映画『一週間フレンズ。』  vol. 3

Interview

映画『一週間フレンズ。』川口春奈が語った「いることが当たり前ではない友達の大切さ」

映画『一週間フレンズ。』川口春奈が語った「いることが当たり前ではない友達の大切さ」

「何度忘れられても、君が好き—。」
累計150万部を突破し、TVアニメ化・舞台化も果たした葉月抹茶のベストセラー・コミック『一週間フレンズ。』が遂に実写化された。
一週間で友達の記憶がリセットされる障害を持つ藤宮香織(川口春奈)と初めて会った日から香織に惹かれていた長谷祐樹(山﨑賢人)が織りなす純愛スト―リー。記憶がリセットされる毎週月曜日、祐樹は香織に会いに行き、「また友達になってください。」を繰り返すーその二人の距離が徐々に縮まっていく佇まいに心打たれる。また、“友達”という存在をこの映画で考えさせてくれる。
今回、月曜日になると、友達のことを忘れてしまう記憶障害を持つヒロイン・藤宮香織を演じた川口春奈にこの映画について語ってもらった。“友達”というものが、かけがえのない存在であるということが訊けた貴重な話となった。映画『一週間フレンズ。』で川口の演じる香織が一生懸命に自分、そして友達と向き合う姿に心打たれるに違いない。

取材・文 / エンタメステーション編集部
撮影 / 荻原大志


自分が想像していたよりも、もっと切なくなりました

川口さんが香織役について、最初に原作、脚本を読まれて、まず思われたこと、そして、どの辺を軸にして演じたいと思われましたか?

原作は、このような特殊な設定で、なんかありそうでないような…。勝手に想像していたよりも切なさが強い作品だなと。まあ脚本を読んでもそう思ったし、実際演じてみたらもっと苦しくなるような。香織の心情を日常の中でちょっとずつ成長していく姿を演じようと思いました。

最初にシチュエーションを聞いた時よりも、台本読んだら更に切なかったし、演じてみたら更に切なかったということですね。

そうですね。試写観て、自分が想像していたよりも、もっと切なくなりました。

川口春奈

香織自身をどんな女の子にしていこうとか思っていましたか?

やっぱり人に言いたくないことを常に抱えていること、それぐらいのものが心に常にココロにあって、何をするにもそれがよぎって、異性まで受け付けないくらいまで追いこまれているというものが軸にして、山﨑さん演じる長谷君との付き合い方へどう向き合おうかなと考えました。香織が抱えていることは絶対忘れてはいけないという、そこは常に気にしながら、思いだしながら演じようと思いました。

同時にもともとの彼女の明るさとか笑顔が出るシーンがありますよね。そういうところも意識されていましたか。

そうですね。そもそものキャラクターが、感情が豊かな方ではないし、ふらっと見せる笑顔とか仕草ひとつを、他の役に比べて気にしながら演じていました。

一週間の後半になれば、記憶が蓄積されていくんですが、演じる上で気にされた点はありますか?

月曜日に記憶がリセットされるんですが、月曜日が近づけば近づくほどやっていて苦しかったり、切なかったりして、“早く月曜日が来ないかな”みたいな気持ちにもなりました。演じる曜日によって微妙に印象が違ってましたね。そこは意識しました。

川口春奈

友達関係ってどういうものなんだろうって考えさせられたんですが、今回のように一週間区切りで友達になっていく設定の一方で、友達関係は想い出を積み重ねてどんどん深くなっていくものだとも思っているのですが、今回の香織と祐樹の関係は川口さん自身はどう思われましたか?

せっかく近づけた、思いだせた、もう一度知りたいと思った次の日に記憶が真っ白になるという二人は、どうしようもないくらいはたから見てて切ないですね。この二人は切ないですけど、普通の女の子だったら、友達っていいなあと思うくらいだと思うんです。香織の場合はそうじゃなくて、友達になることそのものがやってみて苦しかったです。演じる上で、自分自身にリアリティが沸かない時には先生にお話しを聞いたり、想像してみたりして、香織の気持ちを理解するようにしました。

先生に話しを聞くというのは?

監修の先生がいらっしゃいました。香織のような方は、カウンセリングを受けたりとか、テストをしたりとか、定期的にあるんですよ。劇中にもあるんですが、いろいろなケースの方がいらっしゃるみたいなので、監修の方にお話しを聞くと、気持ちがわかった上で演じられるというのがありましたね。

山﨑さんとの共演についてもお聞きしたいんですが、初共演ですよね。今回の山﨑さんの演じた役がこちらが持つイメージとちょっと違うキャラクターだったんですが、川口さんが山﨑さんに持たれていたイメージと今回の祐樹の役として共演してみてどうでしたか?

