Interview

ちゃんみな「LADY」の真意は? 1stアルバム『未成年』リリース

ちゃんみな「LADY」の真意は? 1stアルバム『未成年』リリース

おそらくこれまでの彼女を知っている人には驚きの連続となるであろう、フレッシュまみれの一枚だ。〈BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権〉で一躍脚光を浴び、シーンに躍り出たJKラッパー、ちゃんみなが自身初のフィジカル・リリースとなる1stアルバム『未成年』を完成させた。本作にはJIGG、Ryosuke “Dr.R” Sakai、RYUJA、TeddyLoid、774、MINAMI(CREAM)など、個性的なプロデューサー/ミュージシャンが参加。トロピカルハウスやレゲエ、ピースフルな歌モノにも挑戦した本作では、これまでに見せてきた攻撃的なラップばかりでなく、キュートな歌声も披露。ラブ・ソングでは切ない女心も覗かせる。自身で総合プロデュースした本作に刻まれたのは18歳の揺れる想い。ラッパーという枠を超えた才能を見せつける次世代ガールの登場だ。

取材・文 / 猪又孝 撮影 / 冨田望


アーティストとしては良い感性を持ってると思ってるけど、ひとりの女としてはメッチャ性格悪いと思ってる(笑)

実に多彩な作家陣が参加したアルバムが完成しました。ちゃんみなさんは自分で曲を作れますが、今回はどのように曲を作っていったんですか?

最初はどうしたらいいか全然わからなくて……いままでは自分で骨組みから作ってたし、ひとりでやってたことを2人以上でやるわけじゃないですか。ってことは、会話も必要だし、通じ合うことが大事になってくるわけで。最初は本当に不安だったんですけど、みなさんプロの方たちなんで、私がやりやすいようにしてくださって。トラックを送ってもらって「ここはもっとこういう感じがいい」とリクエストして変えてもらったりもしましたし、セッション的に実際に顔を合わせて作った曲もありました。

自分でコラボをリクエストした方もいるんですか?

レゲエ調の「ナニモコワクナイ」を作ってくれた774くんは自分からリクエストしました。ラップを始めた頃に「774くんと一緒にできたらすごいよ」みたいな話をよく聞いてたし、去年、プロデューサーのYMGさんと曲(「Do You Wanna feat. LIPSTORM, YURIKA&ちゃんみな」)を作らせてもらったときにも「774くんってすごいんだよ」っていろいろ曲を聴かせてもらって。レゲエをやってみたいなっていう気持ちもあったので、「会ったことはないけどやってみたいです」って。

リード曲の「LADY」は自分を大人にしてくれた男性への想いを歌ったラブ・ソングですね。これは実体験ですか?

実体験です。基本的に私の歌詞は全部実体験なんで。“大人にしてくれた”っていうのにはいろんな意味があって。18歳って大人でも子供でもない年だし、ぶっちゃけ、私はずっと子供でいたいと思ってるんです。でも、彼と出会って別れたときに「もう大人なのかな」とか「大人になりたいな」とか思って。大人の女性になっていく自分が怖かったり、嫌だったり、嬉しかったりする。そういう葛藤があるから、彼への想いを歌ってると同時に、大人になっていく自分が子供の頃の自分に向けて話してるように書いたんです。

「未成年」や「FXXKER」を聴いてきたリスナーにとって「LADY」はびっくりする曲でもあると思うんです。なぜなら、全然歌ってるから。

びっくりでしょうね。でも、この曲、結構私のリクエストで作ってもらったんです。歌モノなんだけど歌っぽくなくてクールな感じ。楽しそうなんだけど切なさもあるっていう。こういう感じを一番やりたかったんですよ。

でも、もっとびっくりなのは「BEST BOY FRIEND」だと思ったんです。なぜならフックの声がメチャクチャかわいらしいから。ヴァースとフックで別人が歌ってると思うくらい違いがありますよね。

