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白石和彌監督x中田秀夫監督が、日活ロマンポルノの傑作『(秘)色情めす市場』について熱く語る!

白石和彌監督x中田秀夫監督が、日活ロマンポルノの傑作『(秘)色情めす市場』について熱く語る!

ロマンポルノ・リブート・プロジェクトから『牝猫たち』の公開を記念して、日活ロマンポルノの傑作クラシック『(秘)色情めす市場』を上映するイベントが新宿武蔵野館で開催。白石和彌監督と中田秀夫監督が登壇し、作品や田中登監督について熱く語り合った。

『(秘)色情めす市場』はヌーベルバーグのような気迫や凄味のある作品

白石監督は冒頭で「『(秘)色情めす市場』は、ロマンポルノの枠組みから生まれたものですが、日本の映画史に残る傑作、何度も見ている作品でもあります。今日は大先輩の中田監督と話すことができて嬉しいです」と挨拶。日活撮影所出身の中田監督は「田中登監督には、ロマンポルノが終わった後のロッポニカ時代に2本ほど助監督としてつきました。この作品は田中登監督作品の中でも特殊で、モノクロ映像のなか一部パートカラーになる、フランスのヌーベルバークに近い、気迫や凄味のある作品になっていますね」と作品を紹介した。
さらに、中田監督は田中登監督の人柄について、「田中監督は『妖女伝説’88』(1988年日活製作 主演:沖直美)という作品の撮影がおわったあと、「中田くん、映画ってほんとにいいよね」と淀川長治さんのようなコメントを、嬉しそうによくおしゃっていましたね(笑)。2001年には、僕が撮った小沼監督のドキュメンタリー映画のイベントでお呼びした時に、なんで俺じゃなくて小沼なの?という顔を露骨にされました(笑)。1カット1カット気を抜かず、アラベスク的な凝視力があった。台本を見ても、ものすごく几帳面な方でした」と、しみじみ思い出し、エピソードを語った。

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白石監督は、この作品の凄いところを言及。「まず、なぜ西成を舞台にしたのか? と思いましたね。日本で一番、行っちゃいけないところですよ(笑)。昨年、ロケで大阪の西成地区に行ってみたんですが、その日はたまたま生活保護費が支給される日で、ものすごく盛り上がっていました。『(秘)色情めす市場』の当時からここは変わってないんだなぁ…… と。映画の冒頭シーンは、仕込みではなくほぼ本物だと思います」と話し、中田監督も「女優の芹明香さんのお話によると、物騒な人や街で演じなければいけなかったたんだけど、本当に危ない時に守ってくれたのは撮影の安藤さんで、田中監督は遠くの方にいて助けてくれなかったとおしゃってました(笑)」と秘話を語った。

芹さんは当時まだ二十歳。どういう生き方をしたら、あんな演技ができるんだろうな

二人の監督は主演の芹明香さんの話題に移行。白石監督が「芹さんが、この時まだ二十歳だったというのも驚きでしたね。当時の朝日新聞の取材記事を読んだら、「あたしが日活の映画に出ても、儲かるのは日活だけだしさ。ただただ、お酒を飲んでましたよ」と話されていて。どういう生き方したら、あんな演技ができるんだろうなと思いました(笑)」と語り、中田監督は、「一度現場でお会いしましたが、特別な雰囲気を持っている方でした。神代作品の時は、また全然違うし、女優として、きっと憑依型だったんでしょうね。」とロマンポルノの名女優を思い起こした。
そんな話題のなか、芹明香さんからから届いたメッセージコメントがサプライズで公開。そこには白石監督へのエールもあり、白石監督は「鳥肌が立った!」と感激の様子を見せた。

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最後に、白石監督は「当時の日活さんが一般映画を撮ってるだけじゃ飯食えないって時に、リブート・プロジェクトの条件にもありますけど、10分に1回の濡れ場を入れるというロマンポルノのルールが常態化していったと思うんですよね。プログラムピクチャーだった事もありつつ、至極の、世界に誇れる映画が何本も生まれたすごいレーベルだと思います。中田監督をはじめとする監督陣と一緒にリブート・プロジェクトに参加できたことは何より幸せでしたし、“映画ってこういうもの”ということが凝縮している企画だったなと思います。ぜひ新作の方も応援して下さい。」と話し、中田監督は「日活OBとしては、この第1弾が成功して、2弾,3弾と続けてもらいたいと思います。白石監督の言葉を聞いて、空の上の田中登監督もにんまりしていることと思います、超自信家でしたから。俺の作品が一番だろ!?って(笑)」と締めくくった。

クラシック作品から新作まで生きつづけるロマンポルノの歴史を感じるトークイベントとなった。

エンタメステーション編集部

ロマンポルノ・リブート・プロジェクト

オフィシャルサイトhttp://www.nikkatsu-romanporno.com/reboot/


白石和彌 監督作品 『牝猫たち』
2017年1月14日(土)より全国順次公開

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監督:白石和彌
出演:井端珠里、真上さつき、美知枝
音尾琢磨、郭智博、村田秀亮、吉澤健、白川和子(特別出演)
池袋の夜街を漂う3人の女。呼び出された男たちと体を重ね、また夜が明ける。ネットカフェ難民、シングルマザー、不妊症…それぞれの悩みを抱えながら、明日に向かって性活する女たちの群像ドラマ。逞しく生きる女性たちの現在(いま)を白石和彌監督が活写する。


中田秀夫 監督作品 『ホワイトリリー』
2017年2月11日(土)より全国順次公開

ホワイトリリー

監督:中田秀夫
出演:飛鳥凛、山口香緖里
傷ついた過去を慰めあうように寄り添い生きてきた二人の女。彼女たちの秘密に踏み込んできた男によって、それぞれの愛が暴走をはじめるー。ホラー映画の名匠・中田秀夫監督が、レズビアンの世界に挑み、歪んだ愛の果てにある女同士の究極の純愛を描く。


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