LiSA 5th ANNiVERSARY SPECiAL season Ⅳ  vol. 1

Interview

LiSA「失う怖さがあるから、今を大切に生きる」ということ

LiSA「失う怖さがあるから、今を大切に生きる」ということ

昨年11月に横浜アリーナで開催した「LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~」は初の2DAYSアリーナ公演を大成功させ、本年6月にはアリーナツアーも決定しているLiSA。“ロックヒロイン”と称されるそのパフォーマンスは、観るものを魅了するだけではなく、活力のようなパワーまで与えてくれる迷いのない力強いステージングからだと思っている。確実に、そして着実にファンを拡大してきているLiSAの2017年第一弾シングルが届いた。早々に横浜アリーナでも新曲として披露されていたこの楽曲のパワーに圧倒されること間違いなし。この作品に込めたメッセージには、LiSA本人の内面をさらけ出した作品だった。

取材・文 / もりひでゆき


今目の前にあるものが当たり前ではないって

昨年11月開催の横浜アリーナ2daysで先行披露されていた新曲「Catch the Moment」がついにリリースされました。

横浜アリーナで歌ってから3ヵ月くらい経ってるし、間にお正月も挟んで、ミュージックビデオも公開されていたので、自分としてはもうとっくにリリースした気分になってました(笑)。いつもはリリースするまでみんなにどう受け取ってもらえるかなってドキドキする気持ちがあるんですけど、今回はもうこの曲がみんなのものになってる気がするんですよ。大事にしてもらえている感覚がすでにあるというか。

本作は「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」の主題歌として書き下ろされたもの。LiSAさんにとってゆかりの深いアニメ作品だけに、間違いない名曲になっているだろうという期待も大きいでしょうし、必然的に聴き手の愛情も強いものになりそうですよね。

そうですね。長くかかわらせてもらっている「ソードアート・オンライン」という作品との信頼関係はもちろん、その作品が好きな人や私のファンでいてくれる人との信頼関係があった上で生まれた曲だからこそ、発売する前からみんなすごく期待して、ワクワクしてくれていたんだと思います。ここからまたみんなと一緒に、「Catch the Moment」という曲を大事に育てていくことになるのがすごく楽しみですね。

この曲が放つ“瞬間を掴め”というメッセージは、これまでもずっとLiSAさんが大事にしてきたものでもありますよね。それをあらためて今、楽曲に落とし込んだのはどうしてだったんでしょう?

この曲を作る前に映画の伊藤(智彦)監督とお話させていただく機会があって。そのときに「映画が終わって曲が流れた瞬間、隣にいる大切な人に“ありがとう”って言いたくなる作品にしたいんです」っておっしゃっていたんですよ。その言葉を聞いたときに、私が今ここで伝えられるのはこれだなって思ったんですよね。私が生きている姿、歌っている姿からみんなに受け取って欲しい想いは“瞬間を掴め”ってことだなって。

歌詞にある“あと何回キミと笑えるの?”というフレーズが象徴的ですけど、LiSAさんは人生が有限であることを常に強く意識している気がします。だからこそ誰よりも“今”を大切にしている。そういう生き方をするようになった理由って何かあるんですかね?

私には大切なものが最初から全部あったわけじゃないからだと思います。自分自身が歌を歌うという使命をもらうまで、自分が誰かに必要とされるまでの時間がすごく長かったので、今目の前にあるものが当たり前ではないっていう危機感が常にあるんですよ。それは私生活でもそうなんですよね。今がとても幸せな分、すごく臆病なんだと思います。

何かを失う怖さが常にあるっていうことですか。

そう。失うことが怖いのって、人でも物でもそれがかけがえのない大事なものだからこそじゃないですか。私には今、大事な人も大事な物もたくさんあるので、それをなくすのが怖いんです。とは言え、最初からそれがなかったほうが良かったのかって言われるとそんなこともないわけなので、怖いけど今を大切に生きるしかないなって思うんですよね。

そういった想いが詰め込まれた今回の歌詞は、ひとつひとつのワードがものすごく強いですよね。鋭く刺さってくる感じ。

今回はいつも以上に言葉を大事にして書きました。こういうアップテンポの曲の場合、「Brave Freak Out」や「Empty MERMAiD」もそうだけど、音乗りや歌った時の口の気持ち良さを重視して歌詞を書くことが多いんですよ。でもこの曲では、まず何を書きたいかっていう気持ちが先にあった上で、そこに言葉をはめていったんです。歌詞を書く感覚としては「シルシ」とかのバラードに近かったかもしれないですね。

なるほど。だからすごくリアルに響いてくる歌詞になったんでしょうね。

こういう歌詞は脱がなきゃいけないというか(笑)、より素直にならないと書けないのでけっこう大変ではあるんですけどね。でも書き終わったときはすごく達成感はありました。自分が常に思ってる、自分自身の本当の気持ちはここに詰まってるなって思います。メロディもね、言葉をすごく大事にしたメロディを田淵(智也)さんが作ってくれたので、すごく歌いやすかったです。