フィーチャリングっぽいですよね、知らない人が聴いたら。けど、それが私のもともとの声なんですよ。ただ、そこが難点でもあって。今回、アルバムを作るときに一番問題になったのが“ちゃんみな、声がかわいい事件”みたいな(笑)。周りの大人たちに「かわい過ぎる」みたいに言われて「えーっ!? これが素なんですけど」みたいな。

僕はそのギャップがいいと思いましたよ。それに「BEST BOY FRIEND」は歌詞の内容もピュアというか、ラブリーというか、甘酸っぱいからフックの声はマッチしてると思ったんですけどね。

それなら良かったです。歌詞は、親友のことがずっと好きだった時期があって、それを思い出して書いたんです。お互い好きなのはわかってるんだけど、親友の関係を壊しちゃうのも怖いみたいな。でも「いいじゃん、付き合っちゃおうよ」みたいな気持ちもあるっていう。友達に聞かせたら「わかるー」って子が多かったです。

「UR like ME」もこれまでのイメージを覆す曲じゃないかと思うんです。

そう。曲がピース過ぎる(笑)。私も最初に聴いたとき「うわ」と思いましたから。これこそ私が歌ってるっていうのがわからない曲かも。

歌声も明るくてハッピーな感じだし。

これは細かいコーラスも全部自分でやったんですよ。ハモとかも何本も録って。「これ、意味あるのか?」「このハモ、聴こえんのか?」とか思いながらレコーディングしてたんですけど、完成したものを聴くと声の広がりを感じるし、「ちゃんといい味出してるじゃん」みたいな。レコーディングは大変で死ぬかと思いましたけど(笑)、すごく好きな曲になりました。

友情ソングですが、めっしさんに向けて書いたんですか?

よくわかりましたね。そのとおりです。

ちゃんみなさんの人生を変えてくれた友達ですからね。彼女のひと言で日本に残って音楽を続けることを決めて、〈高校生RAP選手権〉に出たわけだから。

本当にそう。今回のアルバムでは元カレとかそのときの自分のことばっかり書いてたのに、めっしのことを書いてないなと思って。だから、「言うのが遅くなったけど」みたいな気持ちで書いたんです。

ご本人には聴かせたんですか?

聴かせました。そしたらリリックにも書いたとおり、「キモイ」って言ってました(笑)。

JIGGがプロデュースした「OVER」は、声色が他曲と違いますよね。ちょっとビターで切なさ成分が多めになってる。

これはメチャメチャ好きな曲です。ずーっとリード曲にしたいって言ってたくらい。これもレコーディングが大変だったんですよ。キーを下げたりとか、いろいろ試して納得がいくまで録り直しましたね。

歌詞は強がる女性の失恋ソングですね。

私の恋愛スタイルが丸々出てると思います(笑)。

自分からサヨナラしてるのに「なんで追いかけてきてくれないの?」っていう女心を歌ってて。

私、そういう人なんですよ(笑)。一生私のことで苦しんで欲しいって思うし、引き留めてくれる彼が好き、みたいなところがあって。アーティストとしては我ながら良い感性を持ってると思ってるんですけど、ひとりの女としてはメッチャ性格悪いと思ってるんで(笑)。セリフのパートとか泣き声だったりも、これもリアルな話なんで感情移入しまくりでした。

「She’s Gone」は、歌詞にも出てくるけど、“人生の日記”ソング。

そのテーマはラップあるあるですけど、1stアルバムだし、どうしてもやりたかったテーマだったので。

リリックはなんなく書けましたか?

スッと書けました。夜、ベッドの上で泣きながら書いてましたね。「うわ、いい曲!」とか自分で言いながら、うわーんって泣きながら(笑)。

昔いじめられたことのつらさを思い出して泣いたんじゃなく?

そういうこともありつつ、そういう経験があったからこそ、今、この「She’s Gone」という曲が書けてるわけで。そういうことに感動しちゃって涙、みたいな。まだデビューしてなかったから、誰にも今までの経験を聞いてもらえないわけじゃないですか。それを聞いてもらえるっていうことが嬉しかったし、いろいろ昔のことを思い出して、なんとも言えない変な気持ちでした。

過去の自分との決別ソングでもありますが、例えば5年前の中2の頃からどんなところが一番変わりましたか?

