vol.5 『FFXI』開発陣とプレイ&インタビュー

Report

開発陣がいまだから話す『FFXI』のXIのこと -後編-

開発陣がいまだから話す『FFXI』のXIのこと -後編-

伝説(後編)は、こうはじまる。すべての起こりは「石」だったのだ、と……。

開発陣を悩ませる、変化球だらけの2万字インタビュー後編! 「いまさら聞けない」、「これ、聞いちゃっていいのかな?」、「ふつうの記事じゃ取り扱えない」……そんな内容の質問にも笑顔で答えてくれた松井さんと藤戸さん。サービス開始から15年という区切りの年、何やら楽しそうなことを画策中!?

取材・文 / 大部美智子


▲プロデューサー・松井聡彦さん(左)とディレクター・藤戸洋司さん(右)。ふたりの人柄のよさがにじみ出ている

Chapter VI あの人はいま……

そうだ、最近めっきり見ないけれど気になる……というNPCはいますか?

 

藤戸  最近めっきり見ないけれど、気になるNPC?(笑)

そうですねぇ、たとえばウィンダスにチャママさんっているじゃないですか。円石を持ってきてほしいと頼まれて持っていくと、「だめね、やり直し!」って何度もつっ返された冒険者も多いあのクエストの。何が判定基準なのかわからないんですが、やたら査定に厳しいじゃないですか。

藤戸 判定基準を知りたいと?(笑)

いやいやいや(笑)。ガルレージュ要塞の魔防門をひとりでも開けられるようになるクエストは、”???”を調べることで程よい重さの石を入手できるんですが、その”???”の位置が魔防門から微妙に遠くって。これをスイッチの上に置くことで門が開くんだろうなって想像はできるんですが、「石なら門の周辺にもたくさん落ちてるじゃん!」と思ったんです。でも、”???”にある石じゃなきゃいけないってことは、魔防門も判定がうるさいのかなって。きっと微妙な重さの違いで門が開いたり開かなかったりするのだろうと。つまり、そのへんに落ちている石だとチャママさんのように「だめね、やり直し!」って石をつっ返すのかなー……と思って。それで、「チャママさん何しているのかなー」って思いました。

藤戸 たぶん漬け物を漬けてますよ(笑)。

松井 彼女は漬け物のイメージだよね。

ララブのしっぽ漬けって、モンスターのララブのしっぽを漬けているんだと……。「チャママさんスゲー……」って昔は思っていました。

藤戸 違いますよ!(笑) 

「ウィンダスの食文化は変わってるなーすごいなー」って。実際は豆か何かでしたっけ?

松井 もやしですね。

藤戸 もやしのお漬け物がふんわりと設定にあるだけですね。実装直前にアイテムを担当していた方とレシピをいっしょに考えたりしていて、おもしろ系のやつはふたりでリアルなレシピを調べてました。おいしそうなもやしのお漬け物のレシピを見つけて、「ピリ辛で」とか、「旨味たっぷりで」とか、「当然塩を使うよね……」という感じでレシピができあがりました。あれを実際に漬けると、そこそこおいしいものができあがります。

▲チャママさんがここまでこだわる漬け物。食べねばなるまい

やってみます。

藤戸 でも重さがね……。

そうか、円石が必要なのか……!

松井 この石じゃだめだ、ベチャッとなってしまう……だめね、やり直し!

もやしが潰れすぎちゃいけないんですよね、きっと。

藤戸 だめですね。

松井 漬かりすぎちゃだめだし、石が軽すぎても漬からないし……。

藤戸 彼女は、限界突破クエストの中で、卵の重さを「これこれ、ちょうどいい」とやるところで出てきますね。あそこで天晶堂とものすごく商談をしているというシーンはありました。どうやって漬け物をジュノに普及させようかと、足掛かりを一生懸命探っている状況が描かれています。

そういえばそうでした!

藤戸 宿屋でしたね、あそこ。食堂じゃない。最近、Twitterで「#FF11」のタグを追っかけているんですが、たまにチャママさんが出てきて、「うちは宿屋だから」みたいなつぶやきをしていて教えられることがあります(笑)。

チャママさんとな●暗はつい読んでしまいます(笑)。

藤戸 彼女はたぶん、そういうところでがんばっている。漬け物を広めようと……。

藤戸 もう広まっちゃってますけどね(笑)。たしかそのレシピにも円石が必要だったと思います。

松井 最初のころ、アイテムの作成は僕がやっていたので、円石と隕石のアイテムの発注を受けてとりあえず作るんですけど……「なんで隕石がいるんだろう」って悩んだり、「ウィンダス周辺にいるモンスターに落とさせてください」って言われて、「どうしてクロウラーが落とすんだろう」って悩んだり、「きっと、クロウラーが葉っぱを消化するために石を飲み込むんだよ」って、そんなことを言いながら設定をするという……。

藤戸 後々になってクロウラーの石を落とすようにしたので、結果的にはそういうことになりましたね。

繋がった!

