映画『一週間フレンズ。』  vol. 4

Interview

映画「一週間フレンズ。」主題歌、スキマスイッチ「奏」の誕生秘話

映画「一週間フレンズ。」主題歌、スキマスイッチ「奏」の誕生秘話

映画「一週間フレンズ。」が公開された。この映画は、一週間で友達の記憶のみ忘れてしまう記憶障害を持つ藤宮香織(川口春奈)と初めて会った日から香織に惹かれていた長谷祐樹(山﨑賢人)が織りなす純愛スト―リー。記憶がリセットされる毎週月曜日、祐樹は香織に会いに行き、「また友達になってください。」を繰り返すーその二人の距離が徐々に縮まっていく佇まいに心打たれる。
その映画に寄り添っている主題歌が2004年に発表されたスキマスイッチの代表曲「奏(かなで)」である。13年経った今、この映画の主題歌に起用された理由は映画を観ればうなづける。映画主題歌に際して、当時の雰囲気は残しつつ、新しいバージョンで制作された。映画の内容に沿って創ったのではと錯覚するほどにハマっている。この楽曲はどのような環境下で誕生し、今回の映画バージョンにはどこにポイントを置いたのか、2人に聞いた。
これからも歌い続けられる名曲誕生の瞬間を知って、映画を楽しんでほしい。

取材・文 / エンタメステーション編集部


「次でいいのが出来ないとまずい状況になる」と言われた中での崖っぷちの制作

この楽曲は難産だったんですよね。歌詞面、サウンド面、タイトルに至るエピソードを教えてください。

大橋 「奏(かなで)」は当時歌詞を10回以上書き直してやっと出来た楽曲です。最後の落とし所がなかなか見つからず、2人で話し合っていく中で、このシチュエーションでの女子の気持ちが上手く描けたらこの曲はちゃんと着地して完成するという結論に至り、2人とも女兄弟がいるので電話したり、女友達に電話したりして、実際にリサーチして作り上げました。

常田 デビューシングル、ミニアルバムとなかなか奮わず、次の曲でいいのが出来ないとちょっとまずい状況になる、と言われた中での崖っぷちの制作となり、作り込みすぎと言われてもいいからとにかく今持てる力の全てを結集して新曲を作ろうという空気がありました。でもそんな中でコーラスレコーディングの時に僕がインフルエンザになってしまい迷惑をかけたことが今でも鮮明におぼえています。歌詞は僕の家のコタツで二人で作ったり、スタジオの別室に卓弥がこもって書いたりして、ありとあらゆる場所でひたすら書いてた記憶があります。

この楽曲は2004年3月にリリースされ「出会いと別れの季節」というキーワードにピッタリはまったこの楽曲、モチーフになった出来事はあったんでしょうか。

大橋 実体験ではありませんが、2人とも愛知県から上京してきているので、なんとなくその時の心境を盛り込んだりはしています。

常田 記憶としては上京組なので、帰郷したりまた東京に帰ってきたりの時の駅の状況はかなり身近だったので、その影響は大きいと思います。

「奏(かなで)」は2004年に発表された楽曲です。13年の時を経て、映画「一週間フレンズ。」の主題歌となりましたが、今振り返ってスキマスイッチにとって、この楽曲の持つ意味はどのようなところだと思いますか。

大橋 僕たちの名前をたくさんの人に知ってもらうきっかけになった曲でもあるので、自分達で作った曲ですが、「奏(かなで)」に感謝してたりもします。
そしてやっぱり色んな場面で歌う機会も多い曲なので、その時その時の自分の歌い方でいつも歌っていて、毎回歌うとその時々で違う事を感じさせてくれる曲なので不思議な曲だなぁと思ったりもします。

常田 デビュー間もない時期にあんなに集中して作れる環境を用意してもらえたこと、そして気長に待ってくれたスタッフ、さらに無名の新人の曲を広めてくださったラジオや有線などのメディアの皆様、そして受け止めてくれたリスナーの皆様、その全ての人たちとデビュー間もない僕らを繋げてくれた曲だと思います。ただ感謝が大きすぎたのか、その影響力を突っぱねるあまり演奏することを控えてた時期もありましたが、今となってはそんなこともあったな、くらいの出来事と思えるようになりました。

当時と今のスキマスイッチがコラボした「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」

今回映画のタイアップ話を聞いた際に、まず考えたことはなんでしょうか。
リアレンジが前提だったのでしょうか?それともオリジナル楽曲をそのまま使用するという選択肢もあったんでしょうか。

大橋 今回ちょうどリアレンジアルバムを作っている中で、映画に起用して頂けるというお話を頂いたので、最初はリアレンジバージョンを使って頂けないですか?という提案をさせてもらったのですが、監督から「当時のあの初々しい歌が映画にぴったりなんだ」と言って頂いたので、じゃあ歌は当時のものを使って、オケだけもう一度録音し直して一週間フレンズ。バージョンを作ることにしました。
当時のスキマスイッチと今のスキマスイッチがコラボレーションしたこの「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」このお話を頂けたおかげで出来上がった楽曲なのでとても感謝しています。

常田 アニメが声優さんのカバーでしたので、せっかくならセルフカバーのリアレンジバージョンでいけたら、と思いました。

スキマスイッチとしても代表曲となっている楽曲を「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」としてリアレンジする際に、一番気にかけた点はなんでしょうか?