いろんなものと向き合うようになりました。たぶん向き合ってるようで向き合ってなかったんですよ、その頃は。

逃げたりとか?

逃げてたし、歌ができない理由を探してました。音楽をやろうと思えばやれたはずなのに、どっかでできない理由を探してて。

好きなのに遠ざけちゃってた。

そう。ずっと遠ざけてて。でも練習はずっとしてたんですよ。内心はやりたいから音楽室から楽器を持ち出して練習したりとか。でも、それを怒られたら、「怒られたからもう練習できない」とかって理由にする。悲劇のヒロインを演じてたんですよね、たぶん。「なんで私は報われないんだろう」とか思いながら、悪い方向にどんどん進んでいって。自暴自棄だったんですよ、中2の頃とか。どうにでもなれと思ってた。

でも、音楽が拠りどころだったんでしょ?

そうなんですよね。ずっとそうだった。でも、照れもあったのか、堂々と音楽に向き合えなくて。その頃は、友達がすべてだったし、強ければ良かった。悪い奴が上に立つ、みたいな考え方で、絶対にここから下に落ちるもんか、ナメられてたまるかっていう感じだったんです。だけど、今はすごく自分を大切にするようになりました。前は自分を大切にしてたというより、甘やかしてたんですよね。甘やかして、悪い方向に行ってた。でも今は自分を大切にするようになったし、愛するようになりました。

HATEからLOVEに変わった感じですね。

そう。やっぱり努力しないとできないものですから、音楽って。結果がついてこなきゃいけないものだとも思うし。それがわかって「努力してて良かった」って思えたんで。だから、これからも努力するつもりですし、今思い返せば〈RAP選手権〉に出るという覚悟をした自分もすごいと思うんです。そうやって自分からチャンスを掴みに行くっていうことができたのがすごいなって。

反抗期だし、照れもあって、そういうのはどこかカッコ悪いと思ってたんでしょうね。

カッコ悪いというか怖かった。臆病になってたんですよ。

でも、思いきってやってみたら道が開けてきた。やってみないと何も始まらないんだっていうことを知った。

そうなんです。身をもってそれがわかった。もう悟りですよ(笑)。

自分のことを愛せるようになって、人のことも愛せるようになったんじゃないですか? 好きなものを「好き」と言えるようになった、みたいな。

それはあります。昔は素直じゃなかったから。今は素直じゃないことが、どんなことよりヒドイことだなと気づいたんで、好きなモノは好きだし、嫌いなモノは嫌いだしって言える。本能に任せて生きてますね、最近は。

ちゃんみな 1st Live 未成年〜To be QueeN〜(ワンマン・ライブ)

【日程】2017年3月27日(月)
【時間】開場:19:00/開演:19:30
【場所】代官山UNIT
【前売】3,500円(税込) ※別途ドリンク代500円
※オールスタンディング
※U-18割:当日、年齢が証明できる公的書類持参で500円キャッシュバック
【チケット一般販売中】
チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード:323-426)
ローソンチケット:0570-084-003(Lコード:76733)
イープラス:オフィシャルサイト
【お問い合わせ】代官山UNIT:03-5459-8630

ちゃんみな

日本、韓国、アメリカを行き来しながらピアノやバレエを習い、小学校よりダンスを始め、振り付けなども担当する才能を持つ。中学生で歌を、高校生になってから作曲とラップを始める。2016年4月に〈BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権〉第9回大会に出場、一躍脚光を浴びる。2017年2月にデジタル・シングル「FXXKER」を発表。本作でメジャー・デビュー。同シングルのMVは公開約1ヵ月ですでに130万再生回数を突破。同じく2017年2月に配信開始した「LADY」はiTunes HIP HOPチャート1位やLINE MUSIC総合チャート1位を獲得。3月8日に1stメジャー・アルバム「未成年」を発売。

Twitter(@chanmina1014)

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