LIVE SHUTTLE  vol. 112

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岸谷香 生誕50年記念ライブ。新しい未来を予感させるダイアモンドな一夜

岸谷香  生誕50年記念ライブ。新しい未来を予感させるダイアモンドな一夜

「KAORI KISHITANI HAPPY 50th ANNIVERSARY 前夜祭」
2017.2.16 Zepp Tokyo

岸谷香が、自らの50回目の誕生日をファンとともに祝うスペシャル・ライブを、誕生日の前夜、2月16日にZepp TOKYOで開催。ベスト選曲と盛りだくさんの内容、そして素敵なゲストを迎えて、これまでのキャリアを振り返ると同時にこれからも見通したようなステージを展開した。

取材・文 / 長谷川誠


岸谷香の音楽への愛と情熱、彼女のファンへの感謝の気持ち、さらにはファンや友人からの彼女への祝福の思いがたっぷり詰まったハッピーな空間が出現した。2017年2月16日、Zepp Tokyoで開催された“HAPPY 50th ANNIVERSARY 前夜祭”。岸谷香の幼少期からの貴重な写真の数々がスクリーンに映し出されての始まり。この日のステージは3部構成になっていて、1部はPRINCESS PRINCESS時代の楽曲が彼女の友人、木佐彩子のナレーションを交えて年代順に演奏された。つまり歌でつづる彼女の音楽ヒストリーだ。

オープニングナンバーは彼女が18歳の時に作曲したPRINCESS PRINCESSの1stシングルのカップリング曲「ソーロング、ドリーマー」。前向きさと温かさと力強さとが共存するエネルギッシュなナンバーで、彼女の原点的な作品のひとつとも言えそうだ。演奏する“香バンド”は円山天使(g)、中川量(b)、シュガービーンズ(key)、 朝倉真司(dr)、加藤哉子(cho)という気心の知れた5人。彼女の歌との息の合った演奏で、「世界でいちばん熱い夏」「19 GROWING UP-ode to my buddy-」「M」と代表曲が次から次と演奏されると、会場から熱烈な歓声が起った。観客のハンドクラップも交えての「Diamonds (ダイアモンド)」、「OH YEAH!」、「KISS」などなど、青春が蘇った観客もたくさんいたのではないだろうか。こうした名曲のオンパレードによって、シンガーとしてはもちろん、メロディーメーカーとしての彼女の才能の素晴らしさも際立っていく。1994年のソロ曲「奇跡の時」も披露された。1部の最後の曲はPRINCESS PRINCESSのラストシングル「Fly Baby Fly」だったのだが、この夜は50代の新たなる旅の始まりを告げるナンバーのように響いた。

森高千里、LINDBERGの渡瀬マキ、TRICERATOPSなど、親交のある人々からのお祝いメッセージの映像を挟んで始まった2部は提供曲をセルフカバーするコーナー。森口博子に提供した「スピード」、高橋みなみに提供した「GIRLS TALK」ではそれぞれ本人がゲストとして登場して一緒に歌ったり、トークしたり、プレゼントを交換しあったり。ロマンチック&ダイナミックな歌声が真っ直ぐ届いてきたのは松田聖子への提供曲「Precious Heart」。彼女のシャウトとグラマラスでファンキーな演奏に観客が熱く盛りあがって応えたのは沢田研二への提供曲「ポラロイドGIRL」だ。「こんな楽しいんだったら、これからもいろんな人に曲を書こうかな。こんなに曲があるなら、自分で歌ってみようかな」といった発言も飛び出した。

 いきものがかり、スターダスト☆レビュー、SCANDAL、PRINCESS PRINCESSの渡辺敦子などのお祝いコメントを挟んで始まった3部は驚きとスリルに満ちたものとなった。「今年50歳、またロックバンドをやりたいと思いました」とのことで、ユウコ(g&cho)、HALNA(b&cho)、ユウミ(dr&cho)という20代3人のガールズとの新しいバンド編成でPRINCESS PRINCESS以降のソロ曲が演奏されたのだ。ガレージロック的なソリッドな演奏が新鮮に響く。ワイルドなエネルギーがほとばしる「ハッピーマン」、キュートなハーモニーと骨太なグルーヴが見事に共存する「キッチン」、パワーポップ的なバンドサウンドが気持ちいい「VANITY FAIR」と、これまでも彼女のツアーなどで何度も聞いてきているナンバーが、このメンバーで演奏されることによって新たな表情を見せる。

「今日はお誕生会みたいなものだなと思っていて、ずっと“おめでとう”って言ってくれるお返しを考えていました。やっぱり新曲が一番のお返しになるかなと思って、50歳の最初の曲として書きました」とのMCに続いて初披露されは新曲「Signs」は包容力あふれる歌と懐の深い演奏が魅力的なスケールの大きな曲だった。すでに名曲の風格が漂っている。本編ラストはお祭りのエンディングにふさわしく、「ミラーボール」で会場内が一体となって踊って盛りあがっていく。アンコールは49歳最後の日の「49thバイブル」。サプライズでバースデイケーキが登場して全員で祝う場面もあった。

「今思うのは、これまでにあったすべては今の私を作るのに必要だったんだなってことです。人生に無駄な時間なんてないんだと思いました。夢の50代を伸び伸びと溌剌とやりたいことをすべてやっていきたいと思っています。この先も楽しみにしていてね」という言葉には盛大な拍手が起こった。新曲の予定があること、ガールズバンドでツアーをすることも発表された。誕生日前夜はもうひとつの誕生の日でもあった。ニューバンドが産声を上げたからだ。過去を総括するだけでなく、未来への期待がふくらむ夜でもあった。ダイアモンドの輝きは過ぎ去りし青春の日々の中だけにあるのでなく、未知なる未来の中にも存在しているに違いない。

KAORI KISHITANI HAPPY 50th ANNIVERSARY 前夜祭

2017年02月16日@Zepp Tokyo
セットリスト

1.ソーロング,ドリーマー
2.世界でいちばん熱い夏
3.19GROWING UP
4.M
5.Diamonds
6.OH YEAH!
7.ジュリアン
8.KISS
9.SEVEN YEARS AFTER
10.だからハニー
11.奇跡の時
12.FLY BABY FLY
13.スピード  w/森口博子
14.Precious Heart
15.ポラロイドGIRL
16.GIRLS TALK w/高橋みなみ
17.ハッピーマン
18.キッチン
19.VANITY FAIR
20.Signs
21.ミラーボール
En1.49 thバイブル

岸谷香

1967年2月17日 東京生まれ。 プリンセス プリンセス解散後、1996年結婚。2001年岸谷香に改名。育児中心の生活を続けていた中、2012年東日本大震災復興支援を目的とし、16年振り期間限定でプリンセス プリンセスを再結成活動を行う。現在はソロ活動を本格的にスタート。2014年5月21日ソロベストアルバム「The Best and More」以降、シングル「Romantic Warriors」、「DREAM」を発売。2016年には10年ぶりとなるオリジナルアルバム「PIECE of BRIGHT」を発売した。2017年2月で50才を迎えた岸谷香は、今年もひとりツアー、バンドでのツアー、リリースと活動予定。オフィシャルアメーバーブログ「岸谷香談」も人気。

オフィシャルサイトhttp://kaorikishitani.com

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