原田泰造xコトブキツカサの<試写室噺(ばなし)>  vol. 7

Interview

原田泰造とコトブキツカサが『ラ・ラ・ランド』にキュン。「あのコ、今頃どうしてるかな…」っていう気持ちが刺激される

原田泰造とコトブキツカサが『ラ・ラ・ランド』にキュン。「あのコ、今頃どうしてるかな…」っていう気持ちが刺激される

歌・音楽・ダンス・物語─すべてがオリジナルにして圧巻のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。鮮やかでどこか懐かしい映像世界で、一度聞いたら耳から離れないメロディアスな楽曲に乗せて繰り広げられるのは、リアルで切ない現代のロマンス……。
ゴールデングローブ賞を総ナメにし、アカデミー賞でも14ノミネートを獲得。2月24日の公開を心待ちにしているファンも多い本作品について、原田泰造さんとコトブキツカサさんが語り尽くします。


コトブキ 泰造さんは「ミュージカル」って好きなジャンルですか?

原田 好きとか嫌いとか、そこまで意識したことないかな。でも、この『ラ・ラ・ランド』観てたら、「あ、僕ってミュージカル好きなんだ」って思った。

コトブキ ミュージカルを毛嫌いしてる人って多いじゃないですか。正直に言うと、僕もかつてはミュージカルが嫌いだったんですよ。やっぱり若い頃はトンガってたから(笑)、よく言う「なんで急に歌うの?」「なんで踊るの?」っていう部分で躊躇しちゃって。でも、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』あたりを観たときから、ミュージカルの楽しみ方を学んだというか。もともと音楽も大好きなので、ミュージカルを受け入れた段階で、映画の楽しみ方が増えたような気がしますね。

原田 僕は『レ・ミゼラブル』のときに学んだ(笑)。この『ラ・ラ・ランド』は、ミュージカルとしてもだけど、映画としても最高だったよね。オープニングのタイトルが出た瞬間にもう拍手したくなったよ。観ながら思ったのだけど、これ『セッション』の監督が撮ってるの? って思うくらい、前作の色が出てないよね。J・K・シモンズも、あれ? これしか出ないの? って思った。

コトブキ 本当にカメオ出演でしたよね。

原田 クレジットが三番手ぐらいだったから、もっと活躍してくれると思ったんだけど、ほぼライアン・ゴズリングと、エマ・ストーンの二人で話が進んでいく。

© 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

コトブキ 僕はエマ・ストーンといえば『バードマン』のイメージが強いですね。

原田 『バードマン』のラストシーンはエマ・ストーンの顔で終わるんだよね。それで印象が強くなるのかもしれないね。

コトブキ エマ・ストーンはわかりやすい美人女優という感じではないじゃないですけど、なんか魅力的なんですよね。泰造さんは、ハリウッド女優で好きなタイプっていますか?

原田 明確にはいないかもしれない。うーん……ニコール・キッドマンとか?

コトブキ 意外ですね! ちょっと冷たい感じの美人みたいなのがお好みなんですかね。

原田 いや、顔というより役に引っ張られるのかも。『アメリカン・ハッスル』の時のジェニファー・ローレンスも好きだよ。

コトブキ ジェニファー・ローレンスとニコール・キッドマンって、ちょっとタイプが違いますよね(笑)

原田 そうそう(笑)。だから、広いの。すごく。好きなハリウッド女優いる?

コトブキ 僕はもう一貫して、ジェニファー・アニストン。『フレンズ』とかの頃からですから、もう15年ぐらい好きですね。って、全然関係ない話になっちゃいましたけど、『ラ・ラ・ランド』のエマが良かったっていう話です!

原田 この映画を観てて、色彩が素敵だなって思わなかった? 冒頭もカラフルだし、丘の上の夜景も綺麗だった。青と黄色のトーンで、ゴッホの「夜のカフェテラス」みたいでさ。

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Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

コトブキ 良かったですよね。ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』みたいな雰囲気もあって。

原田 そうそう! あれもゴッホ的な色だもんね。

コトブキ この映画の色彩感覚っていうのは、たぶんカラーになったばかりの頃の、色の目覚めみたいなことを意識してると思うんですよ。映画史的に言うと、1935年あたりにカラー映画が誕生して、1960年代後半から1970年初頭にモノクロ映画からカラー映画に移行すると思うんですが、その頃の映画って、本当に超カラフルなんですよ。せっかくカラーになったから、原色を多めに使おうみたいな感じで。『ラ・ラ・ランド』は、そんなカラー黎明期作品へのオマージュも感じますよね。でも当然メリハリがあって、さきほど泰造さんが指摘した夜景とか、グリフィス天文台のシーンは逆に色を抑えてたりしていて。

原田 グリフィス天文台は、ジェームス・ディーンの『理由なき反抗』にも出て来るっていう場所だよね。最近観た、ジム・キャリーの『イエスマン』にも、あのあたりが使われてた。

コトブキ 有名な場所なんですよね。この映画は、ハリウッドスターの壁画とか、ハモサ・ビーチの桟橋とか、そこかしこにロサンゼルスの名所が出てきて、街自体にもオマージュを捧げてますよね。