山﨑さんは、長谷君役がすごくはまっていたんですよね。自分がそういう風にしか見えなくなってきて。山﨑さんが長谷君をやることで、自分も引っ張られた部分もありますし、初めてでしたけど、役者さんとして、より仕事して、より知る機会になり、素敵な俳優さんだと思いました。

川口春奈

今回共演で相手役が山﨑さんだと聞いてどうでしたか?

同い年で、凄い興味があったし、どうなるんだろうって楽しみの方が大きかったですね。

川口さんが一番好きなシーンはどこですか?

そうですね…学校のシーンが必然的に多くなるんですけど、よく下駄箱って出てきますよね(笑)。下駄箱でどぎまぎと、みんなに見られている中で、見られないようにかくすみたいな…定番ですけど、それを見てくれた人がキュンとしてくれたらうれしいなと思います。日常にあるからこそリアリティがあって、好きなシーンですね。

難しいと思うんですけど、もし自分が香織のように、一週間で記憶がなくなってしまうというようなことだったとしたら、川口さんも香織のように周囲との関係を断ってしまいますか?

想像だけでいうと、香織以上に書く…書いて思い返して思い出すという、忘れちゃったり、人間関係を断つということは絶対できないです。だから自分がそういう病気だと理解していればしているほど、あとで思い出すことができることをすると思います。

川口春奈

人を信じるとか、人を受け入れたり、人を頼ったり、ゆだねたりということも大事なのかなって

でき上がりの作品の空気感がきれい、美しい作品だと思ったのですが、川口さんご自身ができ上った作品を観て、ご自身の想像以上だと思われたところありますか?

なんだろなぁ~……?照明とか凄く凝ってるんですが、どう影響して絵が出来上がるかは現場ではあまりわからないんです。でも上がった映像をみると、“あっ!”って思うシーンがありました。雨が降ったり、雪が降ったり、夏の設定とか、そういう情景だったり、季節にメリハリがあって。演じている時はどのような映像に仕上がるかわからないんですけど、映像を観て、見ている人の気持ちにすごく寄り添っている背景も、お芝居と一緒に必要なんだなぁと感じました。

川口さんが学園祭とか卒業式とかご自身のエピソードとして何か残っている想い出はありますか?

学祭は出たことがなく、あまり学生の行事は経験できずだったので、「こんなに楽しいのかっ!」って思いました(笑)。いいなぁって。いろいろな人に出会えて、自分がこうだって思っていたことが覆すような人がいたり、影響されたりとかで凄く大事な時期なんだと思いました。夏もみんなで夏祭り行ったり、学園祭というのはうらやましいですね。

疑似体験として楽しかった?

楽しかったですね。

学園祭とか何か出し物をやるとしたら何やりたいですか?

特にないです。(笑)…甘いやつ…チョコバナナとか(笑)。

川口春奈

いつの時代もきっかけを作ってくれるのは友達というフレーズがありますが、川口さんにとって友達ってどのような存在ですか?

友達そんなにいらないって最近まで思っていたんですけど、めっちゃ友達って大事だなって今は思ってます。

何かきっかけがあったんですか?

いや、特にないんですけど。そもそもあまり友達はいないので、一人でいいしなぁって思ってたんですけど、数少ない友達と過ごす時間はかなり大事だし、自分が落ち込んでたり、悩んでいたりする時もそうだし、逆にテンション高い時も常に見てくれているので、自分の良き理解者だと思い、やはり大事だなって思います。

普段の生活の中で、20歳を超えて、ちょっとずつ友達の大事さが変わってきたと…

結果頼るところが、いつも友達だったりするので、いて当たり前って思ってしまいがちですけど、全然そんなことはなく、本当に寛大な心で受け止めてくれる人がいるのは当たり前じゃないなぁって、すごく思いました。

川口春奈

香織は、周囲との関係を断っていて、クールな一面があると思うのですが、その一方で優しい一面もあると感じたんですが、川口さんと香織の共通点、似ているなと思うところはありましたか?

似ているなと思うところはなかったですけど、自分がそういう状況だったら、こういうことをする気持ちはわかるなとか、そういう目線では考えましたけど、自分とは全然違うキャラクターだったので、似ているところの方が少なかったと思います。

川口さん自身はどんなタイプなのでしょうか?

もっともっと社交的です!人見知りますけど、いろいろなところに興味があるので、もっと知りたい知りたい、聞いて聞いてって感じの方のタイプだと思います。

プロダクションノートに、山﨑さんが「とてもいたずら好きで面白い人」と川口さんの印象を語っていますが、何かいたずらしたんですか?