ミュージックビデオもすごく素敵な仕上がりになってますね。

なんかオシャレですよね(笑)。今まではパワー重視っていうか、どんだけ壊していくかみたいなMVが多かったけど、いろんな方々の表現方法をお借りして今までと違った作品になったと思います。私の表情もナチュラルな感じで。

子供たちが出てくることで、曲の持つテーマがより深みをもって表現されている印象もありました。ちょっとノスタルジックな雰囲気もあって。

事前に、“時”を表現する何かを入れたいっていうお話をさせてもらっていたんですよ。そうしたら監督さんが子供たちを使ってそれを表現してくださって。自分だけの発想だとね、「時計はめる?」「大きな時計の中に入る?」みたいなことになりがちなんだけど(笑)、映像表現のプロの方が参加してくださるといろんなアイデアがでてくるからやっぱりすごいなって思いました。子供たちがいろんな表情をしてくれたことで、曲にまた深みがプラスされましたね。

カップリングには、NHK「みんなのうた」のために書き下ろした「リングアベル」も収録されています。放送も観てましたけど、大人のほうがウルッときてしまう感じがあって。

そうそう。子供の頃って、曲の内容を全部理解するというよりは、“コンピューターおばあちゃん”みたいなフレーズだけが印象に残ってたりするじゃないですか。で、大人になったときにその曲の内容、意味をあらためて知る、みたいな。この曲もそういう曲になればいいなと思ったんですよね。なので、子供たちが口ずさんでくれて、記憶に残るような幸せな魔法の言葉“リングアベル”をたくさん並べてみたんです。

聴き手を引き込むストーリーも見事ですよね。

大人になったときにやっと「あ、あのときのあの感情って恋だったんだな」ってわかる感じというか。私の妄想が炸裂しましたね(笑)。こういうストーリーが思い浮かぶのって、映画好きだからだと思うんですよ。いろんなストーリーの映画を見て、それぞれに好きな場面がたくさんあるので、そういうところから妄想が広がっていくんですよね。

そこには現実の自分の経験が反映することもあるんですか? 歌詞に出てくる“ぶどうのグミ”の件は実際のLiSAさんの行動が影響したようですけど。

あははは。そうなんですよ。前回のツアーのときにずっとぶどうのグミを食べてたんで、それがつい出ちゃいましたね(笑)。あとね、私が昔住んでたアパートの一階にいっつもピアノを弾いてるお姉ちゃんがいて、学校から帰るとその音色をずっと聴いてたんです。そのイメージが今回の歌詞に影響したところはあったかも。妄想の中に今までの経験や現状の自分が折り重なってできたストーリーだと思いますね。

柔らかいタッチのアニメーションもマッチしていましたよね。

そう!めちゃめちゃかわいい映像をつけていただけたのですごく嬉しかったです。初回生産限定盤のDVDにはその映像も収録されてるんで、ぜひ観て欲しいです!

そしてもう1曲。初回生産限定盤と通常盤には「Merry Hurry Berry」という楽曲も。

この曲、めっちゃ楽しくないですか?

うん。メッセージどうこうじゃなく、聴いてるだけで楽しくなるタイプの曲ですよね。

今回は大人から子供まで楽しめるシングルにしたいなと思っていたので、3曲目はそういう楽曲にしました。作曲は前山田(健一)さん。前山田さん楽曲がすごく好きなのでずっとお願いしたいなと思ってたんですけど、元気なアイドルではない私じゃダメかなって勝手に思ってたんですよ(笑)。でも、以前にMAXさんのプロデュースをされたことがあったじゃないですか。

「#SELFIE~ONNA Now~」ですよね。あれは最高でした。

そうそう。ああいうことをMAXさんでやれてしまう方なんだなって知った時に、私でもできるかもしれんって思ったんです(笑)。で、お願いしました。歌詞は古屋(真)さんに大人までみんなが歌って楽しめる言葉をたくさん乗せていただき、アレンジはTom-H@ckさんにLiSAの曲としてロックな音を作っていただきましたね。いやーこれね、レコーディングがめちゃめちゃ楽しかったんですよ。

一聴してその楽しんでる様子は伝わってきますよね。情緒不安定か!っていうくらいパートごとに声色が変化しているのもすごくおもしろかったです。

あははは。グループの場合、メンバーがたくさんいるからいろんな声が入れられるじゃないですか。でも私はソロなので全部1人でやるしかないなと。1人アイドルグループをやりましたね(笑)。

ガヤもたっぷり入ってますしね。

そうそう! 歌詞には書いてないけど全部覚えて欲しい! 間奏の“イチゴイチゴゴロゴロイチゴ~”のところは振り先行で考えたんですよ、現場で(笑)。ライブではみんなにやってほしいですね。

同じ人が歌ってるとは思えないほど、今回はカラーの違う3曲が揃いましたね。

そうですね。自由度がすごい。いろんな色が出ちゃいましたね(笑)。

根が不安症なので(笑)。だから今を大切に生きていく

本作のリリースを経て、6月からは初のアリーナツアー「LiVE is Smile Always~LiTTLE DEViL PARADE~」がスタートします。

はい。今年のワンマンは大きな会場からスタートするので、それをいいものにするためには今回のシングルの曲たちをみんなの中で育てて欲しいし、私自身も育てていきたいなって思いますね。

今回のツアータイトルにはどんな意味があるんでしょう?