原田 こうやって話してるとさ、やっぱり最後のシーンについても話したくなるよね。まだ観てない人のために言えないけど、僕はあのラストの「仕掛け」がすっごく好きなんだよね。『ラ・ラ・ランド』の凄さってあそこじゃない? ホントにキューン!ときちゃったもん。僕がこんなにキュンとくるんだから、若い人はもっと感動するんだろうなと思った。

コトブキ 恋愛における「あのとき、ああだったら」っていう、誰もが考えたことがある気持ちを、すごく上手く表現してますよね。

原田 ただ、あの男女はそれぞれの夢は叶えてるじゃない。お互いの夢を叶えるために出会った二人が、最後にああなっていくというのがカッコいいっていうか、オトナなんだよね。この映画、最初の印象ではもっとベタなラブ・ストーリーかと思ったんだけど、最後でちょっと引っ掻き回されるから、すごく新鮮な印象になるんだよね。

コトブキ ベタな部分も多いんですよ。ちょっとしたケンカとか、約束に間に合わなかったとかで、すれ違っちゃうとか。でも、人生ってベタなんですよね。大事な約束があるときに限って仕事が入るとか。

原田 それがリアルだよね。

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Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

コトブキ 男目線でみると、そのあたりが身につまされるんですよね(笑)。でも、この作品自体は女性目線というか、主役はエマ・ストーンだと思うんですよ。でも女性目線ってことは、より現実的になる。最近、僕の家族で、ある恋愛映画を観に行ったら、嫁が『あまりリアル感がなかった』って言うんですよね。観終わったあと「女っていうのは現実的だから」って言ってて、8歳の娘がそれを聞いて大きく頷いてたんですよ(笑)。

原田 そうなんだ(笑)。

コトブキ だからこの映画のファンタジー性とか、幻想的なところにウットリしてるのって、もしかしたら男性の方が多いかもしれない。もちろん女性も好きな部分ではありますけども。

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Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

原田 これハマる人はすっごいハマるタイプの作品だよね。僕はこんなにドラマティックな恋愛をしたことがないし、あんなラストシーンみたいなシチュエーションになったこともないけど、それでも感情移入が出来たから。恋愛してる人たちは、ものすごくハマると思うな。

コトブキ 恋愛が遠くなった世代でも、「あのときのあのコ、いま何やってるのかなぁ」っていう想いを刺激されますよね。……僕の思い出で言うと、昔、ちょっとしたキッカケで出会った女性の顔がすごくタイプで、それから会うこともなかったのになぜかずっと覚えてたんですよ。それから何年か経って、何かの雑誌を観ていたら、そのコがグラビアに出てたんですよ!

原田 おぉ、すごいじゃない!

コトブキ ただ、それがヌードグラビアだったので、モヤモヤしたっていう話なんですけど(笑)。ちょっと話が違うかもですけど、あのとき声をかけていれば、運命が変わってたかなとは考えますよね。

原田 この映画の2人も、それぞれの夢から逸れそうになったとき、お互いが止めてるんだよね。だから神様的な目線でみると、夢を叶えることが出来たのは、お互いがいたからってことになるよね。だから最後はちょっと寂しく見えるけど、これはこれでハッピーエンドなんだと思う。

コトブキ そんな甘ったるくしないで、地に足の着いた話にしたっていうのがやっぱり現代的ではありますし、評価されてるポイントなんだと思います。それにオリジナルのミュージカル映画がこれだけヒットしたって、近年に無かったんじゃないですか? まず舞台があってからの映画化、というは多いですけど、オリジナルのミュージカルは少ない。

原田 逆にこの作品を舞台化するんじゃないかな。数年後にはブロードウェイでミュージカルになってると思うね。

映画『ラ・ラ・ランド』

2017年2月24日公開

夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ(セバスチャン)、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる……。

【監督】デイミアン・チャゼル

【キャスト】
ライアン・ゴズリング
エマ・ストーン
キャリー・ヘルナンデス
ジェシカ・ローゼンバーグ ソノヤ・ミズノ

【提供】ポニーキャニオン/ギャガ
【配給】ギャガ/ポニーキャニオン

オフィシャルサイトhttp://gaga.ne.jp/lalaland/

オリジナルサウンドトラック

La La Land
(Original Motion Picture Soundtrack)
VARIOUS ARTISTS

Universal Music
全15曲

本年度アカデミー賞大本命!『セッション』のデイミアン・チャゼル監督最新作。
観るもの全てが恋に落ちる、極上のミュージカル・エンターテインメントのオリジナル・サウンドトラック。
今、すべての人を歓喜と至福の頂点へ!


La La Land
(Original Motion Picture Score)
Justin Hurwitz

Universal Music
全30曲


コトブキツカサ 原田泰造

原田泰造

1970年生まれ。“ネプチューン”のメンバーとして、バラエティ番組などで活躍。俳優としてもドラマ、映画、舞台などで高い評価を得ている。ネプチューンによるシチュエーションコメディ、空想大河ドラマ『小田信夫』(前田司郎 脚本)が2月4日(土)23:35〜NHK総合にて4週連続放送。

コトブキツカサ

1973年生まれ。日本工学院専門学校放送・映画科非常勤講師。映画パーソナリティとしても注目を集め、コメンテーターやイベントMCなどで活躍。雑誌連載やテレビレギュラーも多数。

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