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TBS「世界ふしぎ発見!」でお馴染みの考古学者・河江肖剰がピラミッドの新事実を語ったイベントレポート

TBS「世界ふしぎ発見!」でお馴染みの考古学者・河江肖剰がピラミッドの新事実を語ったイベントレポート

2月7日、都内某所にて電子書籍・コミックストアReader Store主催の読者参加型トークイベント「ナショナル ジオグラフィック×Reader Store 河江肖剰が迫る!ピラミッドの最新事実」が開催された。
河江肖剰(かわえ ゆきのり)氏は、実地調査に先端技術を駆使することで知られる新進気鋭の考古学者。調査に基づく膨大なデータを活用した河江氏の研究は世界各国から注目を集めている。
本イベントは、2016年12月に出版された河江肖剰氏の新著「河江肖剰の最新ピラミッド入門」(日経ナショナル ジオグラフィック社)の電子化を記念したもので、Reader Storeにて期間限定で発売されたチケット付き書籍を購入した約100名の読者が参加した。


河江肖剰の最新ピラミッド入門

著者:河江肖剰
日経ナショナル ジオグラフィック社


トークショーのために河江氏が登壇すると、会場から大きな拍手が巻き起こった。

冒頭、『中学か高校くらいの頃、あるテレビ番組を見たのがきっかけでエジプト、特にピラミッドに興味を持ちました』と自身の馴れ初めから話し始めた河江氏。その番組内容は‟ギザのピラミッドの中に、未知の空間があるのでは?”というもの。今現在、河江氏はミューオン(日本)、サーモグラフィー(カナダ)、ドローン(フランス)などの先端技術を用いた複合計測調査によって、その‟未知の空間”の謎に挑んでいる。『実は30年前に私がテレビで見たことに、不思議なご縁で関わることになっているんです』と語る河江氏の瞳は、まるで冒険心に溢れた少年のように輝いていた。

河江氏は初めてピラミッドを訪れた1992年当時の心境を振り返りながら、ピラミッド研究に携わるようになった経緯を説明。観光地としてのピラミッドの姿に幻滅しそうになりながらも現在に遺されたピラミッド建設当時の人々の痕跡に興味を抱くようになったこと、そして、『自分の進む道みたいなものを示してくれた』という論文「クフ・プロジェクト」との出会い……。まるで河江氏の軌跡を追うような時系列のトークに、観客は真剣に耳を傾けていた。

「クフ・プロジェクト」は河江氏の師にあたる考古学者マーク・レーナー博士の研究成果で、ピラミッドを‟人間が作った巨大建造物”として考えたときに生じるであろう‟人間の動き”にスポットを当てているという。河江氏が簡潔に説明した言葉を拝借すると『単に‟石を下から上にあげた”という話ではなく、ピラミッド建設を‟プロジェクト”として見たもの』だ。マーク・レーナー博士のチームの一員として、実際にギザの発掘調査に従事した河江氏だけに、同論文に基づいた興味深い研究成果の話が連続。建設当時の人々が生活していたと思われる「ピラミッド・タウン」の発掘により明らかになった古代エジプト人の生活様式の話に、観客たちも興味津々の様子。会場中が4000年前のエジプトに思いを馳せた。

続いて、最近耳目を集めている‟未知の部屋”に関する話題を中心に、最新の研究結果が語られた。「ミューオン」という素粒子をX線のように活用する名古屋大学との研究、「世界ふしぎ発見!」撮影時の未公開映像を交えたピラミッドの石の計測、世界初となるドローンを用いた空撮から導き出された超最新データの公開など、本イベントでしか聞けない激レアな情報が盛りだくさん! 今現在、世界で一番ギザのピラミッドのデータを所有しているという河江氏が語る、‟最新のピラミッド像”に大興奮のままトークショーは幕を閉じた。

第2部では、河江氏による超レアな三択クイズ大会を実施。よく‟「世界ふしぎ発見!」のクイズは、ご自身が考えているんですか?”と質問されるという河江氏だが、なんとクイズ問題を制作するのは初めてなのだとか。現在、ピラミッド研究の最先端を行く河江氏のクイズだけに、難問が連続……。3問のクイズに対し、全問正解できたのはわずか5名という結果に。見事に勝ち残った観客には、河江氏のサイン入りポスターが贈られた。

 

最後に第3部として、河江氏への質問コーナーが設けられ、読者からの熱い質問が続出。エジプト旅行の予定がある方へのアドバイスからピラミッドにまつわる疑問まで、優しい言葉で的確に回答する河江氏と観客のやり取りが続き、とても暖かい空気のままイベントは終了の時間を迎えた。

本イベントの翌日に、再びエジプトに向かった河江氏。今後も河江氏が挑む、ピラミッドの最新情報から目が離せない。

河江肖剰(かわえ・ゆきのり)

1992年から2008年までカイロ在住。エジプトのカイロ・アメリカン大学エジプト学科卒業。2012年、名古屋大学で歴史学の博士号を取得。名古屋大学大学院 文学研究科附属 人類文化遺産テクスト学研究センター共同研究員。米国古代エジプト調査協会(Ancient Egypt Research Associates, Inc.)調査メンバー。ピラミッド研究の第一人者マーク・レーナー博士のチームに加わり、ギザでの発掘調査に10年以上にわたり従事。人文科学と自然科学の融合を目指した新しいアプローチによって、ピラミッドの構造を調査する産学共同プロジェクトGiza 3D Surveyを推進中。2016年ナショナル ジオグラフィックのエマージング・エクスプローラーに選出。新著『河江肖剰の最新ピラミッド入門』(日経ナショナル ジオグラフィック社)を2016年12月に発行。