“全部を連れていこう!”ってことですね。それ以上は言わないです(笑)。

期待して、想像して待てと。

はい。私の場合、生きている中での気づきからタイトルを決めることが多いんですよ。“メガスピーカー”とかもそうでしたけど、そのときにみんなと一緒に生きている中で感じたことがそのままタイトルになっているので、今回も期待しかしないでくださいね。

了解です。思えば僕が初めてLiSAさんのライブを観たのは2011年の渋谷公会堂でしたけど、そこから約5年でアリーナまで駆け上がってきたわけで。ものすごく順調に歩みを重ねている印象がありますが、ご自身ではいかがですか?

……順調です。いや、順調だって言える過去を作っていきたい気持ちの方が強いかな。“今”っていう意味で考えると、やっぱりいつも不安なんですよ。

今現在を順調だと感じることはない?

そうそう。根が不安症なので(笑)。だから今を大切に生きていくことで、それが過ぎ去った時に振り返って順調だと思えればいいかなって思います。

今振り返るすべての過去は……?

うん、順調だったと思います! って思えるから大丈夫。この先もそれが続いていけばいいなって思うので、まだまだ頑張ります!

リリース情報

Catch The Moment
「劇場版 ソードアート・オンライン ―オーディナル・スケール―」主題歌
2017年2月15日発売

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【初回生産限定盤(CD+DVD)】
SVWC-70233-34 ¥1,800 +税
[収録曲]
1:Catch the Moment
2:リングアベル(NHK「みんなのうた」2016年12月-2017年1月放送)
3:Merry Hurry Berry


■初回生産限定盤特典■
・「Catch the Moment」ミュージッククリップ&「リングアベル」映像収録DVD
・16P撮りおろしブックレット


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【期間生産限定盤(CD)】
SVWC-70235 ¥1,300 +税
[収録曲]
1:Catch the Moment
2:リングアベル(NHK「みんなのうた」2016年12月-2017年1月放送)
3:Catch the Moment -Instrumental-


■期間生産限定盤特典■
・「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」描きおろしイラストミニポスター&三方背スリーブ


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【通常盤(CD)】
SVWC-70236 ¥1,200 +税
[収録曲]
1:Catch the Moment
2:リングアベル(NHK「みんなのうた」2016年12月-2017年1月放送)
3:Merry Hurry Berry


★2/15発売『劇場版 ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-』主題歌のニューシングルより1曲先行配信!★
「Catch the Moment -Radio Edit ver.-」

ライブ情報

2017年アリーナツアー決定!

LiVE is Smile Always~LITTLE DEVIL PARADE~
2017年6月17日(土)神戸ワールド記念ホール(兵庫)
2017年6月24日(土)・25日(日)さいたまスーパーアリーナ(埼玉)
2017年7月01日(土)日本ガイシホール(愛知)
http://www.lxixsxa.com/live/

LiSA

アニソンやJ-POPといったフィールドの壁を超えて、ソリッドなロックからキュートなポップスまでスタイルにとらわれず体現で きる女性ヴォーカリスト=LiSA。 2011年ソロデビュー。以来、シングル9作、配信限定シングル1作、フルアルバム3作、ミニアルバム1作、ライブBD&DVD3作をリリース。数々のアニ メ主題歌・劇中歌を担当、全てのシングルが上位にランクインするヒットを連発。 ラウド系ロックからポップスまでを唄いこなす、変幻自在さが持ち味の音楽性は、アニメファンだけでなくロックファンからも 大きな支持を得ており、数々のアニメフェス、ロックフェス共に出演するアーティストとして、確固たる存在感を発揮している。 観客を興奮の渦に巻き込んで行く圧倒的なライブパフォーマンスは、海外でも高い評価を受けており、その活躍の場は日 本だけには留まらない。また、最近では大ヒット映画「ミニオンズ」で日本語版キャストに抜擢され吹き替えに初挑戦するな ど、様々なフィールドで活躍をする、今最も注目されている女性アーティストの一人。2016年3月23日に初のアナログ盤 「Letters to U」、4月20日には2ndミニアルバム「LUCKY Hi FiVE!」。6/29(水)LiSA初のミュージッククリップ集「LiSA MUSiC ViDEO CLiPS 2011-2015」リリース!8/24(水)には、TVアニメ「クオリディア・コード」OPテーマになっている、待望のニュー・シングル「Brave Freak Out」を発売し、11月26、27日に行われた初の横浜アリーナ公演は大成功をおさめた。

オフィシャルサイトhttp://www.lxixsxa.com/

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