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映画『無限の住人』杉咲花が感謝を語る。座長・木村拓哉とキャスト陣の一体感

映画『無限の住人』杉咲花が感謝を語る。座長・木村拓哉とキャスト陣の一体感

主演・木村拓哉×監督・三池崇史がタッグを組み、沙村広明の人気時代劇コミックを実写化した映画『無限の住人』。先日予告編も解禁され、木村をはじめ豪華キャスト陣による壮絶なアクションも話題となっている。4月29日の全国公開を前に、2月15日、都内で完成報告記者会見が開催され、木村拓哉と杉咲花、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、そして三池崇史監督が出席。過酷な撮影と役作りを回顧しながら、完成の喜びを語った。

取材・文 / エンタメステーション編集部


多く詰めかけた報道陣のカメラのフラッシュが注がれる中、木村、杉咲、福士、市原、戸田、そして三池監督がステージに登壇。伝説の人斬りと恐れられ、“無限の命”を持つ主人公〈万次〉を全身全霊で体現し、新境地とも言える演技で魅せる木村は、「こうやって三池組の一員として、登壇できて嬉しく思っています。もう少しでみなさんに手渡せますので、ぜひ受け取ってください」と笑顔で挨拶。続けて、「喋る言語は日本語ですし、時代劇ですし、撮影場所は京都ですし、“ザッツ・ジャパニーズ”なんですけど、スタッフもキャストのみなさんも、モチベーションの高さが、海外の現場に参加しているような錯覚に陥りました」と、三池組初参加の感想を述べた。さらに「監督をはじめ、スタッフのみなさんのやる気と情熱と、『絶対に面白いものを作る』という、1カット1カットの積み重ねがありました。そこにずっと立ち会えたことも嬉しかったです」と感激の表情で語った。

本作の最大の見どころの一つでもある壮絶なアクションシーンを、全てノースタントで演じた木村。そのアクションについては、「監督の発想、発案にどこまで近づけるかという試みはすごく楽しかったです。撮影自体、共演者のみなさんや、アクションに参加してくださる方々、フレームに映り込んでいるすべての人の情熱が注がれています。怪我に気を付けながらの撮影でしたが、トラブルで自分が怪我してしまったこともありました」と、過酷な撮影現場を述懐。しかし、「それでも絶対に前に進むんだというモチベーションが常にあったので、すごく楽しかったです」と、現場での一体感を、感慨深そうな表情で振り返った。

無限の住人

さらに木村は、撮影現場で三池監督が脚を骨折したことを報告。それに対して監督は、「俺の骨折は老化現象だと思う」とコメントして会場を沸かせつつ、その日はあと2カットの撮影が残されていたが、その日のカットを撮り終わってから病院へ行ったというエピソードを披露し、「骨折なんかに負けない。そういう現場です」と力強く語った。
それを受けて、木村は「そういう状態になられたら、普通は椅子に座られたり、負担をかけないようにすると思うんですけど、ローリングストーンズのステッカーをたくさんはった松葉杖をついて、常に現場にいてくださいました。撮影現場は人がごった返してるので、監督が移動するときは『すみません』と言う所作が普通はありますけど、それは省きたかったらしくて、3日後くらいに、その松葉杖に自転車のベルがついていました」とユーモアたっぷりの裏話を披露し、さらに会場を沸かせた。

そして、「僕の中で大きな存在だった」と木村がコメントするほど、スクリーンの中でも存在感を放っているヒロイン〈浅野凛〉役の杉咲花は、木村との共演について「ほとんどのシーンが〈万次〉さんと一緒なんですが、初めて台本を読んだ時に、集中して現場に臨まないと、と思いながら、不安に思うこともありました」と前置きしつつ、「現場に行くと、木村さんが、カメラに映ってないときでも、私の目線に〈万次〉さんが写っているときは、お芝居をしてくださるんです。怪我をされててもアクションしてくださったんです。それが本当にありがたくて。そのおかげで現場に立って、目の前で起きていることを、受け止めることができました」と、木村への感謝を語った。

一方の木村も、「杉咲さんが演じた〈凛〉がいてくれて、初めて〈万次〉というものが構築できました。彼女を守れればそれでいい、自分はどうなってもいいや、という気持ちで臨みました」と語り、さらに「杉咲さんは、撮影中、終始ご一緒させていただいて、どんな状況でも120パーセントの力で、1カット1カットに挑んでいる彼女を横で感じることができたので、自分も全力で応えたいという気持ちを維持させてくれました。すごく感謝しています」と、杉咲の女優魂に感服しつつ感謝を述べた。

その〈凛〉の親を殺害し、剣客集団“逸刀流”の〈天津影久〉役として、本作で初めて悪役を務めた福士は、「作品のなかでは“悪”として語られていますが、僕自身は“悪”だと思わずに演じました。他の人から見たら“悪”になり得るかもしれないですが、〈天津〉にとってはそれが“善”。無理に“悪”を演じようとはせずに、自分にとっての“善”を極めていこうと思いながら演じていました」と本作の“悪役”との向き合い方を語った。さらに、アクションについて「殺陣といっても、刀ではなく、オノだったので、なかなかその形のもので練習する機会もなかったのですが、その一つでさえ大変だったのに、木村さんが多数の種類の武器を使っていらっしゃったので、純粋にすごいなと思いました。原作もそれが楽しめるポイントなので、見どころだと思います」と、本作の魅力をアピールしつつ、木村に感服していた。

