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[Alexandros]、王道J-POPに向かっても「全然あり」「むしろあり」な理由

[Alexandros]、王道J-POPに向かっても「全然あり」「むしろあり」な理由

初期の作品は歌詞が主に英語。改名する前のバンド名はオアシスの曲名からつけたという説もある。そのオアシスに限らず、洋楽からの多大な影響を公言し、また実際に音にもそれが表れており、かつそのようなフェイバリット・アーティストのカバーをライブで披露したりもする。で、目標はグラストンベリーでヘッドライナーをやること──。

つまり、思いっきり洋楽志向であり、海外志向であり、J-POP志向ではなかった[Alexandros]が、ここ1~2年でその方向性に留まらない、王道J-POPどまんなかを大手を振って突き進む曲を書き始めたことに、個人的に違和感を感じない理由。正確には何年前だったか、どこの会場だったかは忘れてしまったが、確か赤坂BLITZとかリキッドルームくらいのサイズのイベントに[Alexandros](という名前ではまだなかった)が出ていた時の話だから、1~2年くらいではなく、もっと前だと思う。 ライブ中の曲間に、ほかのメンバーがチューニングかなんかしている時に間をもたせようとしたのか、川上洋平がアドリブでギター1本で弾き語りを始めたのだが、それがMr.Childrenの曲だったのだ。で、すっごくよかったのだ。MCの流れで、ふと思いついて1コーラスだけ歌ってみました、みたいなノリだったんだけど、とてもハマっていたし、なおかつ自然だった。
川上洋平、帰国子女で英語ペラペラだし、やってること洋楽まんまだし、と当時の僕は思っていたので、びっくりした。で、「へえ、こういうJ-POPどまんなかな方向でも全然輝く人たちなんだ?」と、バンドへの認識を新たにした。
で、その新たになった耳で改めて聴き直すと、それまで彼らが作ってきた曲たちにもその萌芽があることに、気づいたりもした。
直後に川上洋平にインタビューする機会があったので、そのへんのことについても訊いてみたが、「え、そうですか? だってミスチル、曲すごくいいじゃないですか」くらいのリアクションで、僕が驚いたこと自体にピンときてない様子だった。つまり、天然に、自然にやっている、ということだ。

というわけで。JR東日本「JR SKISKI 2016-2017」のCMに起用されている新曲「SNOW SOUND」と、昨年11月リリースの最新アルバム『EXIST!』収録曲であり映画『きょうのキラ君』主題歌になった「今まで君が泣いた分取り戻そう」の2曲収録の両A面ニュー・シングルも、メロディックで、ドラマチックで、力いっぱいシンガロング向きで、そして堂々と真正面からポップなのだった。これでいいと思うし、これがいいと思うし、これからもこういう感じでつっ走ってほしいと思う。
考えたら、彼らが曲タイトルからバンド名をいただいたほど大好きなオアシスも、英国で、いや世界規模で、徹底的に大衆的なロック・バンドだったわけだし。
そういえば、結成当初はオアシスの影響を取り入れてみたんだけど、自分たちがやってみたらどうもハマりがよくなくて、そのまましばらくやってみたもののいい感じにはならないので、「好きだからってそのままやりゃいいもんじゃない」と判断して、違う音楽性へシフトして現在に至る──という話を、前述のインタビューの時に川上洋平に訊いた。この2曲のうち、特に「今まで君が泣いた分取り戻そう」に関しては、「これ、遂に達成できたんじゃない?  [Alexandros]流のオアシス感が」と、アルバムで最初に聴いた時、思いました。

文 / 兵庫慎司

ライブ情報

[Alexandros] Tour 2016―2017  ~We Come In Peace~

2月11日(土祝)・12日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2月17日(金)・18日(土) Zepp Osaka Bayside
3月04日(土) 福岡国際センター
3月11日(土)・12日(日) 沖縄 ナムラホール
3月25日(土) 香港 Music Zone@E-Max
4月01日(土) 韓国 sangsangmadang
4月08日(土) 台北 Legacy
4月09日(日) 高雄 LIVE WAREHOUSE
4月22日(土)・23日(日) 幕張メッセ国際展示場 9-11 ホール

[Alexandros]

2007年本格始動。2015年よりユニバーサル ミュージックとグローバル契約を結び、3月に10th Single「ワタリドリ / Dracula La」をリリースし、オリコンウィークリーシングルランキング初登場5位を記録。6月には約2年ぶりとなる5枚目のフルアルバム「ALXD」をリリース、オリコンウィークリーアルバムランキング初登場3位を獲得。12月に11th Single「Girl A」をリリース、オリコンウィークリーシングル初登場3位を獲得。7月には2度目の日本武道館単独公演を成功させ、全国各地の音楽フェスに数多く出演しヘッドライナーも務める。またMUSE・PRIMAL SCREAM・KASABIAN等の海外アーティスト来日公演のサポートアクトや、アメリカの“SXSW”、イギリスの“THE GREAT ESCAPE”への出演、台湾でのワンマンライブを行っており、オーストラリアSBSラジオのレギュラー番組を担当するなど、海外を視野に入れた活動を続けている。2016年3月30日LIVE DVD&Blu-ray「[Alexandros]live at Makuhari Messe “大変美味しゅうございました”」発売。4月20日2016年第一弾となるDouble A Side Single「NEW WALL / I want u to love me」リリース。11月に発売したアルバム「EXIST!」がオリコン初登場1位を獲得。 現在[Alexandros] Tour 2016〜2017 〜We Come In Peace〜開催中。
オフィシャルサイトhttps://alexandros.jp/

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