基本、人をイジるの好きなんで(笑)。その中でもターゲットになったのは松尾さんとかですね~あとはいたずらはしてないですけど、「話したい、知りたい」って思うので、“ねぇねぇ”って話しかけたりしてました。それがちょっとしつこかったのかなって、その山﨑さんの印象からは(笑)。

後半の屋上のシーンは演じていて難しかったですか?

かわいそうでしょうがなかったので、あまり長谷君の顔は見れなかったですね。長谷君に対して「ごめんね」という気持ちはもちろんあるんですけど、その時の素直で正直な気持ちであることは間違いないので、そこが一番苦しいシーンでしたね。

川口春奈

やる前に難しいシーンになるなという思いはなかったですか?

あのシーン自体が自分の想いをさらけ出すシーンだったので、難しいというよりも気持ちが忙しい、いろんなことを想うシーンでもあるので。ちょっと解決したなと思ったら、また何かが出てきたり。でもあの時長谷君に自分の気持ちを言えたというのは、香織にとっての成長だったんだと思います。今まで絶対人に言えなかったことを長谷君に言えたのは何か変わったポイントなんだと思います。

友達との関係から、少しずつ成長して、なにかを乗り越えている香織の姿がとても印象的な作品ですが、これからの香織を想像してみていかがでしょうか?

人ってそう簡単には変われないと思うんですが、ちょっとずつ変わってきているということは、例えば、人を信じるとか、人を受け入れたり、人を頼ったり、ゆだねたりということも大事なのかなって、時に甘えてもいいんだって、香織は長谷君に出会って感じてきたと思うので、香織の考え方もそうだし、これからの人生も変わっていくんじゃないかなと思います。


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川口春奈

1995年生まれ。長崎県出身。07年、雑誌「ニコラ」のモデルとしてデビュー。TVドラマ「東京DOGS」(09/CX)で女優デビュー後、「初恋クロニクル」(10/BSフジ)でドラマ初出演。「桜蘭高校ホスト部」(11/TBS)の劇場版(12/韓哲監督)にて、映画でも初主演を果たす。その他主な出演作に、『絶叫学級』(13/佐藤徹也監督)、『ナゾトキネマ マダム・マーマレードの異常な謎~出題編・解答編~』(13/中村義洋、鶴田法男、上田大樹監督)、『好きっていいなよ。』(14/日向朝子監督)、『幕末高校生』(14/李闘士男監督)、『クリ―ピー 偽りの隣人』(16/黒沢清監督)、『にがくてあまい』(16/草野翔吾監督)などがある。
オフィシャルサイトhttp://www.ken-on.co.jp/haruna/

映画『一週間フレンズ。』

2017年2月18日(土)公開

3一週間フレンズ。レギュラーB1P

何度忘れられても、君が好き—。
「一週間で友達の記憶を失くしてしまう彼女」と、「彼女と毎週友達になると決めた僕」の特別な恋物語(ピュア・ラブストーリー)。
高校2年生の長谷祐樹は、初めて会った日から惹かれていた同級生・藤宮香織に、思い切って「友達になってください」と声をかける。が、香織は必死で祐樹を拒む。実は彼女には“友達のことを一週間で忘れてしまう”という記憶障害があった。
それでも香織のそばにいたいと願い、毎週月曜日、記憶がリセットされるたびに、香織に会いに行く祐樹。二人は交換日記をはじめて、少しずつ距離を縮めていく。そんなある日、香織の過去を知る転入生が現れて……。

監督:村上正典 脚本:泉澤陽子 
原作:葉月抹茶「一週間フレンズ。」(ガンガンコミックスJOKER/スクウェア・エニックス刊)
主演:川口春奈 山﨑賢人
松尾太陽 上杉柊平 高橋春織 ・ 古畑星夏 伊藤沙莉
甲本雅裕 国生さゆり 岡田圭右(ますだおかだ) 岩瀬 亮 ・ 戸次重幸
主題歌:「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」/スキマスイッチ
配給:松竹株式会社

オフィシャルサイトhttp://ichifure.jp

©2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会

原作コミック 一週間フレンズ。

★原作漫画「一週間フレンズ。」:コミック1巻書影
一週間フレンズ。1巻

葉月抹茶 (著者) 
スクウェア・エニックス
ガンガンコミックスJOKER
©2017 Matcha Hazuki/SQUARE ENIX

主題歌 奏(かなで)

0008384057.200
スキマスイッチ
奏(かなで) for 一週間フレンズ。

※2017年2月15日New Album「re:Action」リリース!

アニメ『一週間フレンズ。』

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