大橋 当時の僕たちと今の僕たちのコラボレーションが今回のテーマだったので、前半は当時のアレンジをいかして、後半は今の僕たちらしいアレンジになるように仕上げました。

常田 最初はリアレンジでと思っていた僕らですが、映画サイドからの要望が“当時の奏(かなで)の初々しさが欲しい”とのことで、そこからいろいろやりとりするなかでボーカルトラックは当時のもので、演奏もある程度までは当時の雰囲気で、ということになったので、それなら当時と今のスキマスイッチのコラボレーションという面白いものが作れるかもと思い、現状の形になりました。なので、2番までの演奏は原曲と何度も聴き比べてプレーだけでなく音質まで酷似させるようにエンジニアさんに頑張っていただきました。

「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」制作時のエピソードがあれば教えてください。

大橋 当時の「奏(かなで)」のドラムとストリングスは実は打ち込み(コンピュータでシュミレートした音)なのですが、今回は生で録り直しました。その際にあえて当時の音に似せて生音を作っています。
音を似せていく作業中は、当時の音を聴きながら寄せて行ったのですが、「おー!似てる!似てる!」とみんなですごく盛り上がりました。

常田 卓弥はこのセッションに関しては関わるパートがないので、そういう意味では完全に大橋プロデューサーの立ち位置だったかもしれません(笑)。
ミュージシャンの皆さんには原曲の打ち込みの雰囲気まで汲み取って演奏していただき、「もう一回聴かせて」と何度も言っていただいてレコーディングしていきました。

最後に「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」のずばり聴きどころを教えてください。

大橋 今回、映画にぴったりという事で「奏(かなで)」を起用して頂きましたが、映画を見ると、自分でも驚く程、本当に映画とぴったりで驚いています。映画が先なのか奏(かなで)が先なのかわからなくなるくらい!是非映画と楽曲の奇跡的な重なり方を聴いてもらいたいです。

常田 やはり13年前と今のスキマスイッチのコラボレーションと、間奏からエモーショナルになっていく演奏です。ボーカルトラックが同じなのに、当時よりもちょっと盛り上がって聞えるラストのサビの雰囲気を感じ取ってくれれば嬉しいです。

スキマスイッチ

大橋卓弥、常田真太郎のソングライター2人からなるユニット。
1999年結成、2003年メジャーデビュー。大橋の温かく包み込むような唯一無二の歌声、それを支える常田の卓越したサウンドクリエイトで「奏(かなで)」「全力少年」などヒット曲を次々に生み出し、幅広い世代のリスナーから支持を得る。2013年7月9日にはデビュー満10周年を迎え、リリースした初のオールタイム・ベストアルバム『POPMAN’S WORLD~All Time Best 2003-2013~』がロングヒットを記録。2016年4月にはベスト盤と対をなす、アナザー・ベストアルバム『POPMAN’S ANOTHER WORLD』をリリース。同作を携えた新コンセプトの全国ツアー『POPMAN’S CARNIVAL』を大成功におさめる。10月には同ツアーの模様をおさめたライブ・アルバム、11月には映像作品がリリースされた。また、映像作品と同日、奥田民生プロデュースによるニュー・シングル「全力少年 produced by 奥田民生」をリリースし話題となる。2017年1月16日、「マイナビ転職」CMソングに起用されている新曲「さよならエスケープ」を着うた配信リリース。
2月には音楽シーンを代表する12組のアーティストをプロデューサーに迎え制作された、リアレンジ・リプロデュースアルバム「re:Action」のリリースが決定。
オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/sukimaswitch/

映画『一週間フレンズ。』

2017年2月18日(土)公開

3一週間フレンズ。レギュラーB1P

何度忘れられても、君が好き—。
「一週間で友達の記憶を失くしてしまう彼女」と、「彼女と毎週友達になると決めた僕」の特別な恋物語(ピュア・ラブストーリー)。
高校2年生の長谷祐樹は、初めて会った日から惹かれていた同級生・藤宮香織に、思い切って「友達になってください」と声をかける。が、香織は必死で祐樹を拒む。実は彼女には“友達のことを一週間で忘れてしまう”という記憶障害があった。
それでも香織のそばにいたいと願い、毎週月曜日、記憶がリセットされるたびに、香織に会いに行く祐樹。二人は交換日記をはじめて、少しずつ距離を縮めていく。そんなある日、香織の過去を知る転入生が現れて……。

監督:村上正典 脚本:泉澤陽子 
原作:葉月抹茶「一週間フレンズ。」(ガンガンコミックスJOKER/スクウェア・エニックス刊)
主演:川口春奈 山﨑賢人
松尾太陽 上杉柊平 高橋春織 ・ 古畑星夏 伊藤沙莉
甲本雅裕 国生さゆり 岡田圭右(ますだおかだ) 岩瀬 亮 ・ 戸次重幸
主題歌:「奏(かなで) for 一週間フレンズ。」/スキマスイッチ
配給:松竹株式会社

オフィシャルサイトhttp://ichifure.jp

©2017 葉月抹茶/スクウェアエニックス・映画「一週間フレンズ。」製作委員会

主題歌 奏(かなで)

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スキマスイッチ
奏(かなで) for 一週間フレンズ。

スキマスイッチ リリース

セルフリアレンジバージョン「奏(かなで)」収録!
スキマスイッチ
re:Action
2017年2月15日発売
■初回生産限定盤(2CD)AUCL-30040~1 ¥3,611+税 全24曲
【初回特典】
*スリーブケース+高品質CD:Blu-spec CD2
*リアレンジ楽曲のオリジナル音源(全11曲)を収録したボーナスCD付属
■通常盤(CD)AUCL-218 ¥3,000+税 全13曲

原作コミック 一週間フレンズ。

★原作漫画「一週間フレンズ。」:コミック1巻書影
一週間フレンズ。1巻

葉月抹茶 (著者) 
スクウェア・エニックス
ガンガンコミックスJOKER
©2017 Matcha Hazuki/SQUARE ENIX

アニメ『一週間フレンズ。』

vol.3
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