさんにプロデュースをお願いした経緯は?

去年、学ばせてもらった先輩には、今回、プロデュースをお願いしたストレイテナーのホリエさんも含まれていて。一番最初にお会いしたのは、ストレイテナーがトリを務めた一昨年の〈Sky Jamboree〉っていう長崎のフェスで、僕たちはトップバッターだったんですけど、そこで初めてストレイテナーのライブを見たら、ホントに格好よくて。最新作の『COLD DISC』にもメンバー一同すごい衝撃を受けたんです。キャリアを積めば積むほど、自覚的になる自分たちの武器や持ち味で勝負すれば、それだけでも高いクオリティの作品が出来るし、お客さんも満足すると思うんですけど、ストレイテナーはそうではなく、その時々の最新形を当たり前のように更新しているんです。しかも、新しいことをやりながら、ストレイテナーはお客さんのことを置いていかない絶妙なバランス感覚も持っているんですよ。それは僕たちが『Kameleon Lights』で目指したことでもあるし、バニラズが理想としているバンド像でもあったので、そのあともホリエさんとはあれこれ話したり、僕たちのライブも観てくれたりという親交があったんです。

go!go!vanillas 長谷川プリティ敬祐

長谷川プリティ敬祐(bass)

それが今回のシングルでホリエさんにプロデュースしてもらうことに繋がった、と。

そうです。今回のシングルを制作する前段階で僕と同じくホリエさんのことが大好きな事務所の社長から提案されて、こちらとしても、もし、プロデュースしてもらえるんだったら、喜んでという感じで、ダメもとでお願いしたら、快く引き受けてくれて。ホリエさんと2人で飲みながら、どういう曲を作ろうかって話をしたんですけど、僕としてはライブでお客さんと共有できる曲であると同時に、ただ単に騒いだり歌ったりするようなものではなく、みんなを圧倒できる新しい何かがやりたくて。そこで思いついたのが、声のパワーを活かした曲だったんです。僕はアイルランドや北欧の音楽が大好きなんですけど、その地域の音楽はラウドに鳴らさなくても、歌のメロディやコーラス・ワークで聴かせるアプローチに長けたものが多いので、そういう曲を目指して、「おはようカルチャー」を作りました。

go!go!vanillas ジェットセイヤ

ジェットセイヤ(drums)

go!go!vanillasのシングルというと、ロックンロールのご機嫌なパーティ・チューンを期待するリスナーも多いと思うんですけど、「おはようカルチャー」の歌とコーラス、アコースティックな、アイリッシュなメロディにはいい意味で期待を裏切られました。

ありがとうございます。自分としても、がむしゃらに前のめりになるだけじゃなく、曲をうまくコントロールしながら、同時にお客さんに熱量をぶつけられる、そんな曲にしたかったんですよね。ただ、そうは言っても、曲の作り方はまったく変わってなくて、最初から最後までメロディの流れや曲構成はほぼ僕が作って、そのうえでホリエさんの提案やアイデアを加えていくという進め方だったんです。作業の進め方に関しては、ホリエさんとの話し合いのなかで、「お互いバンドマンだから、自分が作った曲に土足でずけずけと入ってこられるのは、俺だったらイヤだし、牧もイヤでしょ?」って言われて、「そうですね。それはイヤです(笑)」って答えたんですけど、そうやって、ホリエさんが微妙なバランスを気遣ってくれたことが曲にいい作用をもたらしていると思いますね。

歌詞においては、夜から朝にかけての時間の流れであったり、バンドやカルチャーを含めたいろんな意味での夜明けが歌われていますよね。

そうですね。バンドのライブも基本的に夜から始まるし、僕の場合、曲作りは夜やることが多いんですよ。だから、自分の中で、カルチャーは夜に生まれるもののほうが面白いと思っていて。だから、「おはようカルチャー」の歌詞も朝の歌ということではなく、夜から朝にかけての流れというか、夜明けをイメージして書きました。

go!go!vanillas 柳沢進太郎

柳沢進太郎(guitar)

そして、ギターの柳沢(進太郎)くんがソング・ライティングとボーカルを担当した2曲目「12:25」も1曲目に引き続いてフォーキーな楽曲ですよね。

進太郎があれこれ書いた曲の中から、1曲目の「おはようカルチャー」の流れを受けた2曲目として選んだんですけど、バキバキにハードロックな曲は違うと思ったし、「12:25」はベッドから抜け出せない、生々しい人の有様が映し出された曲なので、フォーキーなサウンドで人間味を出そうと意識しました。結果的に1曲目と2曲目の並びはいい感じに落ち着いたと思います。

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