Interview

日本とハワイという2つの島が紡ぐ新しい地平。B'z松本孝弘 最新作インタビュー(後編)〜アルバム全曲解説

日本とハワイという2つの島が紡ぐ新しい地平。B'z松本孝弘 最新作インタビュー(後編)〜アルバム全曲解説

“2つの島”の出会い……Hawaii meets Japan、Japan meets Hawaii。
島という同環境に存在してきた異なる2つの要素=人物が、音楽という表現を通して、いとも自然にカップリングした時、どういうものになるのか? その問いに対する、ひとつの答えが『Electric Island, Acoustic Sea』である。松本孝弘が本作を通して見極めたかったこと、そして味わいたかったことを、聞いた。

インタビュー後編では松本孝弘による全曲解説をお届けする。

取材・文 / 佐伯明


「Soaring of Dreams」

これはもう、Tak Matsumoto & Daniel Hoの取っ掛かりでした。頭に何かイントロダクション的なものを付けたいと思ってあとで足したんですけど、曲のオープニングが付いてすごく良くなったと思う。このアイディアをダニエルさんに言ったら、最初はエディットして付けてきたんですけど、やっぱり結局エディットだからあるものをそのままペーストしているので、それだけだと物足りないので、僕もいろいろ新たなパートを足して、形にして。

なるほど。取って付けた感がなくなったってことですね。

うん、全然なくなりましたね。

これ、いわゆるフュージョン系のアレンジじゃないですか、ダニエルさんもこういうフュージョン系みたいなものは好きなんですかねえ。

たぶん体にあるんじゃないですか? 僕はこういうタイプの曲は書けないから。こういうアレンジメントもできないし。

じゃあダニエルさん、普通にしていて書けるかどうかはわからないけど、ちょっと「やりたいな」と思うとこういうのも書けるのかな。

そうじゃないですかね。だから、ダニエルさんがギターインストを書くとたぶんこんな感じなのかなあって。一番最初だったので、そういうふうに思いましたね。

昔のクロスオーバー、フュージョンの感じ。

そうですよね。

「Fujiyama Highway」

これはダニエルさんが三線を弾いていて。

もうちょっとメロウな感じで行くのかなと思っていたら、ダニエルさんが「Adrenaline UP!」を持ってきたので、「じゃあこの手の曲を増やしたほうがいいかな」と思って書いたのがこれだったんですね。本当は間奏のところって延々僕がずっと1人で弾き倒してたんですよ。で、ダニエルさんが三線のバッキングを入れてきたから、「これをソロでもやろうよ」と。延々ギターじゃなくて、パートを2人で分けて、掛け合いみたいにしようって言って、あのソロパートに入ったんです。

ダニエルさんは、三線とか家で弾いているんですかねえ。

どうなんですかね。全部家で録ったんだとは思いますよ。

「Infinite Escapade」

これはダニエルさんが2曲目に持ってきた曲で。これもちょっとフュージョンっぽいじゃないですか。で、「あー、こっち系かあ」と思ってたんですけど……。

ははは。こっち系か(笑)。

ダニエルさんがガイド代わりに全部仮でエレキギターでメロディを弾いてくれてたんですよね。で、僕がそれを弾き直して、少しらしくなった。いいメロディだし。

そうですね。あとは、Takトーンが生きてますよね。

「Magokoro (True Heart)」

これもTakトーンがキレイなんですよ。

これはダニエルさんも絶対僕がプレイするっていうことをすごく念頭に置いて書いたんだと思うんですよね。でも、すごくメロディ自体が音数が少ないので、けっこう難しいんですよね。伸びてる間が長いじゃない? だから、これはけっこう難しい。

確かに、1音の持続時間が長いからね。

僕がこういう曲を書くと、たぶんもう少しメロディを詰め込むんですよ。だけどこれはやっぱり、非常に難しかったですね。

でも、ダニエルさんは、このフレーズをTakに弾いてほしいと思ったんじゃないですか? 詰め込まない。

うん、詰め込まないねえ。まあホントに、これは難しい。

でもキレイですよ。

そうですか? ありがとうございます。

「Faithfully」

これはジャーニーのジョナサン・ケインが書いた曲で。

これはもうダニエルさんが好きで。あと「詞の内容がTakさんをすごく思い出すんだよねえ」って言っていて。聴いたらすごく彼の声にも合ってるし、歌ものがひとつあるのもいいし、いい曲だしみんな知ってるし(笑)、これはやりましょうよと。逆に僕がどういうギターを入れようかなとちょっと迷いましたよね。

そうですね。

これもけっこう難しかったな。

一応ジャーニーの原曲を聴いて考えたんですか?

いや、これは聴きませんでした。ついこの間、「そういえば原曲を聴いてみよう」と思って聴いてみましたけど、これを弾くときは聴かなかった。だって、聴いちゃうと、やっぱりニール・ショーンのフレーズにとらわれるじゃないですか。

そう、引っ張られると思うんですよね。

でも、オリジナルも聴いてみて、僕とダニエルさんだったらこういう感じでもいいかなあと思いましたね。

カバーをやるとダニエル色って出ますよね。「あ、そうなんだ、立ち位置ここなんだ」みたいな。