藤戸 絹糸はあそこのミスラに納品するよりも売ったほうが高いという……そういうことも。たしか絹糸がものすごく高騰した時がありましたよね。

ありましたね。

松井 絹糸……合成レベルが30とか40とかが必要なのに、ウィンダスを出てすぐのところで入手できるという……。

サルタバルタ、いいですよね。クロウラーを狩って絹糸を取って、蜂を狩って蜂蜜と蜂の巣のかけらを採れる……。綿花もありましたね。

松井 ブチッと取らなきゃ。

藤戸 布的にはかなり優れた地域ですね。

そうですね。ヤグードの羽から矢羽根も作れるし、裁縫ギルドがあるのも納得ですね……なんの話でしたっけ?(笑)

松井 あの人はいま(笑)。

藤戸 横道に逸れてすみません……。

ちなみに、フェイス担当のスタッフさんからは、「モンブローさんがこっちを見ている気がします」というコメントをいただきました。実装されるのかしら、ドキドキ。……ところで、釣りギルドのミスラは相変わらずセクシーなんでしょうか?

藤戸 いまもバンバン餌を撒いています。

あのへんの魚は大きくなりそうですよね。

藤戸 でも片っ端からまわりが釣っているので、大きくなる前に釣られるんじゃないかと。

骨細工ギルドのミスラものび~ってしますね。

藤戸 ピーンっとしっぽが長くなってね、そのまわりでバシバシバシバシッて怖~いミスラがウロウロしている……。

最高ですね、ウィンダス。

藤戸 あんなに動きが多彩なのはウィンダスだけじゃないかなぁ? 野外が多いんですよね、ウィンダスって。サンドリアやバストゥークって全て屋内だし。わりとエルヴァーンやヒュームは性格的にしっかりしているというか……ウィンダスはちょっと熱帯風味なところもありますし。

おおらかというか。

藤戸 そういうところがモーションに表れているんじゃないかな。

実況動画を配信していた時にヨアトル大森林でさまよっていたら、「ミスラは地図を書くな」ってコメントをいただいたことがありました(笑)。ヨアトル大森林とかアットワ地溝は絶対にミスラが書いただろうって。とりあえず何があるかがわかればいい、みたいな地図……。

藤戸 ヨルシア森林は絶対そうですね(笑)。

なぜタルタルが書いてくれなかったんだ……!

松井 ミスラは鼻が利くからね。だいたいこの辺っていうのがわかればよかったんでしょう(笑)。

藤戸 調理ギルドとかも、タルタルが大きな鍋を混ぜていたり、エルヴァーンがジャッジャッて炒めていたり……。

最高ですね。

松井 専用モーションっていいよね。

藤戸 ギルドはみんな専用モーションがあるんですよね。ただ、あんなに動きがあるのはウィンダスだけかも? 彫金ギルドもカツカツやったり、ミ”-ッってやってるだけだし……。

松井 サンドリアは木工ギルド前で作業をしている風ではあるね。でもサンドリアはねー、あいつら尊大だから話しかけるとイラッとするんだよね……そんな中、ハルヴァーさんの気さくさがいい。最初は気さくじゃないんですけど、だんだんとデレてくる……。

ハルヴァーさんはいま何をしているんですかね?

松井 何してるんでしょうねぇ……いまだ一所懸命にトリオンの嫁を探しているんじゃないですかね?(笑)

▲お固そうに見えてお茶目な一面もあるハルヴァーさん

来るんですかね、嫁……(笑)。

松井 どうなんでしょうねー(笑)。

消えちゃったキャラっていますか?

藤戸 ウェライが消えましたね。バストゥークの剣豪というか、とても強いキャラで、過去にはよく出てくるんです。それが初期はバストゥーク鉱山区の街中に立ってたんですが、お話の中でウェライが旅に出ているので、そこにいるのはおかしいということになって、消えることになりました。

過去では会える?

藤戸 過去のお話では出てきますね。20年前の戦時中。

松井 いなくなったNPCはあんまりいないよね。拡張エリアの入口の前で、「ここから先は通さん」みたいな感じで立っていたNPCはもしかしたら消えちゃったかもしれないけど、あまり気にしたことがなかった。コロロカの前には、「このたび冒険者に開放されることになった」って言っているNPCはいましたね。

藤戸 基本的には増える一方ですね。増えすぎて名前を考えるスタッフたちが大変だなって思います。

バックナンバー