三池監督とは『極道大戦争』(15)以来のタッグとなる市原は、今回の極悪非道な“最恐”の〈尸良(しら)〉について、「役に対してどうアプローチしたらいいのか悩みました」と打ち明けつつ、「ハイエナのような残虐な人間なんです。毎日、ハイエナの残虐な捕食映像を観ていました」と、役への独特のアプローチ方法を披露。そして「スクリーンから、お客様を殴りつけられるようなアクションができればと思っていました」と、撮影当時の意気込みを語った。

そんな市原に対して木村は、「(市原)隼人と当時、LINEの交換したんですけど、既読が一切つかなくて……」と暴露。しかし今回の会見で再会して、市原が携帯の機種変更を行っていたことが発覚。再び、無事にLINEを交換したことを笑顔で報告した。
まさかのLINE未読スルーを暴かれた市原は、木村に対し、「木村さんはマッサージ器具を現場に持っていらっしゃっていて。カメラマンが疲れて首が回らなくなったとき、マッサージをしてあげたりしてたんです。自分のことよりも、周りの立場になって考える。自分の時間を削ってでも。そういう座長は初めてだったので、こういう男になりたいな、と初めて思った」と、座長としての木村を絶賛し、憧れの想いを語った。

“逸刀流”の美しき刺客〈乙橘槇絵〉を演じた戸田は、市原の役へのアプローチ方法を受けて、「私は動物の映像は観なかったです」とユーモアを交えて返しつつ、初めて本格的なアクションに挑んだことについて、「武器をどう使いこなすかの練習がすごく難しくて、いろんなことが勉強になりました。木村さんに『こうやったらもっとかっこ良くなるよ』というアドバイスをいただいて。たくさんの方に救われました」と、撮影現場を回顧した。

この豪華キャスト陣をまとめあげた三池監督は、木村をキャスティングした理由について聞かれると、「最初に話があがったときに、これは木村拓哉以外はあり得ない、という直感というか。それしか考えられなかった。原作を読んでも、そう思いますし。きっとそういう運命なんだと思う」と語り、「これくらいのキャストが揃うと、役者同士で高まっていくんです。芝居を通して、人生を賭けてぶつかり合う訳ですから。以前と以後では、能力が全然違う人になっているというのは、改めて感じました。役者として生きている人たちは面白い、すごいなと思いました」と、本作のキャスト陣を絶賛した。

また、原作者・沙村広明から寄せられた「原作者としてこれ以上のものがないと言い切れる映画に仕上がっています」という最大級の称賛コメントが読み上げられると、三池監督は「ホッとしてます。まずは第一段階クリアかなと。」と安堵の表情。「ただ、非常に高いハードルだったと思います。この漫画をどうやって映画化するんだ、と。でも、みんな生き生きと、それぞれのキャラクターをそれぞれに解釈して、演じることを楽しんでるので、それも伝わったんだと思う」とキャストを称賛しながら、原作者からの太鼓判への喜びを語った。

最後に木村は、「観ていただく際には、この映画に携わったすべてのスタッフの名前がスクリーンに表記されるエンドロールが終わるまで、ぜひすべてを受け取ってから劇場をあとにしてほしいです」と、全キャストとスタッフの想いと熱意を伝え、会見を締めた。

映画『無限の住人』

2017年4月29日公開

かつて100人斬りと恐れられた伝説の人斬り〈万次〉。罠にはめられて妹を失い、生きる意味を失ったとき、謎の老婆に無理やり“永遠の命”を与えられてしまう。〈万次〉は斬られた傷は勝手に再生し、死にたくても死ねない“無限の体”になってしまった。 永遠の時をただ孤独に生き続けるだけだった〈万次〉の前に、ある日、剣客集団“逸刀流”に親を殺された少女〈浅野凛〉が現れ、仇討ちの助っ人を依頼される。〈凛〉に亡き妹の面影を重ねた〈万次〉は、無限の命を使い、用心棒として〈凛〉を守ることを決意。しかしそれは、不死身の〈万次〉をも追い込む予想外の戦いの始まりだった……。

【監督】三池崇史
【原作】沙村広明(講談社『アフタヌーン』所載)
【脚本】大石哲也
【音楽】遠藤浩二
【出演】
木村拓哉
杉咲花 福士蒼汰
市原隼人 戸田恵梨香 北村一輝
栗山千明 満島真之介 金子賢 山本陽子
市川海老蔵 田中泯 / 山﨑努
【主題歌】MIYAVI「Live to Die Another Day – 存在証明 -」(UNIVERSAL MUSIC)

【配給】ワーナー・ブラザース映画

オフィシャルサイトhttp://wwws.warnerbros.co.jp/mugen/

©沙村広明/講談社 ©2017映画「無限の住人」製作委員会


原作本 『無限の住人』
無限の住人

沙村広明 (著)
講談社 / アフタヌーン